ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1794話 物量作戦

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 グリエルたちが調べ始めてから、2時間が経過している。スキルと魔法を合わせて、数万近くが存在している中から、俺が考えているような効果のあるスキルを探すのには、これでも時間が足りないだろう。

 類似するスキルや魔法の情報も上がってきてはいるが、いまいち違う感じだ。偽装や隠蔽といった、そのままのスキルはあったのだが、効果範囲が自分を対象にしているため、今回の件とは無関係だと思う。

 一つ気になっているのは、勇者にのみ与えられるスキルだ。殺して奪っても、【????】となるため、実際の効果が全く分からないスキルがあるのだ。

 これに関しては、情報開示がなされていないので、探しても見つけることはできない。そして問題なのは、俺がどんなに頑張っても、そのスキルの存在を見つけることが出来ないという点だ。あるというのは分かっているのに、存在を証明できないのだ。

 ここで重要になるのが、『そのスキルの存在を見つけることが出来ない』この部分である。

 俺の予想が正しければ、勇者に付属される神授のスキルは見つけられない。同じようなことが、神授のスキルでも出来ないとは言い切れない。神授のスキルは、結構規格外が多い。

 戦闘系のスキルを持っていたと思われる帝国の3人の勇者も、タンクはレベルとステータスに見合わない耐久力を持っていたし、シーフ系のやつは普通のスキルでは考えられないほどの隠密性を誇っていた。魔法使いも、スキルLv以上に魔法を使いこなしていた。

 いくら女神たちにステータスの恩恵を受けたと言っても、ステータスは見ることができるので、比べることは可能である。そして、俺の攻撃……ドッペルでの殴打で、勇者の恩恵で威力が下がっていても、覆せない差があったのに、あのタンクは意識を保っていた。

 俺の前ではいまいちパッとしなかったが、普通に考えればダンジョンマスターの天敵ともいえただろう。

 戦闘力も脅威だったが、俺が注目するのは綾乃のスキルだ。あれは、神授のスキルと言っても規格外だと思う。俺が召喚するにはDPが必要だが、綾乃は魔力だけでいいのだ。素材系アイテム限定とはいえ、これは異常なことだと思う。

 そもそも比べるのが俺だから色々霞むのであって、俺以外と比べれば明らかに異常である。魔力があるだけで、何でも作り放題なんだぞ。DPをヒーコラ稼いでいるダンマスから見ても、かなり羨ましいスキルだろう。

 後は、俺のことを狙撃して殺そうとした、同郷の人間の異常な正確さで首を射抜いた技術。あれはおそらく、神授のスキルの効果が通常のスキルに上乗せされたと思っている。

 能力向上もLv10になればかなり異常ではあるが、全員に覚えられる可能性があるので、不公平とは思わない。だけど、神授のスキルは不公平だと言わざるを得ないだろう。

 そんなスキルを使われていたら、俺には察知することができない……ゴーストタウン内なら監視も監視も出来るのだが、隠せるスキルがあった場合、やはり見つけられないだろう……

 今までの経験上スキルの効果的は、神授のスキル>ダンマスのスキル>通常スキルといった感じの関係性だと思う。

 もし本当に神授のスキルで、ダンマスのスキルを誤魔化せるのであれば、発見するためには直視する必要があるってことだな。いくら神授のスキルが異常でも、誰にも見えなくすることは不可能だろう。

 この世界は、ずれていることも多く理不尽も多いが、必ず殺せるスキルや絶対防御的なものはない。

 神たちは、ゲーム盤としてこの世界を見ているのだ、多少な理不尽なら笑いものになるが、ルールブレイカーは求めていないのだ。遊びにそんなものを入れては、興ざめだからな。

 絶対に勝てないと言われていた、神々の先兵の矛だってなんとかなったのだ。だから限度があると考えている。

 だから、完全に消える方法は無いと思う。仮に姿を消せても、匂いや温度、呼吸音、その他の雑音などは消せないと思う。それが勇者本人なら可能かもしれないが、見えなくなっているのは一般人だ。そう考えると、隠されていると考えるのが妥当だろう。

 となれば、誰がそれを行っているか……通常スキルなら、俺が見つけられないはずはない。なら、神授のスキルによる隠蔽か、奴隷兵の使っていたマントを装備しているか、同じような効果のある何か、今考えられるのはこの3つだろう。

 奴隷兵の使っていたマントが、神授のスキルと同等だとした場合、視認はできるはずなのだ。匂いもあったし動いている音も聞こえた。なら取れる手段は……

「バザール、サイレントアサシンを大量に召喚してくれ。DPはいくらでも出す。最低でも1万は召喚したい」

『突然何でござるか? 大量に召喚するのはいいでござるが、さすがに1万はDPを先にもらわないと、無理でござる』

「オーケー、DPがあればいけるんだな。今から送るから、頼むぞ。足りなかったらまた言ってくれ、余ったら自由に使っていいぞ。召喚する場所は、庁舎の下にあるホームの倉庫に頼む」

 ダンマスのスキルをいじって、10億DP程送った。

『了解でござる。1万匹を召喚しておくでござる』

 グリエルに伝言を残し、シュリたちを連れて地下へ向かう。

 バザールが頑張って召喚してくれているのか、こう数えている間にもサイレントアサシンの数が増えている。こいつらは物理的な体を持たないため、どんなに召喚してもマップ先生の反応は増えるが、倉庫がいっぱいになることは無い。

 今まで試したこと無かったが、一気に召喚できる上限って100らしい。ゴブリンとかコボルトなどの、低ランクの魔物を大量に召喚することはあるが、100匹まとめてというのはなかなか無いと思う。ウィスプの時は……あれ? 一度に召喚してたっけ?

 そして、サイレントアサシンのようなAランクの魔物を、大量に召喚するのは普通ありえない。俺は初めからDPを大量に稼げていたので、ゴブリンを大量に呼ぶことも無かった。だから、一度に召喚できる上限があることを知らなかったのだ。

 バザール、感謝するぞ!

 そしてサイレントアサシンたちよ、魔導列車の通る通路を使いフレデリクへ向かうのだ! そして、マップ先生に無い反応がないか、街の隅々まで調べろ! 中には勇者たちに殺されるモノも出るだろうが、誰かは絶対に情報を持って逃げてくるのだ!
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