ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1832話 良く分からん要求

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 グリエルの言っていることが理解できなかった。

 人質? 何に対して? それより、地下通路で止めなかったのか? 何でグレッグに移動をしてるんだ? 分からないことが多すぎて、俺は混乱していた。

「人質を取った冒険者グループの詳細なのですが、帝国の冒険者ギルドに問い合わせたところ、シュウ様が関係して没落した貴族家の縁者がいるそうです。その冒険者グループは、その街から便宜を受けていたので、その復讐の線が大きいと思われます」

 なるほど、そこに繋がるのか。冒険者が便宜を受けていたって言うけど、それってメギドの話じゃねえよな? 攫った女冒険者を……みたいな?

「まだグレッグに着いていないなら、地下通路のダンジョンの中にいるんだよな? ちょっと待っと調べてみるわ」

 そう言って件の冒険者グループを探すと、グレッグからきている商人を襲っている最中だった。この商隊は……帝国の商人みたいだな。自分の国の商人に手を上げるってバカなのか?

 こいつらのステータスを覗いてみると、出るわ出るわ犯罪の称号のオンパレード。問題起こすのがこういった人種だって言うのは分かっているが、正しく生きている人たちを巻き込むなよ……

「あ~こいつらに便宜を図っていた街って、メギドじゃないか? それと、シングルじゃないって言ってるけど、こいつらトリプルに認定されてないのか?」

「ダンジョンのあった街と報告を受けているので、おそらく帝国ですからメギドかと……それと、トリプル認定はされていないそうです」

「ん~、もう一度問い合わせて、合わせてメギドからも情報を貰ってくれ、後動ける妻たちに、全員集合をかけてほしい。何をしなきゃいけないか分からないが、考えるのも動くのも数が多い方が助かる。レイリーにも兵士を動かせるように伝令をお願い」

 グリエルは近くで待機していた秘書に、冒険者ギルドへ再度問い合わせを命じ、シェリルが他の妻たちへ連絡を入れ、ガリアはレイリーに連絡を入れた。

「でさ、何か要求とかあったの? 人質ってことは、何かしらの要求をしたんじゃない?」

「それがですね……5人の命と引き換えに、ゴーストタウンの自治権を要求しています……」

「はぁ? そいつら頭大丈夫か? 俺の家族でもない冒険者を攫って、たかが5人でゴーストタウンを要求しているのか?」

「それなのですが、要求しても飲まれないことは分かっていると思います。ですが、それを利用して、冒険者を見捨てた街とか、使い捨てる街……みたいなラベルを張り、ゴーストタウンのイメージダウンをするのではないでしょうか?」

 ガリアが考えるのは、冒険者を見捨てた後の流れだった。

 なるほど、イメージ戦略か……

「で、それをすることによって、あいつらに何の得があるんだ?」

「予想に予想を重ねるのですが、あの冒険者グループの後ろに、それなりのスポンサーがいるのではないでしょうか? それをすることによって、そのスポンサーが利益を得ると考えられます」

「……例えば?」

「イメージダウンでこの街から離れる職人とかですかね?」

 なるほど、自分たちも見捨てられるなら……

「でもさ、普通の街ってもっとひどいことしてるよな? それで優遇している職人たちが、ゴーストタウンから逃げるかね?」

「そもそも、職人を優遇している街自体が少ないですね。スポンサーがゴーストタウンでも、他の街と同じような扱いを受けている前提で、話を考えているんじゃないですかね? だから少しでもいい条件を出せば、こっちになびくとか考えているのかと。

 こっちから引っ張った後は……おそらく、奴隷にでも落として、ゴーストタウンで培った技術を搾り取るんじゃないですか? いなくなったとしても、結果を出せていない工房の人間や、不正を行った事のある工房くらいじゃないですかね」

 そうなんだよね、ゴーストタウンでは、きちんと結果を残していれば、優遇措置を受けられるシステムがあるんだよね。そして、優遇措置にもランクがあって、そのランクで教えてもらえる技術が変わってきたりするんだよな。

 結果をって言っているが、悪評が立たなければ、最低ランクでも優遇措置を受けられるので、この段階で他の街よりかなり過ごしやすいんだけどね。優遇措置を受けていない人たちは、ゴーストタウン基準で最低ラインってとこかな。

 それでも素材が安く手に入り、他の街で考えればそれだけでも嬉しい事なんだけどね。

「そこらへんは今考えても仕方ないな……こいつらは、グレッグを通って帝国に逃げるつもりかね?」

「帝国側に逃げたからと言って、帝国のスポンサーかはわかりませんが、グレッグからは出るでしょうね。交渉をするつもりがあるか分かりませんが、少なくとも話ができる距離……1つか2つほど離れた街に行くのではないでしょうか?」

「まずは、向こうの出鼻をくじく必要があるな。確か、帝国側は壁作ってたっけ?」

「帝国側だけではなく、中立地帯は全部壁で囲っていますね。土木組が頑張ってくれています。出入口は、各大国側に1つしかありません。なのでそこを抑えれば、相手の出鼻はくじけるかと」

「そうだな。樹海側に戻るなら追えばいいか。まずは、中立地帯から逃がさないように考えればいいか。グレッグには、そいつらに触れなくていいって言っておいてくれ。グリエルとガリアは、スプリガンたちの所へ行って、あやしい動きをしている集団がないか調べてくれ。

 シェリル、みんなには最高ランクの装備を身に着けるように言っておいてくれ。従魔たちは……一応全員連れていくか。念のためシリウス君も連れてきてもらおうか。ステータスを見る限り、俺たちの敵ではないけど喧嘩を売ってきたんだから、全力で買ってやろう」

 面倒だけど、舐められるのは良くないので、全力で対応することに決めた。どこの誰がバックについているのか知らんが、すべてを引きずり出してやるからな!
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