ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
1,860 / 2,518

第1860話 1階の最後にまっていたモノ

しおりを挟む
 卑怯だ! インチキ! と言われるのを無視して、1階の構造を見る。

「お~お~、神たち怒ってるわね。まさか突破したエリアが、1階の10分の1にも満たないって分かったら、どんな罵声が飛んでくるのかしら?」

 綾乃は楽しそうに、聞こえてくる神たちの罵声をケラケラと笑いながら、俺と同じことを考えていた。

「そうでござるな。本来なら、階層を分ければいいだけなのに、踊り場をつけてあえて別けないで高さ1キロメートルの階層を作ったと知られれば、怒号ものでござるな。しかもそのエリアが中腹で、上に行ったりしたに行ったりしている知られれば、某もキレるでござるな」

 俺が作った1階なのだが、奴らが侵攻しているエリア……1階だと思っていた場所は、高さ1キロメートルある1階の中腹付近なのだ。これから上下に激しく移動する造りになっており、ちゃんとした司令塔がいないと、悲惨なことになるだろう。

 ダンジョンマスターが掌握している魔物には、一応意思伝達をできるが、それを理解できる頭が無ければ、このフロアは抜けられないだろう。ダンジョンは、上か下に攻めていくものなので、上下に移動が激しいとバカな魔物は混乱してしまうのだ。

 これを回避するには指揮のできる魔物か、Bランク以上の頭のいい魔物でないと厳しいと思われる。まぁ、Lvを上げて強制的に頭を良くしてもいいのだが、序盤の使い捨てでそこら辺を出してくることは少ない。

 しばらく、ゴチャゴチャした侵攻が続くだろうな。

 そこから2時間くらい経つと、

「上下に3回くらい移動したあたりで、使い捨ての駒が動かなくなったわね。混乱しすぎて、敵のダンジョンマスターの指示を理解できていないのかもね」

「そうでござるな。某とアンデッドの指示とは違い、ダンジョンマスターから通常の魔物への指示は、魔物が理解できるかが重要でござるからな。それを回避するための、上位種でござるのに……未だに1匹もいないでござるな」

 ゴブリンやコボルトなどの最下級魔物でも、指揮のできるジェネラルがいれば多少変わってくる。でも、ゴブリンクラスではジェネラルでも、Lvを上げないと頭が悪いので、この場合はキングがベターだと思われる。

 キングがいるだけで、烏合の衆だったゴブリンが、使い捨ての駒としてまた動かせることを考えれば、それくらいのDP消費は大したことないだろう。ましてやランカーであれば、微々たるものだ。なのにそれをしないのには、何か理由があるのかな?

「なぁ、今回のダンジョンバトルって、相手は無制限なのかね?」

「……なるほどでござる。無制限でござったら、この状況はおかしいでござるな」

「何がおかしいのよ?」

 綾乃は俺の言いたいことが理解できていないようだ。結構勘の鋭いところもあるけど、興味ないことになるととことんアホの子になるからな……

「ダンジョンバトルが開始されて3時間が経ってる。なのに、指揮官クラスが送り込まれないで、物量で攻めてきているのが変わらないのは、変じゃないかなってな。後、Sランクに相当する魔物が少ない気がするんだよな……無制限ならもっといてもいいかな? って思うんだ」

「そう言うことね。確かにね、言われてみれば不自然だわ。魔物の数で制限されているのでなければ、使えるDPに制限があるのかしら? でも、神たちの賭けでは、3~5日あたりで攻め落とされるって言うのが、多いんでしょ? 序盤だけ制限がかかってるんじゃない?」

「おぉ~、そういう風にも考えられるな。3~5日って言っても、1時間ごとに細かく区切られていて、賭けがそこに集中しているみたいだな」

 俺はダンジョンバトルの中継機能をいじって、神たちの賭けのオッズを表示してみた。

「2日目の後半から増えているでござるな。それで、5日目の終わりに近づくにつれて減っている感じでござる。1日目は、某たちに油断させるために、制限を設けている……的な、あれでござるかね?」

「ん~……神たちならしそうだけど、考えても分からんな。なら出来ることをしようかね」

 大量にいる雑魚は半分程進んだところで混乱しているが、Lv300を超えている数十体の魔物は、ダンジョンマスターの指示が理解できているようで、他の強い魔物と連携しながら1階の最下層に辿り着きそうなのだ。

「やった! 専用機を使って、戦っていいのよね? 一緒に戦う人造ゴーレムとリンクさせたいから、早く行くわよ!」

 綾乃がやってみたいということで、1階のボスとして強化外骨格の専用機3体と、人造ゴーレム15体を配置している。専用機が3体なのは、綾乃だけ楽しむのはズルいと言うことで、綾乃の機体をベースに自分たちなりに改造したのを準備している。

 Sランク相当の戦闘力がある人造ゴーレムだが、その出力に限界があるので、Lvで強さの変動する魔物に後れを取ることは多々ある。

 専用の遠隔操縦席へ入り、各専用機が5体の人造ゴーレムとリンクする。この5体は、リンクした専用機をサポートするような動きをする設定が組み込まれている。もちろん、盾として自分の身を犠牲にして、専用機を守るようにも設定されている。

『シュウ、バザール、前のフロアで数が揃うのを待ってるみたいよ。どうする?』

『某は、少ないうちに突っ込んで数を減らしたいでござるな。今回のルールだとメンテナンスが難しいでござるから、それを考えるならダメージは出来る限り減らしたいでござるね』

「ここで敵を全滅させると、お前たちのフロアのお披露目が遅くなるけど、それはいいのか?」

『まだ始まったばかりだから、いいんじゃない? それに、全部集まると数で押し込まれて、今日中に突破されるかもしれないわよ?』

 今でも数で負けているのに、更に増やす必要はないのでは? というのが、綾乃の言い分か。とはいえ、

「ここは、綾乃の指示に任せる約束だから、お前の自由にしていいぞ」

『了解! ファンタジーの世界に来て、まさかゲームのロボットみたいなのを操るとは思わなかったけど、私たちが楽しむために、全力でやるわよ! 進軍開始!』

 進軍って……合わせて18体、大隊規模の数も揃ってないのに、軍と言ってしまうのか……軍というより群れだと思うぞ! 後お前、先の国攻めで専用機使ってたのに、そのセリフはどうなんだ?
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。 塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。 弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。 けれども違ったのだ。 この世の中、強い奴ほど才能がなかった。 これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。 見抜いて、育てる。 育てて、恩を売って、いい暮らしをする。 誰もが知らない才能を見抜け。 そしてこの世界を生き残れ。 なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。 更新不定期

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

スキル【レベル転生】でダンジョン無双

世界るい
ファンタジー
 六年前、突如、異世界から魔王が来訪した。「暇だから我を愉しませろ」そう言って、地球上のありとあらゆる場所にダンジョンを作り、モンスターを放った。  そんな世界で十八歳となった獅堂辰巳は、ダンジョンに潜る者、ダンジョンモーラーとしての第一歩を踏み出し、ステータスを獲得する。だが、ステータスは最低値だし、パーティーを組むと経験値を獲得できない。スキルは【レベル転生】という特殊スキルが一つあるだけで、それもレベル100にならないと使えないときた。  そんな絶望的な状況下で、最弱のソロモーラーとしてダンジョンに挑み、天才的な戦闘センスを磨き続けるも、攻略は遅々として進まない。それでも諦めずチュートリアルダンジョンを攻略していたある日、一人の女性と出逢う。その運命的な出逢いによって辰巳のモーラー人生は一変していくのだが……それは本編で。 小説家になろう、カクヨムにて同時掲載 カクヨム ジャンル別ランキング【日間2位】【週間2位】 なろう ジャンル別ランキング【日間6位】【週間7位】

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...