ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1869話 突然現れた

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 実況者経由で人間サイズで無いと通れない、とバラされてしまったため、4日目が始まってからは人間と同じくらいのサイズで、強化された魔物が大量にダンジョンへ突入してきた。

 ランカーでも上位陣が惜しみなくDPを消費しているのか、数がすごいね。召喚や強化にかかるDPが100分の1とかズルいんだけど! しかもさ、ダンジョン内に残ってたら、自分の戦力として通常ダンジョンで使えるようになったら、卑怯じゃないかな?

 ダンジョンバトルに使った魔物は、試合が終われば召喚待機エリアみたいなところに戻され、自分のダンジョンに連れてこれるんだよね……このダンジョンバトルに参加している上位ランカーは、おそらく最後はそれを狙ってくると思うんだけど、そこらへんどうなの、チビ神様。

『チビ神っていうな! ダンジョンバトルが終わっても、ダンジョンバトル中に使用したDPが一定以上を超えないと、召喚した魔物はDPに返るようになってるわよ。もちろん攻め手が勝つこと前提でね。で、おそらくあんたの思っている通り、上位ランカーはこの機を利用して戦力をアップさせることを考えてるわ』

 やっぱり……でもさ、こっちの召喚は通常消費なのに、何で数の多い向こうは100分の1なのさ。さすがにインチキじゃね? 俺だって100分の1にしてほしいんですけど!

『あんた、100分の1にしなくたってDP余ってんだから、無駄に余ってるDP使えばいいでしょ!』

 余ってても、貧乏性だから無駄に使いたくないわけさ。ってかさ、こっちがこんなに不利な条件で戦ってるのに、更に不利になるような条件って酷くないか? 100分の1って……これで一定時間耐えても、勝ったとしても、収納アイテムの中を調べられるだけになるって、さすがに報酬がしょぼくないか?

『……確かにそうだけど、報酬の追加なんて約束できないわよ。それに、DPの軽減は創造神様が許可したことだから、どうにもならないわ』

 そこであのじっちゃんか……本当に自分たちの娯楽を楽しくするためなら、無茶な条件を突き付けてくるな。もう少し、こちらになにかしらのサービスをしてくれるように言ってくれよ。

『ふぉっふぉっふぉ。何やら面白い事を話しているのう』

『そ、創造神様!?』

 おぉ~、じっちゃん久しぶり。何で向こうばっかあんなに有利な状況なのに、こっちは普通の条件で戦ってるんだ? いくらチビ神が引いたクジとはいえ、ちょっと条件がひどすぎない?

『そうじゃな。確かにこの条件で申請されたときは、笑ったぞい。でも、この条件でもお主は勝つつもりなのじゃろ? チビ神が時間前に持ち物すべてを、お主に賭けておったからな。これで本当に勝つなら、神界で一番の力を得るじゃろうな』

 負けるつもりはねえけど……って、じっちゃんは俺のダンジョンをのぞけるんだろ? なら俺に負ける要素が無いことくらい分かってるんだろ? でも条件が酷くねえかってはなしだよ。

『まぁ聞けい。これでお主が勝てば、チビ神が力を得るわけじゃ。今まで底辺にいたこやつがトップになるんじゃぞ、それだけで面白いじゃないか! 今まででかい面をしていた神共が悔しがる顔が楽しみじゃわい!』

 ……俺に何の得があんのさ。ただじっちゃんが面白いだけって話だろ? 俺に何も関係ないじゃん。DP消費はともかく、勝てた時の報酬を上げてくれよ。収納アイテムの中まで検索できるようになる機能って、そこまでじゃないってチビ神が言ってたんだけど、じっちゃんの方で追加報酬とか出せないの?

『確かにあの機能は、報酬としては大したことないが、お主にとっては死活問題じゃろ? ならそれだけでいいじゃろ。というのは、無しじゃな。勝った場合、さすがに今回の報酬としては安すぎるのう。小僧としては、追加報酬は何がいいんじゃ? お主は大抵のものを召喚できるじゃろ?』

 ……言われてみたら、そうだった。欲しいもんって何かあるか? アニメや漫画の中の物を召喚できるなら、いくらでも欲しいモノはあるけど……現状でほしい物と言われると、困るな。モフモフもいっぱいいるし、可愛いスライムもいっぱいいるしな。もし今回勝てれば、最大でどんな報酬が出せるんだ?

『どのくらいと言われると、わしの匙加減じゃからな。新しいSランクの魔物召喚とか、神器の召喚くらいは付けてもいいと考えてるぞ。そのくらいしか、こちらとしては報酬が思い浮かばんからのう』

 Sランクの魔物か神器ねえ……それなら、夢幻爆弾はむりか? 正直、矛が攻めてきた時の保険としてあると助かるんだけど。

『残念じゃが、あれはダンジョンマスターには召喚できないのう。というか、何でお主が矛の存在を知っておるのじゃ?』

 前に、俺のいた大陸に来たぞ。その時話さなかったか?

『……話したかも知らんが、覚えておらんの。それより、あれが使われたのに、何でお主は生きておるんじゃ? あいつは倒せんじゃろ?』

 いや、倒してないぞ。マイワールドに突っ込んで、部位毎に封印しているだけだしな。

『おぉ、本当じゃ。あれを退けたのか……お主、それだけの能力があれば、欲しいもんなんてないじゃろ?』

 そうは言うけどさ。子どもたちの安全を考えれば、守る力はどれだけあっても無駄じゃないだろ。神が散発的に攻めてくるし、自衛できる力はいくらあっても問題ないだろ。

『ふむ。確かに狙われる側のお主は、どれだけ力があっても足りないということはないのう。夢幻爆弾も禁薬も致命的なアイテムじゃからな。今回勝てば、両方への対策はできるのじゃろ?』

 対策はできるけど、俺には神がどんなことできるか分からねえし、これからも神の嫌がらせは続くんだろ? それなら、力があるにこしたことはないさ。

『それなら、矛の攻撃に対抗できる防具はどうじゃ? この先使われることはないと思うが、絶対ではないからのう。あれはリスクが高いが、使おうと思えば使える兵器じゃからな。あれの攻撃は厄介じゃっただろ? 勝てたら、それに耐えうる盾の神器を召喚できるようにしても良いぞ』

『ちょっと、創造神様!? もしかして、アイギスの盾を召喚できるようにするんですか!?』

 おい、チビ神、ちょっと黙ってなさい。そのアイギスの盾とやらは、どんなリスクがあるんだ?

『何でも切れる剣と同じような物じゃな。使っている時間だけ、寿命が倍の速度になるだけじゃ。お主ならノーリスクだし、お主の妻たちも寿命をのばす丸薬を飲んでおるのだろ? 1粒飲めば、半年使い続けてもリスクはゼロじゃよ』

 おい、バカ! エクスカリバーとカリバーンは、精神汚染だっただろうが! どこが同しだよ!

『お主が運用するには、大して変わらんじゃろ。無駄に強いゴーレムや精神汚染の無いアンデッドを使う訳じゃしな。うむ、大した違いはないの。で、どうするのじゃ?』

 ちなみに、アイギスの盾ってどんな効果なんだ? いろんな話があるけど、攻撃を受けても傷つくことはないとか、またあらゆる邪悪・災厄を払う魔除けとか言われてなかったか? 他にも見た者を石化する、メデューサの首がついてたとか……

『よう知っておるのう。地球の神話をモチーフにしておるから、知っていてもおかしくは無いのか? まぁ、神器とはいえ傷つかなくなるわけではない。盾の範囲であればすべてを受け止めることができる盾じゃ。大楯ほど大きくは出来ないが、お主の使っている盾みたいにはできるぞい』

 ……? 召喚するときに形が変えれるのか?

『その通りじゃ! DPを注ぎ込めば、多少大きく改造できるがのう』

 じゃぁ最後に1つだけ。エクスカリバーとアイギスの盾は、どっちが上ですか?

『アイギスの盾に決まっておるじゃろ。あの剣は、刃で触れることで何でも切れるという条件で、ぶっ壊れた性能を発揮するのじゃ。それに対してアイギスの盾は、同量の力の反射が本来の効果なのじゃ。何でも切れるという条件まで反射して、無効化するのじゃよ』

 なるほど、無効化って言うのはそういう意味なのね。じゃぁ、アイギスの盾で殴っても、効果がない訳か……守りに特化した神器として恥じのない性能だな。うし、勝ったらその神器召喚できるようにしてくれ。

『よかろう。ちなみに、両手で1つずつ持っても、寿命の消費量は変わらないぞい。お主なら、この意味分かるじゃろ? お主の盾の使い方、楽しみにしておるぞ!』

『あんた……創造神様に何て口きいてんのよ!』

 知るかボケ! それよりお前、じっちゃんからもチビ神って言われてるんだな。良いこと知ったわ。そだ、しばらく話しかけんなよ。ちょっとこっちで考えることあっからな!
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