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第1889話 新型
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話し合いを終えた俺は昼食を食べて、久々にダンジョン農園にある工房へ向かった。綾乃とバザールが何かしていると、ウルに教えてもらったからだ。
あの2人が揃ってるってことは、何か作ってるのかね? 予想通り作ってたけど、予想外の物を作っていた。人造ゴーレムで、昆虫タイプを作っていたのだ。今までは亜人と呼んでいい物だったが、今回は完璧な昆虫でした。
「いきなり入ってこれはビビるんだが……」
「あら、シュウじゃん。おひさ~でもないわね。食堂であってたわ。どうよ、この傑作の昆虫タイプ人造ゴーレムは!」
ジャジャーン、という効果音が付きそうな感じで、昆虫人造ゴーレムを紹介してきた。
一番目立つのは、
「やっぱり、カマキリが目立つよな……ちなみにその手の鎌、どうなってるん?」
カマキリと言えば、獰猛な昆虫のトップに名を連ねるだろう。そしてその最大の武器は、手の鎌だと俺は思っている。その鎌をこの2人がカスタマイズしているわけで、ただの鎌ではないと思う。
「ふっふっふ、よくぞ聞いてくれました! 折りたたんで伸びるこの手には、2つの鎌を仕込んでいます。1つ目は、本来の用途に使う獲物を捕らえるために、ギザギザが付いていて捕獲したものを離さない造りになっています!
2つ目は、バックアームで蓄積した経験を元に、超振動ブレードを搭載しています。刃にはアダマンタイトを使用しているので、アダマンタイトの装甲板にも傷をつけられるレベルになっているのです! あ、隠し武器として、噛みつきもあります」
超振動ブレード、やばい。普通の武器じゃ切り結んだら最後、ぽっきりと切られるね。むしろ切れ味がよすぎて、危ないレベルだ。生身では危なくて使えないけど、人造ゴーレムやリビングアーマーとかならいけるか? 切った武器が飛んできても、大したダメージにならんからな。
「次は、カブトクワガタ君です!」
「うん、意味が分からん」
「はいそこ! 話は最後まで聞いてから! このカブトクワガタ君は、一点突破をベースに考えて作りました。カブトって言うには、真ん中の角が短いでしょ? これの使い方って、クワガタのハサミで捉えた後に、ズドン! と角が伸びるんだぜい。言ってみれば、パイルバンカーみたいなものね」
なるほど、捕らえた敵に無慈悲な杭を打ち込むってことだな。
他にも、コガネムシやアリなど、色々な昆虫タイプもいたが……正直作ってみたはいいけど、使えない人造ゴーレムたちだった。基本的に噛みつきしか攻撃方法がないから、使い物にならなかったのだ。これならまだ、クマとかオオカミとか、獣系の人造ゴーレムの方が使い道があったな。
「最後は変わり種だけど、途中で断念したモスキート君です。軽量化を目指して色々頑張ったんだけど、やっぱり人造ゴーレムはこの方法じゃ飛ばせなかったわ。付与魔法があれば、鳥系の人造ゴーレムなら飛びかたによっては、飛ばせるようになったけどね」
最後の最後で、ぶっこんできたな。人造ゴーレムを飛ばせるようになったのか……でも、詳細を聞いてみれば、なんてことはなかった。要は飛行機と同じだったのだ。俺のイメージでは戦闘機が近いかな。
羽は安定に飛行するための道具で、体の中にジェットエンジンに変わる魔道具を詰め込んで、その反動で空を飛んでいるだけだったのだ。それなら鳥の姿である必要もないな。
「成功したのは、カマキリとギリギリで、カブトクワガタ君の2匹ね。それも、人造ゴーレムにバックアームを付ければ、済んでしまうから……作成欲を満たしただけで終わったわ」
「まぁ、研究に失敗はつきものだし、良いんじゃね? それよりさ、蚊の人造ゴーレムが気になるんだけど、飛べなかったからって、途中で作るのを止めたわけじゃないよな? ならさ、そいつの攻撃法はなんなんだ? 血を吸うのか?」
「そうね。血を吸うと言うか……吸い捨てる? 感じかな。針はアダマンタイト製の特注品で、カブトクワガタ君にも使ったシステムで、パイルバンカーのように針を撃ちだして敵に刺し込む形ね。刺した後はこんな感じ」
と言って、近くの水槽に蚊の針を入れると、すごい勢いでお尻から水が噴き出していた。
なるほど、本来蚊は吸うと同時に、何か液体を注入するらしいけど、そんなことはせずに一方的に血を吸い出す感じだな。血だけじゃなく、体液も吸い出されそうだ。
「でもさ、血を吸い出す機能は、使えるんじゃないか?」
「武器として使うの?」
「そういうこと。生物タイプの魔物なら、刺されば勝ちじゃないかな? カブトクワガタ君みたいに、捕まえたら離さないような機能も付ければ、完璧じゃね?」
「おぉ、良いでござるな。ロマン武器のパイルバンカーの進化系! 体液を搾り取る恐怖の武器! でござるな。痛いでござる、綾乃殿それで殴るのは無しでござるよ」
綾乃に聖銀の釘バットで殴られてる。突然入り込んできたから、怒っているみたいだな。
「そういえばさ、最近ケンジは何してんだ?」
「あれでござるか? 最近は、レイリーさんにしごかれているでござる。理由は良く分からないでござるが、兵士たちの訓練に交じって鍛えているでござる。速記は便利なので、色々なところで重宝されているようでござるよ」
鍛えてんのか……元々マッチョなあいつが? それに便利に使われているみたいだな。
「よーし、シュウの言ったみたいに、蚊の吸いだす機能を武器にできるか検討するわね! ちょっと楽しくなってきたわ!」
突き刺しても吸い出す機能を調整しないと、使い物にならない気はするけどな。一気に吸い過ぎて、管が肉片とかで詰まりそうだしな。でも、面白い武器が出来そうだ。後は、家畜の血抜き用として、上手く活用できるようにならんかな?
綾乃が作成モードに入ってしまったので、バザールに任せて工房を後にした。
あの2人が揃ってるってことは、何か作ってるのかね? 予想通り作ってたけど、予想外の物を作っていた。人造ゴーレムで、昆虫タイプを作っていたのだ。今までは亜人と呼んでいい物だったが、今回は完璧な昆虫でした。
「いきなり入ってこれはビビるんだが……」
「あら、シュウじゃん。おひさ~でもないわね。食堂であってたわ。どうよ、この傑作の昆虫タイプ人造ゴーレムは!」
ジャジャーン、という効果音が付きそうな感じで、昆虫人造ゴーレムを紹介してきた。
一番目立つのは、
「やっぱり、カマキリが目立つよな……ちなみにその手の鎌、どうなってるん?」
カマキリと言えば、獰猛な昆虫のトップに名を連ねるだろう。そしてその最大の武器は、手の鎌だと俺は思っている。その鎌をこの2人がカスタマイズしているわけで、ただの鎌ではないと思う。
「ふっふっふ、よくぞ聞いてくれました! 折りたたんで伸びるこの手には、2つの鎌を仕込んでいます。1つ目は、本来の用途に使う獲物を捕らえるために、ギザギザが付いていて捕獲したものを離さない造りになっています!
2つ目は、バックアームで蓄積した経験を元に、超振動ブレードを搭載しています。刃にはアダマンタイトを使用しているので、アダマンタイトの装甲板にも傷をつけられるレベルになっているのです! あ、隠し武器として、噛みつきもあります」
超振動ブレード、やばい。普通の武器じゃ切り結んだら最後、ぽっきりと切られるね。むしろ切れ味がよすぎて、危ないレベルだ。生身では危なくて使えないけど、人造ゴーレムやリビングアーマーとかならいけるか? 切った武器が飛んできても、大したダメージにならんからな。
「次は、カブトクワガタ君です!」
「うん、意味が分からん」
「はいそこ! 話は最後まで聞いてから! このカブトクワガタ君は、一点突破をベースに考えて作りました。カブトって言うには、真ん中の角が短いでしょ? これの使い方って、クワガタのハサミで捉えた後に、ズドン! と角が伸びるんだぜい。言ってみれば、パイルバンカーみたいなものね」
なるほど、捕らえた敵に無慈悲な杭を打ち込むってことだな。
他にも、コガネムシやアリなど、色々な昆虫タイプもいたが……正直作ってみたはいいけど、使えない人造ゴーレムたちだった。基本的に噛みつきしか攻撃方法がないから、使い物にならなかったのだ。これならまだ、クマとかオオカミとか、獣系の人造ゴーレムの方が使い道があったな。
「最後は変わり種だけど、途中で断念したモスキート君です。軽量化を目指して色々頑張ったんだけど、やっぱり人造ゴーレムはこの方法じゃ飛ばせなかったわ。付与魔法があれば、鳥系の人造ゴーレムなら飛びかたによっては、飛ばせるようになったけどね」
最後の最後で、ぶっこんできたな。人造ゴーレムを飛ばせるようになったのか……でも、詳細を聞いてみれば、なんてことはなかった。要は飛行機と同じだったのだ。俺のイメージでは戦闘機が近いかな。
羽は安定に飛行するための道具で、体の中にジェットエンジンに変わる魔道具を詰め込んで、その反動で空を飛んでいるだけだったのだ。それなら鳥の姿である必要もないな。
「成功したのは、カマキリとギリギリで、カブトクワガタ君の2匹ね。それも、人造ゴーレムにバックアームを付ければ、済んでしまうから……作成欲を満たしただけで終わったわ」
「まぁ、研究に失敗はつきものだし、良いんじゃね? それよりさ、蚊の人造ゴーレムが気になるんだけど、飛べなかったからって、途中で作るのを止めたわけじゃないよな? ならさ、そいつの攻撃法はなんなんだ? 血を吸うのか?」
「そうね。血を吸うと言うか……吸い捨てる? 感じかな。針はアダマンタイト製の特注品で、カブトクワガタ君にも使ったシステムで、パイルバンカーのように針を撃ちだして敵に刺し込む形ね。刺した後はこんな感じ」
と言って、近くの水槽に蚊の針を入れると、すごい勢いでお尻から水が噴き出していた。
なるほど、本来蚊は吸うと同時に、何か液体を注入するらしいけど、そんなことはせずに一方的に血を吸い出す感じだな。血だけじゃなく、体液も吸い出されそうだ。
「でもさ、血を吸い出す機能は、使えるんじゃないか?」
「武器として使うの?」
「そういうこと。生物タイプの魔物なら、刺されば勝ちじゃないかな? カブトクワガタ君みたいに、捕まえたら離さないような機能も付ければ、完璧じゃね?」
「おぉ、良いでござるな。ロマン武器のパイルバンカーの進化系! 体液を搾り取る恐怖の武器! でござるな。痛いでござる、綾乃殿それで殴るのは無しでござるよ」
綾乃に聖銀の釘バットで殴られてる。突然入り込んできたから、怒っているみたいだな。
「そういえばさ、最近ケンジは何してんだ?」
「あれでござるか? 最近は、レイリーさんにしごかれているでござる。理由は良く分からないでござるが、兵士たちの訓練に交じって鍛えているでござる。速記は便利なので、色々なところで重宝されているようでござるよ」
鍛えてんのか……元々マッチョなあいつが? それに便利に使われているみたいだな。
「よーし、シュウの言ったみたいに、蚊の吸いだす機能を武器にできるか検討するわね! ちょっと楽しくなってきたわ!」
突き刺しても吸い出す機能を調整しないと、使い物にならない気はするけどな。一気に吸い過ぎて、管が肉片とかで詰まりそうだしな。でも、面白い武器が出来そうだ。後は、家畜の血抜き用として、上手く活用できるようにならんかな?
綾乃が作成モードに入ってしまったので、バザールに任せて工房を後にした。
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