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第1908話 シュウは脱線する
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今日は15階を進んでいる。ちょうど折り返し地点くらいかな? いや、20階に着けばまた通路が広がるから、距離的な折り返し地点は過ぎているかもな。階層的に言えば、この階を突破すれば半分だけど、30階は1部屋しかないから、実質ここが折り返しかもしれない。
そんなどうでもいいことを考えているのは、ウルたちの戦いが安定しており、俺がダメだしするほどの大きなミスがないからだ。10階の中ボスはバザールが倒したが、雑魚は相変わらず娘たちが頑張って倒しているのだ。
妻たちからは、戦い方のアドバイスを受けているが、俺のところまでその役目が回ってこないので、少し現実逃避気味にどうでもいいことを考えていた。
綾乃とバザールは人造ゴーレムの技術を応用して、不思議な乗り物を作っていたみたいで、それの試乗をして遊んでいる。昨日やらなかったのは、存在を忘れていたかららしい。
こういったダンジョンでは無い場所で試乗を済ませているが、持ってきたんだから乗ってみよう! といって、取り出したのがつい先ほどの事だ。どんなものかと言えば、蜘蛛の胸部に当たる部分だけを作り、4対8本の足をつけ、胸部に透明な球体に包まれた、小型のパワーショベルの座席みたいなのが付いている乗り物だ。
そもそも、アラクネタイプがいるんだから、人間の部分を取っ払えばいいんじゃないか? とツッコんだところ、綾乃に小さい奴が欲しかったんだよ! みたいに怒られたわ。
なら、蜘蛛みたいに脚じゃなくて、パワーショベルみたいにキャタピラーでいいんじゃね? って言ったら、今度はバザールにロマンが無いでござる! って怒られたよ。
1分ほど前までは、普通に通路を歩いていたんだけどさ、今は壁を歩いているんだよね……どういう原理で壁に引っ付いてんだ? それに、モーターの様な駆動音もなく、地面に接する部分からも音は無い。
綾乃が座っている透明な球体の中なのだが、座っている体勢を維持するようにできているみたいだ。壁に張り付いても、天井に張り付いても、重力に従って座った体勢のままいられるみたいだな。座席だけ、ジュラシッ〇ワールドに出てきた、球体の乗り物みたいだ。
さすがに、壁や天井を歩いている理由が分からなかったので、聞いてみることにした。
脚の先に温度で粘着したり、剥がれたりする良く分からない不思議素材を見つけて、魔核で温度調整と形状変化をできるようにクリエイトゴーレムをしたんだとさ。
バザールはロマンとか言ってたけど、体や足を大きくし過ぎると、粘着部分まで大きくしなくてはいけなくなり、使いにくくなってしまうという理由があったようだ。戦闘用ではないようなので、戦力はゼロよ! とか、ドヤ顔で言ってた。
アラクネタイプの移動をコピーしているので、設計は楽だったみたいだ。人造ゴーレムなので、指示をしておけばみんなの後をついていくことは、問題なくできるみたいだな。もちろんコントローラーで操作もできるよ! って言われたけど、何が勿論なのか意味不明であった。
でも気になるので、後で乗せてもらおう。思ったより早く動けるし、ジャンプもできるみたいだから、さっきから楽しそうに遊んでいる綾乃がちょっとうらやましい。
ウルたちの快進撃は止まらないな。中ボスみたいなイレギュラーでもなければ、娘たちには問題なさそうだな。
休憩時間や夕食の後に、綾乃とバザールと多脚型移動装置について議論をすることになった。ここまでくると、攻殻〇動隊のタチ〇マやスパイ〇ーマンみたいに、伸び縮みする糸で移動できないものか? と思い、白熱した議論をしたのだ。
ワイヤーアンカーで似たようなことは出来ても、漫画やアニメみたいに高速で巻き取る機能を付けると、どうしても大きくなってしまうのが難点だ。巻き取り速度の問題もあるけどね。
ワイヤーにクリエイトゴーレムをかければ、劣化や強度の問題はどうとでもなるのだが、漫画やアニメのような移動方法は難しそうだ。議論をしている最中に脱線して、ワイヤーアンカーだと、進撃〇巨人の立体起動装置じゃね? とかいう話にもなったな。
ワイヤーを強化するとはいえ軽量にするから、普段使いはともかく攻撃されると、意外にあっさり切れそうだな。実際に作ってみないと分からないことが多いけどね。
その議論も、スカーレットの一言で中断することになりました。
「さっさと寝てください。食事を堅パンと干し肉にしますよ!」
遅くまで、あーでもないこーでもないと話していたのを見かねて、怒られてしまった。
次の日に、本当に堅パンと干し肉にされなくて、安堵した……バザールは、食わなくても平気なんだけどな。嗜好で食っているだけだし。
今日は、20階からスタートだ。昨日は20階への階段まで来れたので、第2の中ボスがいる20階からのスタートだ。
「天井も高くなったし、通路も広くなってるね」
「10階みたいに、魔物が変わるのかな?」
「分からないけど、変わるかもしれないね」
ミーシャ、ブルム、スミレの順だ。実際に敵は変わると言うか、追加で敵が出るようになっている。2種類の魔物が追加になるのだが、片方はオークより大きいオーガだ。もう片方が、初めてみることになるトロールだ。ファンタジー系には結構出てくるのに、今まで遭遇してなかった魔物だ。
情報によると、オーガと同じか少し背が高いが、体積は倍くらいはあるんじゃないかと言われているようだ。聞いた感じで言えば、ハワイに住んでいる相撲取りみたいな体系かな? あれだ、国民的RPGに出てくる、トロールのイメージが近いかも。
ゲームや小説でよくあるように、どうも回復力が異常に高いらしい。見ている前で傷口がふさがるんだとさ。でも、戦闘能力で言えばオーガの方が断然高いらしい。
太りすぎていて、ゴーレムより動きが遅く、力が強くても攻撃方法が限られているので、オークを問題なく倒せる技量があれば、時間をかけて倒せるようだ。タフさで言えば、アイアンゴーレムを余裕で上回るみたいだね。なんでそんな体系にしたのか……
召喚するときにDPでいじって、痩せてるトロールを召喚できれば……めっちゃ強かったりしないかな? 召喚欄にトロールの名前がないことが悔やまれる……
このダンジョンを踏破した後に、トロールを召喚できるようになったのだが、痩せたトロールは正直使い物にならないと言うお粗末な結果になった。
そんなどうでもいいことを考えているのは、ウルたちの戦いが安定しており、俺がダメだしするほどの大きなミスがないからだ。10階の中ボスはバザールが倒したが、雑魚は相変わらず娘たちが頑張って倒しているのだ。
妻たちからは、戦い方のアドバイスを受けているが、俺のところまでその役目が回ってこないので、少し現実逃避気味にどうでもいいことを考えていた。
綾乃とバザールは人造ゴーレムの技術を応用して、不思議な乗り物を作っていたみたいで、それの試乗をして遊んでいる。昨日やらなかったのは、存在を忘れていたかららしい。
こういったダンジョンでは無い場所で試乗を済ませているが、持ってきたんだから乗ってみよう! といって、取り出したのがつい先ほどの事だ。どんなものかと言えば、蜘蛛の胸部に当たる部分だけを作り、4対8本の足をつけ、胸部に透明な球体に包まれた、小型のパワーショベルの座席みたいなのが付いている乗り物だ。
そもそも、アラクネタイプがいるんだから、人間の部分を取っ払えばいいんじゃないか? とツッコんだところ、綾乃に小さい奴が欲しかったんだよ! みたいに怒られたわ。
なら、蜘蛛みたいに脚じゃなくて、パワーショベルみたいにキャタピラーでいいんじゃね? って言ったら、今度はバザールにロマンが無いでござる! って怒られたよ。
1分ほど前までは、普通に通路を歩いていたんだけどさ、今は壁を歩いているんだよね……どういう原理で壁に引っ付いてんだ? それに、モーターの様な駆動音もなく、地面に接する部分からも音は無い。
綾乃が座っている透明な球体の中なのだが、座っている体勢を維持するようにできているみたいだ。壁に張り付いても、天井に張り付いても、重力に従って座った体勢のままいられるみたいだな。座席だけ、ジュラシッ〇ワールドに出てきた、球体の乗り物みたいだ。
さすがに、壁や天井を歩いている理由が分からなかったので、聞いてみることにした。
脚の先に温度で粘着したり、剥がれたりする良く分からない不思議素材を見つけて、魔核で温度調整と形状変化をできるようにクリエイトゴーレムをしたんだとさ。
バザールはロマンとか言ってたけど、体や足を大きくし過ぎると、粘着部分まで大きくしなくてはいけなくなり、使いにくくなってしまうという理由があったようだ。戦闘用ではないようなので、戦力はゼロよ! とか、ドヤ顔で言ってた。
アラクネタイプの移動をコピーしているので、設計は楽だったみたいだ。人造ゴーレムなので、指示をしておけばみんなの後をついていくことは、問題なくできるみたいだな。もちろんコントローラーで操作もできるよ! って言われたけど、何が勿論なのか意味不明であった。
でも気になるので、後で乗せてもらおう。思ったより早く動けるし、ジャンプもできるみたいだから、さっきから楽しそうに遊んでいる綾乃がちょっとうらやましい。
ウルたちの快進撃は止まらないな。中ボスみたいなイレギュラーでもなければ、娘たちには問題なさそうだな。
休憩時間や夕食の後に、綾乃とバザールと多脚型移動装置について議論をすることになった。ここまでくると、攻殻〇動隊のタチ〇マやスパイ〇ーマンみたいに、伸び縮みする糸で移動できないものか? と思い、白熱した議論をしたのだ。
ワイヤーアンカーで似たようなことは出来ても、漫画やアニメみたいに高速で巻き取る機能を付けると、どうしても大きくなってしまうのが難点だ。巻き取り速度の問題もあるけどね。
ワイヤーにクリエイトゴーレムをかければ、劣化や強度の問題はどうとでもなるのだが、漫画やアニメのような移動方法は難しそうだ。議論をしている最中に脱線して、ワイヤーアンカーだと、進撃〇巨人の立体起動装置じゃね? とかいう話にもなったな。
ワイヤーを強化するとはいえ軽量にするから、普段使いはともかく攻撃されると、意外にあっさり切れそうだな。実際に作ってみないと分からないことが多いけどね。
その議論も、スカーレットの一言で中断することになりました。
「さっさと寝てください。食事を堅パンと干し肉にしますよ!」
遅くまで、あーでもないこーでもないと話していたのを見かねて、怒られてしまった。
次の日に、本当に堅パンと干し肉にされなくて、安堵した……バザールは、食わなくても平気なんだけどな。嗜好で食っているだけだし。
今日は、20階からスタートだ。昨日は20階への階段まで来れたので、第2の中ボスがいる20階からのスタートだ。
「天井も高くなったし、通路も広くなってるね」
「10階みたいに、魔物が変わるのかな?」
「分からないけど、変わるかもしれないね」
ミーシャ、ブルム、スミレの順だ。実際に敵は変わると言うか、追加で敵が出るようになっている。2種類の魔物が追加になるのだが、片方はオークより大きいオーガだ。もう片方が、初めてみることになるトロールだ。ファンタジー系には結構出てくるのに、今まで遭遇してなかった魔物だ。
情報によると、オーガと同じか少し背が高いが、体積は倍くらいはあるんじゃないかと言われているようだ。聞いた感じで言えば、ハワイに住んでいる相撲取りみたいな体系かな? あれだ、国民的RPGに出てくる、トロールのイメージが近いかも。
ゲームや小説でよくあるように、どうも回復力が異常に高いらしい。見ている前で傷口がふさがるんだとさ。でも、戦闘能力で言えばオーガの方が断然高いらしい。
太りすぎていて、ゴーレムより動きが遅く、力が強くても攻撃方法が限られているので、オークを問題なく倒せる技量があれば、時間をかけて倒せるようだ。タフさで言えば、アイアンゴーレムを余裕で上回るみたいだね。なんでそんな体系にしたのか……
召喚するときにDPでいじって、痩せてるトロールを召喚できれば……めっちゃ強かったりしないかな? 召喚欄にトロールの名前がないことが悔やまれる……
このダンジョンを踏破した後に、トロールを召喚できるようになったのだが、痩せたトロールは正直使い物にならないと言うお粗末な結果になった。
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