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第1931話 謎の痕跡
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「あんたはどこの誰だ? 何でここにいる?」
「…………」
やはり、だんまりか。拷問して情報を吐き出させることは、出来るのだろうか?
「俺たち以外に何人に会った? 殺したか?」
「…………」
話す気はなさそうだな。じゃぁ、仕方がないな。サイレントアサシンに、周囲を見張るように指示を出す。木の上にも注意するように! ライガは一緒にここにいてくれ、何かあれば首の骨折っていいからよろしく。後、匂いで気付いたことあったら教えてくれ。
「話す気がないようだから、拷問をさせてもらいます。死ぬ前に話してくれると助かるけど、話さないなら話さないでもいいんだけど、その場合は早く死んでほしいかな」
笑っていない笑顔で、敵に気持ちを伝える。ナイフを取り出して、歯を削り神経をむき出しにして、そこに刺激を与える。
多分、拷問の訓練みたいなのを受けていただろうが、神経を直接いじられるこの方法は、こいつにとっても厳しかったのだろう。反射を抑えることが出来ずに、刺激されるたびに体が反応している。
前の奴とは違い、10分ほど粘ってみたが話す気はないらしい。反射は隠せないけど、痛みには耐えれているみたいだな。
情報を引き出せないと判断した俺は、ライガにお願いして首の骨を折ってもらった。
移動は方向だけ指示してライガに任せている。変わった匂いがすれば、報告するようにお願いして暗くなった森を進んでいく。移動中は、サイレントアサシン経由でバザールと話して、色々な可能性について考えている。
先ほどの奴だが、俺とバザールの間では、この世界に来て何人か殺していると考えている。俺たちの気配に気付き逃げ出して位置を特定し、そのまますぐに攻撃を仕掛けてきたことを考えれば、遭遇した人間を殺していてもおかしくないと思う。
少しだが、ここに送られてきた時に神から情報を貰い、ダンジョンマスターが敵だから殺せと言われているかもしれない。こちらの事を確認せずに攻撃態勢に入った事を考えると、両方の可能性もあるかもしれない。
それにしても、創造神は今回何を考えてこんなことをさせようと思ったのかね……他の世界に転移させるのは、創造神のじっちゃん以外にはできないから、何かしら絡んでいることは間違いないと思う。
バザールも同じ意見で、可能性の1つとして言うなら、神たちが遊戯の内容を決め、創造神がそれを承認し一時的にこの世界にだけ、転移させられる能力が与えられたかもしれない。
俺たちが立っている大地がどれだけ広いかは分からないが、短時間で元の世界の人間と複数遭遇できるのだから、他の世界のダンジョンマスターや勇者は来ていないのではないか……と思わなくもない。
俺たちがいる世界……星には、6つの世界……大陸があるわけで、それがここにきているのでは? というのが、短い時間で出せた結論だ。
2つは、ほとんど勇者もダンジョンマスターもいない世界で、残りの3つも確認できている範囲ではそう多くなかった。必然的に同じ世界から来たダンジョンマスターや勇者と、遭遇する確率が高いのではないか? という感じだな。
でも、何故地球の人間も含まれているのかは、意味が分からない。多少強化もされている、特殊な訓練を受けた人間が複数来ているのは……どうしてなのだろうか? そして、ゴールは何処なのかが全く分からん……
神の仕掛けたゲームなら、クリア条件みたいなのがあるはずなのだが、ダンジョンマスターや勇者は無条件で連れてこられている。何かを知っているなら、地球から来た人間か……一人ひとりとっつかまえて、拷問でもするしかないか。
乱暴で礼節を知らないと言う意味では、蛮族みたいな思考になってるな。地球の戦争でも、一応ルールみたいなのはあるけど、ここではルールなんてないバトルロワイヤルみたいな感じだな。映画なんかでありそうなシチュエーションだけど、ルールが明確にされていないから何といっていいのやら。
そんなことをバザールと話していると、ライガから止まるように指示がある。
「シュウ様、もう少し……距離は分かりませんが、少なくとも3つの死体があると思われます。いろいろな匂いが混じっていて、正確には嗅ぎ取れませんが3人以上の血の匂いがします。死んでから何時間は経過していると思います」
今度の遭遇は死体か。サイレントアサシンを使って、バザールに先行するようにお願いする。2分後には死体を発見したが、5つの死体を発見したようだ。
「う~ん、グロイは苦手ではないが好きでもないんだが……これは困ったな」
バザールに誘導してもらって辿り着いた場所には、5つの死体があったのだが、その死体に問題があった。
4人は明らかに人に殺されたのが分かるのだが、最後の1人だけは人間以外に殺されたと思われる。そう判断した理由は、4人は明らかに鋭利な刃物で殺されている、おそらくだが4人とも同じ凶器だ。
問題の人物は、生きながらに内臓を食われたのではないか、と思われる状態だったのだ。両手には抵抗した後があるが、意にも返さなかったのだろう。顔を強く押さえられたような痕もあったな。四足歩行のナニカに、前足で押さえられそのまま食われたのかね?
死んだ人間の内臓は食ってないんだよな。それに、4人がまとまって死んでいるのも良く分からない。見た感じ、強引に連れてこられたような形跡は1人以外無いので、少なくとも3人は自分たちの意思で行動を共にしていた可能性がある。
まぁ、3人が男で1人が女だったので、強引に連れてこられていた女は、そう言う目的のために連れてこられたのだと思う。男3人は……どういうつながりなんだろうな。死んでるから考えても仕方がないか。
死んでるから、鑑定しても死体としか出ないんだよな。ダンジョンマスターなのか、勇者なのか、地球からの人間なのか良く分からん。装備を見る限り、2人が地球から女と男1人ずつが俺と同じ世界っぽいんだよな。内臓を食われた奴は、地球かな?
この現場を見るに、女を連れた4人組が内臓を食われた男に襲撃されて殺された後、襲撃した男がナニカに襲われて内臓を食われたのだろう。ナニカはどれだけ強いのだろうか……
「ライガ、良く分からないが強い生物がいる可能性がある。変なにおいがしたらすぐに教えてくれ」
ライガに命令を出して、再度山側へ向かって進んでいく。
「…………」
やはり、だんまりか。拷問して情報を吐き出させることは、出来るのだろうか?
「俺たち以外に何人に会った? 殺したか?」
「…………」
話す気はなさそうだな。じゃぁ、仕方がないな。サイレントアサシンに、周囲を見張るように指示を出す。木の上にも注意するように! ライガは一緒にここにいてくれ、何かあれば首の骨折っていいからよろしく。後、匂いで気付いたことあったら教えてくれ。
「話す気がないようだから、拷問をさせてもらいます。死ぬ前に話してくれると助かるけど、話さないなら話さないでもいいんだけど、その場合は早く死んでほしいかな」
笑っていない笑顔で、敵に気持ちを伝える。ナイフを取り出して、歯を削り神経をむき出しにして、そこに刺激を与える。
多分、拷問の訓練みたいなのを受けていただろうが、神経を直接いじられるこの方法は、こいつにとっても厳しかったのだろう。反射を抑えることが出来ずに、刺激されるたびに体が反応している。
前の奴とは違い、10分ほど粘ってみたが話す気はないらしい。反射は隠せないけど、痛みには耐えれているみたいだな。
情報を引き出せないと判断した俺は、ライガにお願いして首の骨を折ってもらった。
移動は方向だけ指示してライガに任せている。変わった匂いがすれば、報告するようにお願いして暗くなった森を進んでいく。移動中は、サイレントアサシン経由でバザールと話して、色々な可能性について考えている。
先ほどの奴だが、俺とバザールの間では、この世界に来て何人か殺していると考えている。俺たちの気配に気付き逃げ出して位置を特定し、そのまますぐに攻撃を仕掛けてきたことを考えれば、遭遇した人間を殺していてもおかしくないと思う。
少しだが、ここに送られてきた時に神から情報を貰い、ダンジョンマスターが敵だから殺せと言われているかもしれない。こちらの事を確認せずに攻撃態勢に入った事を考えると、両方の可能性もあるかもしれない。
それにしても、創造神は今回何を考えてこんなことをさせようと思ったのかね……他の世界に転移させるのは、創造神のじっちゃん以外にはできないから、何かしら絡んでいることは間違いないと思う。
バザールも同じ意見で、可能性の1つとして言うなら、神たちが遊戯の内容を決め、創造神がそれを承認し一時的にこの世界にだけ、転移させられる能力が与えられたかもしれない。
俺たちが立っている大地がどれだけ広いかは分からないが、短時間で元の世界の人間と複数遭遇できるのだから、他の世界のダンジョンマスターや勇者は来ていないのではないか……と思わなくもない。
俺たちがいる世界……星には、6つの世界……大陸があるわけで、それがここにきているのでは? というのが、短い時間で出せた結論だ。
2つは、ほとんど勇者もダンジョンマスターもいない世界で、残りの3つも確認できている範囲ではそう多くなかった。必然的に同じ世界から来たダンジョンマスターや勇者と、遭遇する確率が高いのではないか? という感じだな。
でも、何故地球の人間も含まれているのかは、意味が分からない。多少強化もされている、特殊な訓練を受けた人間が複数来ているのは……どうしてなのだろうか? そして、ゴールは何処なのかが全く分からん……
神の仕掛けたゲームなら、クリア条件みたいなのがあるはずなのだが、ダンジョンマスターや勇者は無条件で連れてこられている。何かを知っているなら、地球から来た人間か……一人ひとりとっつかまえて、拷問でもするしかないか。
乱暴で礼節を知らないと言う意味では、蛮族みたいな思考になってるな。地球の戦争でも、一応ルールみたいなのはあるけど、ここではルールなんてないバトルロワイヤルみたいな感じだな。映画なんかでありそうなシチュエーションだけど、ルールが明確にされていないから何といっていいのやら。
そんなことをバザールと話していると、ライガから止まるように指示がある。
「シュウ様、もう少し……距離は分かりませんが、少なくとも3つの死体があると思われます。いろいろな匂いが混じっていて、正確には嗅ぎ取れませんが3人以上の血の匂いがします。死んでから何時間は経過していると思います」
今度の遭遇は死体か。サイレントアサシンを使って、バザールに先行するようにお願いする。2分後には死体を発見したが、5つの死体を発見したようだ。
「う~ん、グロイは苦手ではないが好きでもないんだが……これは困ったな」
バザールに誘導してもらって辿り着いた場所には、5つの死体があったのだが、その死体に問題があった。
4人は明らかに人に殺されたのが分かるのだが、最後の1人だけは人間以外に殺されたと思われる。そう判断した理由は、4人は明らかに鋭利な刃物で殺されている、おそらくだが4人とも同じ凶器だ。
問題の人物は、生きながらに内臓を食われたのではないか、と思われる状態だったのだ。両手には抵抗した後があるが、意にも返さなかったのだろう。顔を強く押さえられたような痕もあったな。四足歩行のナニカに、前足で押さえられそのまま食われたのかね?
死んだ人間の内臓は食ってないんだよな。それに、4人がまとまって死んでいるのも良く分からない。見た感じ、強引に連れてこられたような形跡は1人以外無いので、少なくとも3人は自分たちの意思で行動を共にしていた可能性がある。
まぁ、3人が男で1人が女だったので、強引に連れてこられていた女は、そう言う目的のために連れてこられたのだと思う。男3人は……どういうつながりなんだろうな。死んでるから考えても仕方がないか。
死んでるから、鑑定しても死体としか出ないんだよな。ダンジョンマスターなのか、勇者なのか、地球からの人間なのか良く分からん。装備を見る限り、2人が地球から女と男1人ずつが俺と同じ世界っぽいんだよな。内臓を食われた奴は、地球かな?
この現場を見るに、女を連れた4人組が内臓を食われた男に襲撃されて殺された後、襲撃した男がナニカに襲われて内臓を食われたのだろう。ナニカはどれだけ強いのだろうか……
「ライガ、良く分からないが強い生物がいる可能性がある。変なにおいがしたらすぐに教えてくれ」
ライガに命令を出して、再度山側へ向かって進んでいく。
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