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第1943話 油断大敵
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それにしても、まだ真昼間だって言うのに、野外だって言うのに……何で犯しているのかね? ここに来るまで自由に過ごしていて、急にいたすことができなくて性欲が爆発したとか? そんな事ってあるか?
いくら性欲魔人の強姦魔だったとしても、この世界に着て性欲を優先するもんか? 食料確保だって大変な世界で、何で野外でおっぱじめるんだ? しかも女性の様子を見る限り、今回が初めてではなく何度か試合をした後なのにだ。
ハンドサインでタイミングを合わせて、女性たちを犯している勇者どもの上に着地する。女性の安全を全く考慮していない襲撃をして、男と同時に女性も気絶させる。
起きている女性はその現状に震えている。お前、どっかのエージェントじゃないのか? 怖がっている姿なんて、見せている場合じゃないぞ。後ろに回り首に刀を突きつけ、質問する。女性が裸なのは、様にならないけど……
「お前は誰に言われてここに来た?」
「…………」
「答える気はないと? もう一度聞く、誰に言われてここに来た?」
「……誰かは分からない。良く分からない空間に呼ばれ、この世界である人物を殺してほしいと言われて送り込まれた」
「ある人物とは?」
「それは教えることができないようで、教わっていないです」
「お前は、地球にいたときより、身体能力は強化されているのか?」
「どのくらいかは分かりませんが、向こうにいたときより、かなり強化されています」
「強化されていても、この男たちには敵わなかったのか? そこそこ強いとは思うが、俺たちが遭遇した地球からの人間の事を考えれば、一方的にやられるとは考えにくいのだが」
「どちらか迄は分かりませんが毒を使われ、今も上手く動けません」
「なるほど、こいつらのうちどちらかの神授のスキルが、毒に関する物なんだな。バザール、ガチガチに拘束しておくから、隔離してお前が監視しておいてくれ」
「了解でござる。適当に穴を掘っておくでござる。女たちはどうするでござるか?」
「女は、起きたらそっちで尋問しておいて、離れた位置で少し待機しててくれ」
さて、他に何を聞くか?
「地球に帰る方法は聞いているか?」
「帰る方法は知りません。ここに送りだした何かの話では、私は本物ではないようです。ですが自分では偽物だと分かりません。作られた存在のようですが、私にはそれを知るすべがないので、本物か偽物か判断できません」
なるほど、複製体の線が濃厚になってきたな。地球に本体がいて、何人も同じ人間を送り込めるってことか?
「なるほどね。人によって情報の量が違うのは、なんでなんだろうな。お前は、気絶している女たちと、何か情報を共有したか?」
「1人は、何も知らされずにここへ来たらしいです。もう1人は、私よりは情報を与えられていませんが、私の知らない情報として、この世界にいる人間の中に、特殊な能力を使う人間がいると聞いていたそうです」
「その特殊な能力を使う人間が、あの毒を使う奴ってことか」
「そうです。あの……1つ質問していいでしょうか? 私の事を地球人と言いましたが、あなたは地球の人間ではないのですか?」
「俺たちの情報は本当に知らされていないのか。俺は元地球にいた人間だな。神と呼ばれる奴らに拉致されて、別の世界に連れ出された哀れな人間だよ。生活基盤が安定したのに、今度は何も教えられずにこの世界に連れてこられたんだよ」
驚くような仕草を見せるが、それ以降欲しい情報は何も得られなかった。
女たちの服は見当たらなかったので、起きていた女も気絶させて、3人とも裸のままバザールに運んでもらった。勇者の方は、情報を聞き出したら先に殺しておいてほしいことを伝える。
ライガと相談して、もう少し山に沿って進んでから、山の中を拠点に向かって直線で進むことにした。
人が減っているのか、こっちにほとんど送られてきていないのか、2時間ほど進んでも痕跡はあるものの人に出会うことは無かった。
予定していた通り、ライガと山の中へ入っていく。ジャングルの様な見た目なので、とにかく移動し難そうだ。木の上の方まで届いている物もある。地面を移動するのは面倒そうなので、木の上の移動で山の中を抜けていく。
ライガがいれば、視覚ではなく嗅覚である程度探せるのは、かなりのアドバンテージだ。俺も気配を察知できているのだが、物が増えると精度が下がるから、ライガには本当に頭が上がらないな。
進むこと30分ほど。ライガが何かを発見したようだ。複数の匂いが集まっているらしい。先ほどの、男のイカ臭い匂いはしないようだが、嗅ぎ分けられる匂いで10人近くはいると思う、だってさ。
さすがに突っ込むわけにはいかないな。バザールにお願いして、サイレントアサシンを送り込んでおく。ここで時間を潰しすぎると、暗くなる前に拠点に戻れなくなってしまう。
人が集まっている場所を迂回する形で、山の中を進む。更に20分ほど進むと、先ほどと違う匂いがするそうだ。近くにいるようなのだが、先ほどのようにグループのようではなさそうだ。
視界の悪い中だったので、捕らえるのは簡単だった。偶然にも3人が近くで、同じように潜んでいるのに気付かずに過ごしていたそうだ。
バザールに搬送してもらい、また山の中を進んでいく。探索とか探検ではなく、作業っぽくなっているな。数を殺しても帰れなかったら、どうするか……
木の上を飛んで進んでいたのだが、飛び移る枝を間違えたのか足を踏み外し、落ちてしまう。木の幹からは距離があるので、ナイフを突き刺して登ることは出来なそうだ。このまま地面に下りてから、また昇りなおすのがいいかな。
猫のように体を捻り、地面に着地する。立とうとしたところで、胸に衝撃が走る。そのまま10メートルほど後ろに吹き飛ばされる。
何が起きているのか分からなかった。
ライガの気配が大きくなり、何かに対して怒っているようだ。
混乱から覚め、状況が理解できるようになって初めて、自分が攻撃されたことに気付いた。俺の前に壁のように立ちはだかっているライガの先に、ギリースーツの様な見た目のナニカがいた。作業っぽくなり、ライガが警戒してくれているので、気を抜いてしまったのが間違いだったな。
「ライガ、ダメージはほとんどないけど、敵の能力が分からない。手加減無しで殺すぞ」
いくら性欲魔人の強姦魔だったとしても、この世界に着て性欲を優先するもんか? 食料確保だって大変な世界で、何で野外でおっぱじめるんだ? しかも女性の様子を見る限り、今回が初めてではなく何度か試合をした後なのにだ。
ハンドサインでタイミングを合わせて、女性たちを犯している勇者どもの上に着地する。女性の安全を全く考慮していない襲撃をして、男と同時に女性も気絶させる。
起きている女性はその現状に震えている。お前、どっかのエージェントじゃないのか? 怖がっている姿なんて、見せている場合じゃないぞ。後ろに回り首に刀を突きつけ、質問する。女性が裸なのは、様にならないけど……
「お前は誰に言われてここに来た?」
「…………」
「答える気はないと? もう一度聞く、誰に言われてここに来た?」
「……誰かは分からない。良く分からない空間に呼ばれ、この世界である人物を殺してほしいと言われて送り込まれた」
「ある人物とは?」
「それは教えることができないようで、教わっていないです」
「お前は、地球にいたときより、身体能力は強化されているのか?」
「どのくらいかは分かりませんが、向こうにいたときより、かなり強化されています」
「強化されていても、この男たちには敵わなかったのか? そこそこ強いとは思うが、俺たちが遭遇した地球からの人間の事を考えれば、一方的にやられるとは考えにくいのだが」
「どちらか迄は分かりませんが毒を使われ、今も上手く動けません」
「なるほど、こいつらのうちどちらかの神授のスキルが、毒に関する物なんだな。バザール、ガチガチに拘束しておくから、隔離してお前が監視しておいてくれ」
「了解でござる。適当に穴を掘っておくでござる。女たちはどうするでござるか?」
「女は、起きたらそっちで尋問しておいて、離れた位置で少し待機しててくれ」
さて、他に何を聞くか?
「地球に帰る方法は聞いているか?」
「帰る方法は知りません。ここに送りだした何かの話では、私は本物ではないようです。ですが自分では偽物だと分かりません。作られた存在のようですが、私にはそれを知るすべがないので、本物か偽物か判断できません」
なるほど、複製体の線が濃厚になってきたな。地球に本体がいて、何人も同じ人間を送り込めるってことか?
「なるほどね。人によって情報の量が違うのは、なんでなんだろうな。お前は、気絶している女たちと、何か情報を共有したか?」
「1人は、何も知らされずにここへ来たらしいです。もう1人は、私よりは情報を与えられていませんが、私の知らない情報として、この世界にいる人間の中に、特殊な能力を使う人間がいると聞いていたそうです」
「その特殊な能力を使う人間が、あの毒を使う奴ってことか」
「そうです。あの……1つ質問していいでしょうか? 私の事を地球人と言いましたが、あなたは地球の人間ではないのですか?」
「俺たちの情報は本当に知らされていないのか。俺は元地球にいた人間だな。神と呼ばれる奴らに拉致されて、別の世界に連れ出された哀れな人間だよ。生活基盤が安定したのに、今度は何も教えられずにこの世界に連れてこられたんだよ」
驚くような仕草を見せるが、それ以降欲しい情報は何も得られなかった。
女たちの服は見当たらなかったので、起きていた女も気絶させて、3人とも裸のままバザールに運んでもらった。勇者の方は、情報を聞き出したら先に殺しておいてほしいことを伝える。
ライガと相談して、もう少し山に沿って進んでから、山の中を拠点に向かって直線で進むことにした。
人が減っているのか、こっちにほとんど送られてきていないのか、2時間ほど進んでも痕跡はあるものの人に出会うことは無かった。
予定していた通り、ライガと山の中へ入っていく。ジャングルの様な見た目なので、とにかく移動し難そうだ。木の上の方まで届いている物もある。地面を移動するのは面倒そうなので、木の上の移動で山の中を抜けていく。
ライガがいれば、視覚ではなく嗅覚である程度探せるのは、かなりのアドバンテージだ。俺も気配を察知できているのだが、物が増えると精度が下がるから、ライガには本当に頭が上がらないな。
進むこと30分ほど。ライガが何かを発見したようだ。複数の匂いが集まっているらしい。先ほどの、男のイカ臭い匂いはしないようだが、嗅ぎ分けられる匂いで10人近くはいると思う、だってさ。
さすがに突っ込むわけにはいかないな。バザールにお願いして、サイレントアサシンを送り込んでおく。ここで時間を潰しすぎると、暗くなる前に拠点に戻れなくなってしまう。
人が集まっている場所を迂回する形で、山の中を進む。更に20分ほど進むと、先ほどと違う匂いがするそうだ。近くにいるようなのだが、先ほどのようにグループのようではなさそうだ。
視界の悪い中だったので、捕らえるのは簡単だった。偶然にも3人が近くで、同じように潜んでいるのに気付かずに過ごしていたそうだ。
バザールに搬送してもらい、また山の中を進んでいく。探索とか探検ではなく、作業っぽくなっているな。数を殺しても帰れなかったら、どうするか……
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猫のように体を捻り、地面に着地する。立とうとしたところで、胸に衝撃が走る。そのまま10メートルほど後ろに吹き飛ばされる。
何が起きているのか分からなかった。
ライガの気配が大きくなり、何かに対して怒っているようだ。
混乱から覚め、状況が理解できるようになって初めて、自分が攻撃されたことに気付いた。俺の前に壁のように立ちはだかっているライガの先に、ギリースーツの様な見た目のナニカがいた。作業っぽくなり、ライガが警戒してくれているので、気を抜いてしまったのが間違いだったな。
「ライガ、ダメージはほとんどないけど、敵の能力が分からない。手加減無しで殺すぞ」
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