ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
1,951 / 2,518

第1951話 話し合いが通じるか?

しおりを挟む
 俺に近付いてきていた、もう1人の敵は……いつの間にかいなくなっていた。

「失敗したかな? こっちの気配をうかがっていた敵が1人、いなくなってたわ」

 目的の2人を殺せたので、後2人だな。これから遭遇した奴は捕らえる方向だから、無効化を優先するから1人くらい大丈夫だろう。一応、偵察をしていた奴のいた方向に進んでみるか。斥候なら逃げた先に仲間がいる可能性があるしな。

 敵の気配を感じた場所に戻り、痕跡を探すことにした。

「確かこのあたりだったと思うんだけどな……あったあった。ちょっと不自然に見える。完全に痕跡を消せる人間なんてまずいねえからな。バザールの操る影を移動する魔物くらいしかできんだろうな。この痕跡から……俺たちを追ってきてたんだな」

 痕跡をたどっていくと、戦闘が見える位置ではない所で、折り返して逃走しているようだ。

「俺の戦闘を見る前に離脱したのか。移動の速度や気配をむき出しにしていることを考えて、俺の戦闘力を考えて逃げたのかね? 戦闘を見ていたなら、終わった後に気付けたよな……ん~、俺たちを追跡している時より、丁寧に痕跡を消しているか残さないようにいどうしているのかな」

 地面を移動している以上、どこかに痕跡があるはずだな。俺みたいに木の上を移動していても、木の枝にだって多少の痕跡は残るから、専門家の様な人間なら追跡が可能だ。

 痕跡は~こっちかな。

 折り返したというよりは、コースを変えて逃げているな。偽装ではなさそうなので、辿っていく。

 しばらく進むと、地面から痕跡が消えた。どうやら、木を登って地面に痕跡を残さないように移動したみたいだな。

 登ってみたが、俺には専門家の様な知識は無いので、追跡は諦めることにした。まさか、俺の言った事がフラグにでもなったんじゃないよな?

「逃げられたでござるな。もっと探すでござるか?」

「いや、無駄に時間を潰すくらいなら、気配を大きくして森の中を探してみるよ。昨日みたいにあぶりだされる奴は少ないだろうけど、慌てて逃げる奴ならいるかもしれないしな。そう言う奴は追いかけやすいから、そうなってくれた方が楽でいいな」

 また森の中を縦横無尽に走り回る。

 お昼の2時間走り回り、収穫は2人。昨日の数を考えれば、減っているな。まだ補充されいないのか、昨日の騒ぎで逃げ出したか……前者の方が正解な気がするな。

 バザールに連れ帰ってもらって分で、俺の1回目のノルマは達成できるから、後はバザールやライガのためにせっせと稼ぎますかね。

 今日の昼ごはんは、昨日から準備していたウルが、朝食と一緒に作ってくれたサンドイッチだ。コッテリした照り焼きやカツサンドもあるし、さっぱりとしたハムレタス、たまごサンドなど色々準備してくれていた。

 ライガの分も準備していたが、あいつの場合はお腹いっぱいになる量を持たせると、大変なことになるので、俺と同じ量だけ持たせて出発させている。足りない分は自分で作り出してもらう。

 食事中も気配を大きくしていたのだが、引っかかる人間はいなかった。人が少ないだけなのかね? ここまで無防備に見えると、反対に警戒を強めてしまうかもしれないか?

 気持ち気配を抑えて、素人が頑張っている程度の感じにしてみた。俺が勝手に思っているだけなので、周りから見て本当にそう見えるかは謎である。

 先ほどよりは気にするが、思いっきり痕跡を残すように移動している。素人臭すぎかね?

 30分ほど進むと、違和感を感じる。気配がつかめていないので、敵は俺の範囲より遠くから、何かしらの方法でこちらを補足している可能性が高いな。

 千里眼に近いタイプのスキルかね?

 ここであからさまにこの違和感に気付くと、このターゲットが逃げる可能性があるので、隠れているつもりになりながら進んでいこう。後ろからではなく前に違和感があるので、多分そっち側に何かがいるのだろう。

 もう30分ほど進むと……ビンゴ!

 どうやら、グループのようだな。気配が感じられるのは3人、違和感も続いているので、俺を狙っている敵が4人はいると思う。仲間が全員出てきているとは思えないが、即戦闘になるだろうか?

 内心緊張しながら進んでいくと、索敵スキルに反応があるくらいに接近する。そうすると、

「止まれ! 下手な動きを見せたら、矢で射貫くぞ!」

 そう警告された。この世界に、索敵スキルを欺くような装備を持ち込めているとは思えない。一番近い奴が40メートルほど。そいつが俺のことを狙っていたとして、銃弾でもあるまい、かわすことくらいは余裕だろう。

 一応、相手の言うとおりに止まることにした。警戒態勢は解かずに、敵の動きに注視する。

「お前は何処から来た?」

「あっちに見えている、山の南側だ」

「この世界での話じゃない」

「あ~、そう言うことか。俺は、チビ神にダンジョンマスターとして、有無を言わさずに送り出された、哀れな羊だよ。その世界でせっかく落ち着けたのに、今度は意味の分からない世界に飛ばされて、うんざりしているところだ」

「召喚された人間か……お前に仲間はいるか?」

「元の世界には、たくさんいるけど、この世界には仲間はいないな」

 嘘を言っているように聞こえるが、実は1つも嘘を言っていないのがミソである。何かしらの方法で、嘘を見抜ける奴がいたら困るので、本当の事しか言っていない。

 この世界に仲間はいない……バザールたちは? と思うが、バザールは隷属させているので、仲間というよりは便利屋だな。綾乃とは事実はともかく勇者とダンジョンマスターなので、敵対関係。ライガは、仲間ではなく部下の部下。ロジーは居候。ウルは娘。

 抜け道ともいえないが、嘘は言っていない。俺の仲間と言われてパッと思いつくのは……妻たちかな? でも、妻なので仲間というのも変だな。対等な関係という意味で仲間を捉えると、俺には仲間がいなくなるのでは!?

 問答中に俺は、嫌な事実に気付いてしまった……
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

魔法使いじゃなくて魔弓使いです

カタナヅキ
ファンタジー
※派手な攻撃魔法で敵を倒すより、矢に魔力を付与して戦う方が燃費が良いです 魔物に両親を殺された少年は森に暮らすエルフに拾われ、彼女に弟子入りして弓の技術を教わった。それから時が経過して少年は付与魔法と呼ばれる古代魔術を覚えると、弓の技術と組み合わせて「魔弓術」という戦術を編み出す。それを知ったエルフは少年に出て行くように伝える。 「お前はもう一人で生きていける。森から出て旅に出ろ」 「ええっ!?」 いきなり森から追い出された少年は当てもない旅に出ることになり、彼は師から教わった弓の技術と自分で覚えた魔法の力を頼りに生きていく。そして彼は外の世界に出て普通の人間の魔法使いの殆どは攻撃魔法で敵を殲滅するのが主流だと知る。 「攻撃魔法は派手で格好いいとは思うけど……無駄に魔力を使いすぎてる気がするな」 攻撃魔法は凄まじい威力を誇る反面に術者に大きな負担を与えるため、それを知ったレノは攻撃魔法よりも矢に魔力を付与して攻撃を行う方が燃費も良くて効率的に倒せる気がした――

人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。 塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。 弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。 けれども違ったのだ。 この世の中、強い奴ほど才能がなかった。 これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。 見抜いて、育てる。 育てて、恩を売って、いい暮らしをする。 誰もが知らない才能を見抜け。 そしてこの世界を生き残れ。 なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。 更新不定期

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~

エルリア
ファンタジー
HOTランキング1位ありがとうございます! 2000年代初頭。 突如として出現したダンジョンと魔物によって人類は未曾有の危機へと陥った。 しかし、新たに獲得したスキルによって人類はその危機を乗り越え、なんならダンジョンや魔物を新たな素材、エネルギー資源として使うようになる。 人類とダンジョンが共存して数十年。 元ブラック企業勤務の主人公が一発逆転を賭け夢のタワマン生活を目指して挑んだ探索者研修。 なんとか手に入れたものの最初は外れスキルだと思われていた収奪スキルが実はものすごく優秀だと気付いたその瞬間から、彼の華々しくも生々しい日常が始まった。 これは魔物のスキルを駆使して夢と欲望を満たしつつ、そのついでに前人未到のダンジョンを攻略するある男の物語である。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

処理中です...