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第1970話 意外な事実
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俺の声で止まれなかったライガは、攻撃を仕掛けないために、強引に拳の軌道を逸らして地面をたたく。
爆発するようにはじけた地面に尻餅をつく2人。そして、痩せて少し小汚くなってはいるが、見覚えのある顔が2つ、そこにあった。
「もしかして、シンジとユウキか?」
「……死んだかと思った……」
そう漏らしたのは、シンジだろうか? 2人ともがくがくと首を縦に振っている。
「俺たちの関係者であれば、こいつらが来てもおかしくはないか? 初めの時と、男神たちをネタにBL本を書かせたときにしかあってないんだけどな……」
「それが原因でござらんか? シュウ殿への恨みというよりは、こいつらの書いたその本の報復でここに送り込まれたのではござらんか?」
なるほど! 言われてみたら、ネタにされた本人? 本神は、冷静でいられなかったってことか。一緒に送れば、個人的な話というよりは、俺への嫌がらせの一部と誤認させられる……みたいな感じかね。
薄汚れていたシンジとユウキを拠点へ連れ帰り、始めに風呂へ突っ込んだ。
2人が風呂に入っている間に、俺たち3人は考えをめぐらす。風呂に入る前に俺たちと同じくらいに来たのか、後発できたのか聞いておくべきだったな。前者と後者では大きく変わってくる。
前者なら、今まで俺たちと遭遇しなかった理由が気になる。俺とライガ、バザールは、バトルフィールドになっているであろう、この森をかなり探索しているのに、今まで出会わなかったのが不思議なのだ。後者なら、俺たちがいなくなった後のディストピアやゴーストタウンの様子が聞ける。
もうすぐに帰れるとはいえ、家が気になっていたのでどうなっているか知りたかったのだ。
質問する順番や内容をまとめるだけの話し合いで終わった。
ほどなくして、2人がお風呂から上がってきた。さっきまでは少し異臭がしていたが、綾乃が素材作成と錬金術で作ってくれたボディソープとシャンプーを使い、さっぱりした状態で良い匂いを漂わせて出てきた。
さて、最初の質問だ。
「2人とも、いつこっちに来たんだ?」
「えっと、4日前だと思います」
4日前……俺たちより大分遅く来たんだな。となれば、いなくなった後の話が聞けるな。
「っと、話を聞く前に何が食いたい? ライガが大体の物を生み出すことができるけど、何が食べたい?」
そう聞くと、丼物が食べたいと声を揃えていったので、バザールが親子丼、牛丼、かつ丼、天丼を生み出した。シンジは牛丼に、ユウキはかつ丼に手を伸ばした。
残った天丼は俺が食べようかと思ったが、続いてシンジが天丼に、ユウキが親子丼に手を伸ばした。
相当腹が減ってたんだな。2食分食べるつもりのようだ。4日間まともに食べていないとなれば、結構限界に近いはずだよな。むしろ、これだけ動けていることの方がすごいかもな。
水分は取れていたようなので、脱水症状は起こしていなかったが、4日間何も食べていなかったため、痩せたというより……やつれていた。
一気に食いすぎると胃がビックリすることがあるけど大丈夫か?
目の前で2食分の丼物が、2人の胃の中に吸い込まれていく。泣いている2人が若干怖いが、何で泣いているんだ? 4日ぶりの食事で泣く……こともあるか。
だけど、こいつらが泣いていた理由は、懐かしいコンビニの丼物を食べたからだった。こいつらが地球にいたときに、よく食べていたみたいだ。空腹のときにその懐かしい味を食べて、涙が流れてしまったようだ。
弁当じゃなくて、丼物をコンビニで買ってたんだな。コンビニでも丼物は売っているけど、個人的な意見を言えば丼物は、ファーストフードのチェーン店でテイクアウトするのが一般的だと思ってた。
「うし、落ち着いたところで、話を聞かせてくれ。俺たちはここにきて2週間くらいは経っているんだけど、俺たちがいなくなってから、ディストピアやゴーストタウンはどうなった?」
「「えっ!? 3人はここにきて、そんなに時間が経ってるんですか?」」
2人がシンクロして、驚いた声をあげた。
「自分たちには情報はほとんど来てませんでしたが、大きな騒ぎにはなっていなかったですよ。自分たちがここに来る前にいなくなっていたことは聞きましたが、皆さん落ち着いていました。なので、てっきりもっと短い期間だと思っていました」
「あっ! 俺、いなくなったのが3日前だって言ってたの聞いた。3日でも、奥さんたちが大騒ぎすると思っていましたが、予想以上に落ち着いてたな。いなくなったと言っても、大事ではないと思ってたんですよ」
妻たちが落ち着いている……理由として考えられるのは、俺たちの状況を理解しており戻ってこられると確信しているからだろうか?
街の方は元々俺がいなくても何とかなるんだから、たかだか2週間……あれ? 俺たちが来てから2週間が経ってるのに、こいつらが来る前に3日前にいなくなったって話だっけ? こっちに来て4日目、合わせても1週間……
「時間の流れがおかしい……」
「そう言われれば、計算が合わないでござる」
シンジとユウキは、良く分かっていないようだが、それは事情を知らされていなかったため、教えられた日数が違っていたとか考えているのかもしれない。
「お前たちがここに来る前に、俺の子どもたちにあったか?」
「えっと、奥様たちから男神たちのアレな本をまた書いてほしいと、お願いされたときに家に入らせてもらいましたが……そういえば、ミーシャちゃんたちの元気がありませんでしたね。下のお子様たちも、いつもの様に追いかけっこをせずに、大人しくしてましたね」
そっか、シンラたちって、俺がいない所でも追いかけっこしてるんだな。ミーシャたちに元気がなかったのは、ウルがこっちに来て急に離れ離れになったからだろうな。最近は、勉強をするときに離れることはあるが、それでも一緒にいる時間の方が長いからな。急にいなくなれば、元気も無くなるか。
それなのに母親の妻たちが落ち着いているってことは、やっぱり何か落ち着いていられる理由があるんだろう。何かは分からないが、落ち着いているのは助かるな。
いくつか質問したが、ほとんど情報は得られなかった。俺たちと同じように問答無用で連れてこられたので、大した情報はもっていなかった。
何度かこの世界でも人に遭遇して戦闘になったが、全部撃退したようだ。でも、殺してはいないようで、縛って放置したのだとか。それはそれで死にそうだけどね。
ここに近付いて来たのは、バザールの魔力の匂いを見つけてここに来たらしい。魔力の匂い? ユウキの方の神授のスキルが、魔力感知(臭覚)みたいなスキルなのだとか。それで、俺たちの近くに来たということらしい。
爆発するようにはじけた地面に尻餅をつく2人。そして、痩せて少し小汚くなってはいるが、見覚えのある顔が2つ、そこにあった。
「もしかして、シンジとユウキか?」
「……死んだかと思った……」
そう漏らしたのは、シンジだろうか? 2人ともがくがくと首を縦に振っている。
「俺たちの関係者であれば、こいつらが来てもおかしくはないか? 初めの時と、男神たちをネタにBL本を書かせたときにしかあってないんだけどな……」
「それが原因でござらんか? シュウ殿への恨みというよりは、こいつらの書いたその本の報復でここに送り込まれたのではござらんか?」
なるほど! 言われてみたら、ネタにされた本人? 本神は、冷静でいられなかったってことか。一緒に送れば、個人的な話というよりは、俺への嫌がらせの一部と誤認させられる……みたいな感じかね。
薄汚れていたシンジとユウキを拠点へ連れ帰り、始めに風呂へ突っ込んだ。
2人が風呂に入っている間に、俺たち3人は考えをめぐらす。風呂に入る前に俺たちと同じくらいに来たのか、後発できたのか聞いておくべきだったな。前者と後者では大きく変わってくる。
前者なら、今まで俺たちと遭遇しなかった理由が気になる。俺とライガ、バザールは、バトルフィールドになっているであろう、この森をかなり探索しているのに、今まで出会わなかったのが不思議なのだ。後者なら、俺たちがいなくなった後のディストピアやゴーストタウンの様子が聞ける。
もうすぐに帰れるとはいえ、家が気になっていたのでどうなっているか知りたかったのだ。
質問する順番や内容をまとめるだけの話し合いで終わった。
ほどなくして、2人がお風呂から上がってきた。さっきまでは少し異臭がしていたが、綾乃が素材作成と錬金術で作ってくれたボディソープとシャンプーを使い、さっぱりした状態で良い匂いを漂わせて出てきた。
さて、最初の質問だ。
「2人とも、いつこっちに来たんだ?」
「えっと、4日前だと思います」
4日前……俺たちより大分遅く来たんだな。となれば、いなくなった後の話が聞けるな。
「っと、話を聞く前に何が食いたい? ライガが大体の物を生み出すことができるけど、何が食べたい?」
そう聞くと、丼物が食べたいと声を揃えていったので、バザールが親子丼、牛丼、かつ丼、天丼を生み出した。シンジは牛丼に、ユウキはかつ丼に手を伸ばした。
残った天丼は俺が食べようかと思ったが、続いてシンジが天丼に、ユウキが親子丼に手を伸ばした。
相当腹が減ってたんだな。2食分食べるつもりのようだ。4日間まともに食べていないとなれば、結構限界に近いはずだよな。むしろ、これだけ動けていることの方がすごいかもな。
水分は取れていたようなので、脱水症状は起こしていなかったが、4日間何も食べていなかったため、痩せたというより……やつれていた。
一気に食いすぎると胃がビックリすることがあるけど大丈夫か?
目の前で2食分の丼物が、2人の胃の中に吸い込まれていく。泣いている2人が若干怖いが、何で泣いているんだ? 4日ぶりの食事で泣く……こともあるか。
だけど、こいつらが泣いていた理由は、懐かしいコンビニの丼物を食べたからだった。こいつらが地球にいたときに、よく食べていたみたいだ。空腹のときにその懐かしい味を食べて、涙が流れてしまったようだ。
弁当じゃなくて、丼物をコンビニで買ってたんだな。コンビニでも丼物は売っているけど、個人的な意見を言えば丼物は、ファーストフードのチェーン店でテイクアウトするのが一般的だと思ってた。
「うし、落ち着いたところで、話を聞かせてくれ。俺たちはここにきて2週間くらいは経っているんだけど、俺たちがいなくなってから、ディストピアやゴーストタウンはどうなった?」
「「えっ!? 3人はここにきて、そんなに時間が経ってるんですか?」」
2人がシンクロして、驚いた声をあげた。
「自分たちには情報はほとんど来てませんでしたが、大きな騒ぎにはなっていなかったですよ。自分たちがここに来る前にいなくなっていたことは聞きましたが、皆さん落ち着いていました。なので、てっきりもっと短い期間だと思っていました」
「あっ! 俺、いなくなったのが3日前だって言ってたの聞いた。3日でも、奥さんたちが大騒ぎすると思っていましたが、予想以上に落ち着いてたな。いなくなったと言っても、大事ではないと思ってたんですよ」
妻たちが落ち着いている……理由として考えられるのは、俺たちの状況を理解しており戻ってこられると確信しているからだろうか?
街の方は元々俺がいなくても何とかなるんだから、たかだか2週間……あれ? 俺たちが来てから2週間が経ってるのに、こいつらが来る前に3日前にいなくなったって話だっけ? こっちに来て4日目、合わせても1週間……
「時間の流れがおかしい……」
「そう言われれば、計算が合わないでござる」
シンジとユウキは、良く分かっていないようだが、それは事情を知らされていなかったため、教えられた日数が違っていたとか考えているのかもしれない。
「お前たちがここに来る前に、俺の子どもたちにあったか?」
「えっと、奥様たちから男神たちのアレな本をまた書いてほしいと、お願いされたときに家に入らせてもらいましたが……そういえば、ミーシャちゃんたちの元気がありませんでしたね。下のお子様たちも、いつもの様に追いかけっこをせずに、大人しくしてましたね」
そっか、シンラたちって、俺がいない所でも追いかけっこしてるんだな。ミーシャたちに元気がなかったのは、ウルがこっちに来て急に離れ離れになったからだろうな。最近は、勉強をするときに離れることはあるが、それでも一緒にいる時間の方が長いからな。急にいなくなれば、元気も無くなるか。
それなのに母親の妻たちが落ち着いているってことは、やっぱり何か落ち着いていられる理由があるんだろう。何かは分からないが、落ち着いているのは助かるな。
いくつか質問したが、ほとんど情報は得られなかった。俺たちと同じように問答無用で連れてこられたので、大した情報はもっていなかった。
何度かこの世界でも人に遭遇して戦闘になったが、全部撃退したようだ。でも、殺してはいないようで、縛って放置したのだとか。それはそれで死にそうだけどね。
ここに近付いて来たのは、バザールの魔力の匂いを見つけてここに来たらしい。魔力の匂い? ユウキの方の神授のスキルが、魔力感知(臭覚)みたいなスキルなのだとか。それで、俺たちの近くに来たということらしい。
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