ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1986話 体を動かそう

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 今日のおやつはいつもより量が多かったため、夕食は少し遅めの時間にすると言われた。

 さて、ぽっかり空いてしまった時間をどうしようか? ミーシャたちは、勉強も運動も終わっており、自由時間らしい。下の子たちは、勉強はまだ始めていないが、体は動かし始めている。動かしているだけで、スポーツとも呼べない感じなのだとか。

 いつもやっている追いかけっこの方が、ハードな運動だと思うって言われてるけど、お前たちってそこまで本気で追いかけっこしてんのか?

 この子たちが何をしたいのかは、良く分からないがスライムたちが見守ってくれているので、大きな怪我は無いだろう。そう言う意味ではスライムって、最高のベビーシッターだな。それにケットシーたちも付いているから、完璧な布陣だろう。

 っと話がそれた。することが無いのでどうしようか悩んでいたんだったな。娘たちは、アニメを見るか体を動かすかどっちにしようか? という感じだな。下の子たちは、もう少ししたら寝かせてやった方がいいと、ブラウニーたちが言っていた。

 下の子たちは、午前中に軽くしか寝ていないので、夕食までに少し眠っておかないと、夜早く寝て深夜に起きてしまう可能性があるから、寝かせられるなら寝かせてくださいってさ。

 でも、テンションの上がっているこの3人を今眠らさせるのは難しいな。ならば、少し暴れさせてから体力を消費させて、寝るのがよさそうだな。

 外は暑いからあまり出したくない。となると、家の中か? いや、ダンジョン農園って手もあるか?

 おやつを食べて、何をしようか悩んでいる。その隣でミーシャたちも一緒に悩んでいる風だ。風というのは、俺の真似をして「う~~~ん」と言っているだけで、遊んでいるのだ。それを見た下の子たちも真似ているので、俺の周りは変な空気になっている。

 悩んでいると、妻たちから提案がある。久しぶりにプールでもどうか? とのことだ。プールという言葉にいち早く反応したのが、シンラだった。お前ってプール好きだったのか? とか考えていたら、プラムとシオンが猛抗議している。

 あ~、シオンはある程度泳げるけど、プラムとシオンは泳げないのかもな。シンラの泳げるって言うのも、浮き輪とかつけてなんだろうから、プラムたちも頑張れば追いつけると思うけどな……と考えていると、シンラにキッと睨まれた。

 2人から逃げるためにプールを利用するつもりか? 自分が多少泳げるからって、大人げない奴だな。

 しょうがない、プラムとシオンよ、良い事を教えてあげよう。猛抗議中のプラムとシオンを捕まえて抱きかかえる。2人の耳元で「スライムたちを使えば、上手に泳げるように練習できるぞ」とつぶやくと、目をキラキラさせて俺の方を見てきた。

 この子らにこんな目をされるのは初めてかもしれんな。ニコ! どこかで見てるんだろ? 水に強いスライム連れてきてくれ! そう念じると、部屋の隅でおしくらまんじゅうをしていたスライムたちの中から、2匹が前に出てきた。

 って、青じゃないんかい! てっきり、水と言えば青いスライムが強いイメージだったのだが、前に出てきたのは赤と茶色だった……そういえばこいつらって、色は特性に関係ないんだっけ? 2匹はプラムとシオンに近付き、俺に乗れ! みたいな感じで体の形を変えた。

 それに乗ってプラムたちは、母親を追いかけて着替えに行くようだ。

 その一部始終を見ていたシンラは、絶望的な顔をしている。本当に表情豊かな奴だな。シンラも、お姉ちゃんたちと一緒に着替えてきなさい。俺は、トランクスタイプの水着を着るだけだからな。

 1分もかからずに着替え終わった俺は、庭に昔作ったプールの所へ向かう……

「小さいな。少し大きくして、周囲は流れるプールみたいにするか。スポーツ施設にある奴ほど水流は早くないけど、下の子たちが遊ぶ分には、早くない方がいいだろう」

 独り言を言っていると、後ろから、

「そうね。私たちが遊ぶわけじゃないし、子どもたちの安全を考えれば、緩やかな方がいいわね」

 ミリーを先頭に着替え終わった妻たちがこっちに向かってきている。ん~、全員となるとさすがに小さいな。もう少し大きくしようか。俺たちは泳ぐわけじゃなく、浸かるだけになるからちょっと広めの方がいいだろう。

 子どもたちも着替え終わったのか、元気な声を出してプールへ向かって走ってきている。シンラは……スライムに乗せられて、運ばれてきているな。

 それにしてもお前さんや、ブーメランやトランクスタイプじゃなく、タンクトップとボクサーパンツみたいにぴったりした奴が合わさったような水着なんだな……子どもとはいえ着難そうな水着だな。

 何かを吹っ切ったのか、シンラは準備体操なようなことを始め、体を動かしている。しばらくすると、プールの近くへ行き、体にプールの水をかけ始め、体を水に慣れさすと……両腕に浮き輪をつけてもらい、プールへ飛び込んだ。

 危ないと思ったが、既にスライムが待機しており、シンラを受け止めてからゆっくりと沈んでくれていた。マジで有能だな!

 プラムたちも遅れまいと、体を動かしてスライムたちの補助を受け、プールへ入っていく。それを追いかけるように、妻たちもプールの中へ。

 ウルやミーシャたちは、シンラたちの様子を微笑ましく見守りながら、準備体操を始める。こっちは、シンラたちに比べて入念に体を動かしている。

 流れるプールは、蛇行しており1週400メートルくらいはあるだろう。シンラたちに1週分遅れて、姉たちがプールへ入っていく。

 一生懸命逃げるシンラ、スライムを巧みに使い追いかけるプラムとシオン……いつもの追いかけっこだな。

 それを追うように姉たち4人は泳ぎ始める……おぉ? 全員普通に泳げるようになったのか。誰か泳ぐの苦手じゃなかったっけ? 思い出せない記憶をほじくり返していると、シンラたちに追いついた姉たちが、3人を捕まえた。

 シンラは安心したような顔をして、プラムたちは悔しそうな顔をしている。シンラたちを疲れさせることが目的なので、シンラは自分で泳いでいるからいいのだが、プラムたちはスライムを使っているので、体力が余りそうなのだ。

 それを考慮してミリーたちからウルたちに指令が出されており、下の子3人に泳ぎの練習をさせるようにとの事らしい。

 1時間ほどプールで遊びへとへとになった下の子たちは、母親たちの手を借りてシャワーを浴び髪の毛を乾かされたのちに、木陰に準備されたエアーベッドの下に送り込まれる。

 そこでは先に休んでいた俺が大の字に横になっており、シンラは俺の真似をするように大の字になって寝ころび、プラムとシオンは、シンラにくっ付いて寝る前に力尽きて、うつぶせに寝てしまった。

 さすがにその体勢は無いだろう……軽く転がして、仰向けにならせてタオルケットをかけてやる。
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