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第2022話 面倒な事、知らない事
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「ふぃ~~~」
俺は国王との通信が終わって、大きくため息をつく。なんというか、下手に出過ぎても良くないし、高圧的過ぎても良くないと、グリエルたちから言われているけど、そこら辺の塩梅は俺には分からんのだよ……上から目線だったけど、力関係を考えればこんなもんかね?
さて、特殊効果のついたサプリメントは、回収すればいいだけだからいいとして、他に優先しなきゃいけない事ってあったかな?
首を傾げながら考えてみるが、思い当たらないので、重要だったとしても俺が対処しなきゃいけない物ではないってことだろう。っと、何かをする前に、ポチポチッとな。
「グリエルか? 今日でフレデリクで起きた一連の騒動が終わったぞ。後は、各街でサプリメントを回収してもらえば、すべて終わりになるな。鑑定では調べられない特殊な付与効果だから、絶対に回収してくれ。しばらくは自己申告でいいけど、最終的にはマップ先生の検索機能を使って全部を回収してくれ」
『お話は終わりましたか。短時間の話し合いですのに、少し疲れすぎではありませんか? これからも同じような交渉事や話し合いがあるのですから、早めに慣れておいた方がいいですよ。サプリメントの件は、了解しました。回収責任者にタブレットの貸し出しをお願いします』
「うい~、タブレットは準備しておく。お偉いさんとの交渉とか話し合いは、遠慮したいんだけどな。腹の中で何を考えているか分からん奴の相手は、正直疲れるから嫌なんだが……」
『そうは言われましても、シュウ様が私たちのトップなのですから、必要な時には前に出ていただかないと困りますよ。大抵は、私たちでもなんとかなりますが、どうしようもない時だってあるんですから。あっ、前に出たくないからと言って、トップを譲るのはダメですよ』
くそう。領主押し付けは上手くいかないな。
『また……領主はシュウ様でなければまとまりません。お子様たちが成長して、引き継いでも問題ないのであれば、引退を考えてもよろしいと思いますが、現状では無理ですのでお諦めください。少しの交渉事と決裁だけなんですから、大人しくその席に座っておいてください』
ダメか……ミーシャたちは領主になるつもりはなさそうだし、ウルは領主ではなく補佐を目指しているみたいだからな。シンラが順調に成長すれば、俺の後釜になってくれるかね? シンラが領主になるなら、プラムたちも文句は言わないだろうし、ミーシャたちも応援するかな。
早く成長してくれることを祈っておこう。
『シュウ様、ご子息が成長しても、後30年近くは期間があるんですから、祈ったところで結果は変わりませんよ。そんな無駄なことに時間を費やすくらいなら、領主についてもう少し勉強なさいますか? 仕事が少ないと悩んでいると、奥様方から話は聞いてますよ』
「領主関係ではない仕事なら、いくらでも引き受けるから、何かあったらよろしく!」
これ以上の会話は拙いと判断して、通信を切った。
「ふぅ、危なかった。仕事は欲しいけど、領主の仕事が欲しいんじゃないんだよ、便利商品の作成依頼とかさ、冒険者としての依頼とかさ、領主以外にも色々な仕事があるじゃん、そう言ったのが欲しいんだよ!」
俺の声が空しく、部屋を反響して消えていく。
気を取り直して、ネルの様子でも見に行くか。大して時間は経ってないけど、あの様子は非常に怖いものがあったからな。
どこにいるのか探してみると、食堂のソファーでくつろいでいた。アニマルセラピーなのか、猫たちがネルの周りに群がっている。テト、ライ、ランの3匹も混ざっているので、モフモフ感が半端ない事になっている。
モフモフに埋もれているネルに近付いて気付く。ネルの膝の上にシンラが寝転がっていたのだ。俺のお腹を撫でてもいいんだぜ! とか言いそうなドヤ顔で、ネルの手をお腹に誘導している。
シンラのお腹を撫でても、猫たちを撫でた時みたいな効果は無いだろ。自分を撫でさせることで、誰もが落ち着くとか考えているんじゃないよな? そこまで考えていたら、本当にアホなんだろうな。
表情を見る限り落ち着いているので、今すぐに何かは無いだろう。
ブラウニーたちも見守ってくれているので、大丈夫だろう。少し話をしたが、近くにいられると恥ずかしいといわれ、撤退することにした。
ネルは、綾乃に自分の様子を聞いていたようで、その様子を見られたことが恥ずかしかったらしい。別に恥ずかしい事なんて何もなかったのだが、本人がそう言うのだから大人しく撤退する方がいいと判断したのだ。撤退するときに、シンラが勝ち誇ったようなドヤ顔をしていたことに、少しイラっとした。
そういえば、シンラがいるのにプラムとシオンが見当たらないな。どこにいるかと思ったら、ランの大きな体の向こうでお絵描きをしていたようだ。集中力が無いのである程度描くと、ランのモフモフのお腹に抱き着いたりしていたみたいだ。
お腹に埋まる感じのモフモフが好きなのは、俺も良く分かるぞ。だけど、ランは俺の従魔なんだがな……
はぁ、俺の従魔たちは子どもや妻たちを優先しすぎだな。都合のいい時ばかりすり寄ってくる、現金な奴らだ。本当に誰に似たんだかな。
食堂にはいられないので、何となく屋上へ向かった。
いろんな花が咲いており、花壇の間を縫うようにレースコースがある屋上だ。誰もいないかと思っていたら、スライムたちが大量にいた。今までにないくらいに多かったので、少しビビってしまった。
レースコースが見える位置に沢山のスライムが集まり、コースでは8匹くらいのスライムが競い合っている。子どもたちを乗せていないので、いつも以上に白熱している気がするが、気のせいだろうか?
スライムたちが競争をしているのは良いんだけど、この競争はお前たちの娯楽なのか?
そんなことを考えていたらニコが現れて、タブレットを持ち出して説明してくれた。
子どもたちの騎乗するスライムを決める戦いを今しているそうだ。2~3ヶ月に1回競い合って、上位になった数体のスライムから、子どもたちが乗るスライムを選ぶんだとか。俺の知らない所で、そんなことしてたのか……
それも気になるけど、ニコがタブレットで文字をうつことの方がビックリだよ! 今まで身振り手振りで、全く分からなかったのに、一気に進化した感じだな。
色々聞いてみたが、都合が悪くなると【???】とうって、分からないアピールをするのは止めてほしい。
俺は国王との通信が終わって、大きくため息をつく。なんというか、下手に出過ぎても良くないし、高圧的過ぎても良くないと、グリエルたちから言われているけど、そこら辺の塩梅は俺には分からんのだよ……上から目線だったけど、力関係を考えればこんなもんかね?
さて、特殊効果のついたサプリメントは、回収すればいいだけだからいいとして、他に優先しなきゃいけない事ってあったかな?
首を傾げながら考えてみるが、思い当たらないので、重要だったとしても俺が対処しなきゃいけない物ではないってことだろう。っと、何かをする前に、ポチポチッとな。
「グリエルか? 今日でフレデリクで起きた一連の騒動が終わったぞ。後は、各街でサプリメントを回収してもらえば、すべて終わりになるな。鑑定では調べられない特殊な付与効果だから、絶対に回収してくれ。しばらくは自己申告でいいけど、最終的にはマップ先生の検索機能を使って全部を回収してくれ」
『お話は終わりましたか。短時間の話し合いですのに、少し疲れすぎではありませんか? これからも同じような交渉事や話し合いがあるのですから、早めに慣れておいた方がいいですよ。サプリメントの件は、了解しました。回収責任者にタブレットの貸し出しをお願いします』
「うい~、タブレットは準備しておく。お偉いさんとの交渉とか話し合いは、遠慮したいんだけどな。腹の中で何を考えているか分からん奴の相手は、正直疲れるから嫌なんだが……」
『そうは言われましても、シュウ様が私たちのトップなのですから、必要な時には前に出ていただかないと困りますよ。大抵は、私たちでもなんとかなりますが、どうしようもない時だってあるんですから。あっ、前に出たくないからと言って、トップを譲るのはダメですよ』
くそう。領主押し付けは上手くいかないな。
『また……領主はシュウ様でなければまとまりません。お子様たちが成長して、引き継いでも問題ないのであれば、引退を考えてもよろしいと思いますが、現状では無理ですのでお諦めください。少しの交渉事と決裁だけなんですから、大人しくその席に座っておいてください』
ダメか……ミーシャたちは領主になるつもりはなさそうだし、ウルは領主ではなく補佐を目指しているみたいだからな。シンラが順調に成長すれば、俺の後釜になってくれるかね? シンラが領主になるなら、プラムたちも文句は言わないだろうし、ミーシャたちも応援するかな。
早く成長してくれることを祈っておこう。
『シュウ様、ご子息が成長しても、後30年近くは期間があるんですから、祈ったところで結果は変わりませんよ。そんな無駄なことに時間を費やすくらいなら、領主についてもう少し勉強なさいますか? 仕事が少ないと悩んでいると、奥様方から話は聞いてますよ』
「領主関係ではない仕事なら、いくらでも引き受けるから、何かあったらよろしく!」
これ以上の会話は拙いと判断して、通信を切った。
「ふぅ、危なかった。仕事は欲しいけど、領主の仕事が欲しいんじゃないんだよ、便利商品の作成依頼とかさ、冒険者としての依頼とかさ、領主以外にも色々な仕事があるじゃん、そう言ったのが欲しいんだよ!」
俺の声が空しく、部屋を反響して消えていく。
気を取り直して、ネルの様子でも見に行くか。大して時間は経ってないけど、あの様子は非常に怖いものがあったからな。
どこにいるのか探してみると、食堂のソファーでくつろいでいた。アニマルセラピーなのか、猫たちがネルの周りに群がっている。テト、ライ、ランの3匹も混ざっているので、モフモフ感が半端ない事になっている。
モフモフに埋もれているネルに近付いて気付く。ネルの膝の上にシンラが寝転がっていたのだ。俺のお腹を撫でてもいいんだぜ! とか言いそうなドヤ顔で、ネルの手をお腹に誘導している。
シンラのお腹を撫でても、猫たちを撫でた時みたいな効果は無いだろ。自分を撫でさせることで、誰もが落ち着くとか考えているんじゃないよな? そこまで考えていたら、本当にアホなんだろうな。
表情を見る限り落ち着いているので、今すぐに何かは無いだろう。
ブラウニーたちも見守ってくれているので、大丈夫だろう。少し話をしたが、近くにいられると恥ずかしいといわれ、撤退することにした。
ネルは、綾乃に自分の様子を聞いていたようで、その様子を見られたことが恥ずかしかったらしい。別に恥ずかしい事なんて何もなかったのだが、本人がそう言うのだから大人しく撤退する方がいいと判断したのだ。撤退するときに、シンラが勝ち誇ったようなドヤ顔をしていたことに、少しイラっとした。
そういえば、シンラがいるのにプラムとシオンが見当たらないな。どこにいるかと思ったら、ランの大きな体の向こうでお絵描きをしていたようだ。集中力が無いのである程度描くと、ランのモフモフのお腹に抱き着いたりしていたみたいだ。
お腹に埋まる感じのモフモフが好きなのは、俺も良く分かるぞ。だけど、ランは俺の従魔なんだがな……
はぁ、俺の従魔たちは子どもや妻たちを優先しすぎだな。都合のいい時ばかりすり寄ってくる、現金な奴らだ。本当に誰に似たんだかな。
食堂にはいられないので、何となく屋上へ向かった。
いろんな花が咲いており、花壇の間を縫うようにレースコースがある屋上だ。誰もいないかと思っていたら、スライムたちが大量にいた。今までにないくらいに多かったので、少しビビってしまった。
レースコースが見える位置に沢山のスライムが集まり、コースでは8匹くらいのスライムが競い合っている。子どもたちを乗せていないので、いつも以上に白熱している気がするが、気のせいだろうか?
スライムたちが競争をしているのは良いんだけど、この競争はお前たちの娯楽なのか?
そんなことを考えていたらニコが現れて、タブレットを持ち出して説明してくれた。
子どもたちの騎乗するスライムを決める戦いを今しているそうだ。2~3ヶ月に1回競い合って、上位になった数体のスライムから、子どもたちが乗るスライムを選ぶんだとか。俺の知らない所で、そんなことしてたのか……
それも気になるけど、ニコがタブレットで文字をうつことの方がビックリだよ! 今まで身振り手振りで、全く分からなかったのに、一気に進化した感じだな。
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