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第2100話 急用じゃない用事
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目が覚めると案の定、体が動かせなくなっていた。シンラたちは、多少位置が変わっているが俺のお腹と胸の上で、たれナンチャラみたいな姿勢で寝ている。その体勢って、寝にくくないのかね? スライムたちの上でも、そんな格好で寝てたな。
これだけなら体を動かせたのだが、予想した通りにミーシャたちも来ていたため、両腕が固定されている状態だ。シンラたちの足側に1人、頭側に2人いるのが頭の感触で分かる。あ~、一応足は動かせるな。動かせても体は起こせないんだけどな。
困ったもんだ。近くに妻たちの誰かがいるのは、気配で分かっているので、助けを求めるか。
「お~い、そろそろ起きたいから、近くにいる誰か手伝ってくれ」
少し小さめの声で伝えるが、しっかりと聞こえていたようで、気配が動き出したのが分かった。手伝ってくれたのは、ピーチだった。
おや、珍しいな。
妻たちのまとめ役みたいな立ち位置のピーチが、こういう時に傍にいるのって珍しいんだよな。プラムが生まれてからしばらくは、子どもたちにかかりっきりで、その合間に近くにいることはあったけど、最近は子どもたちの世話が楽になったからか、活動的になっているんだよね。
世話にかかる手間は減ったけど、面倒にかかる手間が増えた感じだよな。それは、他の妻たちでも問題ないので、持ち回りで面倒を看てくれている。ウルやミーシャたちも姉として、下の子たちの面倒見てくれているので、助かっている。
そのおかげで、妻たちは自分たちがしたいように活動して、日々充実していると聞いているな。
ミーシャたちは、ピーチの声掛けで普通に目を覚ましたが、やはりシンラたちは目を覚まさなかったので、ピーチが1人ずつ抱き上げて、そのままエアーベッドに寝かせる。
シンラとプラム、シオンの間には、この子たち1人分くらいの隙間が両方にあったのだが、俺が体を起こして伸びをしている間に無くなっていた。本当にこの子たちは、シンラが好きなんだな。寝ていても近くにいれば、無意識に近付いていく……センサーがすごいな。
子どもたちの様子を見ていたいが、橋を作りに行きますかね。
「あ、シュウさん、グリエルさんとガリアさんが、執務室に来てほしいと連絡がありました」
ん? 2~3日は来ないから、急用があったら連絡するように言ったけど、何か急用でもあったのか? 急用にしては、ピーチがのんびりしている気がする……内容は知らされていないってことか? それとも、急いで相談したいけど、急用って程でもないってとこだろうか?
行けば分かるだろう。ゲートを使ってサクッと移動する。
いつ来るか分からない相手の執務室で待っているほど、グリエルたちも暇なわけないよな。執務室に隣接している秘書の仕事部屋へ入って、2人を呼んでくるようにお願いする。
5分もしないうちに、2人がやってきた。
「急用って程でもないのですが、早めに相談しておきたいことがありまして」
「あぁ、後者だったか」
「「????」」
「ごめん、ごめん。こっちの話だから、そっちの話を進めてくれ」
思わず口に出てしまい、2人が首を傾げてしまった。
「分かりました。えっと、相談したいことというのは、難民たちの街についてなのです。予定では壁を広く作って、その内である程度自活できるようにするんですよね? 反乱対策と言いますか、反乱がおきる前提でしたよね?」
「そうだけど、何か問題でもあったか? 反乱があるかもしれないから、対策を考えたっていうべきだな」
「ですよね。それなんですが、反乱がいつになるか分からないですが、ほぼ確定で起こると思ってください。それが街全体になるのか、一部だけの反乱なのかは、難民たちの考え次第ですが……」
「確定か……起こらない方がいいけど、しっかりと対策が打ち出せるだけましか。断定しているってことは、情報源があるってこと?」
「タレコミと言いますか、帝国の皇帝から連絡がありまして、皇帝の密偵が今回戦争を起こした国で得た情報で、自分たちが攻めたことによってうまれた難民に紛れて、シュウ様の領地で何やら画策しているようです。その1つが反乱を起こすらしいです。周囲の街を手に入れるつもりではないかとのことです」
なるほどね。難民をださせるために戦争を起こしたと。ってことは、ある程度細かく色々計画しているのかもしれないな。その国の関係者は、通さないようにするか。商人に変装して、難民の街に物をうりにくるかもしれないな。
「それで、難民の大半が帝国を抜けて、ラディッツ近くに来てしまうことを謝罪していました」
「それは、皇帝の所為ではないだろ。帝国が画策して何かをしたのであれば、話は変わってくるけど、今の皇帝はそんなことしないだろ。前皇帝ならやったかもしれないけど、今のは無理に敵を作るタイプじゃないからな」
あまり話したことは無いが、皇帝が変わってから帝国に抱いていた印象が変わったからな。実力主義なところは変わらないが、無茶をしなくなった感じだな。俺たちがいなければ問題なかったけど、戦力的に帝国を上回っている俺たちが来ちまったからな。
「押し付ける形になってしまったことに対しての謝罪でしたね。帝国の方でも、今回の戦争を起こした国の商人は、可能な限り入国を禁止するみたいですが、全ては無理だろうから、こちらでも対策してくださいとのことでした」
「急用ではないけど、早めに伝えておきたかったわけか。既に難民に紛れて移動している工作員もいるだろうから、その対策ってことな。それに関しては妻たちの協力もあるから、工作員のあぶり出しは問題ないと思うぞ」
「そうなのですが、一応耳に入れておこうと思いまして、こちらに来てもらったのです」
それもそうか。この情報を知っていて伝えなかったら、職務怠慢と言わざるを得ないよな。妻たちと情報共有しておかないとな。レイリーにも伝えて、兵士たちにも情報共有してもらうか。特に、難民関係で前に出る兵士には注意してもらわないとな。
ただ体に手が触れただけで、暴力を振るわれた! とか言って、反乱を煽るかもな。
アニメや小説では、手が体に触れただけで大げさなリアクションをとり、暴力を振るわれた! とか言う奴おるからな。それで騒ぐなら、完全に門を閉鎖すればいいだけの話なんだけどね。
さて、戻るか。
これだけなら体を動かせたのだが、予想した通りにミーシャたちも来ていたため、両腕が固定されている状態だ。シンラたちの足側に1人、頭側に2人いるのが頭の感触で分かる。あ~、一応足は動かせるな。動かせても体は起こせないんだけどな。
困ったもんだ。近くに妻たちの誰かがいるのは、気配で分かっているので、助けを求めるか。
「お~い、そろそろ起きたいから、近くにいる誰か手伝ってくれ」
少し小さめの声で伝えるが、しっかりと聞こえていたようで、気配が動き出したのが分かった。手伝ってくれたのは、ピーチだった。
おや、珍しいな。
妻たちのまとめ役みたいな立ち位置のピーチが、こういう時に傍にいるのって珍しいんだよな。プラムが生まれてからしばらくは、子どもたちにかかりっきりで、その合間に近くにいることはあったけど、最近は子どもたちの世話が楽になったからか、活動的になっているんだよね。
世話にかかる手間は減ったけど、面倒にかかる手間が増えた感じだよな。それは、他の妻たちでも問題ないので、持ち回りで面倒を看てくれている。ウルやミーシャたちも姉として、下の子たちの面倒見てくれているので、助かっている。
そのおかげで、妻たちは自分たちがしたいように活動して、日々充実していると聞いているな。
ミーシャたちは、ピーチの声掛けで普通に目を覚ましたが、やはりシンラたちは目を覚まさなかったので、ピーチが1人ずつ抱き上げて、そのままエアーベッドに寝かせる。
シンラとプラム、シオンの間には、この子たち1人分くらいの隙間が両方にあったのだが、俺が体を起こして伸びをしている間に無くなっていた。本当にこの子たちは、シンラが好きなんだな。寝ていても近くにいれば、無意識に近付いていく……センサーがすごいな。
子どもたちの様子を見ていたいが、橋を作りに行きますかね。
「あ、シュウさん、グリエルさんとガリアさんが、執務室に来てほしいと連絡がありました」
ん? 2~3日は来ないから、急用があったら連絡するように言ったけど、何か急用でもあったのか? 急用にしては、ピーチがのんびりしている気がする……内容は知らされていないってことか? それとも、急いで相談したいけど、急用って程でもないってとこだろうか?
行けば分かるだろう。ゲートを使ってサクッと移動する。
いつ来るか分からない相手の執務室で待っているほど、グリエルたちも暇なわけないよな。執務室に隣接している秘書の仕事部屋へ入って、2人を呼んでくるようにお願いする。
5分もしないうちに、2人がやってきた。
「急用って程でもないのですが、早めに相談しておきたいことがありまして」
「あぁ、後者だったか」
「「????」」
「ごめん、ごめん。こっちの話だから、そっちの話を進めてくれ」
思わず口に出てしまい、2人が首を傾げてしまった。
「分かりました。えっと、相談したいことというのは、難民たちの街についてなのです。予定では壁を広く作って、その内である程度自活できるようにするんですよね? 反乱対策と言いますか、反乱がおきる前提でしたよね?」
「そうだけど、何か問題でもあったか? 反乱があるかもしれないから、対策を考えたっていうべきだな」
「ですよね。それなんですが、反乱がいつになるか分からないですが、ほぼ確定で起こると思ってください。それが街全体になるのか、一部だけの反乱なのかは、難民たちの考え次第ですが……」
「確定か……起こらない方がいいけど、しっかりと対策が打ち出せるだけましか。断定しているってことは、情報源があるってこと?」
「タレコミと言いますか、帝国の皇帝から連絡がありまして、皇帝の密偵が今回戦争を起こした国で得た情報で、自分たちが攻めたことによってうまれた難民に紛れて、シュウ様の領地で何やら画策しているようです。その1つが反乱を起こすらしいです。周囲の街を手に入れるつもりではないかとのことです」
なるほどね。難民をださせるために戦争を起こしたと。ってことは、ある程度細かく色々計画しているのかもしれないな。その国の関係者は、通さないようにするか。商人に変装して、難民の街に物をうりにくるかもしれないな。
「それで、難民の大半が帝国を抜けて、ラディッツ近くに来てしまうことを謝罪していました」
「それは、皇帝の所為ではないだろ。帝国が画策して何かをしたのであれば、話は変わってくるけど、今の皇帝はそんなことしないだろ。前皇帝ならやったかもしれないけど、今のは無理に敵を作るタイプじゃないからな」
あまり話したことは無いが、皇帝が変わってから帝国に抱いていた印象が変わったからな。実力主義なところは変わらないが、無茶をしなくなった感じだな。俺たちがいなければ問題なかったけど、戦力的に帝国を上回っている俺たちが来ちまったからな。
「押し付ける形になってしまったことに対しての謝罪でしたね。帝国の方でも、今回の戦争を起こした国の商人は、可能な限り入国を禁止するみたいですが、全ては無理だろうから、こちらでも対策してくださいとのことでした」
「急用ではないけど、早めに伝えておきたかったわけか。既に難民に紛れて移動している工作員もいるだろうから、その対策ってことな。それに関しては妻たちの協力もあるから、工作員のあぶり出しは問題ないと思うぞ」
「そうなのですが、一応耳に入れておこうと思いまして、こちらに来てもらったのです」
それもそうか。この情報を知っていて伝えなかったら、職務怠慢と言わざるを得ないよな。妻たちと情報共有しておかないとな。レイリーにも伝えて、兵士たちにも情報共有してもらうか。特に、難民関係で前に出る兵士には注意してもらわないとな。
ただ体に手が触れただけで、暴力を振るわれた! とか言って、反乱を煽るかもな。
アニメや小説では、手が体に触れただけで大げさなリアクションをとり、暴力を振るわれた! とか言う奴おるからな。それで騒ぐなら、完全に門を閉鎖すればいいだけの話なんだけどね。
さて、戻るか。
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