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第2123話 オヤツ前の騒動
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シンラたちは、動き出したというよりは、スライムたちに起こされたようだな。俺の建築の様子を見ていたのは知っていたが、飽きたのか何なのか、スライムたちに埋もれて寝てしまったのだろう。そして、おやつの時間になったので起こされた感じだな。
シンラたちの動き出した気配で、おやつということが分かったので、少し感謝している。おやつは遅れてたべようとすれば注意されるが、行かなければ何も言われない。何も言われずに食べたいなら、時間に合わせていく必要がある。
動き出してはいるがまだ眠いのか、起きた場所でもぞもぞしているようだな。様子を見に行くか。
シンラたちが隠れている場所に向かうと……何してんだこいつ? 俺の息子ながら、意味不明なことをしているな。
シュウが見たシンラは、スライムとスライムの間に体を横にして挟まっており、足をバタバタさせていた。スライムたちも動く様子が無く、シンラの頬が膨れ上がっている。何でそんな状況になっているんだ?
普段ならシンラを助ける行動をとるであろうプラムとシオンは、まだ眠い様子で頭がフラフラしている。現状を把握できていないようで、とりあえずシンラがいないので、いろんな方向に手を伸ばしている……
見事にカオスな状況だな。我が子どもたちながら、不安になる光景だな。
まずは、シンラを助けましょうかね。
スライムに埋もれているシンラを抱きかかえると、もっと早く助けろと言わんばかりに、俺の胸のあたりをポコポコと叩き始めた。最近は姉たちのトレーニングに混じって、体を動かしているからか、少しだけ叩く力が強くなっている気がする。
シンラの成長を喜んでいると、それが気に入らなかったのかシンラの叩く力が強くなった。うむ、もっと頑張れ!
シンラが騒いでいることに気付いたプラムとシオンが、手を伸ばしてきたので、一緒に抱きかかえてあげる。珍しく嫌がることも無く、すんなりと抱かれてくれたな。まぁ、寝ぼけているからだろう。
3人を抱きかかえて……2人ならいいけど、3人は抱きにくいんだよな。地球にいた頃の俺じゃ、こんな抱っこは出来なかっただろうな。
もぞもぞと動く3人を連れて、食堂へ向かった。
食堂では、ウルたち姉4人が、何やら準備をしている。それを見たプラムとシオンは、声を上げ何か主張してくるのだが、テンションが上がりすぎて声になっていない。
姉たちなら、毎日会っているというか同じ家で生活してるのに、食堂であっただけでなぜこんなに騒ぐんだ?
あまりにも暴れて落としそうになるので、慌てて2人を床におろす。そうすると、シンラの事を放置して、姉たちのもとへ走っていった。シンラの方を見ると……ヤレヤレだぜ、と言わんばかりの表情をしている。
達観しているみたいだけど、お前も大して変わらんからな。プラムたちの後を追いたいが、俺に見られてピタッと動きを止めたのには、気付いているんだからな。
せっかくだから、男同士で話そうじゃないか。
プラムとシオンが、急いで移動した理由を知ってるか? お前も一緒に行こうとしてたのは分かってるから、お前さんたち3人を動かす何かがあると思うんだが……それって何なんだ?
シンラは言葉にしようとしたが、丸いフワフワ、甘くて美味しいとしか言わない。おやつに関係する何かだと思うのだが、そのお菓子の名前をシンラは知らないようだな。一生懸命手で丸を作って説明してくれるが、丸い、フワフワ、甘いってだけだと、色々ありすぎてわからんのだが?
ウルたちは、簡単なお菓子であれば1人で作れるようになっているらしいが、その中にシンラたちを動かすだけの力のあるお菓子なんてあるのか?
多分、俺が答えを言っても、シンラが正解のお菓子の名前を知らないから、絶対に分からないんだよな。
ここは、のんびりと机で待つとするか。スライムたちや、シンラの椅子を運んできてもらっていいか? 今日は……俺の近くでいいのか?
聞いてみると問題ないとのことだけど、左右は空けておかないと大変な事になりそうなので、始めから3人分の椅子を用意するようにスライムに指示する。
シンラが鼻歌と言っていいのか、何やら音を奏でながらおやつが来るのを待っている。
食堂に漂うこの匂いは、バターで何かを焼いている匂いだな。何が出てくるのか考えていると、治療師の子どもたちが食堂へ集まってきた。まだぎこちない様子だけど、キャラバンで移動してきたおかげか、普通に話せてはいるみたいだ。
子どもたちの中で数人が、作業を終えて休憩に戻ってきた土木組に突撃して、いろんな話を聞き始めた。何やら真剣な表情をしているので、邪魔しないように空気になっておこう。俺は空気、そこら辺に漂う空気。
気配を消すことを意識していたら、隣にいたシンラが慌ててこちらを振り向き、目を擦る仕草をしている。俺の顔に何かついてるのか?
聞いてみると、ホッとした様子をした。
一瞬、俺が急にいなくなったように感じて、ビックリしてしまったようだ。気配が分かるわけではないが、視界の端にいた俺が、急に見えなくなったような気がしたんだとさ。
俺が気配を消そうとして、成功してしまったために、シンラが驚いてしまったのだろう。息子よ、ビックリさせてすまんな。
そろそろ、おやつが運ばれてくる気がするな。お皿の音もしているし、個別のお皿に盛りつけてから持ってくるタイプかな? ケーキとかなら、ホールごと持って来て目の前できるからな。
そうやって運ばれてきたのは……ただのホットケーキだった。これなら娘たちも簡単に作れるけど、そうなるとシンラたちは何に興奮していたんだ?
謎は深まるが、すぐに解決する出来事が起きる。
シルキーがやって来て、クイーンハニービーの王蜜を取り出すと、シンラたち3人のテンションが爆上がりした。なるほどな、ウルたちの作ったホットケーキであれば、王蜜を使うと分かっていたから、テンションが高くなっていたのか。
それにしてもお前さんたちって、王蜜が好きだったんか?
気になって聞いてみたが、3人とも理由は良く分からないが、とても好きだという事だけは分かった。
この答えは、スカーレットからもたらされた。
食欲が落ちた時に王蜜を舐めさせていたことが、おそらくきっかけではないかとのことだ。甘いし美味しいから、刷り込みに近い何かなのかもしれないな。
本来ハチミツは、赤ちゃんには食べさせてはいけないが、王蜜には雑菌などが無いので、安心して食べさせられる、栄養価の高い物だったみたいだ。
シンラたちの動き出した気配で、おやつということが分かったので、少し感謝している。おやつは遅れてたべようとすれば注意されるが、行かなければ何も言われない。何も言われずに食べたいなら、時間に合わせていく必要がある。
動き出してはいるがまだ眠いのか、起きた場所でもぞもぞしているようだな。様子を見に行くか。
シンラたちが隠れている場所に向かうと……何してんだこいつ? 俺の息子ながら、意味不明なことをしているな。
シュウが見たシンラは、スライムとスライムの間に体を横にして挟まっており、足をバタバタさせていた。スライムたちも動く様子が無く、シンラの頬が膨れ上がっている。何でそんな状況になっているんだ?
普段ならシンラを助ける行動をとるであろうプラムとシオンは、まだ眠い様子で頭がフラフラしている。現状を把握できていないようで、とりあえずシンラがいないので、いろんな方向に手を伸ばしている……
見事にカオスな状況だな。我が子どもたちながら、不安になる光景だな。
まずは、シンラを助けましょうかね。
スライムに埋もれているシンラを抱きかかえると、もっと早く助けろと言わんばかりに、俺の胸のあたりをポコポコと叩き始めた。最近は姉たちのトレーニングに混じって、体を動かしているからか、少しだけ叩く力が強くなっている気がする。
シンラの成長を喜んでいると、それが気に入らなかったのかシンラの叩く力が強くなった。うむ、もっと頑張れ!
シンラが騒いでいることに気付いたプラムとシオンが、手を伸ばしてきたので、一緒に抱きかかえてあげる。珍しく嫌がることも無く、すんなりと抱かれてくれたな。まぁ、寝ぼけているからだろう。
3人を抱きかかえて……2人ならいいけど、3人は抱きにくいんだよな。地球にいた頃の俺じゃ、こんな抱っこは出来なかっただろうな。
もぞもぞと動く3人を連れて、食堂へ向かった。
食堂では、ウルたち姉4人が、何やら準備をしている。それを見たプラムとシオンは、声を上げ何か主張してくるのだが、テンションが上がりすぎて声になっていない。
姉たちなら、毎日会っているというか同じ家で生活してるのに、食堂であっただけでなぜこんなに騒ぐんだ?
あまりにも暴れて落としそうになるので、慌てて2人を床におろす。そうすると、シンラの事を放置して、姉たちのもとへ走っていった。シンラの方を見ると……ヤレヤレだぜ、と言わんばかりの表情をしている。
達観しているみたいだけど、お前も大して変わらんからな。プラムたちの後を追いたいが、俺に見られてピタッと動きを止めたのには、気付いているんだからな。
せっかくだから、男同士で話そうじゃないか。
プラムとシオンが、急いで移動した理由を知ってるか? お前も一緒に行こうとしてたのは分かってるから、お前さんたち3人を動かす何かがあると思うんだが……それって何なんだ?
シンラは言葉にしようとしたが、丸いフワフワ、甘くて美味しいとしか言わない。おやつに関係する何かだと思うのだが、そのお菓子の名前をシンラは知らないようだな。一生懸命手で丸を作って説明してくれるが、丸い、フワフワ、甘いってだけだと、色々ありすぎてわからんのだが?
ウルたちは、簡単なお菓子であれば1人で作れるようになっているらしいが、その中にシンラたちを動かすだけの力のあるお菓子なんてあるのか?
多分、俺が答えを言っても、シンラが正解のお菓子の名前を知らないから、絶対に分からないんだよな。
ここは、のんびりと机で待つとするか。スライムたちや、シンラの椅子を運んできてもらっていいか? 今日は……俺の近くでいいのか?
聞いてみると問題ないとのことだけど、左右は空けておかないと大変な事になりそうなので、始めから3人分の椅子を用意するようにスライムに指示する。
シンラが鼻歌と言っていいのか、何やら音を奏でながらおやつが来るのを待っている。
食堂に漂うこの匂いは、バターで何かを焼いている匂いだな。何が出てくるのか考えていると、治療師の子どもたちが食堂へ集まってきた。まだぎこちない様子だけど、キャラバンで移動してきたおかげか、普通に話せてはいるみたいだ。
子どもたちの中で数人が、作業を終えて休憩に戻ってきた土木組に突撃して、いろんな話を聞き始めた。何やら真剣な表情をしているので、邪魔しないように空気になっておこう。俺は空気、そこら辺に漂う空気。
気配を消すことを意識していたら、隣にいたシンラが慌ててこちらを振り向き、目を擦る仕草をしている。俺の顔に何かついてるのか?
聞いてみると、ホッとした様子をした。
一瞬、俺が急にいなくなったように感じて、ビックリしてしまったようだ。気配が分かるわけではないが、視界の端にいた俺が、急に見えなくなったような気がしたんだとさ。
俺が気配を消そうとして、成功してしまったために、シンラが驚いてしまったのだろう。息子よ、ビックリさせてすまんな。
そろそろ、おやつが運ばれてくる気がするな。お皿の音もしているし、個別のお皿に盛りつけてから持ってくるタイプかな? ケーキとかなら、ホールごと持って来て目の前できるからな。
そうやって運ばれてきたのは……ただのホットケーキだった。これなら娘たちも簡単に作れるけど、そうなるとシンラたちは何に興奮していたんだ?
謎は深まるが、すぐに解決する出来事が起きる。
シルキーがやって来て、クイーンハニービーの王蜜を取り出すと、シンラたち3人のテンションが爆上がりした。なるほどな、ウルたちの作ったホットケーキであれば、王蜜を使うと分かっていたから、テンションが高くなっていたのか。
それにしてもお前さんたちって、王蜜が好きだったんか?
気になって聞いてみたが、3人とも理由は良く分からないが、とても好きだという事だけは分かった。
この答えは、スカーレットからもたらされた。
食欲が落ちた時に王蜜を舐めさせていたことが、おそらくきっかけではないかとのことだ。甘いし美味しいから、刷り込みに近い何かなのかもしれないな。
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