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第2161話 訓練Part3
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防衛部隊と戦闘を始めて5分程経過した。
「おかしいですね。私たちの行動がとる行動が分かっているのに、同じ行動を続けていますね……おそらく防衛部隊の指揮官が意図的に、同じ行動をとらせているように見えます。みんなはどう思いますか?」
ピーチの問いに、全員が同じように疑問を感じている様子を見せた。
「敵部隊に負傷者は出ていますが、今の所重症判定などで離脱した者はいなそうですね。そうですよね、ソフィー? 抜けた穴をしっかりと後ろから来た兵士が、穴埋めしていますね……となると、あの部隊は私たちを倒そうとするつもりはなく、時間を稼いでいるという所でしょうか?」
俺もその考えには賛成だが、何のために時間を稼いでいるかということだな。レイリーの訓練を全部知っているわけではないが、この位置で時間稼ぎをする意味が俺には分からなかった。
攻撃の射程範囲や負傷者の後方への搬送などを考えると、もう少し防衛ラインを後ろに下げるべきだと思うんだよな。衛生兵の負担が大きくなりすぎると思うし、兵士たちの移動も大変だと思う……それでもここで防衛する意味があるのか、それとも駐屯地へ近付けさせたくないのか?
駐屯地の近くには防衛戦をできるように、工作兵が塹壕やトーチカ、土嚢代わりの土壁など、守るのに適した場所を作っているはずなんだが……駐屯地から3キロメートル当たりをラインに作ってるんじゃなかったっけ? それを利用しないのには理由があるのかな? それとも利用できないとか?
「考えがまとまりませんね。あまり時間をかけたくは無いですが、防衛部隊の動きを考えると……少し不自然なので近寄りたくはないんですね。少し攻撃の密度を上げて見ますか?」
ピーチが周りに相談しながら、対応を考えていると、敵部隊を観察しているソフィーが、
「斥候部隊と違ってあの防衛部隊は、私たち足が速そうではないですが、私たちが一気に接近した場合逃げられないと思います。なのに逃げるわけでもなく、一定の距離をとっているのは何故でしょう? ここで防衛部隊を使い捨てる判断は、状況的におかしいくないですか?」
ん? 言われてみれば、あの部隊であれば追いついて乱戦に持ち込むことも出来る。敵部隊も斥候の話を聞いていれば、逃げられないことは分かっているだろうが……なのに逃げないのには、何か理由があるのだろうか?
「ソフィー、防衛部隊の後ろを調べてください。ライムは、ソフィーの調査を楽にするように、高台を作ってください。他のメンバーは、このまま攻撃を続行。気になることがあれば報告をあげてください」
ピーチは、ここで堪えているのは、後方で何かをしているのではないか? と考えたようだ。確かにその可能性はある。今いる位置からだと、防衛部隊の後ろを見ることができないので、何か細工されていても分からない。だから、ソフィーに調べるように言ったのだろう。
この話を聞くまでは、そう思っていた。
『シュウ様、態度に出さないでくださいね。ピーチさんの意見は普通に考えれば正しいですが、今回に限っては正しくないですね。後方では何も行われてません。もしかしたら危険があるので、いざという時は腕輪の制限を解除して結界を張ってください』
レイリーからもたらされた情報だ。
今回の俺は、指揮に携わることも無いし、意見を言うつもりはほとんどない。可能な限りこっちへの情報はカットするように言っていたのだが、レイリーたちが伝えておくべきだろうとこっちへ連絡を寄こしたのだ。それを考えると、俺たちの考えていない方法で、俺たちが奇襲を受ける可能性があるということだろうか?
制限を解除しての結界ってことは、全力で防御しろってことだよな? 俺たちに対してそれを言うってことは、余程の仕掛けがあると考えていいのか? 従魔たちの協力は無いはずなので、メグちゃんとシリウス君の住処への直通は無いはず……直通……
もしかして、そういう事か。
この考えが正しいのなら、防衛部隊の動きも頷けるというものだ。よくよく観察すれば、防衛部隊がある一定のラインを超えると下がって守りに徹している。こっちが相手の距離に合わせていたから気付くのが遅れたが、あの動きは時間稼ぎをしているようにも見えるが……
おそらくは、防衛部隊の前方に何か仕掛けがあるのだろう。俺たちが死ぬことは無いが、危険になるほどの何かがあるということだろう。
そこで考えられるのが、地雷に似た何かによる周囲への無差別攻撃、落とし穴の下に槍、拘束系の魔導具か何かがあるのではないかと思う。
防衛陣地の手前であれば、そういう罠があっても驚きはしないが、ここにそんな罠があるとは思いもしなかった。斥候部隊が時間を稼いだのは、防衛部隊がここに到着するまでの時間。この防衛部隊の本当の役割は、時間稼ぎではなく罠への誘導と、後始末か?
俺が考えた3つの方法でも、死なない奴らは沢山いるだろう。そんな弱った相手を仕留めるための部隊ということだ。予定と違い大ダメージを与えられなくても、敵の足を止めている間に引くということだろう。
後は、地雷や拘束系であれば、不意に発動しないように発動させるために、ここへきている可能性もあるか? 発動だけなら斥候部隊でもできると思うから、やはり後始末がメインの部隊ってことかね。
俺はレイリーから情報を聞いたから、ますます口を出せなくなってるけど、ピーチはどう判断するのかな?
そんなことを考えていると、シェリーから報告が入る。後方では特に工作している動きは無く、衛生兵が色々と頑張っているようだ。
考えが外れて、少し悩む様子が見られた。
そんな時、シェリルが、
「少し地面がおかしい気がするんだけど、私の勘違いかな?」
えっ? レイリーから話を聞いて地面もよく観察してみたけど、俺にはおかしな気はしないのだが……掘り返した感じもないし、落とし穴だったら相当苦労して作ったんじゃないか?
「シェリル、どんな感じにおかしいか、説明できますか?」
「う~~ん、勘のような物だから説明しにくいんだけど……地面の凹凸が変な感じがするかな?」
「地面の凹凸……土木組のみなさん、土魔法で掘り起こしてください! その土をもう一度固め直してください。タンクのみなさんは、念のため前に出て防御態勢!」
地雷的な何かを想定した動きだな。凹凸が変ということは、埋めた時に不自然に盛ったか均しすぎたのかもな。俺には全く分からんけど……
「おかしいですね。私たちの行動がとる行動が分かっているのに、同じ行動を続けていますね……おそらく防衛部隊の指揮官が意図的に、同じ行動をとらせているように見えます。みんなはどう思いますか?」
ピーチの問いに、全員が同じように疑問を感じている様子を見せた。
「敵部隊に負傷者は出ていますが、今の所重症判定などで離脱した者はいなそうですね。そうですよね、ソフィー? 抜けた穴をしっかりと後ろから来た兵士が、穴埋めしていますね……となると、あの部隊は私たちを倒そうとするつもりはなく、時間を稼いでいるという所でしょうか?」
俺もその考えには賛成だが、何のために時間を稼いでいるかということだな。レイリーの訓練を全部知っているわけではないが、この位置で時間稼ぎをする意味が俺には分からなかった。
攻撃の射程範囲や負傷者の後方への搬送などを考えると、もう少し防衛ラインを後ろに下げるべきだと思うんだよな。衛生兵の負担が大きくなりすぎると思うし、兵士たちの移動も大変だと思う……それでもここで防衛する意味があるのか、それとも駐屯地へ近付けさせたくないのか?
駐屯地の近くには防衛戦をできるように、工作兵が塹壕やトーチカ、土嚢代わりの土壁など、守るのに適した場所を作っているはずなんだが……駐屯地から3キロメートル当たりをラインに作ってるんじゃなかったっけ? それを利用しないのには理由があるのかな? それとも利用できないとか?
「考えがまとまりませんね。あまり時間をかけたくは無いですが、防衛部隊の動きを考えると……少し不自然なので近寄りたくはないんですね。少し攻撃の密度を上げて見ますか?」
ピーチが周りに相談しながら、対応を考えていると、敵部隊を観察しているソフィーが、
「斥候部隊と違ってあの防衛部隊は、私たち足が速そうではないですが、私たちが一気に接近した場合逃げられないと思います。なのに逃げるわけでもなく、一定の距離をとっているのは何故でしょう? ここで防衛部隊を使い捨てる判断は、状況的におかしいくないですか?」
ん? 言われてみれば、あの部隊であれば追いついて乱戦に持ち込むことも出来る。敵部隊も斥候の話を聞いていれば、逃げられないことは分かっているだろうが……なのに逃げないのには、何か理由があるのだろうか?
「ソフィー、防衛部隊の後ろを調べてください。ライムは、ソフィーの調査を楽にするように、高台を作ってください。他のメンバーは、このまま攻撃を続行。気になることがあれば報告をあげてください」
ピーチは、ここで堪えているのは、後方で何かをしているのではないか? と考えたようだ。確かにその可能性はある。今いる位置からだと、防衛部隊の後ろを見ることができないので、何か細工されていても分からない。だから、ソフィーに調べるように言ったのだろう。
この話を聞くまでは、そう思っていた。
『シュウ様、態度に出さないでくださいね。ピーチさんの意見は普通に考えれば正しいですが、今回に限っては正しくないですね。後方では何も行われてません。もしかしたら危険があるので、いざという時は腕輪の制限を解除して結界を張ってください』
レイリーからもたらされた情報だ。
今回の俺は、指揮に携わることも無いし、意見を言うつもりはほとんどない。可能な限りこっちへの情報はカットするように言っていたのだが、レイリーたちが伝えておくべきだろうとこっちへ連絡を寄こしたのだ。それを考えると、俺たちの考えていない方法で、俺たちが奇襲を受ける可能性があるということだろうか?
制限を解除しての結界ってことは、全力で防御しろってことだよな? 俺たちに対してそれを言うってことは、余程の仕掛けがあると考えていいのか? 従魔たちの協力は無いはずなので、メグちゃんとシリウス君の住処への直通は無いはず……直通……
もしかして、そういう事か。
この考えが正しいのなら、防衛部隊の動きも頷けるというものだ。よくよく観察すれば、防衛部隊がある一定のラインを超えると下がって守りに徹している。こっちが相手の距離に合わせていたから気付くのが遅れたが、あの動きは時間稼ぎをしているようにも見えるが……
おそらくは、防衛部隊の前方に何か仕掛けがあるのだろう。俺たちが死ぬことは無いが、危険になるほどの何かがあるということだろう。
そこで考えられるのが、地雷に似た何かによる周囲への無差別攻撃、落とし穴の下に槍、拘束系の魔導具か何かがあるのではないかと思う。
防衛陣地の手前であれば、そういう罠があっても驚きはしないが、ここにそんな罠があるとは思いもしなかった。斥候部隊が時間を稼いだのは、防衛部隊がここに到着するまでの時間。この防衛部隊の本当の役割は、時間稼ぎではなく罠への誘導と、後始末か?
俺が考えた3つの方法でも、死なない奴らは沢山いるだろう。そんな弱った相手を仕留めるための部隊ということだ。予定と違い大ダメージを与えられなくても、敵の足を止めている間に引くということだろう。
後は、地雷や拘束系であれば、不意に発動しないように発動させるために、ここへきている可能性もあるか? 発動だけなら斥候部隊でもできると思うから、やはり後始末がメインの部隊ってことかね。
俺はレイリーから情報を聞いたから、ますます口を出せなくなってるけど、ピーチはどう判断するのかな?
そんなことを考えていると、シェリーから報告が入る。後方では特に工作している動きは無く、衛生兵が色々と頑張っているようだ。
考えが外れて、少し悩む様子が見られた。
そんな時、シェリルが、
「少し地面がおかしい気がするんだけど、私の勘違いかな?」
えっ? レイリーから話を聞いて地面もよく観察してみたけど、俺にはおかしな気はしないのだが……掘り返した感じもないし、落とし穴だったら相当苦労して作ったんじゃないか?
「シェリル、どんな感じにおかしいか、説明できますか?」
「う~~ん、勘のような物だから説明しにくいんだけど……地面の凹凸が変な感じがするかな?」
「地面の凹凸……土木組のみなさん、土魔法で掘り起こしてください! その土をもう一度固め直してください。タンクのみなさんは、念のため前に出て防御態勢!」
地雷的な何かを想定した動きだな。凹凸が変ということは、埋めた時に不自然に盛ったか均しすぎたのかもな。俺には全く分からんけど……
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