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第2164話 訓練Part6
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少し悩んだ後にピーチは……
「防衛部隊がいないのでしたら、突っ切りましょう。攻撃が来たら左右に壁を作り、可能な限り素早く前進します。メアリーとマリアは、出し惜しみなしで遊撃部隊を攻撃。人ではなく馬を狙いなさい。機動力を削り、ちょっかいを出せないようにします。ライムは防御ではなく、広範囲に効果が出るような魔法を使いなさい」
なるほどなるほど、向こうとこっちの射程距離を比べれば、同じかこっちの方が勝っている。だけど、距離があるので、移動速度が速く遊撃なので規則性の無い移動で、こちらは偏差射撃も難しい。だから一方的に攻撃されていたが、弓の名手2人と広範囲魔法で避けれない魔法を撃ちこむ形か。
騎乗している兵士たちには効果はあまりない広範囲魔法だが、馬には有効的だろう。ダメージは少なくとも、炎や爆発で馬がひるめば十分ってとこだな。することの無い俺は……
「ピーチ、俺はライムの補助に回るけど、問題ないか? サンキュー! ライムの魔法に合わせて砂利をまき散らすから、爆発は風が強めでよろしく」
俺は、ライムの魔法の爆発に合わせて、砂利をまき散らして簡易的な手榴弾のように、周囲に攻撃をするように補助する予定だ。俺の意図を組んで、
「了解しました。メアリーとマリアは、魔法の影響がなくなったら攻撃をお願いします。ピーチ、初めてもいい?」
ピーチが攻撃の許可を出したので、ライムが魔法を練り上げている。魔法の調整をしているのだろう。普段はあまり気にせずにイメージだけで使っているが、魔法にも制限があったりする。その制限を魔力で強制的に制限を取り払っていたりするんだよね。
例えるなら、基本的なファイアボールの使用魔力を100だとしたとき、火を維持する魔力25、火の弾を維持する魔力25、射程距離に使う魔力25、着弾時に爆発する魔力25といった形に割り振られる。
この割り振られた割合を変えることで、魔法の効果を変えられるのだが、俺たちは魔力でブーストして効果をあげていたりするのだが、今回は制限があるので細かく調整している形だ。
これを、火を維持する魔力を25、火の弾を維持する魔力25、火の弾を圧縮する魔力25,射程距離に使う魔力25という形に割り振ると、凶悪なファイアバレットとなる。
通常のファイアバレットは、射程以外の各魔力消費が5で、射程に使う魔力が10なので、合計25となる。ファイアボールを改変したファイアバレットは、単純計算で5倍の威力があり射程は、2.5倍の物となる。厳密に言えば違うのだが、この他にも速度や干渉力といった細々としたものがある。
魔法には魔力がこもっており、魔力自体の振る舞いである程度の速度は保障されているが、速めようとすると余分に魔力を消費することとなる。
俺が使っているスナイプの魔法は、原型はロックバレットであるが、その一撃に込められた魔力はロックバレットの数百倍に及ぶ。そのためかなり威力が高い魔法となっている。初級の魔法を特級レベルの魔力で撃ち出すのだ、人ひとりを殺すのはたやすい事だな。
今回は魔法にある程度制限をかけている状態なので、その威力を上げるために俺が協力するという訳だ。
今回使うことになっているファイアボールは、広範囲にダメージを与えられるが、全方位に威力が拡散する上に、体の表面を数秒焼くだけなので、ある程度レベルの高いモノには効果が薄い。だから、爆風の威力を上げてそこに砂利を混ぜ込むことで、威力を増す方法をとるのだ。
軍馬は、兵士たちほどLvが高くないので、焼かれればダメージを負うし、本能なのか迫り来る火と礫で脅えるだろう。トラウマになるようなことはしたくないが、これで脱落するのであれば、第2の人生……馬生? を歩むだけだろう。
魔法の構築が終わったライムは、俺に目配せをしてタイミングを合わせる。俺が使うのは、ストーンシャワーと呼ばれる、石の雨だね。しっかりと装備を固めている人間には、この魔法だけでは大した効果は無いが、ここに爆風が加わると、その威力が跳ね上がるというものだ。
ライムより早く魔法を発動し、大量の砂利を遊撃部隊の一方へ放つ。
大したことは無いとこちらへ反撃をしてきたが、そこにライムの魔法が落ちて周囲に砂利を吹き飛ばした。
シェリーの観測では、遊撃部隊の8割方が効果範囲内にいたようだ。砂利を落としたことで巻き上がった土煙を、さらに爆風で広げたため確認が難しくなっている。
そちらからの攻撃は途切れているので、反対側の対処を続けてするように指示が出る。
俺はまたライムとタイミングを合わせて攻撃する。
メアリーとマリーはその間、土煙から出てきてた遊撃部隊の敵を狙撃している。効果範囲内から出ると攻撃を受けるため、土煙に戻っていくようだな。
もう片方も同じようになったので、ピーチから全速力で突っ切るように指示が出る。体力に一番余裕のあるシュリが前をカバーして、その次に体力のある俺がシュリの後ろで、土魔法で道を整備するように指示が出た。
ピーチさんやい、俺だけ少し大変なのだが……あ~すいません、頑張ります。
さっきまで土木組は頑張っていたのに、あなたは任せっきりなのですか? みたいな視線を送られたため、すぐに謝ってしまった。
大変ではあるが、200メートルほどに分けて使っているので、魔力的には余裕がある。それでも、回復するタイミングが無いので、体力も魔力もどんどん削られていく一方なんだけどね……
5キロメートルほど進むと、遊撃部隊が復帰したのかまた時間稼ぎの攻撃が始まる。しっかりと確認はできていないが、先ほどとメンバーが違う気がする。それに、なんか遊撃部隊の人数が増えてる……
時間稼ぎに徹せられると、ここまでイラつくんだな……的確とは言えないかもしれないが、本当に嫌なところを責めてくるな。
『シュウ様、忙しいところすいません。どうやら、駐屯地では今回の襲撃が訓練だということがバレ始めています。私たちもおらず、急に高レベルの襲撃者が現れれば、さすがに気付きますね。ですが、防衛部隊からの報告で、かなり本気で攻めてきているから、たるんでたら後が怖いという話になっています』
後が怖いから頑張るんじゃなくて、人を守るために頑張ってくれよ……
『少し意識改革が必要かもしれませんね。結果次第では、あれをやりましょうか』
あの訓練を本気で検討しなければいけないかもしれないことに、レイリーは苦笑している様子だな。でも、領地内とはいえ、街の中ではないのに危機感がないのは困るんだよね。訓練だけでいい訳ないんだから、普段から真剣になってほしいものだ。
「防衛部隊がいないのでしたら、突っ切りましょう。攻撃が来たら左右に壁を作り、可能な限り素早く前進します。メアリーとマリアは、出し惜しみなしで遊撃部隊を攻撃。人ではなく馬を狙いなさい。機動力を削り、ちょっかいを出せないようにします。ライムは防御ではなく、広範囲に効果が出るような魔法を使いなさい」
なるほどなるほど、向こうとこっちの射程距離を比べれば、同じかこっちの方が勝っている。だけど、距離があるので、移動速度が速く遊撃なので規則性の無い移動で、こちらは偏差射撃も難しい。だから一方的に攻撃されていたが、弓の名手2人と広範囲魔法で避けれない魔法を撃ちこむ形か。
騎乗している兵士たちには効果はあまりない広範囲魔法だが、馬には有効的だろう。ダメージは少なくとも、炎や爆発で馬がひるめば十分ってとこだな。することの無い俺は……
「ピーチ、俺はライムの補助に回るけど、問題ないか? サンキュー! ライムの魔法に合わせて砂利をまき散らすから、爆発は風が強めでよろしく」
俺は、ライムの魔法の爆発に合わせて、砂利をまき散らして簡易的な手榴弾のように、周囲に攻撃をするように補助する予定だ。俺の意図を組んで、
「了解しました。メアリーとマリアは、魔法の影響がなくなったら攻撃をお願いします。ピーチ、初めてもいい?」
ピーチが攻撃の許可を出したので、ライムが魔法を練り上げている。魔法の調整をしているのだろう。普段はあまり気にせずにイメージだけで使っているが、魔法にも制限があったりする。その制限を魔力で強制的に制限を取り払っていたりするんだよね。
例えるなら、基本的なファイアボールの使用魔力を100だとしたとき、火を維持する魔力25、火の弾を維持する魔力25、射程距離に使う魔力25、着弾時に爆発する魔力25といった形に割り振られる。
この割り振られた割合を変えることで、魔法の効果を変えられるのだが、俺たちは魔力でブーストして効果をあげていたりするのだが、今回は制限があるので細かく調整している形だ。
これを、火を維持する魔力を25、火の弾を維持する魔力25、火の弾を圧縮する魔力25,射程距離に使う魔力25という形に割り振ると、凶悪なファイアバレットとなる。
通常のファイアバレットは、射程以外の各魔力消費が5で、射程に使う魔力が10なので、合計25となる。ファイアボールを改変したファイアバレットは、単純計算で5倍の威力があり射程は、2.5倍の物となる。厳密に言えば違うのだが、この他にも速度や干渉力といった細々としたものがある。
魔法には魔力がこもっており、魔力自体の振る舞いである程度の速度は保障されているが、速めようとすると余分に魔力を消費することとなる。
俺が使っているスナイプの魔法は、原型はロックバレットであるが、その一撃に込められた魔力はロックバレットの数百倍に及ぶ。そのためかなり威力が高い魔法となっている。初級の魔法を特級レベルの魔力で撃ち出すのだ、人ひとりを殺すのはたやすい事だな。
今回は魔法にある程度制限をかけている状態なので、その威力を上げるために俺が協力するという訳だ。
今回使うことになっているファイアボールは、広範囲にダメージを与えられるが、全方位に威力が拡散する上に、体の表面を数秒焼くだけなので、ある程度レベルの高いモノには効果が薄い。だから、爆風の威力を上げてそこに砂利を混ぜ込むことで、威力を増す方法をとるのだ。
軍馬は、兵士たちほどLvが高くないので、焼かれればダメージを負うし、本能なのか迫り来る火と礫で脅えるだろう。トラウマになるようなことはしたくないが、これで脱落するのであれば、第2の人生……馬生? を歩むだけだろう。
魔法の構築が終わったライムは、俺に目配せをしてタイミングを合わせる。俺が使うのは、ストーンシャワーと呼ばれる、石の雨だね。しっかりと装備を固めている人間には、この魔法だけでは大した効果は無いが、ここに爆風が加わると、その威力が跳ね上がるというものだ。
ライムより早く魔法を発動し、大量の砂利を遊撃部隊の一方へ放つ。
大したことは無いとこちらへ反撃をしてきたが、そこにライムの魔法が落ちて周囲に砂利を吹き飛ばした。
シェリーの観測では、遊撃部隊の8割方が効果範囲内にいたようだ。砂利を落としたことで巻き上がった土煙を、さらに爆風で広げたため確認が難しくなっている。
そちらからの攻撃は途切れているので、反対側の対処を続けてするように指示が出る。
俺はまたライムとタイミングを合わせて攻撃する。
メアリーとマリーはその間、土煙から出てきてた遊撃部隊の敵を狙撃している。効果範囲内から出ると攻撃を受けるため、土煙に戻っていくようだな。
もう片方も同じようになったので、ピーチから全速力で突っ切るように指示が出る。体力に一番余裕のあるシュリが前をカバーして、その次に体力のある俺がシュリの後ろで、土魔法で道を整備するように指示が出た。
ピーチさんやい、俺だけ少し大変なのだが……あ~すいません、頑張ります。
さっきまで土木組は頑張っていたのに、あなたは任せっきりなのですか? みたいな視線を送られたため、すぐに謝ってしまった。
大変ではあるが、200メートルほどに分けて使っているので、魔力的には余裕がある。それでも、回復するタイミングが無いので、体力も魔力もどんどん削られていく一方なんだけどね……
5キロメートルほど進むと、遊撃部隊が復帰したのかまた時間稼ぎの攻撃が始まる。しっかりと確認はできていないが、先ほどとメンバーが違う気がする。それに、なんか遊撃部隊の人数が増えてる……
時間稼ぎに徹せられると、ここまでイラつくんだな……的確とは言えないかもしれないが、本当に嫌なところを責めてくるな。
『シュウ様、忙しいところすいません。どうやら、駐屯地では今回の襲撃が訓練だということがバレ始めています。私たちもおらず、急に高レベルの襲撃者が現れれば、さすがに気付きますね。ですが、防衛部隊からの報告で、かなり本気で攻めてきているから、たるんでたら後が怖いという話になっています』
後が怖いから頑張るんじゃなくて、人を守るために頑張ってくれよ……
『少し意識改革が必要かもしれませんね。結果次第では、あれをやりましょうか』
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