ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第2193話 仕事再開

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 ペチペチ……

 顔を叩かれる感触で、意識が半分ほど覚醒した。半目をひらいているのに、ペチペチ攻撃がおさまらない。手の大きさからして、下の子たちの手の誰かだろう。プラムとシオンは、俺にこんなことしな……いや、あの子たちならするな。シンラもするから、誰か分からんな。

 嫌がるように顔を手の届かない方へ移動させようとすると、今度は逆からも叩かれ始めた。顔の両サイドを抑えられ、体を起こす以外に回避する方法はなさそうだ。

 仕方がなく体を起こそうとすると、急に胸の上に何かが落ちてきた。少し息が止まったが、痛いとか苦しい感じは無い。

 さっきまでは両目の近くを叩かれていたが、今度は口の辺りまで叩かれ始めた。

 多分睡眠不足ではないが、いつもと寝る時間が違ったせいで、体が覚醒を拒んでいる感じがする。

 3人による顔ペチペチは、間違いなくシンラたち3人の攻撃だろう。ミーシャたちだったら、顔じゃなくてフライングボディープレスとかしてきてたからな。最近はしなくなったから、体を揺らしたり大きな声を出すくらいになったんだっけな。

 いくら避けようとしても、全周囲を抑えられているので、誰かの手が届くのだ。

 ここは最終手段……顔の左右にいる2人をまず捕まえて、そのまま胸の上にいる1人を捕まえてやる。

 手を動かし左右にいる2人の背中あたりの洋服を掴み、強引に俺から引き剥がした後、2人を持ったまま胸の上にいる3人目を羽交い絞めにする形で捉える。

 予想していた通り、胸の上に乗っていたのはシンラだった。その左右にプラムとシオンが綺麗に収まったため、2人からの非難の声は無く、シンラの不服そうな表情だけが俺に返ってきた。

 そもそも、何で俺の顔を叩いていたんだ?

 そう質問をすると、母親たちに起こしてきてほしいと言われたから、と返事がかえってくる。起きる予定時間よりだいぶ遅いのかと思い、時計を見るが10時だった。6時間弱は寝ているので、睡眠不足ということは無いのだが、いつもと違う時間の所為で、眠いんだろうな。

 ただ、遅いわけでもないのに起こされた理由が分からず、首を傾げることになった。

 起こしてこいということは、俺に用事があるか早く起きてもらう理由があるか……時間だけ見て起こしにきたか。3択に1つだろう。他もあるかもしれないが、直ぐに思いつかないのならないのと同じだ!

 顔をペチペチされたお返しと言って、俺は食堂に着くまでの30秒ほど3人の脇腹をくすぐった。

 プラムとシオンは、シンラにくっ付いているおかげか、あまり怒っていない様子。やんややんや言いながら、シンラに強く抱き着いているのが分かる。本当にシンラのこと好きすぎじゃねえかな……

 シンラだけは、猛抗議の声をあげているが、4人中3人が現状に満足しているため、多数決で負けている。プラムとシオンはくすぐったいより、シンラに密着できる方が上だったらしく、止める手段にはならなかったな。

 30秒ほどで食堂に着いたが、それだけの時間でシンラの体力は全部持って行かれてしまったみたいだな。3人が好んで座っている2人掛け用のソファーに、シンラたち3人を置いて食堂に残っている妻たちのもとへ。

「シンラたちが起こしにきたんだけど、何か用事があったのか?」

「特にないわよ。あまり寝すぎると夜に支障が出るかもしれないから、区切りの良い時間だったから起こしに行ってもらっただけよ」

 そう言ったのは、リンドだった。まさか3番目の答えが正解だったとは……一番可能性が低いと思ってたのに。

 リンドは、土木組の子たちと計画を練っているみたいだな。壁の完成を第一目標に、大に目標がインフラ整備。まだ家とかが無いので、土台になる部分を作ることが目標らしい。第三が、1000人ほどなら生活可能な建物の整備といった感じで書かれている。

 全部作るように考えてはいたのだが、そこまでやってしまうと避難民たちが増長する可能性が高いという意見が出たため、最初に入ってくる人たちでも半分程が建物に住める状況にするんだとさ。

 邪魔になったら殲滅する方向で考えているが、あえて反乱を起こさせるつもりもない。というのが、俺を覗いたディストピアのトップの人たちの意見だ。

 俺の意見がないのは、危険な人物が分かってるなら、そのまま排除して従わさせるのでもいいんじゃないかって、最近考え始めたので、レイリーに止められたのだ。そこからグリエルたちに話がいき、俺以外の人間が意思統一をして、今回のような作戦になっている。

 トップの中でもコロコロと意見が変わっているのだが、今回は最終決定ということで、俺以外のトップが賛成に回ったので、強権が発動され俺の意見は無効となっている。

 独裁政権のようにも見える俺の街だが、手順を踏んでいれば俺の意見を無効にすることができる。普段は、誰か1人くらいはこっちにつくので、強権が発動されることはほとんどない。たまたま今回は、世間体を気にしてほしいということで、強権が発動された。

 最終的な目標は、この街をディストピアの傘下におさめること。

 形式上で考えれば、ここにはいる時にすでに傘下になるのだが、よからぬことを考えているアホ共が多数いるので、それらを排除できない限り、正式とは言えないということだ。

 可能な限り生け捕りにして情報を引き出す予定なので、サイレントアサシンやシャドーをこの街に潜ませて、本当の敵を見極めるのにレイリーが使ってくれるんだったな。

 土木組の子たちと一緒に、リンドの説明を聞いて分かった事は、計画を進めるためにも、速めに街の原型は完成させたいらしいので、今日は本気を出して壁作りをするかな。

 話が終わり11時……移動する準備が始まり、俺は食事することなく街の建設予定地へ移動することとなる。子どもたちは休みの日なので、各人自由に過ごしている。

 シンラたちは、拠点に残り何かするらしい。ウルやミーシャたちは、仕事の様子をまた見たいとのことで、俺と一緒に行動をするようだ。

 到着した時間は、お昼を食べるにはまだ少し早い時間だ。なので、監視塔の近場を整備することになった。そこでブラウニーたちの準備してくれる昼食を食べるので、少し気合を入れて整備をしよう。
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