ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
2,250 / 2,518

第2250話 DPってやっぱりすげえ

しおりを挟む
 キッチンはこれ以上触れずに、シルキーたちに任せることにした。

 俺は、新しく作った子どもたちが遊ぶスペースを整えていく。まだ空間を作っただけで、それ以外は何もないただの空間になっているので、そこに音響設備やコタツなどを配置していく。

 ん~見た目は良くなったけど、絨毯にコタツか……それも悪くないけど、食堂が絨毯になっているので、ちょっと変えたいと思うのが俺だったりする。変なところでこだわりを見せるアホなので、畳にしてしまおうと床の模様替えを行う。

 食堂の床は、見た目はじゅうたんであるが、50センチメートル四方くらいで、床に張るタイプの絨毯と言えばいいのだろうか? それを採用していて、ダンジョンマスターの能力で張り替えられたので重宝している。

 穴をあける部分がどこに来ても少し調整するだけで問題ないので、広い食堂の事を考えるとかなり助かるシステムだった。これが無かったらフローリングのままで、コタツのある場所だけ何とかするしかなかったな。

 さて、音響や家具の配置は……問題なさそうだな。後は、ゲームをしてみて音響に問題がないかをかくにんしてっと。

 ん~音の聞こえる範囲を指定しないとな。大体、このコタツの周辺が聞こえればいいよな。コタツの真ん中を中心として、球状に音が聞こえるように設定する。何で球状なのか、何でここだけに聞こえるかは、改めて言うが……全く分かっていない。

 イヤフォンやヘッドフォン、スピーカーの原理を知らなくても、問題なく使えるのと一緒で、中心となる場所に起点となる道具を埋め込んで、そこを中心に音が聞こえるようになるということらしい。

 中心で聞かないとダメなのではないかと思ったが、そこらへんはDPの謎のシステムで、この空間の中にいればどこにいても同じように聞こえるんだとさ。便利だからいいけど、地球の研究者がいたら剥げそうだな。

 音を大きくしても、その空間を離れると聞こえなくなるのだから、本当に不思議である。

 そんな調整をしていると、シンラたちが目を覚ました。先ほどからミーシャたちの話し声がしていたので、起きていることは分かっていた。シンラたちもそろそろ起きると予想していたので、間に合ってよかった。

 寝て起きたら、食堂の風景が変わって驚いているシンラたちだが、ミーシャたちが起きている時に模様替えを行っているので、姉たちから話を聞いて安心しているようだ。プラムとシオンは、景色が変わっていたことでビックリして、姉たちに抱き着いている。

 こういう時はシンラじゃなくて、姉なんだな。確かにシンラよりは頼りになるが、ちょっと薄情な気もするぞ。一方シンラは……相変わらず太々しい表情だな。こいつの事だから、どうせ俺がなんかしたのだろうと予想していたんだろうな。変なところで勘がいいからな。

 シンラたちが興味を持って俺の方に来たので、この空間の使い方を説明してあげる。

 シンラたちがゲームをするために作ったエリアだと説明すると、シンラは目を光らせてコタツへ向かった。ここは寒くないので今は机だけしかないが、正座や胡坐など床に座る方法ではなく、足を下に伸ばせることを気に入ってくれたようだ。

 プラムとシオンも、床にただ座っている時よりくっつけることを気にいっており、ニッコニコで俺にお礼を言ってくる。この子たちが俺にお礼を言うなんて、珍しいな。

 珍しいだけであって、言わないわけじゃないんだよな。特に、おやつの時に出してほしいものをお願いしてくるときとかは、素直にお礼を言ってくるからな。今回は特に何もしていないのに、お礼を言われたので珍しいと思ってしまったのだ。

 早速ゲームをするようで、シンラたちはゲーム機を預かっているブラウニーたちの元へ。その間にミーシャたちにも、作ったエリアについて教えておく。

 ゲームをする時は、基本的にここでやることになるので、居心地のいい空間で遊んでほしいというのが、俺の考えだからな。でも、ゲームは適度な時間とルールを守ってやるんだぞ。

 俺はゲームっ子だったから、子どもたちがゲームにはまると、時間を消費することは分かっている。だけど、キリの良いところでやめられるように教えるのが、ゲーム好きの親としての務めだと思う。

 日本みたいな学校の受験戦争があるわけでもないので、あっちに比べれば緩いかもしれないけど、しっかりとやるべきことはやってから遊ぶんだぞ!

 今日はシンラたちの様子を見ながら過ごそうと思っていたので、シンラたちがゲームをしている姿を見ながら、小説を読むことにした。

 いつからか分からないが、小説に没頭しながらも周りの声を聞けるようになっていたので、変な特技を身につけたと思っていたが、こういう時には本当に便利に使えるな。音を遮断したい時は、ヘッドフォンとかで音を遮断しないといけないのが辛いけどね。

 シンラたちの声が聞こえるのに、ゲームの音が全く聞こえないのだから、本当に凄いな。話す声はどうしようもないけど、一般的に普及できる機材だったら、テレビや音楽による騒音問題が激減しそうだ。

 でも、スピーカーによる空気を震わすような音は、この機材では再現できないので、音楽関係に関しては半減すればいい方かね? そもそも音を周りに聞かせたいような人たちもいるから、これが一般的になっても法律が変わらない限りそういう部分は無くならないか。

 ミーシャたちもゲームを始めたようだ。今日はウルがいないけど、3人で一狩り行くみたいだな……ってちょっと待った! それならお父さんも入れてくれないか?

 快く了承してくれた娘たちと一緒にモンスターを討伐しに行く。妻たちとも遊んでいるので、俺は欲しい素材などは特にない。娘たちの素材集めに付き合って、いろんなボスを狩ることになった。俺のハンマーさばきを見よ!

 太刀とかもカッコいいんだけど、やっぱり昔っから愛用しているハンマーは、俺にとって最高の武器! 頭をいかにして叩くか、かなり研究したもんな。

 昔に比べると大分システムが変わって始めは戸惑ったけど、これはこれでアクションハンティングみたいで楽しい。

 楽しい時間はあっという間。

 おやつの時間になり、ゲームを終了する。
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。 塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。 弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。 けれども違ったのだ。 この世の中、強い奴ほど才能がなかった。 これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。 見抜いて、育てる。 育てて、恩を売って、いい暮らしをする。 誰もが知らない才能を見抜け。 そしてこの世界を生き残れ。 なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。 更新不定期

ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。 しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。 彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。 一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン] 何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?… たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。 ※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける 縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は…… ゆっくりしていってね!!! ※ 現在書き直し慣行中!!!

ダンジョン作成から始まる最強クラン

山椒
ファンタジー
ダンジョンが出現して数十年が経ち、ダンジョンがあることが日常となっていた。 そんな世界で五年前に起きた大規模魔物侵攻により心に傷を受けた青年がいた。 極力誰とも関わりを持たずにいた彼の住んでいる部屋に寝ている間にダンジョンが出現し、彼はそこに落ちた。 そのダンジョンは他に確認されていない自作するダンジョンであった。 ダンジョンとモンスターにトラウマを抱えつつもダンジョン作成を始めていく。 ただそのダンジョンは特別性であった。 ダンジョンが彼を、彼の大事な人を強くするダンジョンであった。

ダンジョン学園サブカル同好会の日常

くずもち
ファンタジー
ダンジョンを攻略する人材を育成する学校、竜桜学園に入学した主人公綿貫 鐘太郎(ワタヌキ カネタロウ)はサブカル同好会に所属し、気の合う仲間達とまったりと平和な日常を過ごしていた。しかしそんな心地のいい時間は長くは続かなかった。 まったく貢献度のない同好会が部室を持っているのはどうなのか?と生徒会から同好会解散を打診されたのだ。 しかしそれは困るワタヌキ達は部室と同好会を守るため、ある条件を持ちかけた。 一週間以内に学園のため、学園に貢献できる成果を提出することになったワタヌキは秘策として同好会のメンバーに彼の秘密を打ちあけることにした。

処理中です...