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第2327話 知りたくなってしまった
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あれ? もしかして、俺ってこいつらに勝てなくなったのか?
普段から、真正面から戦えば勝ち目はなかったが、なりふり構わう戦うのであれば、人造ゴーレムに勝ち越せている。それなのだが、なりふり構わずやっても勝ち目が無くなっている可能性に戦慄する。
その事実を口にすると、綾乃もバザールもその可能性に至っていた。
「ということは! この世界の中で、私が一番強いってことね!」
「あ~それは無いから、安心しろ。もともと数で攻められてたら勝てなかったけど、それが1対1で勝てなくなっただけだからな。それに、綾乃が力を持ったところで、何をしていいか分からないで力を持て余すだけだろ?」
「人造ゴーレムちゃんたちが、下にみられているのは少し気にくわないけど、確かに力を持ったところで何ができるわけでも無いわね。シュウの様子を見ている限り偉くなるのは絶対に嫌だし、破壊神みたいにただ暴れるのは面白くないもんね」
「力を持っても、綾乃殿は今のままでござろうな。力が人を変える……その言葉がこれほど似合わない人間も、珍しいでござるな」
「出会った頃のお前は、限りなく破壊神に近いような状況だったから、説得力のある言葉だな」
それは言わない約束でござる! と、両手で顔を隠してうずくまるが、骨の手では顔を隠しきれずほとんど頭蓋骨が見えている。見えたところで表情は分からないのだが、本人の気分みたいなのでそっとしておこう。
「1つ言えることは、人造ゴーレムを侮っているわけじゃないということだな。気持ちは分かるけど、そういう事じゃないんだよ」
「じゃぁ、どういうことなのよ」
回りくどい言い方をすると、不機嫌になったように頬を膨らませながら、聞いてきた。
「人造ゴーレムは確かに強いよ。でもさ、俺の周りを見てみろよ。大人になったフェンリル、世界樹と一体になったユグドラシル、極めつけはリバイアサン。数の暴力で言うなら、スライムたちだっているしな。
確かに人造ゴーレムは規格外だけど、それは人の形をしている中で……って言う前提の言葉があるんだよ。それに個人の力に頼らないなら、まだ勝つ方法は俺にもあるしな。バザールだってやろうと思えばできると思うぞ」
俺が行った言葉で、綾乃は沈黙し考え込んだ。
納得したようにうなづき、すっきりした表情になる。
「納得したけど、どうやったらバザールでも1人で倒せるようになるの?」
「某には、さっぱりわからぬでござる。一生にらみ合いをするにしてもでござるが、どちらも源は魔力でござるから、意思のある某の方が不利でござる。S級スケルトンで戦うのは、個人の力ではないでござるからな……」
「頭が固いな。こいつらは、並外れた反射神経に人では考えられないほどの力をあるけど、その力を生み出すために代償があるだろ?」
質問形式で2人に考えるように促してみる。
「基本的には完璧なはずだけど……スキルは使えないけど、スキルが無くても再現できるだけの力話あるわよね。何を代償にしたのかしら?」
「某にも良く分からないでござるな」
2人ともしばらく考えてみたが、分からないようだ。
「俺がさっきまで動かすのに、苦労していたのを忘れているみたいだな」
「あ~、全身金属だから、人型では考えられない位重たいんだったわ。基本的にダンジョンでしか動いているのを見ていないから、そんなこと忘れてたわね」
「そうでござるな。外で運用する時でござっても、しっかりと足場と作り変えてから使っているでござるな」
「重たいからって、何かあるの?」
「はぁ~、重たければ簡単に沈むだろ? 泥で全身を包んでやれば、終わりだろ」
「シュウ……人造ゴーレムは息をしないのに、沼に沈めても仕方が無いわよ」
「頭が固いな、全身を沼で被えてるってことは、その沼を石に作り変えることだってできるだろ? 圧縮しながら石を作れば、さすがの人造ゴーレムもすぐに出てくることは出来ないだろ? 時間をかければ出てくるだろうけど、それまでに鉄あたりを大量に準備すれば、全身を包むことは難しくないだろ?」
動けないようにしてから、本命の拘束術を使って身動きをとれなくする……簡単に言えば、俺の作戦はこんな感じだな。
「卑怯でござるな」
「卑怯ね」
「卑怯でも何でもいいんだよ。勝つために手段を択ばないのなら、勝てるって話だからな」
「それなら、何でもありなら勝てるってことじゃない?」
「何でもありって言っても、前提が違うからな。自分の持てる力……というよりは、積み重ねてきた経験や技術で倒せないって意味だからな。本当に何でもありというなら、神の先兵が使っていた、空間消滅爆弾とでも呼ぶあれだって、反則じゃないからな」
「あ~、あの爆弾は反則というより、対抗手段がないから卑怯よね。後には何も残さないという意味では、原爆とは真逆の位置にあるくらい安全な兵器だけど、文字通り何も残さないから問答無用なのよね」
本当に何もなくなるから、有害物質や汚染物質を残さないという意味では、確かに安全ではあるんだけど、範囲内のものが一切合切無くなるから、本当に危険な兵器なんだよな……
遠いところを見るようにして、少し黄昏てしまった。
それはともかく、本当に何でもありの自力勝負で、こいつに勝てなくなってしまったのだろうか? 使えなくなってしまった武器も多いが、俺にはそれだけじゃないしな。本当に勝てないとは思いたくない。
今日の終わりに、一度チャレンジしてみるか?
かなり厳しい戦いになるだろうが、死ぬほど痛い思いをするかもしれないけど、死ぬわけではないので遠慮なく挑むことは出来る。
できる事なら負けたくないから、訓練の間にやりあえる方法を探り出すか……
命がけではないが死ぬ気でやらないと、本当に痛い目にあうからな……気を引き締めて、この後の訓練に参加するかな。
普段から、真正面から戦えば勝ち目はなかったが、なりふり構わう戦うのであれば、人造ゴーレムに勝ち越せている。それなのだが、なりふり構わずやっても勝ち目が無くなっている可能性に戦慄する。
その事実を口にすると、綾乃もバザールもその可能性に至っていた。
「ということは! この世界の中で、私が一番強いってことね!」
「あ~それは無いから、安心しろ。もともと数で攻められてたら勝てなかったけど、それが1対1で勝てなくなっただけだからな。それに、綾乃が力を持ったところで、何をしていいか分からないで力を持て余すだけだろ?」
「人造ゴーレムちゃんたちが、下にみられているのは少し気にくわないけど、確かに力を持ったところで何ができるわけでも無いわね。シュウの様子を見ている限り偉くなるのは絶対に嫌だし、破壊神みたいにただ暴れるのは面白くないもんね」
「力を持っても、綾乃殿は今のままでござろうな。力が人を変える……その言葉がこれほど似合わない人間も、珍しいでござるな」
「出会った頃のお前は、限りなく破壊神に近いような状況だったから、説得力のある言葉だな」
それは言わない約束でござる! と、両手で顔を隠してうずくまるが、骨の手では顔を隠しきれずほとんど頭蓋骨が見えている。見えたところで表情は分からないのだが、本人の気分みたいなのでそっとしておこう。
「1つ言えることは、人造ゴーレムを侮っているわけじゃないということだな。気持ちは分かるけど、そういう事じゃないんだよ」
「じゃぁ、どういうことなのよ」
回りくどい言い方をすると、不機嫌になったように頬を膨らませながら、聞いてきた。
「人造ゴーレムは確かに強いよ。でもさ、俺の周りを見てみろよ。大人になったフェンリル、世界樹と一体になったユグドラシル、極めつけはリバイアサン。数の暴力で言うなら、スライムたちだっているしな。
確かに人造ゴーレムは規格外だけど、それは人の形をしている中で……って言う前提の言葉があるんだよ。それに個人の力に頼らないなら、まだ勝つ方法は俺にもあるしな。バザールだってやろうと思えばできると思うぞ」
俺が行った言葉で、綾乃は沈黙し考え込んだ。
納得したようにうなづき、すっきりした表情になる。
「納得したけど、どうやったらバザールでも1人で倒せるようになるの?」
「某には、さっぱりわからぬでござる。一生にらみ合いをするにしてもでござるが、どちらも源は魔力でござるから、意思のある某の方が不利でござる。S級スケルトンで戦うのは、個人の力ではないでござるからな……」
「頭が固いな。こいつらは、並外れた反射神経に人では考えられないほどの力をあるけど、その力を生み出すために代償があるだろ?」
質問形式で2人に考えるように促してみる。
「基本的には完璧なはずだけど……スキルは使えないけど、スキルが無くても再現できるだけの力話あるわよね。何を代償にしたのかしら?」
「某にも良く分からないでござるな」
2人ともしばらく考えてみたが、分からないようだ。
「俺がさっきまで動かすのに、苦労していたのを忘れているみたいだな」
「あ~、全身金属だから、人型では考えられない位重たいんだったわ。基本的にダンジョンでしか動いているのを見ていないから、そんなこと忘れてたわね」
「そうでござるな。外で運用する時でござっても、しっかりと足場と作り変えてから使っているでござるな」
「重たいからって、何かあるの?」
「はぁ~、重たければ簡単に沈むだろ? 泥で全身を包んでやれば、終わりだろ」
「シュウ……人造ゴーレムは息をしないのに、沼に沈めても仕方が無いわよ」
「頭が固いな、全身を沼で被えてるってことは、その沼を石に作り変えることだってできるだろ? 圧縮しながら石を作れば、さすがの人造ゴーレムもすぐに出てくることは出来ないだろ? 時間をかければ出てくるだろうけど、それまでに鉄あたりを大量に準備すれば、全身を包むことは難しくないだろ?」
動けないようにしてから、本命の拘束術を使って身動きをとれなくする……簡単に言えば、俺の作戦はこんな感じだな。
「卑怯でござるな」
「卑怯ね」
「卑怯でも何でもいいんだよ。勝つために手段を択ばないのなら、勝てるって話だからな」
「それなら、何でもありなら勝てるってことじゃない?」
「何でもありって言っても、前提が違うからな。自分の持てる力……というよりは、積み重ねてきた経験や技術で倒せないって意味だからな。本当に何でもありというなら、神の先兵が使っていた、空間消滅爆弾とでも呼ぶあれだって、反則じゃないからな」
「あ~、あの爆弾は反則というより、対抗手段がないから卑怯よね。後には何も残さないという意味では、原爆とは真逆の位置にあるくらい安全な兵器だけど、文字通り何も残さないから問答無用なのよね」
本当に何もなくなるから、有害物質や汚染物質を残さないという意味では、確かに安全ではあるんだけど、範囲内のものが一切合切無くなるから、本当に危険な兵器なんだよな……
遠いところを見るようにして、少し黄昏てしまった。
それはともかく、本当に何でもありの自力勝負で、こいつに勝てなくなってしまったのだろうか? 使えなくなってしまった武器も多いが、俺にはそれだけじゃないしな。本当に勝てないとは思いたくない。
今日の終わりに、一度チャレンジしてみるか?
かなり厳しい戦いになるだろうが、死ぬほど痛い思いをするかもしれないけど、死ぬわけではないので遠慮なく挑むことは出来る。
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