ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第2330話 問題発生!?

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 何度も負けを繰り返しながら、自分の体の動きを把握し、最善を尽くせるように努力をする。体の動きが良くなっても、大薙刀使いの動きとしては及第点に言っているのだろうか?

 闘いに没頭しているのに、俺はその中でこんな考えをしていた。

 頭が考えているのに、体は反応している。不思議な感覚だな。いつもは、意識して考えているというのとは違うが、考えが逸れてしまうのはある意味癖なような物だな。

 あれとは違う感覚で、体と意識が全く別の物になっている感じだ。

 とても不思議な感覚だな。

 今まで体が覚えたことを、条件反射に近い形でやっている感じかな?

 スムーズとは言い難いが、魔力の込めと抜きが俺が意識的にやっている時よりは、遥かに上手くできている気がする。魔力を抜くって不思議な感じだな……今までは、勝手に抜けてたから気にならなかったが、魔力が抜けるってこんな感じなんだな。

 体が勝手に反応しているのに、頭が違うことを考えられているおかげか、面白い体験ができているな。

 どう例えれば分かりやすいだろうか?

 魔力を空気に例えて、ある程度形の決まっている……そうだな、自電車のタイヤにめいいっぱい空気を入れている状態が、魔力を込めている状態かな。

 今までは、勝手に空気が抜ける……時間が経つとタイヤの空気が抜けてしまうような状態だったが、今は空気の栓を開いて無理やり空気を抜いている感じとでもいえばいいかな。

 上手い例えかは分からないが、形あるものに無理やり詰め込んでいる感じは、たぶん似ていると思う。

 自分で四苦八苦している時よりは、なんか感覚がつかめそうな気がする。物理的に穴をあけて抜くということは出来ないが、魔力の噴出口のようなモノを作ってあげれば、イメージ的には問題なさそうな気がする。

 今は試行錯誤の段階だから、色々試してトライ&エラーを繰り返すのがいいだろう。

 5度目の負けで一旦休憩をとる。時間にして1時間は経っていない。戦闘の合間でも小休止しているので、実質戦闘した時間は30分もないだろう。

 1戦1戦の密度が濃い所為で、体に溜まる疲労も精神的なものも半端が無かったのだ。

 苦しくとも充実したものは得られているので、収支とすれば圧倒的なプラスだろう。

 綾乃とバザールは俺の動きは無視して、人造ゴーレムたちの動きを議論している。訓練相手の俺を無視して、話に花を咲かせているんじゃない!

 この休み時間に先ほどイメージした、穴をあけてそこから出す……というのを試してみる。

 魔力で肉体を強化し……どこから抜こう? とりあえず指!

 思ったより抜けないな。イメージした穴が小さいのか、膨らました風船の出入り口からプヒューと空気が抜けるように、ゆっくりと魔力が抜けている感じだな。

 そう感じるってことは、そうイメージをしてしまっているということだな。

 風船風船……膨らんだ風船が割れるようなイメージは、どうなんだろうか?

 魔力の膜のようなモノが割れるようにイメージしてみた……

 一応成功はしたのだが、結果的には失敗したと言っていいだろう。込めた魔力以外にも、体内に残っている魔力まで一気に抜けてしまったのだ。

 その結果、大量の魔力を周りに放出してしまい、寝ていた従魔たちも何事かと目を覚ましたり、離れた畑で働いていたドリアードたちも、慌てて駆けつける事態になってしまった。

 俺はその場で倒れてしまい、ドリアードたちが駆けつけたあたりで意識を失い、起きてから何があったのかを聞いて把握したため、何が起こっていたのかを知ったのは、だいぶ時間が経ってからだった。

 何が起こったのかを簡単に流れで説明すると、

 俺が魔力をまき散らしたことで、何か緊急事態が起こったのではないかと判断され、一番近くにいたダマが唸り声をあげていると、近くにあった自分たちのエリアでくつろいでいたフェンリルたちが集まり、周りに知らせるように遠吠えをした。

 この時にまだ意識はあったはずなのだが、俺の意識に遠吠えは届いていなかった。

 魔力がまき散らされたことで寄ってきたのかと思っていたドリアードたちは、フェンリルの遠吠えを聞いて集まってきたようだ。

 次々と集まってくる従魔たちと、フェンリルの遠吠えを聞いて、何かを感じた妻たちも全員がここに集まってきたようだ。

 訓練中に起きたことなので、対戦相手の人造ゴーレムを作った綾乃たちが真っ先に疑われたが、その場にいたブラウニーたちの援護を受け、休憩中で何もしていなかったが、急に俺が大量の魔力を放出して倒れたことを理解してもらえたようだ。

 では、何が原因か? 訳も分からず原因も不明だったため、そこでそれ以上の話をすることは無くなり、俺の安全とゆっくり休める場所へ連れていくために、シュリが俺をお姫様抱っこでベッドに運んでくれたようっだ。

 四大精霊も集まって、妻たちと過去の映像……ダンジョンマスターの能力で、ダンジョン内の過去1年間の映像を見ることができるという機能を使って、俺が何をしていたのかを議論していたらしい。

 その場にいなかった人間が映像を見ると、俺が座禅のようなモノを組んで瞑想をしていたら急に倒れた……そんな風に見えたらしい。

 この倒れる前に、大量の魔力を周囲に放出した事を確認している、とブラウニーやバザール、ダマの証言で分かっていたのだが、実際に何が起きて魔力の放出が起きたのか肝心なところは分からず、俺の安全を確保して起きるのを待つということになったようだ。

 そして、今に至ると。

 順番で妻たちが様子を見ててくれたらしいのだが……俺はどのくらい寝ていたのだろうか? 分からないことがあるので、一つひとつ聞いていくことにした。

 俺が倒れてから、丸一日が経っていたようだ。

 シルキーたちの話では、大量の魔力を放出したことで魔力枯渇が起こり、それによって気持ち悪いを超し、そのまま倒れてしまった……と判断されたようだ。
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