ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
2,359 / 2,518

第2359話 昼食

しおりを挟む
 内臓系の仕込みを見た後に、他の部位の解体も見せてもらったが、食用として売りに出せる部分は、半分もあればいい方らしい。部位によっては、4分の1は食用に適さない……というか、脂だったり食べにくかったりする部位らしい。

 それでも食べにくい部位でも栄養価は高い。手間と時間をかければ食べられるので、各街で病気で寝込んでしまった家族や孤児たちに配食するために、仕事につきにくい赤ちゃんのいる女性だったりを集めて、面倒をみんなで見ながら、食事を作れる職場を用意したりしている。

 ここらへんは、ブラウニーが中心になり、グリエルとガリアが形にして、ゼニスがお金を出すという形で出来上がった仕組みらしい。

 この世界には、託児所の様な物はないので、ご近所で面倒を看あうか、両親を頼るか、自分で見る以外に方法がない。そのため出産前にある程度蓄えれていない夫婦は、奥さんが仕事をできずに食事が厳しくなる家庭もあるのだそうだ。

 旦那だけでも問題ない稼ぎがあればいいのだが、全ての家庭がそうとは言い切れないので、街を運営している立場としては、救う手立てを考える必要があり、その際にブラウニーたちが提案してくれたことをまとめて、今の形ができたという感じだな。

 グレッグの街を手に入れたあたりで出来た枠組みなので、今では街ができたらすぐに街の改造計画の1つとして組み込まれている。

 ただ、全てを救えているわけではない。使えるお金は山ほどあるが、施しであってはならないというのが根底にあるので、救い上げても零れ落ちてしまう人たちはどうしてもいるのだ。

 孤児に関しても、全てを孤児院に入れられているわけではない。常に年齢を気にして街を監視しているわけではないので、タイミング次第で既に手遅れだったりすることもある。

 できる限り多くの人に幸せになってもらいたいが、全てを助けたいと思っているわけでもないので、助けを拒むのであれば、さすがに強制することはない。

 一人ひとりに心を痛めていたら、心が死んでしまうので、そういった部分は下の人間に任せて、時々しっかりと働いているのかを見ればいいと言われたっけな。

 腐敗の多い部署ランキングで見ると、貧困層の対策する部署がトップ3に入るらしいので、監視はしっかりするようにってことだったんだよな。

 俺は、昼食として先ほど捌かれた内臓系のお肉たちが焼かれているのを眺めながら、そんなことを考えていた。

 焼きあがる良い匂いに、ドワーフたちは酒盛りを始め、辛口のソーセージを注文していた。チョリソーとブラウニーたちが独自に作った辛口ソーセージを色々焼いてもらっているらしい。中にチーズが入ったものもあるのだとか。

 辛い物にチーズって会うんだよな……俺も1本くれ。

 そう思い声をかけると、既に準備してあったのか、すぐにお皿の上においてもらえた。

 うちでは、基本的にブラウニーたちが焼き係をしてくれる。バーベキューでは自分で焼きたい人が焼いたりもするが、基本的にはブラウニーたちに任せっきりになる。

 理由としては、お肉にも焼き方があり、出来るだけ美味しいものを食べていただきたいという、ブラウニーたちの精神から来るものなんだよね。

 焼き肉って、約時間とかかな? って思ったけど、それだけでなく火の加減だったり、肉の置き方にもこだわりがあるんだってな。

 そういえば、前にタンってかなり高カロリーな部位だって聞いたけど、一番最初に食べることが多いのは何でか気になったので、ブラウニーたちに聞いてみた。

 日本の事は分からないが、脂が多いからさっぱりと食べるために、レモンなどをつけて食べるから初めに持ってきていると言われた。

 そういわれれば、レモンの様な酸味の強いタレを使うのって、タンが多い気がする。他の部位はタレか塩で食べることが多い。食欲を刺激する酸味を始めに持ってくるのは合理的なのかな。日本ではどういう理由だったんだろうな。

 牛タンを焼き始めたブラウニーたちは、数枚置いてお肉を何度か網から浮かせてすぐに置いている。これがこだわりの焼き方なんだとか。

 置いたまま動かさずに焼くとすぐに焦げ付いてしまうらしく、網にくっつく前に少し離してまた網に置くというのを数回繰り返して、そこからしっかりと焼くようだ。

 焦げも物によっては味のアクセントになるのだが、タレのついていない物には合わないらしく、焦げないように注意する必要があるんだってさ。

 昔、家族と一緒に焼肉屋に行った時に、どうしても焦げちゃうお肉とかがあったっけな。美味しくないし、火が通りすぎていて硬かったりするから、食べてなかった覚えがあるな。

 タレの場合は、タレが網につくとどうしても焦げてしまうので、それを一緒に食べないように工夫して焼いているようだな。タレの場合は、焦げがアクセントになって美味しいものもあるので、見極めが難しいとか言われたけど、大体は焦げていない部分を食べさせてくれるので、違いが分からなかったりする。

 焼き方は基本的に一緒なんだけどね。

 これとは違う焼き方と言えば、丸腸と呼ばれるホルモンだな。

 コロコロしているホルモンなのだが、部位にすると小腸に当たる部位だ。丸腸は小腸についた脂を適度に取ってから、裏返した物をぶつ切りにしたものだ。だから、焼いている面が小腸の内側に当たる部位なんだってさ。

 手間暇かけて裏返す必要があるのかと思ったが、実際に焼いてもらい食べたら、同じ部位なのに食感がかなり変わっていて驚いたな。ここまで違いが出るのだから、不思議だな。包丁を入れて食べやすくするのと、似ているのかね。

 その丸腸なのだが、タレがかけられていて、網の上で転がしながら焼いている。

 豚で同じようなシロコロも一緒に焼かれており、食べ比べもしてみた。結論として言えば、美味かった!
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。 塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。 弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。 けれども違ったのだ。 この世の中、強い奴ほど才能がなかった。 これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。 見抜いて、育てる。 育てて、恩を売って、いい暮らしをする。 誰もが知らない才能を見抜け。 そしてこの世界を生き残れ。 なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。 更新不定期

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

スキル【レベル転生】でダンジョン無双

世界るい
ファンタジー
 六年前、突如、異世界から魔王が来訪した。「暇だから我を愉しませろ」そう言って、地球上のありとあらゆる場所にダンジョンを作り、モンスターを放った。  そんな世界で十八歳となった獅堂辰巳は、ダンジョンに潜る者、ダンジョンモーラーとしての第一歩を踏み出し、ステータスを獲得する。だが、ステータスは最低値だし、パーティーを組むと経験値を獲得できない。スキルは【レベル転生】という特殊スキルが一つあるだけで、それもレベル100にならないと使えないときた。  そんな絶望的な状況下で、最弱のソロモーラーとしてダンジョンに挑み、天才的な戦闘センスを磨き続けるも、攻略は遅々として進まない。それでも諦めずチュートリアルダンジョンを攻略していたある日、一人の女性と出逢う。その運命的な出逢いによって辰巳のモーラー人生は一変していくのだが……それは本編で。 小説家になろう、カクヨムにて同時掲載 カクヨム ジャンル別ランキング【日間2位】【週間2位】 なろう ジャンル別ランキング【日間6位】【週間7位】

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...