ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
2,389 / 2,518

第2389話 苦しいからヤメレ

しおりを挟む
 お腹がいっぱいになった俺は、ゲームするエリアで横になることにした。シンラたちの邪魔にならないように隅の方で……と思ったが、シンラも食べ過ぎて隅の方で寝転がっていた。珍しい事にプラムとシオンの2人も食べ過ぎてシンラの隣で寝ている。

「こういう所は、本当に似てるわね」

 様子を見に来たカエデが俺たちの様子を見て、そんなことを言う。分かってたけど、わざわざいうことも無いと思うんだけどな。

「シンちゃんが食べ過ぎるのは予想していたけど、プラムとシオンも一緒に食べ過ぎで寝るとは思わなかったわね。この子たちは、シンちゃんの食べる物に興味があるだけで、食事自体は美味しければ何でもいいとおもってたわ」

 俺も同じこと考えたわ。プラムとシオンって、シンラの物に興味があるだけだと思ってたけど、今日の様子を見る限り、お肉も好きなんだな。

「ご主人様、お肉だけではなく、食事にもしっかりと興味がありますよ。食事の好みに偏りはありますが、好き嫌いは無く出された物はしっかり食べています。今日は好きなお肉が食事に出てきたので、食べ過ぎたのだと思います。熱い鉄板を使っていましたので、取り合いもしておりませんよ」

 そういえばシンラの食事を奪ってなかったな。多分前に危ない事をして、シルキーたちに怒られたんだろうな。それで、危ないものを使う時は、こっちのいうことを聞いてくれるのだろう。

 シンラたちの鉄板は熱いと言っても、保温できるだけでそこまで熱くはないが、危ない事は危ないとしっかりと教えてくれてくれたのだろう。

 ミーシャたちは大丈夫だとは思っているが、弟妹たちが食べ過ぎて寝込んでいるのを心配して、近くで様子を見ている。ゲームはせずに近くで本を読んでいるが、チラチラとシンラたちのことを見ているから、心配なんだろうな。

 3人が全員寝込むことなんてなかったから、気になるんだろう。上の子たちは感染症で寝込んだことはあるのだが、下の子たちは初めてだからな。誰か1人が、体調を崩すことはあっても、3人同時はないか。

 心配されている理由が食べ過ぎによるダウンって言うのが、なんともいけないけど、俺の子どもって感じだよな。

 ミーシャたちも良く食べるけど、食べ過ぎたことは無かったっけ?

 そう考えると、この子たちは食い意地がはってたりするのかね?

 家族が多いと、おかずの取り合いがあったりするって話だけど、うちでは余っても保存できるから取り合いになるってことがないんだよな。今日みたいに1人ずつにオカズが準備されることもあれば、大皿で準備されることもあるけど、無くなれば補充される。

 朝食に限って言えば、ビュッフェ形式なので自分でとるのを選べるからおかず戦争には縁がない。

 唯一おかず戦争ではないが、俺の食べるものが押し付けられることはあるな。ミーシャたちが料理をした時は大半が俺の胃袋におさまる。作っている量は多くないし、俺のために作ってくれているので、多少無理をしても食べるようにしている。

 毎回俺というわけではなく、妻たちにも作っていたりする。好みによって、作る相手を変えてる感じだろうか? 作った物で好みに合わせて配膳していたりする感じか?

 お腹が苦しい。お肉だけで2キログラムだから、余裕かと思ってたけど、案外お腹にずっしりきていて苦しいぞ。

 食べている時はそうでもなかったのに、食べ終わったあたりからかなり胃袋が厳しくなったな……お腹に入って膨らむような食べ物でもないけど、何でこんなに苦しいんだろうな。

 もっと食べても平気な時はあったのに、今回はなんでダメだったのか分からないな。

 でも、苦しいけど満足感はかなり高い。

 いつの間にかシンラがコロコロと転がって俺の近くへ来た。プラムとシオンはお互いに抱きつく形で、少しお腹が苦しそうにしている。抱き着いているから苦しそうってわけではないはずだ。

 抜け出してきたシンラが何をするかと言えば、俺のお腹の上で垂れなんちゃらみたいな感じで、ぐでーっとしたかったらしいが、俺もお腹が苦しいから勘弁してもらいたいのだが?

 そんなことを聞くやつでもなかったな。少し時間が経っていて、先ほどまでの苦しさは無いが、それでもシンラに乗られると、うってなるから加減してくれよな。

 二日酔いに苦しんで床をはいつくばっているような動き方で、俺のお腹の上に乗ってきた。お腹に乗られて気付いたのだが、乗られても思ったより苦しくなかった。お腹が苦しいと言っているが、苦しく感じているのは胃の辺りで、腸の辺りは大したことがないようだ。

 シンラが落ち着くまでは……寝てしまうか。シンラが起きたら起こしてもらうようにお願いし、少し苦しんでいるシンラの背中をポンポンと撫でている間に、眠りに落ちていた。

 急に意識が覚醒して、何事かと周りを見渡す。

 俺が急に覚醒した原因は分からなかったが、シンラの顔が少し楽になっているような表情をしている気がする。

 少し楽になったなら、風呂に入れてやらんといけないが……どうするべきだろうか?

 シルキーたちに助言をもらって、もうしばらくは休ませてあげておいてくださいだってさ。

 俺の上でまだ寝ているので動くことは出来ないな。俺が寝ている間にプラムとシオンが起きて近くにきたと思ったのだが、2人とも寝ながらシンラの場所を探して、コロコロ転がっていたらしい。その様子も見てみたかったな。

 動けないけど重みがかかっても苦しくなかったのは、不幸中の幸いだろう。

 もう一度寝てしまおう……

 寝ようとして寝れなかった。俺は昨日の件もあるから寝てても何も言われないが、シンラたちは寝すぎてしまうと、夜に寝れなくなってしまうので、無理やりにでも起こすべきだだってさ。そのついでに起こされてしまい、もう一度寝ることができなかった。
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。 塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。 弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。 けれども違ったのだ。 この世の中、強い奴ほど才能がなかった。 これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。 見抜いて、育てる。 育てて、恩を売って、いい暮らしをする。 誰もが知らない才能を見抜け。 そしてこの世界を生き残れ。 なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。 更新不定期

ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。 しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。 彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。 一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン] 何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?… たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。 ※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける 縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は…… ゆっくりしていってね!!! ※ 現在書き直し慣行中!!!

ダンジョン作成から始まる最強クラン

山椒
ファンタジー
ダンジョンが出現して数十年が経ち、ダンジョンがあることが日常となっていた。 そんな世界で五年前に起きた大規模魔物侵攻により心に傷を受けた青年がいた。 極力誰とも関わりを持たずにいた彼の住んでいる部屋に寝ている間にダンジョンが出現し、彼はそこに落ちた。 そのダンジョンは他に確認されていない自作するダンジョンであった。 ダンジョンとモンスターにトラウマを抱えつつもダンジョン作成を始めていく。 ただそのダンジョンは特別性であった。 ダンジョンが彼を、彼の大事な人を強くするダンジョンであった。

ダンジョン学園サブカル同好会の日常

くずもち
ファンタジー
ダンジョンを攻略する人材を育成する学校、竜桜学園に入学した主人公綿貫 鐘太郎(ワタヌキ カネタロウ)はサブカル同好会に所属し、気の合う仲間達とまったりと平和な日常を過ごしていた。しかしそんな心地のいい時間は長くは続かなかった。 まったく貢献度のない同好会が部室を持っているのはどうなのか?と生徒会から同好会解散を打診されたのだ。 しかしそれは困るワタヌキ達は部室と同好会を守るため、ある条件を持ちかけた。 一週間以内に学園のため、学園に貢献できる成果を提出することになったワタヌキは秘策として同好会のメンバーに彼の秘密を打ちあけることにした。

処理中です...