ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第2501話 獲物はどいつだ?

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 ここの魔物は、攻撃範囲というか戦闘範囲が決まっているようで、部屋の入り口から多少離れた位置で中を覗けば、攻撃されずに敵を見ることができるのは、リトルスケルトンたちで分かっている。

 で、中にいるのは……オルトロスか? 顔が2つだから多分そうだろう?

 広範囲攻撃ってことは、ブレス系を使って薙ぎ払ったんだろうな。しかも、こいつらは速度もあるはずだから、結構面倒な相手だな……しかも体が大きいから、デカいは強いだよな。こいつは……やめておこう。無理に倒す必要もないだろう。

 もう2ヶ所あるうちの1つに向かうか。

 こっちは罠が無いから簡単にたどり着けるけど、罠がないってことは強いのでは? って思ってるんだよな。ここは範囲攻撃ではなく、2~4匹くらいを次々に倒す感じだったな。何がいるのやら?

 ……臭い。めっちゃ腐臭の匂いがする。速度のあるゾンビ系の魔物ってなんかいたか?

 遠くから眺めるように部屋の中を見る……

 体が腐ってるのは見えるな。ドーベルマン風の力強いタイプの犬なんだけど、体高が5メートルもあるな。ここの犬は、デカくないといかんのか? マナガルムがともかく、オルトロスも4メートルくらい体高があったし、デカいんだよな……

 何か見覚えがあると思ったら、あれだ!

 ゾンビを撃つ殺すゲームの映画版に出てきた、あのゾンビ犬に似ているんだ。確かあいつの名前って、ケルベロスじゃなかったっけ? もしかして偶然か? でもさ、ファンタジーの世界でケルベロスって言ったら、顔3つの魔界の番人じゃなかったか?

 ん~マナガルムみたいに速度が速いだけだったら何とかなるか? でも大きいから、マナガルムより面倒だったりするか? ん~戦ってみないと分からないが、もう1ヶ所敵がいるんだから、そっちも見に行ってみよう。

 罠を抜けた先にいたのは……何かデフォルメされたような、マンガっぽい犬がいた。俺の記憶が正しければ、あれは狛犬だとおもう。俺より早い敵ばっかり配置しているのは、俺に対するいじめか?

 3匹とも面倒な相手だな。

 でも、どれかを倒さないと、先にすすめないんだよな。この中で一番倒しやすそうなのは……どれなんだろうか?

 別けるなら、ケルベロスと狛犬の範囲攻撃無しと、オルトロスの範囲攻撃ありか……

 範囲攻撃がある分、他の能力が低いと思われるオルトロスが良さそうな気がするんだよな。

 一応速さも調べておけばよかった……

 一先ず目の前にいる狛犬にリトルスケルトンを、大量にけしかけてみよう。

 200匹程準備できたところで、狛犬の部屋へ突撃させる。

 大きいから攻撃が雑に見えるが、的確にリトルスケルトンたちを倒していくな。速度はそれほどでもない気はするが、一撃が重そうなタイプだ。ケルベロスよりは狛犬の方が戦いやすそうな気はする。

 急いで移動して、今度はケルベロスの部屋にリトルスケルトンを突撃させる。

 狛犬より早く、狛犬より鋭い攻撃をしているな。狛犬では見られなかったが、噛みつきも行っているので、フォートレスを使わなかったら、ワンチャン全身を噛みつかれるかもしれないな。面倒な相手そうだな。

 では最後に、オルトロスの所へ行きましょうかね。

 同じようにリトルスケルトンを突入させると、驚きの光景を見ることになる。

 まさか、火と氷のブレスを吐くとは思わなかったわ。こいつ、オルトロスじゃないのでは? もしくは、魔改造させられたりしてここにいる可能性もあるな。

 だけど、ブレスの強さはそこまででもなさそうだ。攻撃も大して早くなく、どっちつかずの中途半端な感じだ。

 改めて考えると、Sランクの魔物ではあるけど、フェンリルやレッドドラゴンほどの脅威はなさそうに思える。ただ見た目と性質が同じだとしたら、腐っているケルベロスは、かなり苦戦しそうな気がする。

 裏技が通じないはずなので、火属性や聖属性で攻める必要があるだろうな……

 よし、倒すのはオルトロスにしよう。S級スケルトンにはブレスは効かないので、まず初めに突入させて様子を見る。アダマンタイトの棒を両手に持たせているが、攻撃は当てられていないな。相手が大きすぎるので、うまく近付けない感じだな。

 俺は片手にアダマンタイトの棒で、もう片手にレッドドラゴンの素材から作った盾を持っている。いや~、何でも詰め込んでいて、掃除をしていなかったから、昔使っていた盾が出てきて少し助かっている。

 火も氷も軽減してくれるので、今回は本当に役に立つ盾だ。

 S級スケルトンが俺に後ろから攻撃できるようにオルトロスを移動してくれた。

 一撃で決まるとは思わないが、全力の攻撃を……

 狙うは速度の要……後ろ足だ。

 通路と部屋のギリギリの位置から、最速最短で駆け抜ける……技術も何もない、ただの全力で打ち付ける。

 オルトロスも気付いたのだが時はすでに遅く、俺が振りかぶり始めた瞬間だったため、回避行動も間に合わず後ろ右足に俺の攻撃が当たった。

 ラッキー、当たり所はおくなかったが、右足は使えなくなったな。

 でもさ、俺に気を向けていてもいいのか? お前の目の前にいるのは作られた存在とはいえ、Sランクに相当するスケルトンやぞ。

 持っていた棒を2つの首に突き立てた。

 これで絶命するほど弱くないが、移動力もブレスも奪われたオルトロスは、まな板の上の鯉だな。

 武器が無くなったスケルトンに新しく出したアダマンタイトの棒を投げ渡す。

 そこからは、一方的な展開となり、想像していたよりはるかに簡単に倒せた。なんというか……相手を過大評価しすぎたか?

 いや、自惚れは良くないな……よし、気を引き締めて先を調べるか。
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