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会合
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手本のような姿勢で歩く友人の後について、連れられた先に会の集合場所があった。古ぼけたビルには埃が溜まっている。歪んで開きにくくなったドアを、友人が足で蹴破っていたのが今日一番印象に強い。会の内容は、既に何度も友人から聞いた通りで、ほとんど聞き流してしまっていた。会の感じからすると、友人の影響力は中々強い方に見える。富豪だからだろうか。今日も堂々と遅刻していたらしい。
友人も所属するその集まりは、要するにこういうことを言っている。今日改めて貰ったパンフレットにも書いてある。「時間の経過によって起きる様々な結果を受け入れること」この終わりかけた世界を生きるにあたって、こういった考えの指標を仲間と共有するというのも悪くない手段だろうと思う。
「どうだった? もし良かったら、また来週にも似たような集まりがあるんだが」
「気が向いたら行くよ」
良い断り文句だ。
集会からの帰り道、まばらに人が散っていく。友人は私の腕を引き、かつて人気店として名を聞いた喫茶店に誘ってきた。手のかかった内装の店内に数人しかいないのが、寂れた証明のように思えて切ない。やんわりと彼女の誘いを断って、ここで今日は解散となった。
断った時に、友人はとても寂しそうな表情をした。というのは私の錯覚だった。実際には変わらずの表情だった。昔の彼女はそうではなかったと記憶している。柔らかな頬の凹凸が、鋭い目つきから受ける冷たい印象を和らげて、笑うと花が開くようだった彼女にはもう会えないのだと改めて認識する。まだ穴も開いていない胸に風が吹いたようだ。
枯れかけた街路樹に混じって数本、とんでもない枝振りであったり奇抜な色の葉であったり、逞しく環境に適応している木がある。昔からこれだけは変わらない日差しが肌に痛い。歩きながら髪をかき上げると、戻した手に束になった髪が抜けて付いていた。ぎょっとして髪を撫でる。抜けた毛は風が運ぶのに任せた。
「あれ、どこ向かってんの? 家じゃない? あぁ! 別のお友達に会いに行くんだな」
友人も所属するその集まりは、要するにこういうことを言っている。今日改めて貰ったパンフレットにも書いてある。「時間の経過によって起きる様々な結果を受け入れること」この終わりかけた世界を生きるにあたって、こういった考えの指標を仲間と共有するというのも悪くない手段だろうと思う。
「どうだった? もし良かったら、また来週にも似たような集まりがあるんだが」
「気が向いたら行くよ」
良い断り文句だ。
集会からの帰り道、まばらに人が散っていく。友人は私の腕を引き、かつて人気店として名を聞いた喫茶店に誘ってきた。手のかかった内装の店内に数人しかいないのが、寂れた証明のように思えて切ない。やんわりと彼女の誘いを断って、ここで今日は解散となった。
断った時に、友人はとても寂しそうな表情をした。というのは私の錯覚だった。実際には変わらずの表情だった。昔の彼女はそうではなかったと記憶している。柔らかな頬の凹凸が、鋭い目つきから受ける冷たい印象を和らげて、笑うと花が開くようだった彼女にはもう会えないのだと改めて認識する。まだ穴も開いていない胸に風が吹いたようだ。
枯れかけた街路樹に混じって数本、とんでもない枝振りであったり奇抜な色の葉であったり、逞しく環境に適応している木がある。昔からこれだけは変わらない日差しが肌に痛い。歩きながら髪をかき上げると、戻した手に束になった髪が抜けて付いていた。ぎょっとして髪を撫でる。抜けた毛は風が運ぶのに任せた。
「あれ、どこ向かってんの? 家じゃない? あぁ! 別のお友達に会いに行くんだな」
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