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第10章 聖剣と魔王

第320話 記憶が無かったので、改めてあんな事やこんな事

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 目が覚めると、柔らかくて暖かい何かが、俺を左右から挟み込んでいた。
 どうせ、いつもの寝相の悪いラウラの脚だろうと思い、どけようとして手を伸ばすと、思っていた以上の柔らかさがあった。
 真っ暗な闇の中で、何だこれは……と、触っていると、

「ん……もうっ! アンタ、昨日あんなに何度もしたのに、まだするの?」
「……旦那様はお盛ん。昨日は凄かった」

 すぐ傍から、ソフィアとラウラの声が聞こえてきた。
 ……ラウラはともかく、どうしてソフィアの声が、こんなすぐ傍から聞こえてくるんだ?
 ペタペタと色んな所を触っていると、

「アンタ……ウチの顔ばかり触って、何をしているのよ」
「ここにソフィアの顔があるって事は、さっき俺が触っていた柔らかい物って、まさか……」
「ウチの胸に決まっているでしょ」

 ソフィアの口から、とんでもない言葉が出てきた。
 でも、待ってくれ。
 どうしてソフィアの胸がこんなに柔らかいんだ!?
 ソフィアの胸はAランクで、ジェーンやニーナと比べると、まな板同然だというのに!
 まぁ柔らかさはさて置き、大きさで言うと本当に比べ物にならないんだけどさ。
 ……いや、今はソフィアの胸の柔らかさの事を考えている場合じゃないんだ。
 さっきの感触からすると、おそらくソフィアは服を着ていおらず、ダイレクトに触っている。
 何故、ベッドで俺の隣に裸のソフィアが!?
 しかも、胸を触ってもそんなに怒ってないし。

『ヘンリーさん。どうやら、この状況は……ついに責任を取る時が来たようですね』
(責任っ!? ど、どういう事だっ!?)
『私の感覚では、既にお昼に近い朝で、全裸のヘンリーさんと、同じく全裸のソフィアさんとラウラさん。おまけに、胸を触っても起こらない……つまり、そういう事でしょう』
(え!? 俺も全裸なのか!? ……本当じゃないかっ!)

 何故、真っ暗なのかは分からないが、やはりそういう事なのかっ!?
 というか、昨日は何があったんだ!?
 思い出せ……確か、ラウラの結婚式で、酒を飲まされて……そこから何にも記憶がないっ!
 しかも、

「ねぇ、そんなにしたいなら……する?」

 まさかのソフィアからお誘いが。

「……うん。する」
「……あ、ラウラちゃんも混ざる」

 それから……ソフィアとラウラ。貧乳二人が相手だけど、断る事など出来ず……初めての体験をしてしまった。
 意外な事にちっぱいも悪くない……って、俺はロリコンでは無いのにっ!

『やっぱり血じゃないですか?』
(違うっ! 断じて違ーうっ!)

 ソフィアとラウラに抱きつかれながら、ウトウトしていると、腹が減ってきた。

「……旦那様。そろそろ、この魔法を解除する?」
「魔法を解除? ……あ、なるほど。そういう事だったのか。そうだな解除してくれ」
「ま、待ちなさいよっ! とりあえず、全員着替えてからよっ! 手探りで服を探さなきゃ」

 何やらソフィアが慌てているが、俺とラウラは動かない。
 ラウラは普段から全裸だし、ゴロゴロしながら、シーツを身体に巻きつけて遊んでいる。
 俺は暗闇の中で服を探すのが大変だし、そもそも着替える必要がない。
 これは、アレだろ? ラウラの魔法で、夢のような体験が出来る的な奴だろ?
 おかしいと思ったんだ。
 あのソフィアが、俺とこんな事をする訳が無いからな。
 きっとラウラが魔法を解除したら、目が覚めて、現実に――いつもの装備に身を包んだ俺に戻っているはずだ。
 まぁ素晴らしい体験が出来る魔法だったが、是非次は、ジェーンやニーナにシャロンの巨乳三銃士でお願いしたい。

『あの、ヘンリーさん。着替えられた方が宜しいかと』
(いや、大丈夫だろ。どうせ夢とか幻術の類だろ?)
『いえ、違いますよ? これ、現実ですからね?』
(え、マジで?)
『大マジです』

 アオイとそんな話をした直後、突然光が差し込み、

「あらあら。ラウラちゃんも、旦那さんも、そちらの夫人も……凄かったのね。後は、私が片付けておくから、先ずはお風呂へ入っていらっしゃい」

 ラウラに似た十三歳くらいの幼女が話しかけてきて、シーツや布団を洗うと言ってくれている。
 えーっと、俺だけ全裸なのだが、良いのか? ……そんな事を思っていたら、

「ちょっとアンタ! 服くらいちゃんと着なさいよね! ……こ、これがウチの中に……」

 微妙な表情のソフィアに怒られてしまった。

「ところで、あの……どちら様ですか? 流石に、激しく汚れたベッドを片付けてもらうのは忍びないんだが」
「そんなの、いいわよ。気にしないの」
「……旦那様。ラウラちゃんのママ」

 ……って、ラウラのお母さんかよっ!
 初対面で、娘の色んな体液で汚しまくったベッドの洗濯をさせるなんて……というか、何歳でラウラを産んだんだっ!?
 もしかしたらドワーフは、俺が思っていた以上の種族かもしれない。
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