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第2話 異世界でも美味しい料理を!
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「さてと……まずは料理が出来る場所を探さないとね」
料理人として生きていくと決めたものの、キッチンがなければ話にならない。
何処かの食堂とかで、住み込みで働かせてもらえるのが一番良いけれど、まずはこの街を出た方が良いだろう。
領主である父が嫌がらせとかをしてきたら、お店に迷惑が掛かっちゃうしね。
「とりあえず、食材を手に入れないといけないし、農村へ向かうべきかな」
転生した二日目に分かった事だけど、私……アリスはちょっとだけ魔法が使える。
一番得意なのはコレ! っていうのはなくて、初級の魔法しか使えないけど、その代わりに、この世界にある六種類の魔法の内、火水土風の四種類もの魔法を扱えるので、早速使ってみる事に。
「≪アース・ワルツ≫」
初級の土魔法で、健脚になるというか、ちょっと歩くのが速くなる魔法だ。
ついでに荷物を軽くする風魔法も使ったので、これなら西隣にある村までスイスイ歩いて行けると思う。
という訳で早速街を出て、街道を西へ。
街道の脇に生えている草が、優しい風に揺られているのを見ながら歩いていると……後ろの方から馬が走って来る音が聞こえてきた。
いくら魔法で速く歩いていたとしても馬には勝てないので、足を止めて馬を先に行かせようとしたんだけど、栗毛の馬が私の前で止まる。
何かあったのかな? と思っていると、馬に乗っていた男性が降りてきて、声を掛けてきた。
「アリスお嬢様! やっと、追いつきました」
「え? リアムさん!?」
馬に乗ってやって来たのは、若くしてフェイン家の騎士隊長を務めているリアムさんだった。
何だろう……まるで私に逃げられないようにと、一挙手一投足をジッと見つめられている気がする。
もしかして、父親に言われて私を追ってきたのだろうか。
フェイン家の名を汚す事になるから家に連れ戻すのか、もしくは幽閉とか、亡き者にする気とか!?
そんなリアムさんがゆっくりと私に近付いてきて、思わず身構えていると……突然、深々と頭を下げたっ!?
「アリスお嬢様! どうか俺も連れて行ってくださいっ!」
「私は屋敷には戻りませ……えっ!? あの、なんて?」
「ですから、アリスお嬢様の出立の護衛として、俺も同行させていただけないかと思いまして」
えっ!? 何これ。どういう事なの!?
リアムさんはずっと頭を下げたままだし、訳が分からない。
「あの……どういう事ですか? お父様から同行するように言われたのでしょうか?」
「いえ、違います。俺は、自分の意志でアリスお嬢様を追いかけて来たんです」
「どうして?」
「どうして……って、お嬢様はお屋敷を出られたのですよね? 美味しい料理を作る為に」
「はい。その通りですが」
「その、俺は……本人に面と向かって言うのは、中々恥ずかしいのですが、実はアリスお嬢様の……」
先程まで凛々しい様子だったリアムさんが、突然恥ずかしそうに顔を赤らめ、俯いて声が小さくなる。
一体何なのだろうか……って、ちょっと待って! これってもしかして、恋愛漫画とかにある、告白とかって事なのっ!?
待って! 私はアリスだけど、アリスじゃないのっ!
日本人だった時だって、恋愛経験なんて殆ど無いし、リアムさんの事は知っているけど、深くは知らない。
えっと、えっと、確かリアムさんは二十三歳だから……六歳差は、この世界なら普通なのよね?
金髪碧眼で、顔も整っているけど、私は一体どうすれば良いのっ!?
だけど、私の考えが纏まる前に、リアムさんが覚悟を決めたのか、顔を上げて私の手を握ってきたっ!?
「俺は……俺は、アリスお嬢様の作る料理に惚れてしまったんです!」
「わ、私はまだ十七歳だから……ん?」
「食事が好きだなんて変に思われるかもしれませんが、先日のサンドイッチという食べ物と温かいスープをいただいてから、もうアリスお嬢様の料理が頭から離れないんです」
あ、そういう事か。
あはは……ビックリしたぁ。まだ心臓がドキドキしているよ。
けど、私の料理が好きだと言ってくれるのは嬉しい。
それに、食事に興味のないこの世界の住人が、私の料理のファンになってくれた。
つまり、この世界の人たちも美味しいご飯を求めているはずなんだ!
「リアムさん。美味しいご飯を食べたい気持ちは、普通の事です。おかしな事なんて、少しもありません」
「アリスお嬢様……そう言っていただけると助かります。俺は、あのスープを口にして、身体の芯から温かくなったんです。食事で心が震えたというか、感動したのは初めての事で……あのスープの香りが忘れられないんです」
「ふふっ、そんなに喜んでいただけたのなら、私も作った甲斐があるというものです。スープなら、また作りますよ」
「本当ですか!? ありがとうございます……そうだ! アリスお嬢様。この道を……街道を西に進むのでしたら、俺の故郷に行きませんか? そう遠くないですし、すぐ近くに山があって木の実が沢山採れるんです」
「じゃあ、最初の目的地はリアムさんの故郷にしましょう! 各地の食材を活かした、美味しいご飯をいっぱい作るんだからっ!」
「はいっ! 是非、お願いしますっ!」
そう言うと、リアムさんが馬に乗せてくれた。
さて、フルーツを使って何を作ろうかな?
料理人として生きていくと決めたものの、キッチンがなければ話にならない。
何処かの食堂とかで、住み込みで働かせてもらえるのが一番良いけれど、まずはこの街を出た方が良いだろう。
領主である父が嫌がらせとかをしてきたら、お店に迷惑が掛かっちゃうしね。
「とりあえず、食材を手に入れないといけないし、農村へ向かうべきかな」
転生した二日目に分かった事だけど、私……アリスはちょっとだけ魔法が使える。
一番得意なのはコレ! っていうのはなくて、初級の魔法しか使えないけど、その代わりに、この世界にある六種類の魔法の内、火水土風の四種類もの魔法を扱えるので、早速使ってみる事に。
「≪アース・ワルツ≫」
初級の土魔法で、健脚になるというか、ちょっと歩くのが速くなる魔法だ。
ついでに荷物を軽くする風魔法も使ったので、これなら西隣にある村までスイスイ歩いて行けると思う。
という訳で早速街を出て、街道を西へ。
街道の脇に生えている草が、優しい風に揺られているのを見ながら歩いていると……後ろの方から馬が走って来る音が聞こえてきた。
いくら魔法で速く歩いていたとしても馬には勝てないので、足を止めて馬を先に行かせようとしたんだけど、栗毛の馬が私の前で止まる。
何かあったのかな? と思っていると、馬に乗っていた男性が降りてきて、声を掛けてきた。
「アリスお嬢様! やっと、追いつきました」
「え? リアムさん!?」
馬に乗ってやって来たのは、若くしてフェイン家の騎士隊長を務めているリアムさんだった。
何だろう……まるで私に逃げられないようにと、一挙手一投足をジッと見つめられている気がする。
もしかして、父親に言われて私を追ってきたのだろうか。
フェイン家の名を汚す事になるから家に連れ戻すのか、もしくは幽閉とか、亡き者にする気とか!?
そんなリアムさんがゆっくりと私に近付いてきて、思わず身構えていると……突然、深々と頭を下げたっ!?
「アリスお嬢様! どうか俺も連れて行ってくださいっ!」
「私は屋敷には戻りませ……えっ!? あの、なんて?」
「ですから、アリスお嬢様の出立の護衛として、俺も同行させていただけないかと思いまして」
えっ!? 何これ。どういう事なの!?
リアムさんはずっと頭を下げたままだし、訳が分からない。
「あの……どういう事ですか? お父様から同行するように言われたのでしょうか?」
「いえ、違います。俺は、自分の意志でアリスお嬢様を追いかけて来たんです」
「どうして?」
「どうして……って、お嬢様はお屋敷を出られたのですよね? 美味しい料理を作る為に」
「はい。その通りですが」
「その、俺は……本人に面と向かって言うのは、中々恥ずかしいのですが、実はアリスお嬢様の……」
先程まで凛々しい様子だったリアムさんが、突然恥ずかしそうに顔を赤らめ、俯いて声が小さくなる。
一体何なのだろうか……って、ちょっと待って! これってもしかして、恋愛漫画とかにある、告白とかって事なのっ!?
待って! 私はアリスだけど、アリスじゃないのっ!
日本人だった時だって、恋愛経験なんて殆ど無いし、リアムさんの事は知っているけど、深くは知らない。
えっと、えっと、確かリアムさんは二十三歳だから……六歳差は、この世界なら普通なのよね?
金髪碧眼で、顔も整っているけど、私は一体どうすれば良いのっ!?
だけど、私の考えが纏まる前に、リアムさんが覚悟を決めたのか、顔を上げて私の手を握ってきたっ!?
「俺は……俺は、アリスお嬢様の作る料理に惚れてしまったんです!」
「わ、私はまだ十七歳だから……ん?」
「食事が好きだなんて変に思われるかもしれませんが、先日のサンドイッチという食べ物と温かいスープをいただいてから、もうアリスお嬢様の料理が頭から離れないんです」
あ、そういう事か。
あはは……ビックリしたぁ。まだ心臓がドキドキしているよ。
けど、私の料理が好きだと言ってくれるのは嬉しい。
それに、食事に興味のないこの世界の住人が、私の料理のファンになってくれた。
つまり、この世界の人たちも美味しいご飯を求めているはずなんだ!
「リアムさん。美味しいご飯を食べたい気持ちは、普通の事です。おかしな事なんて、少しもありません」
「アリスお嬢様……そう言っていただけると助かります。俺は、あのスープを口にして、身体の芯から温かくなったんです。食事で心が震えたというか、感動したのは初めての事で……あのスープの香りが忘れられないんです」
「ふふっ、そんなに喜んでいただけたのなら、私も作った甲斐があるというものです。スープなら、また作りますよ」
「本当ですか!? ありがとうございます……そうだ! アリスお嬢様。この道を……街道を西に進むのでしたら、俺の故郷に行きませんか? そう遠くないですし、すぐ近くに山があって木の実が沢山採れるんです」
「じゃあ、最初の目的地はリアムさんの故郷にしましょう! 各地の食材を活かした、美味しいご飯をいっぱい作るんだからっ!」
「はいっ! 是非、お願いしますっ!」
そう言うと、リアムさんが馬に乗せてくれた。
さて、フルーツを使って何を作ろうかな?
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