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第33話 療養地?
翌朝。目が覚めると、すぐに着替えてタマちゃんを起こさずに村長さんの許へ。
ひとまず、リアムさんのお父さんからは、タマちゃんの事は伏せた方が良いだろうと言われており、私だけで改めて挨拶をする。
「おはようございます。昨晩は深夜にもかかわらず、受け入れてくださいまして、ありがとうございました」
「お気になさらず。詳しい話は聞いておりませんが、大変な状況に置かれている御方だと聞いております」
「そう……ですね。事情をお話しせずに押しかけてしまい、申し訳ありません」
「いやいや、ここは他国の王族もお忍びで来られる癒しの地。いろんな事情がある方が来られる地で、村人も口が堅いので、ゆっくり養生されると良いでしょう」
えっと、何も聞かされずに来たけど、ここは療養地なのだろうか。
私としては、リアムさんの調査が凄く気になるのだけど、狙われているタマちゃんを放ってはおけないし、カルレナの町の冒険者さんたちだって気になる。
落ち着いたら、再びリアムさんの故郷に戻って、しっかり食事事情を改善したいところだ。
それから、食事を……なるほど。この世界では、村の食事はお芋が主食なのかな?
「アリスさん。それでは、アリスさんに使っていただく家に案内致しますね」
「あ、少しだけ待っていてください。カバンを取って来ますので」
食事を終えると、村長さんに声を掛けられたので、大急ぎで昨日使わせてもらった部屋へ。
まだウトウトしているタマちゃんを抱きかかえ、唯一の私の荷物である鞄を手にして戻ってきた。
「む? それは……随分と精巧なぬいぐるみですな。まるで本物のウサギのようですな」
「あ、あはは。こ、これが無いと眠れないんです」
「そうですか。では、ご案内する家は、慣れるまでは大変かもしれませんが、ご容赦ください」
どういう意味かと思っていると、お気に入りのぬいぐるみがないと寝られない、寝具に拘るお嬢様だと思われたらしい。
実際の私は、日本人だった頃からどこでも寝られるので、全く問題ない。
何なら、枕が無くても平気なくらいだし。
しかし……療養地という割に、見た感じは普通の村に思える。
以前に立ち寄った農村と同じ様に、各家で畑を持っているようで、自給自足といった感じだろうか。
「こちらです。古い小屋ですが、ご容赦ください。その代わり、周りの畑を含めて好きに使っていただいて構いませんので」
「本当に助かります。ありがとうございます」
「では何かありましたら、私にお尋ねください」
そう言って、村長さんが帰って行った。
小屋の中は一部屋だけで、キッチンなども無い。
おそらく、キャンプ場みたいに共同のキッチンなのだと思う。
「タマちゃん……もう動いて良いわよ」
「ふぇ? アリスー、おはよー」
「あ、空気を読んでぬいぐるみになっていた訳ではなくて、本当に寝ていたのね」
「何の事ー? ……あれ? ここは?」
「暫く、ここで匿ってもらう事になったの。山の中の村みたいで、これから私も村の中を探索するんだけど……一緒に行く?」
という訳でカバンを置き、タマちゃんと共に村の中を見て回る。
ただ、念の為タマちゃんには小声で喋るようにお願いしているけど……うん。本当に普通の農村じゃないかな?
村のすぐ外が山なので、山菜や果物なんかは探せそうかも。
「あ、しらない、おねーちゃんだー!」
「こら。知らない人は、見なかった事にするのが村のルールだろ」
「あ、そっかー……お、おにーちゃん! ウサギっ! あのおねーちゃん、ウサギをもってるーっ!」
村を歩いていると、幼い兄妹が私に目を向けているけど……口が堅いっていうのは、村のルールみたい。
という事は、本当に王族がお忍びでやって来るの?
けど、言い方は悪いけど……何を目的に来るんだろう?
「おねーちゃん! このウサギさん……さわってもいいー?」
「えぇ、いいわよ。でも、優しく触ってね」
「ありがとー! ……わぁ! もふもふー!」
小声でタマちゃんにジッとしていて欲しいとお願いし、近寄ってきた幼稚園児くらいの女の子にタマちゃんを撫でさせてあげる。
少し大きな、小学校低学年って感じの男の子は、妹ちゃんの行動を見て頭を抱えているけど。
「ねぇねぇ、少し教えて欲しいんだけど……この村って、何か癒されるものがあるのかな?」
「えっ!? お姉ちゃん、お客さんじゃないの?」
「お客……ではないと思うよ? ……たぶん」
「なーんだ。先に言ってよー! 僕はサムで、こっちは妹のシェリー。癒されるものっていうのは分からないけど、お客さんはみんな、あっちにいるよー!」
お兄ちゃんが教えてくれたけど、どうやら村人の住居とは違う場所に、この村の秘密があるみたいだ。
ひとまず、リアムさんのお父さんからは、タマちゃんの事は伏せた方が良いだろうと言われており、私だけで改めて挨拶をする。
「おはようございます。昨晩は深夜にもかかわらず、受け入れてくださいまして、ありがとうございました」
「お気になさらず。詳しい話は聞いておりませんが、大変な状況に置かれている御方だと聞いております」
「そう……ですね。事情をお話しせずに押しかけてしまい、申し訳ありません」
「いやいや、ここは他国の王族もお忍びで来られる癒しの地。いろんな事情がある方が来られる地で、村人も口が堅いので、ゆっくり養生されると良いでしょう」
えっと、何も聞かされずに来たけど、ここは療養地なのだろうか。
私としては、リアムさんの調査が凄く気になるのだけど、狙われているタマちゃんを放ってはおけないし、カルレナの町の冒険者さんたちだって気になる。
落ち着いたら、再びリアムさんの故郷に戻って、しっかり食事事情を改善したいところだ。
それから、食事を……なるほど。この世界では、村の食事はお芋が主食なのかな?
「アリスさん。それでは、アリスさんに使っていただく家に案内致しますね」
「あ、少しだけ待っていてください。カバンを取って来ますので」
食事を終えると、村長さんに声を掛けられたので、大急ぎで昨日使わせてもらった部屋へ。
まだウトウトしているタマちゃんを抱きかかえ、唯一の私の荷物である鞄を手にして戻ってきた。
「む? それは……随分と精巧なぬいぐるみですな。まるで本物のウサギのようですな」
「あ、あはは。こ、これが無いと眠れないんです」
「そうですか。では、ご案内する家は、慣れるまでは大変かもしれませんが、ご容赦ください」
どういう意味かと思っていると、お気に入りのぬいぐるみがないと寝られない、寝具に拘るお嬢様だと思われたらしい。
実際の私は、日本人だった頃からどこでも寝られるので、全く問題ない。
何なら、枕が無くても平気なくらいだし。
しかし……療養地という割に、見た感じは普通の村に思える。
以前に立ち寄った農村と同じ様に、各家で畑を持っているようで、自給自足といった感じだろうか。
「こちらです。古い小屋ですが、ご容赦ください。その代わり、周りの畑を含めて好きに使っていただいて構いませんので」
「本当に助かります。ありがとうございます」
「では何かありましたら、私にお尋ねください」
そう言って、村長さんが帰って行った。
小屋の中は一部屋だけで、キッチンなども無い。
おそらく、キャンプ場みたいに共同のキッチンなのだと思う。
「タマちゃん……もう動いて良いわよ」
「ふぇ? アリスー、おはよー」
「あ、空気を読んでぬいぐるみになっていた訳ではなくて、本当に寝ていたのね」
「何の事ー? ……あれ? ここは?」
「暫く、ここで匿ってもらう事になったの。山の中の村みたいで、これから私も村の中を探索するんだけど……一緒に行く?」
という訳でカバンを置き、タマちゃんと共に村の中を見て回る。
ただ、念の為タマちゃんには小声で喋るようにお願いしているけど……うん。本当に普通の農村じゃないかな?
村のすぐ外が山なので、山菜や果物なんかは探せそうかも。
「あ、しらない、おねーちゃんだー!」
「こら。知らない人は、見なかった事にするのが村のルールだろ」
「あ、そっかー……お、おにーちゃん! ウサギっ! あのおねーちゃん、ウサギをもってるーっ!」
村を歩いていると、幼い兄妹が私に目を向けているけど……口が堅いっていうのは、村のルールみたい。
という事は、本当に王族がお忍びでやって来るの?
けど、言い方は悪いけど……何を目的に来るんだろう?
「おねーちゃん! このウサギさん……さわってもいいー?」
「えぇ、いいわよ。でも、優しく触ってね」
「ありがとー! ……わぁ! もふもふー!」
小声でタマちゃんにジッとしていて欲しいとお願いし、近寄ってきた幼稚園児くらいの女の子にタマちゃんを撫でさせてあげる。
少し大きな、小学校低学年って感じの男の子は、妹ちゃんの行動を見て頭を抱えているけど。
「ねぇねぇ、少し教えて欲しいんだけど……この村って、何か癒されるものがあるのかな?」
「えっ!? お姉ちゃん、お客さんじゃないの?」
「お客……ではないと思うよ? ……たぶん」
「なーんだ。先に言ってよー! 僕はサムで、こっちは妹のシェリー。癒されるものっていうのは分からないけど、お客さんはみんな、あっちにいるよー!」
お兄ちゃんが教えてくれたけど、どうやら村人の住居とは違う場所に、この村の秘密があるみたいだ。
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