異世界クラス転移した俺氏、陰キャなのに聖剣抜いたった ~なんかヤバそうなので学園一の美少女と国外逃亡します~

みょっつ三世

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ギルドマスター②

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「君達もそう思うだろう――異世界より来訪せし勇者殿」

 冒険者ギルドマスターであるアルマテア・ガラハッドは剣呑雰囲気を隠すことなくそう告げた。

 思わず息を呑んだ。横目でアリスを見るが彼女も同じような感じだった。
 ニャルメアにバレた時点で覚悟はしていたが、やはり彼女にもバレていたか。

 落ち着け。呑まれるな。
 きっとリークされただけだ。ここは異世界であり、報告する手段などいくらでもあるはずだ。

「あぁ先に言っておくが私はニャルからまだ一切の報告を受けていないからな」

 心の臓を強引に鷲掴みされたような感覚に落ちいった。
 まいったね。まるで此方の心の底すら見透かされているんじゃなかろうか。現段階であればまだ抵抗することも出来そうだが、あまり意味があるように思えなかった。

「一応参考までに聞きたいんだけど、どうしてそう思ったんですか?」

「まぁ半分こじつけなんだがね。元々王都王城にいる情報通から勇者が脱走したという話は聞いていたんだ。そこに最近、誰にも気づかれることなく討伐された山脈龍種《ドラゴン》の鱗を持った人間が現れた。王都とこの都市は距離的にも比較的遠くはないし、もしかしたらと考えても可笑しくはないだろう」

 一拍。

「そして極めつけは冒険者ギルドでカマセ氏と起こした諍いだ。あの件で君はカマセ氏の魔術を無効化したそうじゃないか。魔術無効化なんていう高等魔術を使える人間などそうはいない。それを聞いて私は確信したよ」

 あれは悪手だったのか。よくよく考えれば聖剣ちゃんはこの世界において超がつくほど有名な存在だ。その能力が知れ渡っているのは当然のことだ。

「完全にバレているみたいだし今更言い訳しても無駄か。この情報ってもう広まっている感じ?」

「あぁそれは心配しなくても大丈夫だ。この都市で気がついているのは私とニャルぐらいだろうよ」

「一応確認しておくけどまさか大々的にバラすつもりはないよね……?」

「そんなことを言われるのは心外だな。この件を誰にも口外しないことをギルドマスターの名に懸けて誓うよ。もしこれが破られるようならそこのニャルが腹を切って詫びをいれる」

「ニャッ!?」

 すげーやこの人。真っ先に自分の同僚を売りやがったよ。しかも自分に被害が及ばない形で。

「ハハハ冗談だ。もちろんその時は私も腹を切るさ」

「ニャニャ~! 結局アタシが腹切りすることに変わりはないのニャ!!」

 さてはこの人、真面目そうに見えて面白い人だな?

「変わった人ね……」

 アリスが呆然としながら呟いた。それな。急にシリアスな雰囲気がぶち壊しになるからやめてほしいよね。これじゃシリアルだよ。

「そうかい? 別に普通の人間だと思うが。釈然としないが何故か偶に言われるんだ。腕が三本生えているわけでもないのにな」

「ニャニャ~ギルマスはあんまり喋らないほうがいいと思うニャぁ」

 ほんとそれな。俺もそう思います。ギルマスは俗に言う残念美人ってやつなのね。

「むぅ……どこか釈然としないが今は置いておこう。話を戻そうか」

 アルマテアはコホンと咳払いをした。

「ここからが本題だが――王城から逃亡した勇者がこの都市に何の用だい?」

 再びアルマテアに剣呑な雰囲気が戻った。先程の残念さは見る影もないほどだ。それだけの貫禄があった。

「興味本位というところもあるが、まぁこれでも私はこの都市における冒険者ギルドのマスターだ。勇者の意向を気にするのは可笑しいことではないだろう。ましてやそれがの勇者なら尚更だ」


 どうしたものか。
 テキトーなことをほざいてその場を誤魔化すことは出来るだろう。しかしそれではおそらく彼女には見透かされてしまうだろう。だけど本当のことを言って信じて貰えるか甚だ疑問なところだ。

 そこはアリスも同じ考えらしい。彼女もまた俺と同じで困り顔を浮かべていた。
 まぁいいか。この際、本音をぶちまけるか。なるようになれってヤツだ。

「まぁ単刀直入に言うと王国がクソ過ぎたので脱走してきました。それでこの都市に偶々辿り着いたって感じです、ほぼノープランですハイ」

 その回答があまりにも予想外だったのか、アルマテアは目をパチクリとさせた。

「フッ、フハッ、こいつはマジか」

 一拍。

「フ、フハハハハハハハ!! 君は随分と歯に衣をかぶせない奴なんだな。嘘をついているようにも見えない。気に入った! 信じようじゃないか!!」

「いいの? 自分で言っていてアレだけど結構滅茶苦茶なこと言っていると思うけど」

「いいさ、私がそう判断した。それに王国がクソなことには私も大いに同感だしね」

 あ、やっぱりそうなんだ。
 悲しいかなどこの世界でも王族的な存在は腐敗していくものなんだね。

「さて私からの質疑はとりあえずこれぐらいだが、このままでは些か不公平だ。この私に聞きたいことがあれば可能な限り回答しよう」

 ふむ聞きたいことか。
 少しだけ驚いたが、これはちょうど良い機会だ。ギルドマスターという立場であれば一般人が知り得ぬ情報すら把握している可能性が高い。

 なので俺はずっと疑問でしょうがなかったことを口に出すことにした。

「じゃあ俺も単刀直入に聞くけどさ。この世界って本当に戦争しているの?」
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