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いきなり魔王戦《クライマックス》①
しおりを挟む「先に言っておくが妾も七つの終末機構の保持者じゃ。当然じゃろう? 何せ妾は第九天魔王じゃからなっ!!」
灼熱色の長髪と真紅の瞳を持つ幼女、魔王ヴォーティガンはその大鎚を俺達に魅せつけるように軽々と肩に担いだ。
そしてそれに対して俺達は五者五様の反応を示した。
「まじかよ、また聖剣ちゃん案件かぁ……」
『ちょっマスター、その言い方だと全面的に私が悪いみたいじゃないですか!』
『しかしハンマーちゃんの気配がちょろちょろすると思っていたけど、まさかこんなことになっていたなんてね~』
「魔剣ちゃん、そういうのは分かるものなのかしら?」
『ま、なんとなくだよアリス嬢。そこまで正確なものじゃねぇさ』
魔王は俺達のあまりにもグダグダな反応を見てゲンナリとした。
「お主ら随分と喧しいんじゃなぁ、一応魔王の御前なんじゃが」
なんかうるさくてごめんね。
しかし随分と気分屋なのだろう。次の瞬間、魔王は気を良くしたのか、
「クカカッ、まぁ妾のあまりにも偉大過ぎる威光に恐れおののいたということじゃろう! 良い良い許すっ!!」
そう豪快に嗤った。
だが俺の内心はそれどころではない。多少時間が経過した事や、アリス達のおかげで普段通りの思考を取り戻しつつあった。
オイオイまじかよこれ。
俺の内心はまぁそんな感じだった。だっていきなり魔王だよ?
最弱的存在《スライム》じゃなくて絶対強者《まおう》。
まだ異世界転移して一週間経ってないんだぞ。世界を救う有名な名作が作中で三ヶ月程度の出来事だったなんてことはザラにあるが、これはいくらなんでもやりすぎだ。自重して自重。
「だが妾が偉大さはこの程度で収まらぬ。妾はワールドワイドでないすばでぃな絶世の美女魔王じゃからなっ」
さりげなくそして図々しく挟まれた言葉はさておき、魔王は俺を更なる絶望へと叩き込むべくこれ見よがしと大槌を天へと掲げた。
「――いざいざ瞠目せよっ、刮目せよっ!!」
まさか雷でも落とすのか。
ズオオオオオオオオオオオオオオオオオ
しかし雷鳴はまるでなく、かわりに地獄の底から響き渡るような騒音が俺の鼓膜をつんざいた。
その音の正体は大槌の変容だ。大鎚はその身を際限なく膨れ上がらせ、遂には天すら突き抜けるほどへと変貌させた。
「久々に七つの終末機構保持者同士のぶつかり合いじゃ。簡単に死んでくれるなよ?」
そして魔王はやはり獰猛な笑みを浮かべた。まじかよ。とりあえず今からでも入れる保険ってあります?
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