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第ニ章 遡及編
第43話 偽浮気写真の回避
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◇ 真由のマンション 2025年11月9日 16:35 ◇
目を覚ます。そこは、私のマンションのベッドの上だった。
再びループが発動したことを理解する。
前の周回では、山本君との証拠写真を撮られないように加奈にも頼んで対策したのに、今度は酒井君が現れて証拠写真を撮られる結果を招いてしまったのであった。
(山本君が近寄って来なくなったら、今度は酒井君が来るなんておかしいわ。強い意志のような物が働いてこのような結構を招いているよう…。でも、わからないわ。何でそこまでするのかしら?)
考えてみるが、まだまだ分からないことだらけである。
それでも私が今できることは、変わりないので、もう一度挑戦することにする。
◇ 21:14 居酒屋『寄ってって』出発 ◇
一次会が終わり、二次会に向かう私たち。
前回は、山本君が私に近づくことを防ぐために策を弄したが、結局は酒井君が接近してしまい、写真を撮られてしまった。
今回は別のルートを提案したが、残念ながら店はホテル街の先に位置しているため、却下されてしまった。
そこで、女性陣に協力してもらって決定的な写真が撮られないように行動することを思いついた。
私は加奈と咲の中央に立ち、絢香と舞華も近くにいてくれるようにお願いした。
皆が酔っていたので、何かゲーム要素があると勘違いして、ノリノリで協力してくれた。
ホテル街に近づいていくと、山本君や酒井君も何故か私たちに寄ってきたが、私とツーショットになることはなく、女性陣に叩かれる始末だった。
「ウザイ!キモイ!」と罵られ、ショックを受けて去っていった。
(やったわ!今回は上手くいったわ。これで証拠写真はなくなるわ…。)
私は、一安心する。
このまま予定通りに進めば、未来を修正することができるだろうと確信した。
満足そうな気持ちに浸っていたが、その時、声をかけられた。
「真由さん?ちょっとこっちに来てくれる?」
BARの近くに見覚えのある女性が立っていた。
女性は佐々木恵美さんだった。
今回までの過去ループでは、彼女との接触は全く無かったので大変驚いた。
彼女と再会することになったが、社会人時代に見た彼女とは外見が大きく異なっていた。
ファッションに無縁な服装と、無造作に放置された髪。
顔立ちは決して悪くはないのだが、化粧はしておらず、暗い雰囲気が漂っていた。
サークル仲間に先に店に入ってもらい、私は彼女の前に立った。その瞬間…。
《グサッ!》
「うぅ…。」
激しい痛みに襲われ、視線を下に向けると、ナイフが深くお腹に突き刺さっていた。
血液が溢れ出し、気絶しそうになる。私は膝をついて倒れ込んでしまった。
「これで目的は達成されたわね…。」
「恵美さん…あなたは、なぜ…。」
満足気な恵美さんの表情が印象的だった…。
◇ 真由のマンション 2025年11月9日 16:35 ◇
私が目を覚ますと、そこは私のマンションのベッドの上だった。
再びループが発動したことに気づく。
そして、私が殺されたことも思い出した。
傷は消え、苦痛もなくなっていたが、私は再び恵美さんに殺されてしまったのだ。
なぜ私が彼女にそこまで憎まれているのか、理解できない。
そして、彼女が発した最後の言葉、「目的は達成された」とは何だったのか。
私は、今までのことを整理することにした。
まず、『未来の分岐点』を正しい道に戻すためには、私と拓弥さんが別れないことが最優先される。
そのために、偽浮気写真を回避する必要があった。
私は、男性サークル仲間と二人きりになることを避け、偽浮気写真の回避に成功した。
しかし、その直後に恵美さんが突然現れて、私を殺害した。
(恵美さんの行動は理解できない。彼女は何か別の目的があるのだろうか…。)
私は、恵美さんのことは置いておいて、偽浮気写真を回避できたことを収穫として考えた。
今後、恵美さんとどう向き合っていくかは未定だが、とりあえずは偽浮気写真の回避が成功したことに安心して再び挑戦することを決意したのであった…。
目を覚ます。そこは、私のマンションのベッドの上だった。
再びループが発動したことを理解する。
前の周回では、山本君との証拠写真を撮られないように加奈にも頼んで対策したのに、今度は酒井君が現れて証拠写真を撮られる結果を招いてしまったのであった。
(山本君が近寄って来なくなったら、今度は酒井君が来るなんておかしいわ。強い意志のような物が働いてこのような結構を招いているよう…。でも、わからないわ。何でそこまでするのかしら?)
考えてみるが、まだまだ分からないことだらけである。
それでも私が今できることは、変わりないので、もう一度挑戦することにする。
◇ 21:14 居酒屋『寄ってって』出発 ◇
一次会が終わり、二次会に向かう私たち。
前回は、山本君が私に近づくことを防ぐために策を弄したが、結局は酒井君が接近してしまい、写真を撮られてしまった。
今回は別のルートを提案したが、残念ながら店はホテル街の先に位置しているため、却下されてしまった。
そこで、女性陣に協力してもらって決定的な写真が撮られないように行動することを思いついた。
私は加奈と咲の中央に立ち、絢香と舞華も近くにいてくれるようにお願いした。
皆が酔っていたので、何かゲーム要素があると勘違いして、ノリノリで協力してくれた。
ホテル街に近づいていくと、山本君や酒井君も何故か私たちに寄ってきたが、私とツーショットになることはなく、女性陣に叩かれる始末だった。
「ウザイ!キモイ!」と罵られ、ショックを受けて去っていった。
(やったわ!今回は上手くいったわ。これで証拠写真はなくなるわ…。)
私は、一安心する。
このまま予定通りに進めば、未来を修正することができるだろうと確信した。
満足そうな気持ちに浸っていたが、その時、声をかけられた。
「真由さん?ちょっとこっちに来てくれる?」
BARの近くに見覚えのある女性が立っていた。
女性は佐々木恵美さんだった。
今回までの過去ループでは、彼女との接触は全く無かったので大変驚いた。
彼女と再会することになったが、社会人時代に見た彼女とは外見が大きく異なっていた。
ファッションに無縁な服装と、無造作に放置された髪。
顔立ちは決して悪くはないのだが、化粧はしておらず、暗い雰囲気が漂っていた。
サークル仲間に先に店に入ってもらい、私は彼女の前に立った。その瞬間…。
《グサッ!》
「うぅ…。」
激しい痛みに襲われ、視線を下に向けると、ナイフが深くお腹に突き刺さっていた。
血液が溢れ出し、気絶しそうになる。私は膝をついて倒れ込んでしまった。
「これで目的は達成されたわね…。」
「恵美さん…あなたは、なぜ…。」
満足気な恵美さんの表情が印象的だった…。
◇ 真由のマンション 2025年11月9日 16:35 ◇
私が目を覚ますと、そこは私のマンションのベッドの上だった。
再びループが発動したことに気づく。
そして、私が殺されたことも思い出した。
傷は消え、苦痛もなくなっていたが、私は再び恵美さんに殺されてしまったのだ。
なぜ私が彼女にそこまで憎まれているのか、理解できない。
そして、彼女が発した最後の言葉、「目的は達成された」とは何だったのか。
私は、今までのことを整理することにした。
まず、『未来の分岐点』を正しい道に戻すためには、私と拓弥さんが別れないことが最優先される。
そのために、偽浮気写真を回避する必要があった。
私は、男性サークル仲間と二人きりになることを避け、偽浮気写真の回避に成功した。
しかし、その直後に恵美さんが突然現れて、私を殺害した。
(恵美さんの行動は理解できない。彼女は何か別の目的があるのだろうか…。)
私は、恵美さんのことは置いておいて、偽浮気写真を回避できたことを収穫として考えた。
今後、恵美さんとどう向き合っていくかは未定だが、とりあえずは偽浮気写真の回避が成功したことに安心して再び挑戦することを決意したのであった…。
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