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第一章 ジンディオールの復讐編
第12話 復讐の糸口(リーナ視点)
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◇ ジンディオール 執務室 ◇
私はジン隊長の死後、もう一度彼の執務室に足を踏み入れた。
彼が殺された時の血痕はすでに取り除かれていたが、机の上には書類や荷物が散乱していた。
(あの日、彼が最後に目にしたものだろうか…。)
私は、ジン隊長の死に様を思い出し、胸が締め付けられた。
彼は、私にとってとても大切な人だった。
魔剣士として模範となる優れた人物であり、優しくも厳しく指導してくれた師でもあった。
私は、どうしてもジン隊長が殺された理由が納得できなかった。
なぜ彼が狙われたのか。
そして、強者である彼を殺せるほどの力を持つ相手は誰なのか。
それが気になって仕方なかった。
私は、尊敬していた彼の名誉を守るためにも、真実を探る必要があると決意してここまで来た。
(だから、今使うわ!ジン隊長の形見である『再現の瞳』!)
私はジン隊長の机に魔道具『再現の瞳』を置き、魔力を流し込んだ。
その瞬間、私は自分の魔力が消費される感覚を覚えた。
この道具は、起動にあたり結構な魔力を消費するらしい。
悪趣味なデザインの瞳からはやがて光が放たれて、執務室内で起こった出来事が光の壁に映し出された…。
「すごい…。これが再現の瞳…。」
これほど高性能な魔道具は、今まで見たこともない。
現代の技術では作り出せない古代文明の遺産なのかも知れない。
「どれほど貴重なものなんだろう…。」
映像は、執務室で書類仕事をしているジン隊長の姿から始まった。
再びジン隊長の姿を見られたことが嬉しくて、涙が溢れ出した。
しばらくすると、フレイが入ってきてジン隊長に話しかける。
最初は笑顔だったジン隊長も、次第に真剣な表情に変わっていった。
フレイは特殊な効果を持つ宝石を、隊長に見せつけていた。
その宝石は『ブラックラズリ』という名前で、相手の能力を奪うという恐ろしい効果を持っていた。
フレイはその効果を利用してジン隊長から最高位のスキル『魔剣士:極』を奪ったのだ。
それによってジン隊長は大幅に弱体化してしまった…。
(やはりフレイが犯人だったのね。)
そして、その口封じのためにジン隊長を殺害した。
(この時、ジン隊長は力を奪われていた。本来なら負けるはずのないフレイに殺されたのはそういうわけね。許せないわ。)
真相を知り、私は憤りと悲しみに震えた。
(これは司令に報告し、フレイを軍法会議にかけて貰う必要があるわ。ジン隊長の無念を晴らすためにも…。)
「おやおや。リーナさんじゃありませんか?こんなところで何をしているんですか?」
映像が終わり、保存機能を使った所で部屋にフレイが入ってきた。
「あなたこそ何の用ですか?」
「失礼な言い方ですねぇ。私は隊長に任命されましたので、その準備のために参りました。これからここが私の仕事場になりますからねぇ。」
「ジン隊長から奪った地位でしょう!」
私はフレイを睨みつけた。
「な…。リーナさんは一体何を言っているんですか?」
フレイは私の言葉に驚いたような顔をした。
それと同時に、彼はすぐさま部屋の中を見回すように、視線がキョロキョロと動いていた。
きっと、何か証拠が残っていないかと探したのだろう。
「ああ…。それは『再現の瞳』ですね。確か、ジンディオールのものだったはず…。なるほど。リーナさんは、すべてを知ってしまった訳ですか。とても残念です。」
「そうよ!あなたの罪を暴くわ!あなたはもう終わりよ。ジン隊長の無念は、私が晴らすわ!」
「そうはさせませんよ!私はここまで苦労して上り詰めてきました。あなたに邪魔されるわけにはいきませんよ。」
フレイは、剣を構えた。
いつもの笑顔が一転して冷酷な表情になった。
私は彼から強大な魔力が溢れ出てくるのを感じた。
(くっ…。フレイから溢れ出す魔力は、私の想像を遥かに超えている。力の差があり過ぎる…。今の私には勝ち目はないわね。)
ジン隊長のスキルを奪い、大幅に強化されたフレイに対抗できるわけがない。
しかもフレイは出入口を背にして私と対峙しているから、逃げ道もない…。
「私は諦めないから!」
《ガシャン!》
「くそっ!逃げやがったか!」
私は一か八か勝負に出た。
再現の瞳を手に持ち、窓ガラスを割って外へ飛び出した。
フレイからは一時的に逃れられたが、ここは二階だった。落下するしかなかった。
「うっ…。」
着地するときに受け身を取ったが、左膝を痛めてしまった。
「隊長命令だ!魔剣士隊、緊急集合!!リーナがジンディオールの『再現の瞳』を奪って逃走した!」「リーナがジンディオール殺害の犯人だ!確保せよ!抵抗するなら殺害も許可する!」
(フレイめ…私を犯人に仕立てたようね…。やることが卑怯だわ。)
私は司令官に真実を報告しに行くことにした。
先に司令官に真相を伝えてフレイを告発すれば、私の無実も証明できるだろう。
司令官邸は、軍基地西側の建物である。
私は急いでそちらに向かうことにしたのだった…。
◇ 軍司令官邸 ◇
「おい、本当に来たぞ!」「リーナ!お前がジン隊長を殺したってな。やるじゃねぇか!」「だが、殺しは犯罪だ。同情はしてやるが、これは任務だ。確保するぞ!」
驚いたことに、魔剣士隊員が既に待ち構えていた。
私が司令官に会いに行くのを予想してフレイが先回りさせたのだろう。
「聞いて!ジン隊長を殺したのはフレイよ!フレイがジン隊長の能力を奪って殺したのよ!信じて!」
「そんなことは関係ない!俺たちは命令に従うだけだ。お前も隊員ならわかるだろ?文句があるなら後で隊長に言え!」
「その隊長こそが犯人なのよ…。」
どんなに言っても無駄だった。私も隊員の一員なので分かる。
魔剣士隊は絶対的な規律で成り立っている。
それを乱す者は、悪だと判断されるのだ。
そうこうしているうちに、私は四方から包囲されてしまった。
(まずいわ…。)
「それなら、『昇天蹴り』!」
「ぐぅっ!」
私は脛を蹴り飛ばして相手を怯ませ、顎を狙って蹴り上げる『昇天蹴り』の技を繰り出した。
これで倒せるわけではないが、包囲の一角を崩すことに成功した。
私はその隙を見逃さずに素早く逃げ出した。
「逃がすか!『闇・陸式:アビスブレイカー』!」
序列三位のアッシュが攻撃を放ってきた。
剣から闇属性の衝撃波を放つ『アビスブレイカー』である。
その速度や威力は、見聞きした以上のものだった…。
「きゃあっ!」
足の負傷もあって、回避しきれずに腰部に直撃してしまう。
傷口から血が流れ出し、地面に飛び散った。
このままでは捕まってしまう。
しかし、捕まったら終わりだ。
絶対に捕まってはならない。
「『水・弐式:霧』!」
私は自分の得意技の一つを使った。
魔力と水蒸気で霧を作り出す技だった。
「霧だと!?前が見えない!」「何処だ?」「何処に行った?」「おい、ヤバいぞ探せ!」
目くらましには成功したようだ。
私は物陰に隠れて追っ手をやり過ごし、時期を見計らって軍基地から脱出した。
◇ ◇ ◇
私は歯を食いしばって歩を進める。
膝は動かなくなってきており、背中には大きな傷を負っている。
(もう、帰る場所を失ったわね…。)
私はフレイに一矢報いろうとしたが、失敗してしまった。
奴の方が一枚上手だったようである。
悔しさで噛み締めた唇からは血の味がしていた。
私は身を隠す為に南の森へと避難したのだった…。
私はジン隊長の死後、もう一度彼の執務室に足を踏み入れた。
彼が殺された時の血痕はすでに取り除かれていたが、机の上には書類や荷物が散乱していた。
(あの日、彼が最後に目にしたものだろうか…。)
私は、ジン隊長の死に様を思い出し、胸が締め付けられた。
彼は、私にとってとても大切な人だった。
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私は、どうしてもジン隊長が殺された理由が納得できなかった。
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それが気になって仕方なかった。
私は、尊敬していた彼の名誉を守るためにも、真実を探る必要があると決意してここまで来た。
(だから、今使うわ!ジン隊長の形見である『再現の瞳』!)
私はジン隊長の机に魔道具『再現の瞳』を置き、魔力を流し込んだ。
その瞬間、私は自分の魔力が消費される感覚を覚えた。
この道具は、起動にあたり結構な魔力を消費するらしい。
悪趣味なデザインの瞳からはやがて光が放たれて、執務室内で起こった出来事が光の壁に映し出された…。
「すごい…。これが再現の瞳…。」
これほど高性能な魔道具は、今まで見たこともない。
現代の技術では作り出せない古代文明の遺産なのかも知れない。
「どれほど貴重なものなんだろう…。」
映像は、執務室で書類仕事をしているジン隊長の姿から始まった。
再びジン隊長の姿を見られたことが嬉しくて、涙が溢れ出した。
しばらくすると、フレイが入ってきてジン隊長に話しかける。
最初は笑顔だったジン隊長も、次第に真剣な表情に変わっていった。
フレイは特殊な効果を持つ宝石を、隊長に見せつけていた。
その宝石は『ブラックラズリ』という名前で、相手の能力を奪うという恐ろしい効果を持っていた。
フレイはその効果を利用してジン隊長から最高位のスキル『魔剣士:極』を奪ったのだ。
それによってジン隊長は大幅に弱体化してしまった…。
(やはりフレイが犯人だったのね。)
そして、その口封じのためにジン隊長を殺害した。
(この時、ジン隊長は力を奪われていた。本来なら負けるはずのないフレイに殺されたのはそういうわけね。許せないわ。)
真相を知り、私は憤りと悲しみに震えた。
(これは司令に報告し、フレイを軍法会議にかけて貰う必要があるわ。ジン隊長の無念を晴らすためにも…。)
「おやおや。リーナさんじゃありませんか?こんなところで何をしているんですか?」
映像が終わり、保存機能を使った所で部屋にフレイが入ってきた。
「あなたこそ何の用ですか?」
「失礼な言い方ですねぇ。私は隊長に任命されましたので、その準備のために参りました。これからここが私の仕事場になりますからねぇ。」
「ジン隊長から奪った地位でしょう!」
私はフレイを睨みつけた。
「な…。リーナさんは一体何を言っているんですか?」
フレイは私の言葉に驚いたような顔をした。
それと同時に、彼はすぐさま部屋の中を見回すように、視線がキョロキョロと動いていた。
きっと、何か証拠が残っていないかと探したのだろう。
「ああ…。それは『再現の瞳』ですね。確か、ジンディオールのものだったはず…。なるほど。リーナさんは、すべてを知ってしまった訳ですか。とても残念です。」
「そうよ!あなたの罪を暴くわ!あなたはもう終わりよ。ジン隊長の無念は、私が晴らすわ!」
「そうはさせませんよ!私はここまで苦労して上り詰めてきました。あなたに邪魔されるわけにはいきませんよ。」
フレイは、剣を構えた。
いつもの笑顔が一転して冷酷な表情になった。
私は彼から強大な魔力が溢れ出てくるのを感じた。
(くっ…。フレイから溢れ出す魔力は、私の想像を遥かに超えている。力の差があり過ぎる…。今の私には勝ち目はないわね。)
ジン隊長のスキルを奪い、大幅に強化されたフレイに対抗できるわけがない。
しかもフレイは出入口を背にして私と対峙しているから、逃げ道もない…。
「私は諦めないから!」
《ガシャン!》
「くそっ!逃げやがったか!」
私は一か八か勝負に出た。
再現の瞳を手に持ち、窓ガラスを割って外へ飛び出した。
フレイからは一時的に逃れられたが、ここは二階だった。落下するしかなかった。
「うっ…。」
着地するときに受け身を取ったが、左膝を痛めてしまった。
「隊長命令だ!魔剣士隊、緊急集合!!リーナがジンディオールの『再現の瞳』を奪って逃走した!」「リーナがジンディオール殺害の犯人だ!確保せよ!抵抗するなら殺害も許可する!」
(フレイめ…私を犯人に仕立てたようね…。やることが卑怯だわ。)
私は司令官に真実を報告しに行くことにした。
先に司令官に真相を伝えてフレイを告発すれば、私の無実も証明できるだろう。
司令官邸は、軍基地西側の建物である。
私は急いでそちらに向かうことにしたのだった…。
◇ 軍司令官邸 ◇
「おい、本当に来たぞ!」「リーナ!お前がジン隊長を殺したってな。やるじゃねぇか!」「だが、殺しは犯罪だ。同情はしてやるが、これは任務だ。確保するぞ!」
驚いたことに、魔剣士隊員が既に待ち構えていた。
私が司令官に会いに行くのを予想してフレイが先回りさせたのだろう。
「聞いて!ジン隊長を殺したのはフレイよ!フレイがジン隊長の能力を奪って殺したのよ!信じて!」
「そんなことは関係ない!俺たちは命令に従うだけだ。お前も隊員ならわかるだろ?文句があるなら後で隊長に言え!」
「その隊長こそが犯人なのよ…。」
どんなに言っても無駄だった。私も隊員の一員なので分かる。
魔剣士隊は絶対的な規律で成り立っている。
それを乱す者は、悪だと判断されるのだ。
そうこうしているうちに、私は四方から包囲されてしまった。
(まずいわ…。)
「それなら、『昇天蹴り』!」
「ぐぅっ!」
私は脛を蹴り飛ばして相手を怯ませ、顎を狙って蹴り上げる『昇天蹴り』の技を繰り出した。
これで倒せるわけではないが、包囲の一角を崩すことに成功した。
私はその隙を見逃さずに素早く逃げ出した。
「逃がすか!『闇・陸式:アビスブレイカー』!」
序列三位のアッシュが攻撃を放ってきた。
剣から闇属性の衝撃波を放つ『アビスブレイカー』である。
その速度や威力は、見聞きした以上のものだった…。
「きゃあっ!」
足の負傷もあって、回避しきれずに腰部に直撃してしまう。
傷口から血が流れ出し、地面に飛び散った。
このままでは捕まってしまう。
しかし、捕まったら終わりだ。
絶対に捕まってはならない。
「『水・弐式:霧』!」
私は自分の得意技の一つを使った。
魔力と水蒸気で霧を作り出す技だった。
「霧だと!?前が見えない!」「何処だ?」「何処に行った?」「おい、ヤバいぞ探せ!」
目くらましには成功したようだ。
私は物陰に隠れて追っ手をやり過ごし、時期を見計らって軍基地から脱出した。
◇ ◇ ◇
私は歯を食いしばって歩を進める。
膝は動かなくなってきており、背中には大きな傷を負っている。
(もう、帰る場所を失ったわね…。)
私はフレイに一矢報いろうとしたが、失敗してしまった。
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1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
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