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ギルドマスター⁉
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ケイとの出会いからクビになるまでを酒場で取っ捕まえた先輩冒険者にぐだぐだ話した。恋も仲間も失った俺にできるのは酒におぼれることだけなのだ。三日ほど同じ話をしているうちに、始めは親切に慰め「あいつ女だったの⁉」と驚いていた先輩も飽きた様子を隠しもしない。しかし、三日間酒場に入り浸っている先輩も俺と同じくでなし仲間なので罰だと思って聞いてほしい。あ~、今後どうしよう、もう冒険者止めて軍隊にでも入っちゃおうかな。俺の付与魔法は軍隊向きらしいからな。冒険者を続けてたらまたケイに合うかもしれないし。はぁ。
その時入口の方が騒がしくなった。依頼を終えた冒険者が返ってきたらしい、もうそんな時間か。ぼんやりと目をやってその中に目立つ金の頭を見つけた。ケイだ、目が合った気がした。俺は慌てて目をそらし身を縮めたが、抵抗むなしくケイはまっすぐ俺の元にやってきた。
「よう帰ったぜ、ギルドの設立準備終わったか?」
⁉
「は~、お前まだ終わってねえのかよ、もう三日だぜ?ま、そんなことだろうと思ってギルドホールは目星つけといてやったぜ。」
⁉
「なんせこの輝かしき勇者ケイ様の立ち上げるギルドだからなこの街でも一番立派なところよ。」
⁉
「おいおい、なんだその顔。さてはお前全然話聞いていなかったのか。しっかりしろよギルドマスター。」
⁉
「ったく、なんのためにお前にその金渡したと思ってんだ」
⁉
驚きながらも話を聞いていると衝撃の事実が発覚した。俺がクビを宣告され呆然としている間、なんとギルド設立の話がされていたらしい。ほんとショックで話聞いてなかった。そして俺はパーティーを抜けてギルドマスターをやれ、というのがケイの本意だったらしいのだ。
どうやら完全に見限られたわけではないらしい。まあ、まだ聞きたいことはあるのだが、話が変わった今どうしても伝えないことがある。
「あ、あのさケイ」
「なんだよ」
あのころと変わらない青い瞳が俺を見る。強いまなざしに目をそらして言葉を飲み込んでしまいたくなる。でもこれは今言わなきゃだめだ。今言わないと余計こじれてしまう。
「お、俺――
――俺、あのお金結構使っちゃって……。」
「ああ”⁉」
ひいっ
「……」
「…………か~っ、しっかたねぇなぁ!!てめぇたまにやらかすよなぁ!!任せたのは俺だ!尻拭いしてやらぁ!!前金だけ払って場所押さえてから何件か依頼受けて金稼ぐぞっ!!」
「ちょっとケイ正気ですの⁉この男はパーティーのお金を勝手に使ったのですわ!それもこんなことに!!」
魔女は机の上に並ぶ酒瓶を睨みつけた。しかし俺はそれどころではない。
か、かっこいい~~!!ケイかっこよすぎるよー!はわわわわ。魔女?なんか言ってた?
「まあまあ、たまには、大目に見てやったっていいだろォ?何せこいつは俺の、
……俺の?
「一番の ―――― 子分だからな。」
!!??
わー!!!!やったぁぁあああ!!!い、い、い、一番だとぉお⁉
これ脈ありでは⁉俺は感動に打ち震えた。もうケイやっぱしゅきぃ~♡何回でも惚れ直すぜぇえ!!
なお、主人公が狂喜乱舞する裏でケイは、「な?俺の顔に免じて許して?」と魔女にちゅっちゅして機嫌を取っていた。主人公は衝撃で話を聞いていないので問題ない。
「おい、ジェイ。」
ジェイ、俺の名前だ。は~久々にケイに呼ばれるとそれだけでドキドキしちゃうよ~。
「もちろんてめぇにも、その分キリキリ働いてもらうからな。覚悟しとけよ、ジェイ?」
「うん♡」
こうして俺は本当にキリキリギリギリまで働かせられた。死ぬほどめんどくさいギルド設立書類を2日で書き上げ――いやこれ3日でも無理では?――少しでも稼ぎの足しにするべく、早朝のギルドに集まる冒険者へ魔力の限界まで付与魔法をかけまくって小銭を稼いだ。持続時間には自信があるので半日くらいは持つはずだ。死ぬ。
そしてその甲斐あって――、1月後俺たちは正式にギルドとして認められた。
なんか後でヒーラーから聞いたところによると――ケイはこっちの話を聞かないので――、このギルド設立の発端は、
①才能ある(可愛い)若手が早死にしないようにしたい!
②じゃあギルド作るか。ならギルドマスターはジェイだな、細かいこと得意だし。
③「お前の付与魔術って冒険者ってより軍隊向けだよな(笑)」と称される大人数長時間向けのジェイの付与魔法をギルドメンバーにかけて全体能力底上げ出来ね?ジェイならパーティーにいなくても効果続くもんね?
④代わりに経験値共有魔法でジェイが経験値を取得、そして大人数から経験値を集めればジェイのレベルも上がりやすくなって一石二鳥やんけぇ!!
という、え?もうそれ俺のためってこと??え???なアイディアらしい。え?好き。けぇぇぇい!!結婚してくれぇぇぇえ!!!!!
勇者 「これでカワイ子ちゃん集めて、手数料で金もがっぽりって寸法よ!わっはっはっは!」
ヒーラー「えっと‥…、これでみんなが得するんだ、ってケイさんは言ってましたよ……?」
こうして俺は(ケイの)ハーレムギルドのマスターとなった。
ギルメンの成長とともに順調にレベルも上がるようになり、なんやかんやケイとも思いが通じ、無事俺もハーレムの一員となりました!! パーティーを抜けてからは、良いことだらけです!!!!
幼馴染勇者にクビ宣言されたショックで話聞いてなかった 完
その時入口の方が騒がしくなった。依頼を終えた冒険者が返ってきたらしい、もうそんな時間か。ぼんやりと目をやってその中に目立つ金の頭を見つけた。ケイだ、目が合った気がした。俺は慌てて目をそらし身を縮めたが、抵抗むなしくケイはまっすぐ俺の元にやってきた。
「よう帰ったぜ、ギルドの設立準備終わったか?」
⁉
「は~、お前まだ終わってねえのかよ、もう三日だぜ?ま、そんなことだろうと思ってギルドホールは目星つけといてやったぜ。」
⁉
「なんせこの輝かしき勇者ケイ様の立ち上げるギルドだからなこの街でも一番立派なところよ。」
⁉
「おいおい、なんだその顔。さてはお前全然話聞いていなかったのか。しっかりしろよギルドマスター。」
⁉
「ったく、なんのためにお前にその金渡したと思ってんだ」
⁉
驚きながらも話を聞いていると衝撃の事実が発覚した。俺がクビを宣告され呆然としている間、なんとギルド設立の話がされていたらしい。ほんとショックで話聞いてなかった。そして俺はパーティーを抜けてギルドマスターをやれ、というのがケイの本意だったらしいのだ。
どうやら完全に見限られたわけではないらしい。まあ、まだ聞きたいことはあるのだが、話が変わった今どうしても伝えないことがある。
「あ、あのさケイ」
「なんだよ」
あのころと変わらない青い瞳が俺を見る。強いまなざしに目をそらして言葉を飲み込んでしまいたくなる。でもこれは今言わなきゃだめだ。今言わないと余計こじれてしまう。
「お、俺――
――俺、あのお金結構使っちゃって……。」
「ああ”⁉」
ひいっ
「……」
「…………か~っ、しっかたねぇなぁ!!てめぇたまにやらかすよなぁ!!任せたのは俺だ!尻拭いしてやらぁ!!前金だけ払って場所押さえてから何件か依頼受けて金稼ぐぞっ!!」
「ちょっとケイ正気ですの⁉この男はパーティーのお金を勝手に使ったのですわ!それもこんなことに!!」
魔女は机の上に並ぶ酒瓶を睨みつけた。しかし俺はそれどころではない。
か、かっこいい~~!!ケイかっこよすぎるよー!はわわわわ。魔女?なんか言ってた?
「まあまあ、たまには、大目に見てやったっていいだろォ?何せこいつは俺の、
……俺の?
「一番の ―――― 子分だからな。」
!!??
わー!!!!やったぁぁあああ!!!い、い、い、一番だとぉお⁉
これ脈ありでは⁉俺は感動に打ち震えた。もうケイやっぱしゅきぃ~♡何回でも惚れ直すぜぇえ!!
なお、主人公が狂喜乱舞する裏でケイは、「な?俺の顔に免じて許して?」と魔女にちゅっちゅして機嫌を取っていた。主人公は衝撃で話を聞いていないので問題ない。
「おい、ジェイ。」
ジェイ、俺の名前だ。は~久々にケイに呼ばれるとそれだけでドキドキしちゃうよ~。
「もちろんてめぇにも、その分キリキリ働いてもらうからな。覚悟しとけよ、ジェイ?」
「うん♡」
こうして俺は本当にキリキリギリギリまで働かせられた。死ぬほどめんどくさいギルド設立書類を2日で書き上げ――いやこれ3日でも無理では?――少しでも稼ぎの足しにするべく、早朝のギルドに集まる冒険者へ魔力の限界まで付与魔法をかけまくって小銭を稼いだ。持続時間には自信があるので半日くらいは持つはずだ。死ぬ。
そしてその甲斐あって――、1月後俺たちは正式にギルドとして認められた。
なんか後でヒーラーから聞いたところによると――ケイはこっちの話を聞かないので――、このギルド設立の発端は、
①才能ある(可愛い)若手が早死にしないようにしたい!
②じゃあギルド作るか。ならギルドマスターはジェイだな、細かいこと得意だし。
③「お前の付与魔術って冒険者ってより軍隊向けだよな(笑)」と称される大人数長時間向けのジェイの付与魔法をギルドメンバーにかけて全体能力底上げ出来ね?ジェイならパーティーにいなくても効果続くもんね?
④代わりに経験値共有魔法でジェイが経験値を取得、そして大人数から経験値を集めればジェイのレベルも上がりやすくなって一石二鳥やんけぇ!!
という、え?もうそれ俺のためってこと??え???なアイディアらしい。え?好き。けぇぇぇい!!結婚してくれぇぇぇえ!!!!!
勇者 「これでカワイ子ちゃん集めて、手数料で金もがっぽりって寸法よ!わっはっはっは!」
ヒーラー「えっと‥…、これでみんなが得するんだ、ってケイさんは言ってましたよ……?」
こうして俺は(ケイの)ハーレムギルドのマスターとなった。
ギルメンの成長とともに順調にレベルも上がるようになり、なんやかんやケイとも思いが通じ、無事俺もハーレムの一員となりました!! パーティーを抜けてからは、良いことだらけです!!!!
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