最弱の僕が気づいたら最強に祭り上げられてたけど、頑張って現実にしてみせる

小暮悠斗

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恐怖の学園編

暴かれた秘密⑩

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 怪奇学園保健室。

 純白のシーツがその清潔さを物語る。
 冬夜はベッドの上で目を覚ました。

 身体を起こすと希望が抱きついた。
 冬夜は支え切れずにそのまま倒れてしまう。

 希望は冬夜の胸に顔を埋めて、

「よかったよ~」

 大粒の涙を零した。

 困った様子で辺りを見回す。

「の、のぞみちゃん!? ち、ちょとぉ……」
「冬夜……くん」
「真白さん?」

 希望とは反対側から抱きつく。
 冬夜は更なる混迷へ。

「真白さん!? 二人ともどうしたの!?」

 よかった。
 一言告げて、そっと抱きしめる。

「登丸先輩まで!?」

 冬夜が混乱を極める中、窓の外――木の上。
 全身黒ローブの男は、室内の様子を楽しげに眺めていた。

「いいなぁ……ぼくちんも皆と一緒に楽しみたいのだー」
「変なセリフあてないでもらえますか」

 冷静に切り返す。

「でも実際のところ、それがお前の本心だろ?」

 否定はしなかった。
 肯定もしなかった。

「一緒にいない方が皆のためですよ」

 ハハハと鼻で笑うと、

「お前のため、の間違いだろ」

 自分の気持ちを押し殺してでも成し遂げなくてはならないことがある。
 そんな使命を授かってしまったがために自分を捨てた。

「そんなズケズケ突っ込んでいたら嫌われますよ」
「もう充分嫌われてるよ」

 楽しげな輪を眺めながら、二人は自嘲気味に笑った。

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