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第二幕 映画撮影と超新星
ACT30
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マジで最悪。テンション駄々下がり。
愚痴ったところでなにも事態は変わらないのだけれども……愚痴らずにはいられなかった。
「愚痴っちゃってごめんね~。高野さん」
「別にいいわよ」
気分が滅入っちゃってる時に完全な聞き手に徹してくれる高野さんには感謝してもしきれない。
本当にありがとう。絶対に口に出したりはしないけど、心の中ではいつでもそう思ってる。
「……でも結衣。貴女、もうかれこれ小一時間愚痴ってるわよ。そろそろ帰らない? 続きはお母さんに聞いてもらいなさい」
「だってお母さんに話したら「仲良くしなさい」って言われるのがオチだもの」
はぁぁ……と深い溜息を吐いた高野さんは目頭を押さえて上を向き、首を大きく左右に一回ずつ回すとフッと強く息を吐くと「大丈夫よ。何時まででも付き合うわ」と覚悟を決めたように言ってくれた高野さんに甘える事にした。
…………
……
…
制作発表の翌日、メインキャスト全員揃っての初顔合わせが行われる。
昨日の制作発表時には数人が顔を出すことが出来なかったのだ。
そのうちの一人とは滅茶苦茶逢ってみたいと思っていた。
もう一人とは顔どころか名前すら見たくなかった。だってゲスなんだもん。
という訳で期待感は、五分五分です。って事を移動の車の中で高野さんに散々愚痴りました。
高野さんありがとう。心の中は謝辞の嵐だった。
…………
……
…
遅刻は許されないので集合時間よりだいぶ早めに到着したのだが……誰もいない。
トントン――
肩が叩かれる。
振り返る。
むにゅ――
私のマシュマロみたいに柔らかな頬(お母さん談)に誰かの人差し指が減り込む。
誰やねん!? 思わず関西弁出てもうたやないか~い!
何かテンション変だぞ私。
ふう……で誰なの? まったく、やれやれ……
減り込んだ人差し指を掴み、関節の可動域を無視して曲げてやる。
「イダダダ」
苦痛が声色からも伝わってくる。
「ごめんなさい。ギブ~」
体をよじらせながら謝罪する女の子。
「マジで誰?」
「ヒドイ!? 私だよ。堀川汐莉」
……ああ、堀川汐莉ね。……それってシェリルじゃん!?
「おはよ」
「おはようございます」
つい敬語になってしまった。
「ダメでしょ。敬語なんて使ったら。貴女は先輩。私は無名の新人なんだから」
ウィンク――(パチッ)
叱られたのに悪い気がしない。
「反省してる?」
「うん。してる」
「顔笑ってるけど」
「ごめんなさい」
あれ……私とシェリルってどっちが先輩?
シェリル・マクレーンの名前を聞くようになったのはここ数年の事。
子役時代とかあったのかしら? まあ、日本とアメリカじゃ先輩とか後輩とかあまり関係ないけどね。
「なに?」
「別に大したことじゃないんだけどね。シェリルってこの業界どれくらいいるの?」
「う~んとねぇ……」
首を傾げる仕草がどうしようもなく可愛い。それはシェリルだと知っているからそのように感じるのか、はたまた堀川汐莉として見ても可愛いものなのか、いまいち判らなかった。
でも可愛いからそんな些細な事はどうでもいいか。
完全なる思考放棄である。
「この業界は、12年目になるかしら」
……――同期じゃん!?
一瞬にして世界的女優に親近感が湧いた。
愚痴ったところでなにも事態は変わらないのだけれども……愚痴らずにはいられなかった。
「愚痴っちゃってごめんね~。高野さん」
「別にいいわよ」
気分が滅入っちゃってる時に完全な聞き手に徹してくれる高野さんには感謝してもしきれない。
本当にありがとう。絶対に口に出したりはしないけど、心の中ではいつでもそう思ってる。
「……でも結衣。貴女、もうかれこれ小一時間愚痴ってるわよ。そろそろ帰らない? 続きはお母さんに聞いてもらいなさい」
「だってお母さんに話したら「仲良くしなさい」って言われるのがオチだもの」
はぁぁ……と深い溜息を吐いた高野さんは目頭を押さえて上を向き、首を大きく左右に一回ずつ回すとフッと強く息を吐くと「大丈夫よ。何時まででも付き合うわ」と覚悟を決めたように言ってくれた高野さんに甘える事にした。
…………
……
…
制作発表の翌日、メインキャスト全員揃っての初顔合わせが行われる。
昨日の制作発表時には数人が顔を出すことが出来なかったのだ。
そのうちの一人とは滅茶苦茶逢ってみたいと思っていた。
もう一人とは顔どころか名前すら見たくなかった。だってゲスなんだもん。
という訳で期待感は、五分五分です。って事を移動の車の中で高野さんに散々愚痴りました。
高野さんありがとう。心の中は謝辞の嵐だった。
…………
……
…
遅刻は許されないので集合時間よりだいぶ早めに到着したのだが……誰もいない。
トントン――
肩が叩かれる。
振り返る。
むにゅ――
私のマシュマロみたいに柔らかな頬(お母さん談)に誰かの人差し指が減り込む。
誰やねん!? 思わず関西弁出てもうたやないか~い!
何かテンション変だぞ私。
ふう……で誰なの? まったく、やれやれ……
減り込んだ人差し指を掴み、関節の可動域を無視して曲げてやる。
「イダダダ」
苦痛が声色からも伝わってくる。
「ごめんなさい。ギブ~」
体をよじらせながら謝罪する女の子。
「マジで誰?」
「ヒドイ!? 私だよ。堀川汐莉」
……ああ、堀川汐莉ね。……それってシェリルじゃん!?
「おはよ」
「おはようございます」
つい敬語になってしまった。
「ダメでしょ。敬語なんて使ったら。貴女は先輩。私は無名の新人なんだから」
ウィンク――(パチッ)
叱られたのに悪い気がしない。
「反省してる?」
「うん。してる」
「顔笑ってるけど」
「ごめんなさい」
あれ……私とシェリルってどっちが先輩?
シェリル・マクレーンの名前を聞くようになったのはここ数年の事。
子役時代とかあったのかしら? まあ、日本とアメリカじゃ先輩とか後輩とかあまり関係ないけどね。
「なに?」
「別に大したことじゃないんだけどね。シェリルってこの業界どれくらいいるの?」
「う~んとねぇ……」
首を傾げる仕草がどうしようもなく可愛い。それはシェリルだと知っているからそのように感じるのか、はたまた堀川汐莉として見ても可愛いものなのか、いまいち判らなかった。
でも可愛いからそんな些細な事はどうでもいいか。
完全なる思考放棄である。
「この業界は、12年目になるかしら」
……――同期じゃん!?
一瞬にして世界的女優に親近感が湧いた。
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