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第三章
第三十二話・サージェント家のお姫様たち③
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気が付くとアレンとアウラウネは家族に取り囲まれ見降ろされているのにき付き、彼は慌てて立ち上がりアウラウネの手も取り立ちあがらせて残りの絵を渡した。
「さあさ、アレンも長旅でさぞ疲れたことでしょう。お部屋でゆっくり休で貰いましょう、あなた。」
「そうだった、引きとめて悪かったね、アレン。君を早く皆に紹介したくてね。」
「今から、カローネに案内させるわね。カローネはアレンが此処にいる間の部屋付きメイドをお願いしてあるの。お付きの衛士の方は続き部屋を取ってありますから心配しないでね。」
ベルが振られカローネがやって来て部屋に案内されると、アレンはお茶会や夕食会の時間も忘れて夜が明けるまでそのままベットで眠り込んでしまった。
何やら耳元で話声と時折り忍び笑いが聞こえ、アレンはハッと飛び起きた。
「やっと起きた~、もう朝だよ~。」ジョエルが顔を覗き込むと、キュウキュウ。クッキーが負けじと枕元に跳び込んで来て顔を擦り付けて来た。
「なんだよ~、今まで俺の手に乗って食べてたのに連れないな~。」ジョエルがぼやいた、見ると手に白パンを持っている。
「へえ~、クッキーに仲良くして貰ったんだ、良かったねジョエル。」
「えっ、なにクッキーの方が俺より上なの?」
「う~ん、上と言うか、クッキーには誰も勝てない気がするよ。」
ジョエルが言葉を続けようとした時、バタンと勢いよく扉が開かれ「アレン、おはようー!」叫びながらアウラウネが飛び込んで来て、そのままジョエルの横を擦り抜けるとアレンのベットに跳び込んだ。
ジョエルが吃驚しつつ、目線で”誰”と問い掛けてきたので、サージェント伯の末娘だと紹介すると彼はいつもの調子でアウラウネに話掛けた。
「レディがそんな行儀の悪い事をしちゃ駄目なんじゃない、お姫様。」
「あら、行儀の悪い見本みたいな人に言われたくないわ。」アウラウネはそう言うと、ジョエルの手にある食べ掛けの白パンと膝の上に散らばったパン屑に順番に視線を送る。
「これは、違、う・・・・。」慌てて目をやると、クッキーは居なくなっていた。
アレンはクッキーが消えてくれた事にほっとしつつも、なんだかクッキーを蔑ろにしているようで後ろめたく、寂しい気持ちになった。
「アウラウネッ!!」扉の方を見るとルナリアが立っていて、そのままつかつかとベットの側までやって来ると問答無用とばかりに妹の腰を掴んで引き摺り降ろそうとしたが、反対に手酷い抵抗に遭って二人で縺れ込みベットの上に転がってしまった。
「何してるのよっ、あなた達。」ジョエルは呆気に取られて二人を見ていたが、また新たな声が後ろから聞こえて来たので振り返ると二番目に来た娘とそっくりな少女が扉の所で立ち竦んでいる。
彼女は指を振り翳しながらベットの方へやって来て叫んだ、「何をやってるのよ、あなた達。ふ、ふ、不謹慎よっ!今直ぐに、彼から離れなさい!」そう言うと、二人を引っ張り起こすために手を伸ばした。
アレンは吃驚して動けずいたが(なにしろ、足の上に二人分の体重が乗っていたのだから。)アウラウネとルナリアが素早く目を交わすのを目の前で見た。
二人は伸ばされた手を反対に掴むと両側からエミリアを引っ張り込み、彼女は見事にベットの上の二人の間に転がり込んでしまった。
エミリアはせっかく綺麗に結いあげたお団子が無残に垂れ下がり茫然自失の体だ。
「ぷっ。」誰かが堪らず噴き出すと後は連鎖反応でエミリアを除く全員が笑いだす。
「うぅ~、ひ、酷いわ。せ、せっかく綺麗に結い上げてき、来たのにっ。」彼女はそう言うとしゃくり上げて泣き出してしまった。
「ごめん、エミリア。」「ごめんなさい、エミリア姉さま。」二人は謝りつつも、エミリアの崩れたお団子が彼女の顔の前にぶら下がっているのを見ると、口を押えつつも笑いが漏れてしまい、とうとう本格的にエミリアをワーワー泣かせてしまった。
皆、笑いつつもどうしていいか分からないでいると、アレンがエミリアに手を伸ばし、「ごめんね、笑って。せっかく綺麗に結ったのにね。こっちに来て見て。」そう言うと、自分の前をぽんぽんと手で叩いた。
エミリアは吃驚したが、引き寄せられるように這ってアレンの前に座った。
彼は躊躇する事無く自然にエミリアの髪の毛に手をやり少し持ち上げると首を傾げ何やら考えている、皆はアレンの行動を息を詰めて見つめた。
「やっぱり、僕にはお団子を直すのは無理みたいです、ごめんんさい。でも、このリボンを使って少しは編み込みが出来ると思うんだ。やってみていい?」アレンが問うと、エミリアはこく、こく頷いた。
「ジョエル、ブラシを取ってくれない?」アレンはブラシを貰うと、手早くお団子を崩し頭を下げて貰ってブラシで髪をとかすと、前髪とリボンを編み込み耳の横で結んで垂らした。
「どお?」アレンはエミリアに問い掛けた。
エミリアは真剣に自分の髪の毛を編んでくれているアレンの顔に只々見入っていたので、一瞬何を言われたか分からなかった。紫の瞳に吸い込まれそうだと思った。
「素敵、姉さま。」「凄く、可愛いわエミリア。」二人の賞賛に彼女は気を良くした。
「どうしてそんな事が出来るの?」ルナリアは不思議に思って聞いてみた、普通、男性は女性の髪を触ったりしないし、貴婦人や淑女の髪型は部屋付きのメイドの一人がするものだ。
「僕は母さまと二人暮らしだったんだです、だから毎朝僕の髪は母さまが梳かしてくれて、お返しに僕が母さまの髪の毛を梳いてあげてたんだよ。」
「この編み込みは?」アウラウネが聞いた。
「僕は母さまにあげる物が無くて、メリンダさんに聞いたら朝髪の毛を梳かす時にやってあげると喜ぶって教えて貰ったんだ。何度も練習したんだよ。」
「メリンダって、誰?」エミリアが即座に尋ねる。
「メリンダさんは居酒屋”ガストン”で働いているお姉さんです。」
「アレンは居酒屋なんかに行くんだ。」今度はジョエルが口を挟んだ。
「怪我をした時に手当てしてくれたんだ。とてもいい人だよ。」
その時、入り口から又、新たな声が掛けられた。「何をしているのあなた達!!」そこには驚いて固まっているフランソル婦人が立っていた。
「これはまた、どういう状況だい?」後ろからサージェント伯も中の様子を見て目を丸くして呟いた。
四人は顔見合わせると笑い始め、その楽しそうな笑い声は暫く続いた。
その後、エミリアは食堂に行くまでの間に両親を皮切りに、兄弟たちにも次々と髪形を褒められて(いつもの背延びした貴族然とした彼女より、自然で少女らしい可愛らしさがそこにはあった。)悦に入った彼女は毎朝、アレンの部屋へ押し掛ける事になる。
そして、それは他の二人の姉妹に伝播するのにそう時間は掛らなかった。
「さあさ、アレンも長旅でさぞ疲れたことでしょう。お部屋でゆっくり休で貰いましょう、あなた。」
「そうだった、引きとめて悪かったね、アレン。君を早く皆に紹介したくてね。」
「今から、カローネに案内させるわね。カローネはアレンが此処にいる間の部屋付きメイドをお願いしてあるの。お付きの衛士の方は続き部屋を取ってありますから心配しないでね。」
ベルが振られカローネがやって来て部屋に案内されると、アレンはお茶会や夕食会の時間も忘れて夜が明けるまでそのままベットで眠り込んでしまった。
何やら耳元で話声と時折り忍び笑いが聞こえ、アレンはハッと飛び起きた。
「やっと起きた~、もう朝だよ~。」ジョエルが顔を覗き込むと、キュウキュウ。クッキーが負けじと枕元に跳び込んで来て顔を擦り付けて来た。
「なんだよ~、今まで俺の手に乗って食べてたのに連れないな~。」ジョエルがぼやいた、見ると手に白パンを持っている。
「へえ~、クッキーに仲良くして貰ったんだ、良かったねジョエル。」
「えっ、なにクッキーの方が俺より上なの?」
「う~ん、上と言うか、クッキーには誰も勝てない気がするよ。」
ジョエルが言葉を続けようとした時、バタンと勢いよく扉が開かれ「アレン、おはようー!」叫びながらアウラウネが飛び込んで来て、そのままジョエルの横を擦り抜けるとアレンのベットに跳び込んだ。
ジョエルが吃驚しつつ、目線で”誰”と問い掛けてきたので、サージェント伯の末娘だと紹介すると彼はいつもの調子でアウラウネに話掛けた。
「レディがそんな行儀の悪い事をしちゃ駄目なんじゃない、お姫様。」
「あら、行儀の悪い見本みたいな人に言われたくないわ。」アウラウネはそう言うと、ジョエルの手にある食べ掛けの白パンと膝の上に散らばったパン屑に順番に視線を送る。
「これは、違、う・・・・。」慌てて目をやると、クッキーは居なくなっていた。
アレンはクッキーが消えてくれた事にほっとしつつも、なんだかクッキーを蔑ろにしているようで後ろめたく、寂しい気持ちになった。
「アウラウネッ!!」扉の方を見るとルナリアが立っていて、そのままつかつかとベットの側までやって来ると問答無用とばかりに妹の腰を掴んで引き摺り降ろそうとしたが、反対に手酷い抵抗に遭って二人で縺れ込みベットの上に転がってしまった。
「何してるのよっ、あなた達。」ジョエルは呆気に取られて二人を見ていたが、また新たな声が後ろから聞こえて来たので振り返ると二番目に来た娘とそっくりな少女が扉の所で立ち竦んでいる。
彼女は指を振り翳しながらベットの方へやって来て叫んだ、「何をやってるのよ、あなた達。ふ、ふ、不謹慎よっ!今直ぐに、彼から離れなさい!」そう言うと、二人を引っ張り起こすために手を伸ばした。
アレンは吃驚して動けずいたが(なにしろ、足の上に二人分の体重が乗っていたのだから。)アウラウネとルナリアが素早く目を交わすのを目の前で見た。
二人は伸ばされた手を反対に掴むと両側からエミリアを引っ張り込み、彼女は見事にベットの上の二人の間に転がり込んでしまった。
エミリアはせっかく綺麗に結いあげたお団子が無残に垂れ下がり茫然自失の体だ。
「ぷっ。」誰かが堪らず噴き出すと後は連鎖反応でエミリアを除く全員が笑いだす。
「うぅ~、ひ、酷いわ。せ、せっかく綺麗に結い上げてき、来たのにっ。」彼女はそう言うとしゃくり上げて泣き出してしまった。
「ごめん、エミリア。」「ごめんなさい、エミリア姉さま。」二人は謝りつつも、エミリアの崩れたお団子が彼女の顔の前にぶら下がっているのを見ると、口を押えつつも笑いが漏れてしまい、とうとう本格的にエミリアをワーワー泣かせてしまった。
皆、笑いつつもどうしていいか分からないでいると、アレンがエミリアに手を伸ばし、「ごめんね、笑って。せっかく綺麗に結ったのにね。こっちに来て見て。」そう言うと、自分の前をぽんぽんと手で叩いた。
エミリアは吃驚したが、引き寄せられるように這ってアレンの前に座った。
彼は躊躇する事無く自然にエミリアの髪の毛に手をやり少し持ち上げると首を傾げ何やら考えている、皆はアレンの行動を息を詰めて見つめた。
「やっぱり、僕にはお団子を直すのは無理みたいです、ごめんんさい。でも、このリボンを使って少しは編み込みが出来ると思うんだ。やってみていい?」アレンが問うと、エミリアはこく、こく頷いた。
「ジョエル、ブラシを取ってくれない?」アレンはブラシを貰うと、手早くお団子を崩し頭を下げて貰ってブラシで髪をとかすと、前髪とリボンを編み込み耳の横で結んで垂らした。
「どお?」アレンはエミリアに問い掛けた。
エミリアは真剣に自分の髪の毛を編んでくれているアレンの顔に只々見入っていたので、一瞬何を言われたか分からなかった。紫の瞳に吸い込まれそうだと思った。
「素敵、姉さま。」「凄く、可愛いわエミリア。」二人の賞賛に彼女は気を良くした。
「どうしてそんな事が出来るの?」ルナリアは不思議に思って聞いてみた、普通、男性は女性の髪を触ったりしないし、貴婦人や淑女の髪型は部屋付きのメイドの一人がするものだ。
「僕は母さまと二人暮らしだったんだです、だから毎朝僕の髪は母さまが梳かしてくれて、お返しに僕が母さまの髪の毛を梳いてあげてたんだよ。」
「この編み込みは?」アウラウネが聞いた。
「僕は母さまにあげる物が無くて、メリンダさんに聞いたら朝髪の毛を梳かす時にやってあげると喜ぶって教えて貰ったんだ。何度も練習したんだよ。」
「メリンダって、誰?」エミリアが即座に尋ねる。
「メリンダさんは居酒屋”ガストン”で働いているお姉さんです。」
「アレンは居酒屋なんかに行くんだ。」今度はジョエルが口を挟んだ。
「怪我をした時に手当てしてくれたんだ。とてもいい人だよ。」
その時、入り口から又、新たな声が掛けられた。「何をしているのあなた達!!」そこには驚いて固まっているフランソル婦人が立っていた。
「これはまた、どういう状況だい?」後ろからサージェント伯も中の様子を見て目を丸くして呟いた。
四人は顔見合わせると笑い始め、その楽しそうな笑い声は暫く続いた。
その後、エミリアは食堂に行くまでの間に両親を皮切りに、兄弟たちにも次々と髪形を褒められて(いつもの背延びした貴族然とした彼女より、自然で少女らしい可愛らしさがそこにはあった。)悦に入った彼女は毎朝、アレンの部屋へ押し掛ける事になる。
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