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第三章 魔法学園都市オクタグラム編

47 イミナの学園生活5

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「ま、そういう結果になるだろうとは思ってたわい。」
フェイは完全にのびていた。
「海龍帝王様、あれは魔法なのでしょうか?」
「いやそんあわけはない、あの攻撃からは魔法独特の魔力の流れを感じませんでした!」
「ふふふ、皆のもの知りたいかい?」
そういったのはロイであった。
「彼女こそ海龍帝王様の眷族であり、昨今記事になって一躍時の人となった新人Bランク冒険者、悪魔帝トゥルモティアスを単騎で討伐した白の悪魔ことイミナ、そしてその従魔のリミドよ!」
俺はそれに合わせてみんなに向けて大きな腕で手をふる。やっほーえびばでぃ。
「あのイミナ!」
「確かに白髪で悪魔を従えている!」
「あれは魔法じゃなくて使い魔だったのか。」
イミナは慌てた様子でフェイのもとへ駆け寄る。
「だ、大丈夫ですか?」
「…。」
フェイはゆっくりと目を開け意識を取り戻す。
「…!」
目をかっと開きイミナと目が合う。しばらくすると照れたようにフェイは目をそらす。
「っち!魔法が使えないんじゃなかったのか。」
「えっと、これは私の従魔の悪魔、リミドさんです。」
「あ、そう。」
フェイは制服についた土を手で払いながら校内へ戻っていく。
「医療室に行ってきます…。」
「ははは!我が眷族を舐めたらいかんのだよ!ははは、よくやったイミナ!」
「え、えっと…フェイさん大丈夫でしょうか?」
「別に我は魔法以外を使ってはいけないとはいってない!動いたら駄目というだけのこと、魔法以外を警戒しなかった…フェイ?だったかの。あいつの負けなのだ!ははは、まぁ種がわかってしまえばもう初見殺しは通じないだろ。さて?ほかにイミナと戦いたい奴はおるかの?」
「はいはい!私私!」
そういって飛び跳ねながら手を掲げていたのはロイであった。
「ふふふ、イミナちゃん。私こう見えても結構強いの覚悟してね。」
「ほう?余裕そうなのだな。それでは別に動いてもかまわんだろう。普通に戦うのだ。」
「わかりましたー、じゃあイミナちゃん構えてね。」
「うん、『ガントレット』、『ブーツ』、『翼』。」
フル装備である。剣聖以来のまともな戦闘である。いやまぁ…ここまでしなくてもいいのではないかと思う。たかが相手は子供である。それを相手に、ここまで…。
「それでは開始!」
リヴァイアサンの声が響く。刹那、ロイが俺らの目の前に現れ大きな魔方陣を描いた。
イミナはとっさにガードし、それに合わせて俺も壁を出す。爆音とともにすさまじい衝撃が俺らを襲う。
「イミナ!後ろ!」
俺らがガードしているところとは反対側からロイが攻撃をしようとしてきた。イミナは後ろにとっさに蹴りを入れる。俺はそれに合わせて大きな足を作り、薙ぎ払うようにしてロイを遠ざける。
「ふぅ、さすがに間合いが…。はぁ、はぁ。私ね、思うのよ。遠距離で魔法をうってもよけられるし、威力は落ちちゃうじゃない?でも近距離で打ち込めば確実だし威力も上がる。」
ロイは超小型の杖を指に挟んで合計6本持っていた。
「し、白の悪魔相手に善戦してるぞ!」
「そりゃそうだろ、なんたってあの人は…。」

「オクタグラムの歴史上もっとも魔力量が多いと言われている秀才、アイン級主席の「魔術師殺し」のロイ=フランターだぞ…。」

「へへ。ふぅ、さすがに疲れるかな。魔術師だったら近接戦は苦手だからこれで沈むんだけど…イミナちゃんはどちらかというと近接戦闘、それも超リーチが長いって感じかな。厄介だね。ふふ、でも頑張るからね。」
魔術師としてはありえない戦い方。
(こんな無茶苦茶な戦いは、とてつもない魔力がなければできません!複数の属性の魔道具を扱った状態で、近接戦に持ち込んで素早い身のこなし…これがオクタグラムのトップ…!)
(まさか…ロイが主席だったとはな。)
闇魔法で自身を空間移動させて、俺らの近くに瞬間移動、そしてあらかじめ構築していた爆裂魔法を近接で打ち込む。なんて破天荒…!今までに見たことも聞いたこともない!
「リミドさん…これ手加減していたら普通にやられますよ。」
頭がキレル奴ほど厄介な相手はいない。舐めてかかろうとしていた俺が馬鹿みたいだ。

「ほら、かかってきなよイミナちゃん、もとい白の悪魔。私が悪魔退治してやるよ。」
ロイは眼鏡をはずして髪をかき上げて、赤く輝く瞳で俺らのことをにらんできた。
その姿は、俺らに明るく気さくに声をかけてきたロイとは別人だった。
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