僕が可愛いって本当ですか?

さよ

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本編

魔法は使えずとも ※

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 それで、寝室に三人とはどういうことか。

「最初だけは見張らせてもらうぞ」

 始を見てそう言ったデンドルムは、幸多の舌をすくい上げ擦り合わせた。

(……なんで僕はこんなことに?)

 始との思い出を聞いて、無意識に幸多を傷つけるのではないかと心配したデンドルムを交えてのセックス。幸多が「いらないから!」といくら言ったところで聞いてはもらえなかった。
 ヒューも心配していたのだが参加はしていない。最中に三人以上いると、どうもトラウマが刺激されるようだ。

「ほら幸多、いつもみたいに声を出して良いんだぞ」
「……うぅ……は、恥ずかしい」

 四つん這いの幸多はすでに尻をほぐされ、真っ赤になり耐えていた。
 気持ちいいけれど、でも、目の前にいるのは幼馴染みだ。少し離れた場所にいる始はじっと幸多を見ていた。

「……っん」

 ぐちぐちと指が出し入れされ、イイところを押しつぶされる度に我慢しきれず声が漏れる。

「……挿れるぞ」

 いじることをやめた指のかわりにデンドルムのモノがずりずりと穴を進む。幸多の感じる場所は知り尽くしているため、いつも翻弄され喘がされるが、今日はいつもと違った。

 後ろから全ておさめたかと思うと、幸多を自分へもたれさせて両足をつかんだ。持ち上げられて開脚した足の間で幸多の陰茎が揺れる。じゅぶじゅぶと抜き差しされるそこもよく見えた。

「うぁっ……あ、っ……奥、やめ……っ」
「こうでもしないと、可愛い声が聞けないだろ?」
「……あっ……見られっ、……は、恥ずかし、い……っ!」
「幸多の言う恥ずかしい姿なんて、これからいっぱい見られんだから、そんな変わんねぇって」

 ゴツゴツと下から突かれ、あっけなくイってしまった。入ったまま再び四つん這いにされ、始が前に立つ形になる。

「始のやつ咥えられるか?」
「う……うん」

 口を開け、なるべく歯が当たらないようにそれを含みなめた。大きくなるモノを一生懸命頬張り頭を動かしていると、腰の動きが再開される。

「んっ……ん……ふっ」
「はぁ……」
「幸多、っ」

 三人の交わる卑猥な音が部屋に響く。
 始は幸多の口に入りきっていない部分を擦りながら、目に焼き付けるように幸多だけを見る。限界が近づき、射精る前に幸多の口から引き抜き体の方へかけた。

「あっ、あ…………っ」
「……はっ」

 デンドルムもだんだん余裕がなくなり、奥へと注いだ。デンドルムのモノが抜かれてすぐに、幸多は仰向けに転ばされ始が覆い被さる。

 ドロドロになった幸多をうっとりと眺め、肌をなでていった。乳輪を覆うように吸い付いて、舌でなめあげ乳首をくすぐる。
 顔を離すと、唾液でテカテカと濡れる胸と数ヶ所に残した鬱血痕をたどり尻に視線を移動した。穴が見えるように尻の肉を持ち上げ陰茎を押し当てる。

「幸多、幸多……っ」
「ん、…………あぁっ……は、っあ」

 ずぶりと遠慮なく入ったかと思うと、休みなく突かれて幸多の体が反応し始める。ベッドに沈む体の横に両手をついて近くなった始の首に、幸多は腕を回してしがみついた。
 目と目を合わせ、お互いの乱れた姿が興奮を煽る。もちろんこんな幼馴染みを知るはずもなく、何度も押し寄せる快感の波に溺れ夜は更けていった。

◇ ◇ ◇

 昼過ぎになり、頑張りすぎて動けなくなった幸多をデンドルムが抱き上げ運んでいた。ヒューと始はすでに部屋へと向かった後だ。

 全員がそろった部屋で幸多を椅子に座らせ、話し出す。

「ようやく落ち着いたな」
「余計なものが増えたけれどね」
「は? 余計なんて幸多は思ってないから」

 ヒューと始は顔を合わせれば喧嘩して、少し困っている。……喧嘩するほど仲が良いのかもしれないけれど。

(別れるなんて言われたら泣くかもしれない。なんて考える僕も重症だなぁ)

 三人を横目で見ながら幸多はぼんやりと考えた。もうこれ以上、問題が起こらないことを願いつつ日々を過ごす。

 そして時は過ぎ四年後。デンドルムとの子どもを授かった。魔力を持つ者は子ができにくいと聞いたのだけれど、思ったよりも早かった。
 涙ぐんでかみしめる姿は最初だけで、今まで以上に過保護になったデンドルムは幸多から片時も離れず他の三人に怒られていた。
 魔力の泉へ行ったときはすごく緊張していて、手をぎゅうっと握ったまま卵が沈むのを見ていた。まるで祈るように片方の手を胸に当て目をつぶる。月の光が湖に映り込み、絵画のようだった。

 始との関係はそれほど変わらないだろうと思っていたけれど、妙に甘くささやくことが増えて幸多はムズムズとよくわからない感覚に襲われている。逃げられないぞ、と、なんだかとんでもない沼に足を取られた気がして少しヒヤッとした。

 そうそう、ヒューとの子どもも家に帰ってきて、さらに賑やかになったのだけれど…………それはまたいつか。
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