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第1章:第5節
攻略対象にナンパされました
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数時間後、私は由奈達を尾行していた。バレないように念入りを入れて、服装に力を入れた。そして今私は、自信満々で堂々と道を歩いている。
(この姿ならバレることはない!)
今の私の姿は完全な女性で、白のプリーツワンピースの下にタイツを履き、茶色のカラコンに黒のウィッグを被っていた。
銀髪はとても目立ちやすいためウィッグを被るのは必然なことであり、ヴァンパイアハンターの時でもウィッグは欠かせない。
因みに私がどうやって寮から出てきたかと言うと、予め鞄の中に女物の服装を入れて、男装姿で学生寮の門をくぐり抜けて誰も見られないように公園の近くのトイレに着替え、駅前のロッカーに着替え終えた鞄を預ける。そして、鞄からポシェットを取り出し必要なものだけ入れて今に至る。
(どうやら、会場に着いたみたいだ……)
来宮チグサがライブする場所は、西園寺会館と言う名前で観客が5万人入れる大きさである。
(名前が西園寺ってことは、ここレオン君の家柄が経由してるってことだよね……)
私は西園寺会館を見渡す。近くで見れば、およそ50メートルはあり設備もとても充実していて、セキュリティにも万全な体制だ。
(ゲーム上はそこまで大きくなかったから全然驚かなかったけど、転生するとこうも違うのか………)
西園寺会館のあまりの迫力に私は圧倒していた。
そうこうしてるうちに由奈達は、ズラリと出来た列を並ぶ。私は立ち見席を買ってから由奈達から数メートル辺りに並んだ。並ぶ先にはタオルやキーホルダー、パンフレットにTシャツなどの来宮チグサのグッズが置いてある。どうやら会場に入る前にグッズを購入するつもりのようだ。
(確かチグサの開演時間は午後四時だったはず……)
私は左腕に装備をしている腕時計を手のひらを見せるように時間を見る。只今の時刻は午後三時四十五分で、開場時間はとっくに過ぎており、会場に入っていく人々も見受けられる。
(あと十五分あるし、せっかく来たから何かグッズ買おうと……)
「いらっしゃいませ!」
前の人が買い終えて私の番が来る。タオルやキーホルダーに各サイズのTシャツ、それにマグカップまで全て来宮チグサに埋め尽くされていた。
「キーホルダーとマグカップ下さい。」
私は若くて明るい店員さんに言って、キーホルダーとマグカップが出てくる。お金を払い済ませ、グッズコーナーを後にした。
(もし私がチグサ推しだったなら全部、買ってるに違いない…)
私は展示されてる来宮チグサのグッズを見ながらそう思った。ここにあるグッズを限定を入れて全部買うとなれば、およそ二万弱は掛かるから。
※※※※※※※※※※
時刻は午後七時、来宮チグサのライブが終わり、会館から人がゾロゾロと出てくる。
(ふぅー、由奈達の席が二階だったから良かった。)
私も会館を出て、何も起きなかったことにひとまず安堵していた。
由奈達の席が二階だったため、来宮チグサを遠目で見るだけで済んだからだ。
(よし、由奈達にはレオン君がついてるから私はこれで寮に……)
「ねぇねぇ、お姉さん一人?」
学生寮に帰ろうとした時ふと、聞き覚えのある馴れ馴れしい声に私はビクリと反応する。
(こ、この声は………)
私は恐る恐る振り返ると、そこにはヘラヘラと浮かぶ神無月の姿が…………
「……私、ですか?」
念のため私はあたりを見渡したが、まわりは会館から出る人ばかりでほとんどが友達かサークルである。
「当然!お姉さん以外、誰がいるんすか?」
神無月に声かけられた私は心の中で引いていた。
(えー、これから帰ろうって時に声かけられたんだけど……というか、何故一人いるの?)
この神無月の様子からナンパの可能性が高い。学校のスピカ先輩だとはバレていないようだが、何故一人でいるのか不審に抱いていた。先程由奈達と行動していたにも関わらず……
「あ、あの私に何か用ですか?」
今の私は女であるため、神無月にバレないように喋り方も仕草も女らしくする。
「何ってナンパっすよ♪……お姉さんあまりにも綺麗だから声かけちゃった。」
と神無月は私の手を取り、俳優の顔立ちが私の瞳に写り込む。この俳優の顔立ちにジッと見つめれば大抵の女性はイチコロだろう。だが私は、どちらかというと神無月に苦手意識があったためトキメクことはなかった。
「………勝手に私の手を握らないでくれますか?」
当然私は、握られた手をパッと振り払い凍り付くような声で神無月を睨み付けた。思わず素を出した私はしまった、と心の中で自分がやったことを後悔するが………
「アハハ、お姉さんって案外気が強いんすね!」
神無月はそんな私を見て、フフッと腹を抑えて笑っていた。
「俺、お姉さんのこと、気に入ったっす!」
と神無月はまた私の手を握り出す。
(しつこい。こうなったら………!)
心の中でウンザリしていた私は、神無月を蹴散らそうとしたのだが…………
「…………お姉さんの名前教えてくれます?」
神無月の先程のヘラヘラした顔と違い、真剣な表情に私は思わず魅入ってしまいゴクリと喉を鳴らす。
「あれ?どうしたんすか?固まっちゃって。」
そう言いながらも、私を見る神無月の顔はニヤニヤしていて……____
「もしかして……俺に惚れました?」
そして神無月は私の耳元でミナトのハスキーボイスと違い、テノールより少し低めな地声はまるで囁き声のように聞こえた。
「…………んなわけあるかー!!」
「……よっと、危ない危ない!」
まんまとやられた私は、体を興奮して神無月に鳩尾を狙い蹴りを入れたが、神無月は私から離れて軽々と避けられてしまった。
「あんたみたいなチャラチャラした男、眼中にないから!!」
それでも私は神無月に怒鳴るように蹴散らし、その場から立ち去る。
「ますます、気に入ったっす。……________」
去る際に神無月は何かを呟いていたが、私はそのまま会館を立ち去り、駅前にて着替えが入ってる鞄を取り出し、公園のトイレに行き、男装に戻して学生寮へと入って行った。
(この姿ならバレることはない!)
今の私の姿は完全な女性で、白のプリーツワンピースの下にタイツを履き、茶色のカラコンに黒のウィッグを被っていた。
銀髪はとても目立ちやすいためウィッグを被るのは必然なことであり、ヴァンパイアハンターの時でもウィッグは欠かせない。
因みに私がどうやって寮から出てきたかと言うと、予め鞄の中に女物の服装を入れて、男装姿で学生寮の門をくぐり抜けて誰も見られないように公園の近くのトイレに着替え、駅前のロッカーに着替え終えた鞄を預ける。そして、鞄からポシェットを取り出し必要なものだけ入れて今に至る。
(どうやら、会場に着いたみたいだ……)
来宮チグサがライブする場所は、西園寺会館と言う名前で観客が5万人入れる大きさである。
(名前が西園寺ってことは、ここレオン君の家柄が経由してるってことだよね……)
私は西園寺会館を見渡す。近くで見れば、およそ50メートルはあり設備もとても充実していて、セキュリティにも万全な体制だ。
(ゲーム上はそこまで大きくなかったから全然驚かなかったけど、転生するとこうも違うのか………)
西園寺会館のあまりの迫力に私は圧倒していた。
そうこうしてるうちに由奈達は、ズラリと出来た列を並ぶ。私は立ち見席を買ってから由奈達から数メートル辺りに並んだ。並ぶ先にはタオルやキーホルダー、パンフレットにTシャツなどの来宮チグサのグッズが置いてある。どうやら会場に入る前にグッズを購入するつもりのようだ。
(確かチグサの開演時間は午後四時だったはず……)
私は左腕に装備をしている腕時計を手のひらを見せるように時間を見る。只今の時刻は午後三時四十五分で、開場時間はとっくに過ぎており、会場に入っていく人々も見受けられる。
(あと十五分あるし、せっかく来たから何かグッズ買おうと……)
「いらっしゃいませ!」
前の人が買い終えて私の番が来る。タオルやキーホルダーに各サイズのTシャツ、それにマグカップまで全て来宮チグサに埋め尽くされていた。
「キーホルダーとマグカップ下さい。」
私は若くて明るい店員さんに言って、キーホルダーとマグカップが出てくる。お金を払い済ませ、グッズコーナーを後にした。
(もし私がチグサ推しだったなら全部、買ってるに違いない…)
私は展示されてる来宮チグサのグッズを見ながらそう思った。ここにあるグッズを限定を入れて全部買うとなれば、およそ二万弱は掛かるから。
※※※※※※※※※※
時刻は午後七時、来宮チグサのライブが終わり、会館から人がゾロゾロと出てくる。
(ふぅー、由奈達の席が二階だったから良かった。)
私も会館を出て、何も起きなかったことにひとまず安堵していた。
由奈達の席が二階だったため、来宮チグサを遠目で見るだけで済んだからだ。
(よし、由奈達にはレオン君がついてるから私はこれで寮に……)
「ねぇねぇ、お姉さん一人?」
学生寮に帰ろうとした時ふと、聞き覚えのある馴れ馴れしい声に私はビクリと反応する。
(こ、この声は………)
私は恐る恐る振り返ると、そこにはヘラヘラと浮かぶ神無月の姿が…………
「……私、ですか?」
念のため私はあたりを見渡したが、まわりは会館から出る人ばかりでほとんどが友達かサークルである。
「当然!お姉さん以外、誰がいるんすか?」
神無月に声かけられた私は心の中で引いていた。
(えー、これから帰ろうって時に声かけられたんだけど……というか、何故一人いるの?)
この神無月の様子からナンパの可能性が高い。学校のスピカ先輩だとはバレていないようだが、何故一人でいるのか不審に抱いていた。先程由奈達と行動していたにも関わらず……
「あ、あの私に何か用ですか?」
今の私は女であるため、神無月にバレないように喋り方も仕草も女らしくする。
「何ってナンパっすよ♪……お姉さんあまりにも綺麗だから声かけちゃった。」
と神無月は私の手を取り、俳優の顔立ちが私の瞳に写り込む。この俳優の顔立ちにジッと見つめれば大抵の女性はイチコロだろう。だが私は、どちらかというと神無月に苦手意識があったためトキメクことはなかった。
「………勝手に私の手を握らないでくれますか?」
当然私は、握られた手をパッと振り払い凍り付くような声で神無月を睨み付けた。思わず素を出した私はしまった、と心の中で自分がやったことを後悔するが………
「アハハ、お姉さんって案外気が強いんすね!」
神無月はそんな私を見て、フフッと腹を抑えて笑っていた。
「俺、お姉さんのこと、気に入ったっす!」
と神無月はまた私の手を握り出す。
(しつこい。こうなったら………!)
心の中でウンザリしていた私は、神無月を蹴散らそうとしたのだが…………
「…………お姉さんの名前教えてくれます?」
神無月の先程のヘラヘラした顔と違い、真剣な表情に私は思わず魅入ってしまいゴクリと喉を鳴らす。
「あれ?どうしたんすか?固まっちゃって。」
そう言いながらも、私を見る神無月の顔はニヤニヤしていて……____
「もしかして……俺に惚れました?」
そして神無月は私の耳元でミナトのハスキーボイスと違い、テノールより少し低めな地声はまるで囁き声のように聞こえた。
「…………んなわけあるかー!!」
「……よっと、危ない危ない!」
まんまとやられた私は、体を興奮して神無月に鳩尾を狙い蹴りを入れたが、神無月は私から離れて軽々と避けられてしまった。
「あんたみたいなチャラチャラした男、眼中にないから!!」
それでも私は神無月に怒鳴るように蹴散らし、その場から立ち去る。
「ますます、気に入ったっす。……________」
去る際に神無月は何かを呟いていたが、私はそのまま会館を立ち去り、駅前にて着替えが入ってる鞄を取り出し、公園のトイレに行き、男装に戻して学生寮へと入って行った。
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