46 / 126
第2章:第1節
可愛いは正義です!!
しおりを挟む
六月中旬____
中間テストが既に終わりホッと一息を付いていた頃、私はミナトと二人で隣町のデパートに来ていた。
「……にしても、今日はやけに賑やかだな」
歩きながらミナトはデパート内をキョロキョロ見渡す。休日のデパートは平日より沢山来るのだが、今日はあるイベントがやっているためまわりはお客だらけで他の店舗も大繁盛していた。
「当たり前ですよ。このデパートには今日、イベントがやってるみたいですからね。」
そう言う私の瞳には何かを定めた獣のように鋭くなり、奥へと進む。
「なんだ?あそこだけ、人だらけじゃねぇか?」
「………並びますよ。」
「は?アレに、か?」
「当然です。嫌なら僕一人だけ行きます。」
「……チッ、誰も嫌って言ってねぇよ。」
奥に進むと私達は広場に到着する。広場には既に長い列が出来ていて、ミナトは渋々と私と横並びで列に並んでいた。
「並んだのはいいけどよ、これなんの列なんだ?」
ミナトは訝しそうな顔つきで私に尋ねる
「フッフッフッ、気になるんですね。これが一体なんの列なのか。そうですかそうですか、ミナトでも気になることがあるんですね。こういうの気にしない方だと思っておりました。」
「…………お前、この俺にケンカ売ってんのか?」
私はニヤケ顔でうんうんと頷くとミナトの眉がピクリと動く。
「冗談はさておき、これが何かご説明しましょう。これはですね…………と言いたいところですがどうやら、お店がオープンしたようですね」
と私が説明しようとしたら、前の列が進み始める。列の先には、何やら可愛いものが沢山置いてあり、女の子に喜ぶものばかりが並べられていた。
そして可愛いお店に入った私達は、真っ先にキーホルダースペースへと行く。
「なぁ…………これって、女が喜ぶもんばっかじゃねぇの?」
「そうですが何か?」
私は色んな種類のキーホルダーを物色しながらミナトと何気ない会話を交わす。
「あのな………今のお前、男だろ。こういうとこ平気なのか?」
「平気ですよ。由奈と二人でこの系統のお店に何回か入ってますから。」
そう答えたら、マジかよとミナトの声が呆れていた。表情は見えないが恐らく、眉を寄せて顔に手を当ててるだろうと予想する。
「そういうミナトは、こういうの苦手ですよね?」
「…当ったりめーだ。何が好きで女の品物を見なきゃいけねぇんだ。」
私は色違いの二つのキーホルダーを手にして、買い物カゴの中に入れて他のスペースを物色して、店を後にした。
「……ですがいずれ、ミナトにも好きな人が出来たら、あの系統のお店を入ることになりますよ。」
「あー…………そう、なるな。」
店を後にした私達はデパート内を散策して、ミナトは戸惑いながらも答える。
(あれ?意外だな。ミナトのことだからてっきり、んなもんこの俺には関係ねぇって言うと思ってたのに……)
ミナトの返答に疑問を抱きながらもデパート内を散策した私達は、デパートを後にして近くの駅まで歩く。
「そういうスピカはどうなんだよ?」
「えっ?何がですか?」
「何がってお前……俺に好きな奴がどうのこうの言ってただろうが。」
暫くして最寄り駅に着き、駅を降りて学生寮に向かっている時、ミナトが突然私に話を投げかけられる。私はきょとんとすればミナトが不機嫌そうにムッとする。
「……ああ、好きな人が出来たら先程のようなお店を入ることにはなるって僕言いましたね。」
「お前、好きな奴いんのか?」
「えっ…………」
ミナトから予想外なことを言われた私は一瞬、目を白黒させる。
「いきなりなんですか。僕に好きな人がいるかなんて……」
「いいから答えろ!」
恐ろしく真剣な顔つきをするミナトに私は、戸惑いの色を隠せなかった。
「い、いませんよ…………」
私は戸惑いながらもしどろもどろと答えた。するとミナトの声は、そうかと言って何処か安堵の含みを感じ、顔を正面に戻す。
「あっ、スーちゃん!」
「由奈」
そこに向こうから由奈がやってきて、私達に視界に入った由奈は歩み寄った。
「由奈はこれから夕ご飯の買い物ですか?」
「うん、よく分かったね!」
「そりゃ分かりますよ。エコバッグが持ち歩いているようですから」
由奈は私に抱きついて、フフッと悪意のない笑みを浮かぶ。私も由奈の頭を我が子を守る母親のように優しく撫でる。
「由奈に渡したいものがあります。学生寮だとなかなか会えませんから。」
そう言って私は一旦、由奈と真正面に向いてデパートで買った品物を由奈に渡した。
「えっ!スーちゃん、これ…………」
由奈は袋に描かれてるロゴを見て気づいたようだ。
「今日、隣町のデパートでミナトと一緒に期間限定の特設店舗『RIG×RIG』に行ってきました。」
「やっぱり、行ってきたんだ!」
「中身は部屋で見てください。」
「うんありがとう、スーちゃん!!」
そう言って由奈はまた私に抱きついて、私の胸にスリスリと顔を擦り付ける。
(由奈は本当に可愛いなー、女である私でさえ放って置けないよ。)
心の中で私は由奈の行動に癒されていた。
「…………おい、俺のこと忘れてんじゃねぇよ!」
ふと私はミナトの存在を忘れ、ミナトに顔を向ける。ミナトの眉がピクピクと動き、青筋を立てて怒っていた。
「スーちゃん…………!!」
由奈はミナトの存在に気付き、私を抱きついたまま剣幕のオーラを纏うミナトを見て怯えていた。するとミナトの顔がますます不機嫌顔になり始めていた。
「……ミナト、由奈を怖がらせないでくれますか?」
私は宥めるようにミナトに投げかけた。ミナトは、気まずそうな顔つきで舌打ちをする。
「由奈、そろそろ夕食の買い出し行った方が良いのでは?」
「あっ、そうだった!」
由奈はテヘッと可愛く私におどけて見せる。そして由奈は私達を通り過ぎ、夕食の買い出しへと走って行った。
「…………なんなんだ、あいつ」
「加々見由奈で栖蘭学園の二年生。あの子、僕の幼馴染です。とても良い子ですよ。この僕でも放って置けなくて……」
「あいつが良い子、だと…………ケッ、胸糞悪いぜ!」
由奈の背中を見届けるミナトの眼差しは軽蔑な目をしていた。何故そんな目で由奈を見るのか私には到底理解出来なかった。
「…………寮に帰るぞ」
「はい」
そして私達は学生寮に向かい、再び歩み始めた。
中間テストが既に終わりホッと一息を付いていた頃、私はミナトと二人で隣町のデパートに来ていた。
「……にしても、今日はやけに賑やかだな」
歩きながらミナトはデパート内をキョロキョロ見渡す。休日のデパートは平日より沢山来るのだが、今日はあるイベントがやっているためまわりはお客だらけで他の店舗も大繁盛していた。
「当たり前ですよ。このデパートには今日、イベントがやってるみたいですからね。」
そう言う私の瞳には何かを定めた獣のように鋭くなり、奥へと進む。
「なんだ?あそこだけ、人だらけじゃねぇか?」
「………並びますよ。」
「は?アレに、か?」
「当然です。嫌なら僕一人だけ行きます。」
「……チッ、誰も嫌って言ってねぇよ。」
奥に進むと私達は広場に到着する。広場には既に長い列が出来ていて、ミナトは渋々と私と横並びで列に並んでいた。
「並んだのはいいけどよ、これなんの列なんだ?」
ミナトは訝しそうな顔つきで私に尋ねる
「フッフッフッ、気になるんですね。これが一体なんの列なのか。そうですかそうですか、ミナトでも気になることがあるんですね。こういうの気にしない方だと思っておりました。」
「…………お前、この俺にケンカ売ってんのか?」
私はニヤケ顔でうんうんと頷くとミナトの眉がピクリと動く。
「冗談はさておき、これが何かご説明しましょう。これはですね…………と言いたいところですがどうやら、お店がオープンしたようですね」
と私が説明しようとしたら、前の列が進み始める。列の先には、何やら可愛いものが沢山置いてあり、女の子に喜ぶものばかりが並べられていた。
そして可愛いお店に入った私達は、真っ先にキーホルダースペースへと行く。
「なぁ…………これって、女が喜ぶもんばっかじゃねぇの?」
「そうですが何か?」
私は色んな種類のキーホルダーを物色しながらミナトと何気ない会話を交わす。
「あのな………今のお前、男だろ。こういうとこ平気なのか?」
「平気ですよ。由奈と二人でこの系統のお店に何回か入ってますから。」
そう答えたら、マジかよとミナトの声が呆れていた。表情は見えないが恐らく、眉を寄せて顔に手を当ててるだろうと予想する。
「そういうミナトは、こういうの苦手ですよね?」
「…当ったりめーだ。何が好きで女の品物を見なきゃいけねぇんだ。」
私は色違いの二つのキーホルダーを手にして、買い物カゴの中に入れて他のスペースを物色して、店を後にした。
「……ですがいずれ、ミナトにも好きな人が出来たら、あの系統のお店を入ることになりますよ。」
「あー…………そう、なるな。」
店を後にした私達はデパート内を散策して、ミナトは戸惑いながらも答える。
(あれ?意外だな。ミナトのことだからてっきり、んなもんこの俺には関係ねぇって言うと思ってたのに……)
ミナトの返答に疑問を抱きながらもデパート内を散策した私達は、デパートを後にして近くの駅まで歩く。
「そういうスピカはどうなんだよ?」
「えっ?何がですか?」
「何がってお前……俺に好きな奴がどうのこうの言ってただろうが。」
暫くして最寄り駅に着き、駅を降りて学生寮に向かっている時、ミナトが突然私に話を投げかけられる。私はきょとんとすればミナトが不機嫌そうにムッとする。
「……ああ、好きな人が出来たら先程のようなお店を入ることにはなるって僕言いましたね。」
「お前、好きな奴いんのか?」
「えっ…………」
ミナトから予想外なことを言われた私は一瞬、目を白黒させる。
「いきなりなんですか。僕に好きな人がいるかなんて……」
「いいから答えろ!」
恐ろしく真剣な顔つきをするミナトに私は、戸惑いの色を隠せなかった。
「い、いませんよ…………」
私は戸惑いながらもしどろもどろと答えた。するとミナトの声は、そうかと言って何処か安堵の含みを感じ、顔を正面に戻す。
「あっ、スーちゃん!」
「由奈」
そこに向こうから由奈がやってきて、私達に視界に入った由奈は歩み寄った。
「由奈はこれから夕ご飯の買い物ですか?」
「うん、よく分かったね!」
「そりゃ分かりますよ。エコバッグが持ち歩いているようですから」
由奈は私に抱きついて、フフッと悪意のない笑みを浮かぶ。私も由奈の頭を我が子を守る母親のように優しく撫でる。
「由奈に渡したいものがあります。学生寮だとなかなか会えませんから。」
そう言って私は一旦、由奈と真正面に向いてデパートで買った品物を由奈に渡した。
「えっ!スーちゃん、これ…………」
由奈は袋に描かれてるロゴを見て気づいたようだ。
「今日、隣町のデパートでミナトと一緒に期間限定の特設店舗『RIG×RIG』に行ってきました。」
「やっぱり、行ってきたんだ!」
「中身は部屋で見てください。」
「うんありがとう、スーちゃん!!」
そう言って由奈はまた私に抱きついて、私の胸にスリスリと顔を擦り付ける。
(由奈は本当に可愛いなー、女である私でさえ放って置けないよ。)
心の中で私は由奈の行動に癒されていた。
「…………おい、俺のこと忘れてんじゃねぇよ!」
ふと私はミナトの存在を忘れ、ミナトに顔を向ける。ミナトの眉がピクピクと動き、青筋を立てて怒っていた。
「スーちゃん…………!!」
由奈はミナトの存在に気付き、私を抱きついたまま剣幕のオーラを纏うミナトを見て怯えていた。するとミナトの顔がますます不機嫌顔になり始めていた。
「……ミナト、由奈を怖がらせないでくれますか?」
私は宥めるようにミナトに投げかけた。ミナトは、気まずそうな顔つきで舌打ちをする。
「由奈、そろそろ夕食の買い出し行った方が良いのでは?」
「あっ、そうだった!」
由奈はテヘッと可愛く私におどけて見せる。そして由奈は私達を通り過ぎ、夕食の買い出しへと走って行った。
「…………なんなんだ、あいつ」
「加々見由奈で栖蘭学園の二年生。あの子、僕の幼馴染です。とても良い子ですよ。この僕でも放って置けなくて……」
「あいつが良い子、だと…………ケッ、胸糞悪いぜ!」
由奈の背中を見届けるミナトの眼差しは軽蔑な目をしていた。何故そんな目で由奈を見るのか私には到底理解出来なかった。
「…………寮に帰るぞ」
「はい」
そして私達は学生寮に向かい、再び歩み始めた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
女性が少ない世界に転移しちゃったぁ!?
4036(シクミロ)
恋愛
男女比40:1の世界に転移した主人公
人のようで人ではなかった主人公が様々な人と触れ合い交流し、人になる話
温かい目で読んでいただけたら嬉しいですm(__)m
※わかりにくい話かもです
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる