65 / 126
第2章:第3節
和乃恵町で温泉旅行(上)
しおりを挟む
七月三十日____
私はミナトと凪、七海君の四人で和乃恵町に向かうべく電車の中で雑談をしていた。
「そう言えば、今から僕達が向かう和乃恵町ってさ、緑が豊かな町なんでしょう?」
「確かにそうですね」
私は和乃恵町のガイドブックに目を通す。和乃恵町…ゲームでもちょくちょくと出てくる町の名前で、今私達が居住してる柳原町(やなぎはらちょう)はコンビニ以外は殆ど住宅街に埋め尽くされているため、若者向けには向いていない。
そのため、学生寮から徒歩で約二十分にて最寄り駅である柳原駅からおよそ三十分で着く、隣町で若者向けのお店が置いてある____佐伯地区、多留兎(たると)街にて買い物したり、遊びに行くことがある。
多留兎街は多留兎駅に降りて、出入り口の向かいにはデパートが目に入り、私はいつもデパート内にある本屋を立ち寄ったりしている。因みに佐伯地区に柳原町は含まれていない。
「新鮮、ですよね。柳原町や、多留兎街とは、違う景色を、見れます、から」
七海君はユラユラと電車の中で変わりゆく景色を見ながらそう呟く。
「ま、それ以外は殆ど無い町なんだけどな。」
七海君の反対側に座るミナトは顎に手を置いて、変わりゆく景色を眺めていた。今私達がいる位置は互いを向かい合う席で窓側は七海君とミナト、通路側は私と凪で組み合わせは凪と七海君、私とミナトの順に座っていた。
「そんなことはありませんよ。ガイドブックに寄れば和乃恵町は温泉の他に、有名スポットがあるようですからね。」
そう言って私はガイドブックのページをパラリとめくる。
「温泉と緑が豊か以外で何かあるんだ?」
ミナトは向きを変えてさりげなく私のところに寄りかかり、ガイドブックを横から見る。
「あっ、ズルイ!香月君がスピカちゃんの体に密着してる!」
「何がズルイ、だ!いつも腕を握ってるオメェに言われたくねぇよ!」
「グッ…………!」
凪は悔しそうに奥歯を噛み締める。本来ならば二人の言い合いは続くのだか、今日は七海君がいるため下手に言えないのだ。
(今日は二人が騒ぎませんように……)
私は心の中でそう祈る。
※※※※※※※※※※
「着いたー!」
「ふぅー、窮屈な乗り物からやっと解放だぜ!」
「…………言っときますが、明日も電車ですよ。」
電車に揺られて数時間後私達は、和乃恵町の最寄り駅…佐々摩駅に降りて和乃恵町へと歩いて行く。一面辺りは山や森が多く、まさに緑が豊かな町並だ。
私達は今日と明日の一泊二日にて此処、和乃恵町にて一旦宿泊する旅館に荷物を置いて観光したりと思う存分堪能する。
「ねぇ、スピカちゃんが着けてるチョーカーって【MARGIN FRAME】?」
「……よく分かりましたね。」
ふと凪が私の首元に装着してる、三日月のアクセサリーがぶら下げてるチョーカーに目をつける。私の服装はいたってシンプルな服装で、地味すぎないように三日月のチョーカーを着けていた。
「だって【MARGIN FRAME】って、女の子向けなんだけどチョーカーに関しては男でも着けてる人いるし、何よりも【MARGIN FRAME】のラインのデザインが独特なんだよね~」
「く、詳しいんですね。」
よく知ってるな、まさか凪は【MARGIN FRAME】の常連なんだろうか……私は冷や汗がタラタラと背中に流れる。
「でもそれ以外は基本、女の子が大好きなものばかりだし、幾ら見た目が可愛い僕でもお店に入るのは抵抗あるよ~」
そう言う凪に私はホッと胸を撫で下ろす。あのお店はレディース向けであるから、男一人入るのは相当勇気が必要だろう。
「でもよくあのお店入れたよね。基本女の子向けの服ばかり扱ってるのに?」
「少し気になっていたので…………」
「ふ~ん…………」
それは嘘では無い。実際二回、店の前で立ち止まったから。
「藤野先輩、こちらに、来てください。」
向こうから七海君が呼ぶ声をして、私は七海君のところへ駆け寄った。
それから暫くして観光を堪能した私達は、宿泊する旅館へと戻っていったが、凪だけは浮かない顔の表情のまま、旅館へと入っていく私の背後をずっと見ていた。
私はミナトと凪、七海君の四人で和乃恵町に向かうべく電車の中で雑談をしていた。
「そう言えば、今から僕達が向かう和乃恵町ってさ、緑が豊かな町なんでしょう?」
「確かにそうですね」
私は和乃恵町のガイドブックに目を通す。和乃恵町…ゲームでもちょくちょくと出てくる町の名前で、今私達が居住してる柳原町(やなぎはらちょう)はコンビニ以外は殆ど住宅街に埋め尽くされているため、若者向けには向いていない。
そのため、学生寮から徒歩で約二十分にて最寄り駅である柳原駅からおよそ三十分で着く、隣町で若者向けのお店が置いてある____佐伯地区、多留兎(たると)街にて買い物したり、遊びに行くことがある。
多留兎街は多留兎駅に降りて、出入り口の向かいにはデパートが目に入り、私はいつもデパート内にある本屋を立ち寄ったりしている。因みに佐伯地区に柳原町は含まれていない。
「新鮮、ですよね。柳原町や、多留兎街とは、違う景色を、見れます、から」
七海君はユラユラと電車の中で変わりゆく景色を見ながらそう呟く。
「ま、それ以外は殆ど無い町なんだけどな。」
七海君の反対側に座るミナトは顎に手を置いて、変わりゆく景色を眺めていた。今私達がいる位置は互いを向かい合う席で窓側は七海君とミナト、通路側は私と凪で組み合わせは凪と七海君、私とミナトの順に座っていた。
「そんなことはありませんよ。ガイドブックに寄れば和乃恵町は温泉の他に、有名スポットがあるようですからね。」
そう言って私はガイドブックのページをパラリとめくる。
「温泉と緑が豊か以外で何かあるんだ?」
ミナトは向きを変えてさりげなく私のところに寄りかかり、ガイドブックを横から見る。
「あっ、ズルイ!香月君がスピカちゃんの体に密着してる!」
「何がズルイ、だ!いつも腕を握ってるオメェに言われたくねぇよ!」
「グッ…………!」
凪は悔しそうに奥歯を噛み締める。本来ならば二人の言い合いは続くのだか、今日は七海君がいるため下手に言えないのだ。
(今日は二人が騒ぎませんように……)
私は心の中でそう祈る。
※※※※※※※※※※
「着いたー!」
「ふぅー、窮屈な乗り物からやっと解放だぜ!」
「…………言っときますが、明日も電車ですよ。」
電車に揺られて数時間後私達は、和乃恵町の最寄り駅…佐々摩駅に降りて和乃恵町へと歩いて行く。一面辺りは山や森が多く、まさに緑が豊かな町並だ。
私達は今日と明日の一泊二日にて此処、和乃恵町にて一旦宿泊する旅館に荷物を置いて観光したりと思う存分堪能する。
「ねぇ、スピカちゃんが着けてるチョーカーって【MARGIN FRAME】?」
「……よく分かりましたね。」
ふと凪が私の首元に装着してる、三日月のアクセサリーがぶら下げてるチョーカーに目をつける。私の服装はいたってシンプルな服装で、地味すぎないように三日月のチョーカーを着けていた。
「だって【MARGIN FRAME】って、女の子向けなんだけどチョーカーに関しては男でも着けてる人いるし、何よりも【MARGIN FRAME】のラインのデザインが独特なんだよね~」
「く、詳しいんですね。」
よく知ってるな、まさか凪は【MARGIN FRAME】の常連なんだろうか……私は冷や汗がタラタラと背中に流れる。
「でもそれ以外は基本、女の子が大好きなものばかりだし、幾ら見た目が可愛い僕でもお店に入るのは抵抗あるよ~」
そう言う凪に私はホッと胸を撫で下ろす。あのお店はレディース向けであるから、男一人入るのは相当勇気が必要だろう。
「でもよくあのお店入れたよね。基本女の子向けの服ばかり扱ってるのに?」
「少し気になっていたので…………」
「ふ~ん…………」
それは嘘では無い。実際二回、店の前で立ち止まったから。
「藤野先輩、こちらに、来てください。」
向こうから七海君が呼ぶ声をして、私は七海君のところへ駆け寄った。
それから暫くして観光を堪能した私達は、宿泊する旅館へと戻っていったが、凪だけは浮かない顔の表情のまま、旅館へと入っていく私の背後をずっと見ていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
乙女ゲームに転生したので、推しの悲恋EDを回避します〜愛され令嬢は逆ハーはお断りです!
神城葵
恋愛
気づいたら、やり込んだ乙女ゲームのサブキャラに転生していました。
体調不良を治そうとしてくれた神様の手違いだそうです。迷惑です。
でも、スチル一枚のサブキャラのまま終わりたくないので、最萌えだった神竜王を攻略させていただきます。
※ヒロインは親友に溺愛されます。GLではないですが、お嫌いな方はご注意下さい。
※完結しました。ありがとうございました!
※改題しましたが、改稿はしていません。誤字は気づいたら直します。
表紙イラストはのの様に依頼しました。
1歳児天使の異世界生活!
春爛漫
ファンタジー
夫に先立たれ、女手一つで子供を育て上げた皇 幸子。病気にかかり死んでしまうが、天使が迎えに来てくれて天界へ行くも、最高神の創造神様が一方的にまくしたてて、サチ・スメラギとして異世界アラタカラに創造神の使徒(天使)として送られてしまう。1歳の子供の身体になり、それなりに人に溶け込もうと頑張るお話。
※心は大人のなんちゃって幼児なので、あたたかい目で見守っていてください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる