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第3章:第4節
一度あれば二度ある
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(ふ、風雅さん……!!)
風雅さんの姿を捉えた私は蒼白顔面にする。他のひとならばこのゴシックファッション姿を見られても今の私は"藤野スピカ"ではないので問題ない。寧ろ堂々とすれば同一人物であることもバレなくて済む。
「やっぱり藤野さんだ!一瞬見間違いかと思ったよ。」
だが私の前にいる風雅さんは心の声を読む特殊能力が備わっている。当然、別人に成りすましてもこの人物の場合、心の声でダダ漏れして即バレしてしまうのだ。
「お、お久しぶりです…………」
私は強張りながらも風雅さんに挨拶を交わす。先程彼は、見間違いと言っていたが心の声が聞こえるので正確には"聞き間違い"。
「わたしと話を交わすのは本屋以来じゃないかね?」
「確かに、そうですね……」
「スピカその人、お知り合いの方なんですの?」
風雅さんは私のところに歩み寄り、穏やかな表情を見せた。ふと私の隣に歩み寄り、風雅さんに目を向けて私に問いを投げかける。
「セレス、この人は七海風雅さん。七海病院の院長をしていて以前、入院先でお世話になったんです。」
「よろしく」
「風雅さん、この子は夢音セレスさんで二週間前に栖蘭学園に転校したばかりです。」
「以後お見知りおきを、ですわ。」
私は二人に交互に紹介して、互いをどう知り合ったのか経緯を説明した。ふと風雅さんはセレスを見て、困惑な表情を浮かべた。
「気になってたんだけど君は、女の子…………って言うべきかい?」
セレスに目を向けた風雅さんは少し戸惑い、人差し指で頬をかく。セレスの心を読んで男だと気付いたのだろう。
「失礼なお方!ワタクシの服装を見れば一目瞭然でしてよ!」
セレスは困惑な表情で浮かべる風雅さんに不審な態度を取る。すると風雅さんはそういう意味で言ってないと困惑を含む笑みを浮かべて、答えた。
「いやね、わたしが経営している病院で性同一性障害の患者さんもいるから君もその一人なのかなって。」
「……………」
「と言っても君の場合は、それに当てはまらないからどう呼ぶべきか迷っているんだよ。しかも、相当のワケありみたいだから。」
そう言われたセレスは目を見開き、風雅さんに目を向ける。
「その言い草、知ってるんですの?」
「何をだい?」
セレスは戸惑いの表情を浮かべる。私は風雅さんのイタズラな笑みを見てハァーとため息をついた。
「風雅さん、何初対面の人の心を読もうとしてるんですか?」
このままだと埒があかないと感じた私は、風雅さんに目を向けて呆れた声で言った。
「わたしはいつもこんな感じだよ。自分の能力を明かしたのは息子と藤野さんの二人だけ、だけどね。」
風雅さんは相変わらずイタズラの笑みを浮かべたまま述べる。風雅さんは他人の心を読む時、無意識かそれともワザとなのか分からないけどイタズラな笑みを浮かべることが多い。
風雅さんの姿を捉えた私は蒼白顔面にする。他のひとならばこのゴシックファッション姿を見られても今の私は"藤野スピカ"ではないので問題ない。寧ろ堂々とすれば同一人物であることもバレなくて済む。
「やっぱり藤野さんだ!一瞬見間違いかと思ったよ。」
だが私の前にいる風雅さんは心の声を読む特殊能力が備わっている。当然、別人に成りすましてもこの人物の場合、心の声でダダ漏れして即バレしてしまうのだ。
「お、お久しぶりです…………」
私は強張りながらも風雅さんに挨拶を交わす。先程彼は、見間違いと言っていたが心の声が聞こえるので正確には"聞き間違い"。
「わたしと話を交わすのは本屋以来じゃないかね?」
「確かに、そうですね……」
「スピカその人、お知り合いの方なんですの?」
風雅さんは私のところに歩み寄り、穏やかな表情を見せた。ふと私の隣に歩み寄り、風雅さんに目を向けて私に問いを投げかける。
「セレス、この人は七海風雅さん。七海病院の院長をしていて以前、入院先でお世話になったんです。」
「よろしく」
「風雅さん、この子は夢音セレスさんで二週間前に栖蘭学園に転校したばかりです。」
「以後お見知りおきを、ですわ。」
私は二人に交互に紹介して、互いをどう知り合ったのか経緯を説明した。ふと風雅さんはセレスを見て、困惑な表情を浮かべた。
「気になってたんだけど君は、女の子…………って言うべきかい?」
セレスに目を向けた風雅さんは少し戸惑い、人差し指で頬をかく。セレスの心を読んで男だと気付いたのだろう。
「失礼なお方!ワタクシの服装を見れば一目瞭然でしてよ!」
セレスは困惑な表情で浮かべる風雅さんに不審な態度を取る。すると風雅さんはそういう意味で言ってないと困惑を含む笑みを浮かべて、答えた。
「いやね、わたしが経営している病院で性同一性障害の患者さんもいるから君もその一人なのかなって。」
「……………」
「と言っても君の場合は、それに当てはまらないからどう呼ぶべきか迷っているんだよ。しかも、相当のワケありみたいだから。」
そう言われたセレスは目を見開き、風雅さんに目を向ける。
「その言い草、知ってるんですの?」
「何をだい?」
セレスは戸惑いの表情を浮かべる。私は風雅さんのイタズラな笑みを見てハァーとため息をついた。
「風雅さん、何初対面の人の心を読もうとしてるんですか?」
このままだと埒があかないと感じた私は、風雅さんに目を向けて呆れた声で言った。
「わたしはいつもこんな感じだよ。自分の能力を明かしたのは息子と藤野さんの二人だけ、だけどね。」
風雅さんは相変わらずイタズラの笑みを浮かべたまま述べる。風雅さんは他人の心を読む時、無意識かそれともワザとなのか分からないけどイタズラな笑みを浮かべることが多い。
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