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第2話 記憶 前篇
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「うっし!行くか」
そういって青年が活を入れ一つの集団を率い、歩き始める。
青年の名前は、マルス・レオナルド。重力を操作するスペルの持ち主で、エルダに起きる様々な問題を取り締まる自治組織、クランの所属するパーティのリーダーだ。若くしてその才能が認められパーティリーダーを務めるいわゆるエリートだ。
青年の後に続くのは、同じパーティのメンバーと今回合同で任務にあたる他パーティ3部隊の総勢20名。
ルーキーからベテランまで参加している今回の任務でそのリーダーを任されていることからも彼がクランから期待されているのがうかがえる。
「気合入れるのはいいけど、張り切り過ぎて1人で全部かたづけないでよぉ~」
そういってマルスに話かけるのは同じパーティに所属するリック・キードルだ。周りからリッキーの名称で呼ばれ、幼少のころからクランに所属し活躍している、同じくエリートだ。火を自在に操る能力を所持しており、攻撃、防御、支援何でもありの俗にいう天才だ。
「あんたら暴れまわって後処理するのは私たちなんだからね!」
「まぁそういうなエルザ」
そのあとに続くのは、エルザ・リーンとキャロライン・レインの2人だ。
同じく2人ともエリートで、エルザは拡張感覚による高い索敵能力、キャロライン
は空間移動によるテレポートで2人とも女性ながらもその優秀な能力で味方を支援している。
そのあとに他パーティのメンバーたちが次々と後に並ぶ。
「・・・・・」
集団の最後を歩いているのは、ミル・ドラン。マルスの率いるエリートパーティの中で唯一の凡才。能力も身体強化と体を固くしたり、足を速くするといった特に特徴もない能力だ。マルスやリッキー、エルザとは幼少のころからの知り合いで特に特殊な能力があるわけでもなかったがこのパーティにいさせてもらっているいわゆる金魚のフンだった。
周りのメンバーが優秀すぎるゆえにその他のパーティに所属している面々からもあまりいい顔はされておらず、コネで昇進しているクズなどと陰で呼ばれているのは本人も承知しており、その肩身の狭さもあって基本的にその身体強化を生かしてメンバーの荷物持ちをしている。
「おいおいミルくーん!君が遅いせいでみんなの足並みが遅れてるんですけどー!?あっこれもよろしくねー」
そういうと自分の持つ荷物をミルに押し付ける。
彼はジード・カグロ。マルクたちのパーティに次ぐ成績を残すパーティの一員で戦闘大好き人間だ。風を操る能力の持ち主で任務中に遭遇した魔物をぼろ雑巾のように始末している。
ミルがいなければマルクたちのパーティに入っていたのは彼だと言われておりそのことからも特にミルのことを目の敵にしている。
「ちょっとミルにちょっかい出さないでくれる?」
そういっていつの間にか最前列から下がってきたエルザがミルをかばいに入る。
エルザは美しい容姿をしており、クランの中でもキャロラインと並んで2大美女と呼ばれているほどだ。彼女は昔からよくミルのことをこうやって庇うことがあるのだが、そのことも周りから目の敵にされる原因の一つだということは彼女以外は全員が理解していた。
「はぁはぁ、また女に守られてミル君なさけないですねぇw」
そういうとジードは隊列の中に戻っていく。エルザはジードの後ろ姿をキッとにらみつけると今度はミルに顔を向ける。
「また、こんなに荷物を持って・・・いやならいやって言えばいいじゃない」
「・・・ごめん」
エルザに庇われるから余計に荷物が増えるとは口が裂けても言えないミルは下をうつむいて小声で返した。
「ちょっとうでだして」
「?」
そういうとエルザはミルの腕にブレスレットを付けた。
作りは紐状のもので作りは簡素だがかわいらしい鈴がアクセントについている。
「これはお守り。ミルのことをきっと守ってくれるよ」
エルザは少し顔を赤らめてそういうと速足で隊列の中にもどっていく。
「・・・・ありがとう」
それから2時間は移動しただろう場所で一同は足を止めた。場所はハスファルド大陸にあるマネキスの町から約50キロほど南下した地点だ。
「今回の任務を再確認するぞ!!」
マルスは帯同している全員に向け大声を出す。
「今回の任務は、3日前にこの地域にて起きた天使と悪魔の戦闘の後処理だ。まだ戦闘から3日しかたっていないことからも天使、悪魔両方の転移門が多数残っている。特に悪魔側の転移門からはいまだに魔物が多数転移してきているという報告も受けている。今日中に天使と悪魔両方の転移門を封鎖し、残った魔物も退治するのが今回の任務だ!」
マルスの声掛けに「おぉ」と小さな声が上がっている。
「転移してきた魔物の中には強力なものもいるかもしれない。基本的に2つのパーティ10人づつで行動し、迅速に対応するように!」
そういって組み分けがされる。マルスのパーティとはジードたちのパーティが合同で任務にあたることとなった。比較的同期の多い者同士で組んだ結果だった。
「ジード、よろしくたのむ」
「はいはい、よろしくね~」
マルスとジードが軽い挨拶を交わすとそれぞれ散会し任務にあたり始める。
にやにやと頬を釣り上げてニヤついているジードがやけに印象的だった。
1時間ほど魔物との遭遇もなく任務をこなしていると予想とは逆に楽勝だと辺りでは笑い声なども響くようになってきた。
この数秒後、全員が恐怖で戦慄することとなる。
そういって青年が活を入れ一つの集団を率い、歩き始める。
青年の名前は、マルス・レオナルド。重力を操作するスペルの持ち主で、エルダに起きる様々な問題を取り締まる自治組織、クランの所属するパーティのリーダーだ。若くしてその才能が認められパーティリーダーを務めるいわゆるエリートだ。
青年の後に続くのは、同じパーティのメンバーと今回合同で任務にあたる他パーティ3部隊の総勢20名。
ルーキーからベテランまで参加している今回の任務でそのリーダーを任されていることからも彼がクランから期待されているのがうかがえる。
「気合入れるのはいいけど、張り切り過ぎて1人で全部かたづけないでよぉ~」
そういってマルスに話かけるのは同じパーティに所属するリック・キードルだ。周りからリッキーの名称で呼ばれ、幼少のころからクランに所属し活躍している、同じくエリートだ。火を自在に操る能力を所持しており、攻撃、防御、支援何でもありの俗にいう天才だ。
「あんたら暴れまわって後処理するのは私たちなんだからね!」
「まぁそういうなエルザ」
そのあとに続くのは、エルザ・リーンとキャロライン・レインの2人だ。
同じく2人ともエリートで、エルザは拡張感覚による高い索敵能力、キャロライン
は空間移動によるテレポートで2人とも女性ながらもその優秀な能力で味方を支援している。
そのあとに他パーティのメンバーたちが次々と後に並ぶ。
「・・・・・」
集団の最後を歩いているのは、ミル・ドラン。マルスの率いるエリートパーティの中で唯一の凡才。能力も身体強化と体を固くしたり、足を速くするといった特に特徴もない能力だ。マルスやリッキー、エルザとは幼少のころからの知り合いで特に特殊な能力があるわけでもなかったがこのパーティにいさせてもらっているいわゆる金魚のフンだった。
周りのメンバーが優秀すぎるゆえにその他のパーティに所属している面々からもあまりいい顔はされておらず、コネで昇進しているクズなどと陰で呼ばれているのは本人も承知しており、その肩身の狭さもあって基本的にその身体強化を生かしてメンバーの荷物持ちをしている。
「おいおいミルくーん!君が遅いせいでみんなの足並みが遅れてるんですけどー!?あっこれもよろしくねー」
そういうと自分の持つ荷物をミルに押し付ける。
彼はジード・カグロ。マルクたちのパーティに次ぐ成績を残すパーティの一員で戦闘大好き人間だ。風を操る能力の持ち主で任務中に遭遇した魔物をぼろ雑巾のように始末している。
ミルがいなければマルクたちのパーティに入っていたのは彼だと言われておりそのことからも特にミルのことを目の敵にしている。
「ちょっとミルにちょっかい出さないでくれる?」
そういっていつの間にか最前列から下がってきたエルザがミルをかばいに入る。
エルザは美しい容姿をしており、クランの中でもキャロラインと並んで2大美女と呼ばれているほどだ。彼女は昔からよくミルのことをこうやって庇うことがあるのだが、そのことも周りから目の敵にされる原因の一つだということは彼女以外は全員が理解していた。
「はぁはぁ、また女に守られてミル君なさけないですねぇw」
そういうとジードは隊列の中に戻っていく。エルザはジードの後ろ姿をキッとにらみつけると今度はミルに顔を向ける。
「また、こんなに荷物を持って・・・いやならいやって言えばいいじゃない」
「・・・ごめん」
エルザに庇われるから余計に荷物が増えるとは口が裂けても言えないミルは下をうつむいて小声で返した。
「ちょっとうでだして」
「?」
そういうとエルザはミルの腕にブレスレットを付けた。
作りは紐状のもので作りは簡素だがかわいらしい鈴がアクセントについている。
「これはお守り。ミルのことをきっと守ってくれるよ」
エルザは少し顔を赤らめてそういうと速足で隊列の中にもどっていく。
「・・・・ありがとう」
それから2時間は移動しただろう場所で一同は足を止めた。場所はハスファルド大陸にあるマネキスの町から約50キロほど南下した地点だ。
「今回の任務を再確認するぞ!!」
マルスは帯同している全員に向け大声を出す。
「今回の任務は、3日前にこの地域にて起きた天使と悪魔の戦闘の後処理だ。まだ戦闘から3日しかたっていないことからも天使、悪魔両方の転移門が多数残っている。特に悪魔側の転移門からはいまだに魔物が多数転移してきているという報告も受けている。今日中に天使と悪魔両方の転移門を封鎖し、残った魔物も退治するのが今回の任務だ!」
マルスの声掛けに「おぉ」と小さな声が上がっている。
「転移してきた魔物の中には強力なものもいるかもしれない。基本的に2つのパーティ10人づつで行動し、迅速に対応するように!」
そういって組み分けがされる。マルスのパーティとはジードたちのパーティが合同で任務にあたることとなった。比較的同期の多い者同士で組んだ結果だった。
「ジード、よろしくたのむ」
「はいはい、よろしくね~」
マルスとジードが軽い挨拶を交わすとそれぞれ散会し任務にあたり始める。
にやにやと頬を釣り上げてニヤついているジードがやけに印象的だった。
1時間ほど魔物との遭遇もなく任務をこなしていると予想とは逆に楽勝だと辺りでは笑い声なども響くようになってきた。
この数秒後、全員が恐怖で戦慄することとなる。
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