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第9話 サーニスラ教の神官
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謁見の間は人であふれかえっていた。陛下を初めとする帝国の重立った人々だけでなく、サーニスラ教からやってきた神官を一目見ようと、使用人や兵士、行商人や城下町の人々が詰めかけたせいだ。吟遊詩人や曲芸師まで来ている。まるでお祭り騒ぎだ。
私が初めて城にやってきたときのことを思い出す。あのときは……全然人が集まらなかった。ガラーンとしてたっけ。何だこの違い。人気教団と不人気教団の差というやつなのだろうか。
あるいは「サーニスラ教団からなんかスゲー美女がやってきて、皇帝陛下を誘惑するのでは?」という噂も、見物客を増やした理由の一つなのかも。
サーニスラ教から神官がやってくると聞いて、私もセラム教神官として、一応ライバル教団なので、どんな人がやってくるのかと見にきたのだが、アーシャという名前を聞いて、ん? と引っかかった。つい最近そんな名前を聞いたような。
挨拶を終えると、アーシャさんは淡い色の髪をかき上げ、陛下に親しげに笑いかけた。
「久しぶりね、フレイズ王子。ううん、今はフレイズ皇帝だったわね」
「アーシャ? そなたはあのアーシャなのか……!」
陛下は驚きのあまり玉座に腰掛けたまま固まっている。
あ、思い出した、陛下の幼馴染みがアーシャという名前だった。ということはこの人が陛下の初恋の人? っていうか太陽神の神官なの!? どういうこと? 陛下って神官マニアか何かなの!?
「アーシャ、そなた、今まで一体どこに……? 神官になったとは知らなかったぞ」
アーシャさんは困ったように微笑むと、小さく首をかしげて見せた。
「話すと長くなりそうだから……。どこか二人きりになれるところに行きたいわ」
「あ、ああ。わかった」
立ち上がった陛下は、しかし、私のほうへとやってきた。
「それでは行こうか、ハルーティ?」
「えっ?」
どういうこと?
「陛下はまたもや錯乱しておられるご様子。どうかお気を確かに」
側に控えていたルタがそんなツッコミを入れる。
「アーシャさんとハルーティはそっくりだから、陛下はきっと話しかける相手を間違えたんですよ。うっかりミスです、大丈夫、誰にでもよくあることです!」
フーランディアとしては多分フォローのつもりなのだろうけれども、さすがに陛下を馬鹿にしすぎではないだろうか。
私と彼女は確かに似たところがあった。褐色というには白すぎる肌と、オレンジがかった茶色い瞳、クリーム色の髪。でも、顔はそんなに言うほど似てないと思う。髪もアーシャさんのほうがずっと長い。
「陛下、もし正気でおられるのでしたら解説をお願いします」と、ルタが言った。
「もし我が女性と二人きりになったらハルーティが妬くであろう。だから、一緒に連れていこうと思っただけだ」
「ああ、そういうことなら安心しました。てっきり陛下は女性の見分けがつかないぐらい節穴なのかと」
「んなわけあるか」
ルタの不謹慎発言にフーランディアがツッコミを入れる。
「でも、さっきフーランディアだって、私と彼女を間違えたんじゃないかって言いませんでした?」
「はあ、そんなこと言ってねえし。陛下、俺はそんなこと言ってないですからね!」
ええ~? こんな堂々と嘘つく? いくら陛下の前では格好つけたいからって。
この馬鹿なやりとりをアーシャさんは微笑みを浮かべて見守っていた。だけど、なんだろう、私を見る目が異様に冷たい気がするんだけど。ら、らいばるきょうだんだからカナ? 胸元のムーンドロップを思わず握りしめた。
☆ ☆ ☆
「ええと、それじゃあ、自己紹介します。へ、へへ……」
私はアーシャさんに向かって一礼して、笑顔を浮かべてみたが、ちょっと口元が引きつってしまった。私を見るアーシャさんの目がとても冷たい。口は笑っているのに、殺人鬼みたいな目をしている。でも、それもしょうがない。だって彼女は陛下と二人きりで話したかったのだから。無理やりとはいえ話に同席することになってしまった私は邪魔者なのだ。ちょっとぐらい冷たい目で見られてもしょうがないよね。へ、へへ……うん……。
「わ、私は、セラム教神官のハルーティ・クルスです。よ、よろしく、お願いします、へへ……」
セラムの神聖魔法を使っていないのに、なぜか室内が寒い。初夏だというのに今だけ冬になったみたいだ。
今私たち三人は、陛下のお部屋で大きなテーブルを囲んで座っている。卓上にはお茶やお菓子が並べられており、要はお茶をしながら楽しくおしゃべりしましょうということであった。無理がありすぎる。お菓子を用意したぐらいでは気温は上がらない。
自己紹介をしたほうがいいのかなと思って、私は名乗ったのだけれども、アーシャさんの微笑みは、「わざわざ名乗ってどういうつもりだ、宣戦布告のつもりか、この女」という無言のメッセージを目でびしびしと送ってきていた。
「あの、それじゃあ、私はこれで失礼しようかな」
すっかり怯えてしまった私は退室を申し出た。
「ほら、幼馴染み同士でつもる話もあるでしょう。ね?」
「いや、ここにいてくれ」
陛下ぁ! そこはさあ! わかるでしょう、この凍り付いた空気がさあ! 私は限界まで目を見開いて、視線で陛下に訴えたが、陛下は何食わぬ顔をしてお茶をすすった。お得意のすっとぼけが発動している……。
強引に部屋を出たら、アーシャさんのことを嫌ってるみたいな、「おまえの話なんか聞きたくないんだよ」って言ってるみたいな、そんな感じに受け止められそう。私は諦めてお茶を飲んだ。美味しいなあ(ヤケクソ)。
「それで、アーシャはこれまでどうしていたのだ」
アーシャさんは、ふう、と軽く息を吐いて、陛下のほうに体を向けて微笑んだ。あ、私のことは無視することにしたみたいだ。
「故郷《くに》を出たのは、あたしが十五のときだったわね。そのあと、いろいろあって、ちょっと人生に疲れちゃったときに太陽神のお導きがあって、サーニスラ教に就職したの」
就職? 私は心の中で首をひねる。神官になることを就職と呼ぶとは、なんだか変わっている。うちの教団とは考え方が違うのだろうか。
「突然アーシャがいなくなったときは驚いた。人さらいにでも遭ったのかと心配したが、書き置きを読んでひとまず安心した。たしか都会に行って踊り子になると書いていたな」
「そうだっけ? 忘れちゃった」
その話はそれ以上するなよ、という圧がアーシャさんの両目から発せられ、陛下はおとなしく口を閉じた。むむ、私の目から発せられた圧はスルーするのに。陛下ったらもう。
「と、ところで、アーシャはなぜ城にやってきたのだ」
「特に理由はないわ。いけない?」
「いや、いけなくはないが……」
「じゃあ、ハルーティさんは? どういう理由で城にいるの?」
「えっと……」
急に話を振られて言葉に詰まる。
私が城にいる理由は、皇帝陛下と交友を深めて、寄付金をいただきたいからだ。子どもたちの生活費が欲しいんです。って、こんなことを言ったら違う意味に誤解されそう。
「ふ……」
「ふ?」
「布教活動です……」
ちょっと声が裏返ってしまった。
「ふーん」
彼女はにっこり微笑んだ。
「じゃあ、あたしも布教活動ってことで」
意味深な視線が絡み合う。お互いの魂胆はバレバレである。それぞれ教団を代表してやってきて、陛下に取り入ってごひいき宗教団体になろうとしているのだ。つまり欲しいのは金である。
「フレイズに布教活動をしてあげるわね。フレイズはもともとサーニスラ教徒だけど、うちの良さをもっともっと教えてあげる。それで、ゆくゆくはサーニスラ教を帝国の国教に指定してほしいな、なんて……」
おお、国教とは大きく出たな。国家のお墨付きをもらった宗教団体になれば、お金もたくさんもらえそうだ。
「それなのだがな」
陛下がやや気おくれした様子で切り出した。よ、余計なことは言わないで……。
「我は改宗しようと思うのだ。そうしなければセラムの神官であるハルーティと結婚できぬのでな」
言っちゃったー! 私は両手で顔を覆った。
「……ハア?」
どすのきいた声に、陛下も私もびくっとした。
「あ! あたしわかっちゃった」
彼女は妙に明るい作り笑いをして、両手をぽんと合わせた。
「セラム教から勧誘を受けて、そっちによろめいちゃったのね。でも大丈夫だよ。あたしのほうがずっと良いって、すぐに思い出させてあげるから」
陛下のほうに身を寄せつつ、ちらっと私を見たアーシャさんの目つきは、戦いを前にした女戦士のそれであった。
その後、ぎすぎすとした空気の中でお茶を飲んで、お菓子を食べて、
「では、我はこれから仕事があるのでな。すまないが二人は退室してくれ」
ということで、私とアーシャさんは部屋を追い出されてしまった。
アーシャさんはドアが閉まると同時に微笑みを顔から消して、私に向き直った。完全に悪役の顔になっている。
「あなた、城から出ていきなさいよ」
「えっ、どうしてですか」
「セラム教なんていう陰気くさくてお葬式のときぐらいしか活躍できない地味な宗教なんて必要ないの。そんなものよりもサーニスラ教のほうがずっと良いし、フレイズにはうちの教団を援助してもらわなきゃいけないのよね。だから、あなたは城から出ていって」
「いやです」
私が即座に言い返すと、
「はん、フレイズに気に入られているのかしらないけど、調子にのってんじゃないわよ、ブス」と、言い放った。
おぅふ。よし、この人はこれから呼び捨てにしよう。さん付けから降格だ。
私が初めて城にやってきたときのことを思い出す。あのときは……全然人が集まらなかった。ガラーンとしてたっけ。何だこの違い。人気教団と不人気教団の差というやつなのだろうか。
あるいは「サーニスラ教団からなんかスゲー美女がやってきて、皇帝陛下を誘惑するのでは?」という噂も、見物客を増やした理由の一つなのかも。
サーニスラ教から神官がやってくると聞いて、私もセラム教神官として、一応ライバル教団なので、どんな人がやってくるのかと見にきたのだが、アーシャという名前を聞いて、ん? と引っかかった。つい最近そんな名前を聞いたような。
挨拶を終えると、アーシャさんは淡い色の髪をかき上げ、陛下に親しげに笑いかけた。
「久しぶりね、フレイズ王子。ううん、今はフレイズ皇帝だったわね」
「アーシャ? そなたはあのアーシャなのか……!」
陛下は驚きのあまり玉座に腰掛けたまま固まっている。
あ、思い出した、陛下の幼馴染みがアーシャという名前だった。ということはこの人が陛下の初恋の人? っていうか太陽神の神官なの!? どういうこと? 陛下って神官マニアか何かなの!?
「アーシャ、そなた、今まで一体どこに……? 神官になったとは知らなかったぞ」
アーシャさんは困ったように微笑むと、小さく首をかしげて見せた。
「話すと長くなりそうだから……。どこか二人きりになれるところに行きたいわ」
「あ、ああ。わかった」
立ち上がった陛下は、しかし、私のほうへとやってきた。
「それでは行こうか、ハルーティ?」
「えっ?」
どういうこと?
「陛下はまたもや錯乱しておられるご様子。どうかお気を確かに」
側に控えていたルタがそんなツッコミを入れる。
「アーシャさんとハルーティはそっくりだから、陛下はきっと話しかける相手を間違えたんですよ。うっかりミスです、大丈夫、誰にでもよくあることです!」
フーランディアとしては多分フォローのつもりなのだろうけれども、さすがに陛下を馬鹿にしすぎではないだろうか。
私と彼女は確かに似たところがあった。褐色というには白すぎる肌と、オレンジがかった茶色い瞳、クリーム色の髪。でも、顔はそんなに言うほど似てないと思う。髪もアーシャさんのほうがずっと長い。
「陛下、もし正気でおられるのでしたら解説をお願いします」と、ルタが言った。
「もし我が女性と二人きりになったらハルーティが妬くであろう。だから、一緒に連れていこうと思っただけだ」
「ああ、そういうことなら安心しました。てっきり陛下は女性の見分けがつかないぐらい節穴なのかと」
「んなわけあるか」
ルタの不謹慎発言にフーランディアがツッコミを入れる。
「でも、さっきフーランディアだって、私と彼女を間違えたんじゃないかって言いませんでした?」
「はあ、そんなこと言ってねえし。陛下、俺はそんなこと言ってないですからね!」
ええ~? こんな堂々と嘘つく? いくら陛下の前では格好つけたいからって。
この馬鹿なやりとりをアーシャさんは微笑みを浮かべて見守っていた。だけど、なんだろう、私を見る目が異様に冷たい気がするんだけど。ら、らいばるきょうだんだからカナ? 胸元のムーンドロップを思わず握りしめた。
☆ ☆ ☆
「ええと、それじゃあ、自己紹介します。へ、へへ……」
私はアーシャさんに向かって一礼して、笑顔を浮かべてみたが、ちょっと口元が引きつってしまった。私を見るアーシャさんの目がとても冷たい。口は笑っているのに、殺人鬼みたいな目をしている。でも、それもしょうがない。だって彼女は陛下と二人きりで話したかったのだから。無理やりとはいえ話に同席することになってしまった私は邪魔者なのだ。ちょっとぐらい冷たい目で見られてもしょうがないよね。へ、へへ……うん……。
「わ、私は、セラム教神官のハルーティ・クルスです。よ、よろしく、お願いします、へへ……」
セラムの神聖魔法を使っていないのに、なぜか室内が寒い。初夏だというのに今だけ冬になったみたいだ。
今私たち三人は、陛下のお部屋で大きなテーブルを囲んで座っている。卓上にはお茶やお菓子が並べられており、要はお茶をしながら楽しくおしゃべりしましょうということであった。無理がありすぎる。お菓子を用意したぐらいでは気温は上がらない。
自己紹介をしたほうがいいのかなと思って、私は名乗ったのだけれども、アーシャさんの微笑みは、「わざわざ名乗ってどういうつもりだ、宣戦布告のつもりか、この女」という無言のメッセージを目でびしびしと送ってきていた。
「あの、それじゃあ、私はこれで失礼しようかな」
すっかり怯えてしまった私は退室を申し出た。
「ほら、幼馴染み同士でつもる話もあるでしょう。ね?」
「いや、ここにいてくれ」
陛下ぁ! そこはさあ! わかるでしょう、この凍り付いた空気がさあ! 私は限界まで目を見開いて、視線で陛下に訴えたが、陛下は何食わぬ顔をしてお茶をすすった。お得意のすっとぼけが発動している……。
強引に部屋を出たら、アーシャさんのことを嫌ってるみたいな、「おまえの話なんか聞きたくないんだよ」って言ってるみたいな、そんな感じに受け止められそう。私は諦めてお茶を飲んだ。美味しいなあ(ヤケクソ)。
「それで、アーシャはこれまでどうしていたのだ」
アーシャさんは、ふう、と軽く息を吐いて、陛下のほうに体を向けて微笑んだ。あ、私のことは無視することにしたみたいだ。
「故郷《くに》を出たのは、あたしが十五のときだったわね。そのあと、いろいろあって、ちょっと人生に疲れちゃったときに太陽神のお導きがあって、サーニスラ教に就職したの」
就職? 私は心の中で首をひねる。神官になることを就職と呼ぶとは、なんだか変わっている。うちの教団とは考え方が違うのだろうか。
「突然アーシャがいなくなったときは驚いた。人さらいにでも遭ったのかと心配したが、書き置きを読んでひとまず安心した。たしか都会に行って踊り子になると書いていたな」
「そうだっけ? 忘れちゃった」
その話はそれ以上するなよ、という圧がアーシャさんの両目から発せられ、陛下はおとなしく口を閉じた。むむ、私の目から発せられた圧はスルーするのに。陛下ったらもう。
「と、ところで、アーシャはなぜ城にやってきたのだ」
「特に理由はないわ。いけない?」
「いや、いけなくはないが……」
「じゃあ、ハルーティさんは? どういう理由で城にいるの?」
「えっと……」
急に話を振られて言葉に詰まる。
私が城にいる理由は、皇帝陛下と交友を深めて、寄付金をいただきたいからだ。子どもたちの生活費が欲しいんです。って、こんなことを言ったら違う意味に誤解されそう。
「ふ……」
「ふ?」
「布教活動です……」
ちょっと声が裏返ってしまった。
「ふーん」
彼女はにっこり微笑んだ。
「じゃあ、あたしも布教活動ってことで」
意味深な視線が絡み合う。お互いの魂胆はバレバレである。それぞれ教団を代表してやってきて、陛下に取り入ってごひいき宗教団体になろうとしているのだ。つまり欲しいのは金である。
「フレイズに布教活動をしてあげるわね。フレイズはもともとサーニスラ教徒だけど、うちの良さをもっともっと教えてあげる。それで、ゆくゆくはサーニスラ教を帝国の国教に指定してほしいな、なんて……」
おお、国教とは大きく出たな。国家のお墨付きをもらった宗教団体になれば、お金もたくさんもらえそうだ。
「それなのだがな」
陛下がやや気おくれした様子で切り出した。よ、余計なことは言わないで……。
「我は改宗しようと思うのだ。そうしなければセラムの神官であるハルーティと結婚できぬのでな」
言っちゃったー! 私は両手で顔を覆った。
「……ハア?」
どすのきいた声に、陛下も私もびくっとした。
「あ! あたしわかっちゃった」
彼女は妙に明るい作り笑いをして、両手をぽんと合わせた。
「セラム教から勧誘を受けて、そっちによろめいちゃったのね。でも大丈夫だよ。あたしのほうがずっと良いって、すぐに思い出させてあげるから」
陛下のほうに身を寄せつつ、ちらっと私を見たアーシャさんの目つきは、戦いを前にした女戦士のそれであった。
その後、ぎすぎすとした空気の中でお茶を飲んで、お菓子を食べて、
「では、我はこれから仕事があるのでな。すまないが二人は退室してくれ」
ということで、私とアーシャさんは部屋を追い出されてしまった。
アーシャさんはドアが閉まると同時に微笑みを顔から消して、私に向き直った。完全に悪役の顔になっている。
「あなた、城から出ていきなさいよ」
「えっ、どうしてですか」
「セラム教なんていう陰気くさくてお葬式のときぐらいしか活躍できない地味な宗教なんて必要ないの。そんなものよりもサーニスラ教のほうがずっと良いし、フレイズにはうちの教団を援助してもらわなきゃいけないのよね。だから、あなたは城から出ていって」
「いやです」
私が即座に言い返すと、
「はん、フレイズに気に入られているのかしらないけど、調子にのってんじゃないわよ、ブス」と、言い放った。
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