10 / 17
第10話 歓迎会的なやつ
しおりを挟む
「そこまで言われたら、私だって黙ってはいられませんよ、アーシャ!」
そう啖呵を切ったものの、怖くてタメ口は無理だった。呼び捨てがせいぜい。
「私とあなたはそっくりだって、謁見の間でフーランディアから言われたのを忘れたんですか。私がブスということは、つまりアーシャもブスだということなんですよ!」
「んなっ!」
アーシャはわなわなと両手を震わせた。
「似てないじゃない! あたしはあなたなんかに全然似てない!」
「まあ、たしかに私もそれには同意なんですけど……」
そこを城の兵士が通りがかった。
「おや、ハルーティさん、こんにちは。そちらは双子のお姉さんですか? お姉さんもサソリの入ったパンを食うんですか? サソリシスターズ、なんちゃって、だはは!」
兵士はひときしり笑うと去っていった。
「な……な……な……!」
口をぱくぱくしている。酸欠のお魚みたいだ。
「あ、あたしはサソリなんか食べないわよおお!」
そう叫びながら、サソリシスターズ(姉)は走ってどこかへ行ってしまった。
「うーん、なんだろう。私が言うのもなんだけど、アーシャってちょっとアレなのかな?」
ポンコツ的な感じなのかな? 私と全然似てないよね? そうだよね? え、私もポンコツなの?
ちょっと不安になったサソリシスターズ(妹)なのだった。
☆ ☆ ☆
数日後。
夜を待って、アーシャの歓待の宴が開かれた。ちょっと待って、私が城に来たときにはそんなのしてくれなかっ(悲しくなってくるので省略)。
城の大食堂にテーブルがずらりと並べられ、美味しそうな料理や飲み物が大量に用意された。誰でもどれでも自由に召し上がれスタイルの宴で、城の使用人たちも自由に出入りして、飲んだり騒いだりと賑やかしい。
祐筆のエミナも来ていた。部屋の隅で宰相ルタと何やら話し込んでいる。こみ入った話でもあるのだろうか。邪魔しては悪いし、あとでタイミングを見てエミナに声をかけようっと。
美味しそうなご馳走がいっぱいあることだし、ひとまず食事に集中しよう。そう思ったのに、アーシャが陛下の隣に座り、手を取ってしなだれかかったり、顔に触れたりしており、そのたびに陛下が私に「どうだ、今のは妬いたか?」と確認しにくるので、いまいち食事に集中できなかった。
アーシャはすっかりご機嫌斜めになってしまい、早々に退席してしまった。
主役がいなくなってしまったが、料理も飲み物もたっぷりあるし、使用人たちも奇妙なおもしろダンスを踊って盛り上がっているしで、宴は続行された。
「ハルーティ」
お酒の杯を手にした陛下は、私のいるテーブルにやってきて、隣に座った。
「今夜はどのぐらい妬いたか教えてくれぬか」
「う、うーん……」
「照れずに正直に言うがいい」
肩をくっつけて、顔を覗き込んでくる。いつもより距離が近い。酔っているのだろうか。深い青色に囲まれた黒い瞳孔まではっきり見える。海の中に夜空が浮かんでいるみたいだ。
「じゃあ、正直に言います。聞くのが早すぎます」
「どういうことだ」
「だって、さっきもアーシャが陛下の頬を撫でたら、すぐさま嫉妬の確認にいらっしゃったでしょう。早すぎて妬く暇もないですよ。「どうだった?」じゃないんですよ」
「そうか」
「妬かせたいのなら、もうちょっと時間をあけませんと。え、今の何? どういうこと? もしかしてこれが嫉妬という感情なの? みたいなことを考える暇もなく確認にこられてますからね、陛下は」
「そうか」
なぜか陛下は上機嫌だ。
「やきもちを焼かせたいんですよね?」
「それが複雑なのだ」
陛下は杯をあおった。
「ハルーティが嫉妬の感情に乱れるところを見てみたい気持ちと、ハルーティを嫉妬させたら可哀想な気持ちがせめぎ合っているのだ」
「なんなんですか、それは」
喉の渇きをおぼえて、テーブルに並んだ杯の中から適当に一つを選び、手に取ってみた。中に入っているのはお酒のようだ。私は人生で一度もお酒を飲んだことがない。どうだろう、飲んでみるか。少し考える。陛下からの視線を感じる。飲むのか、そして酔うのか、酔ってしまうのかハルーティ、そんな無言の何かを感じて、私は杯から手を離した。
「なんだ、つまらぬ」
あからさまに陛下ががっかりしている。私はジュースが入った杯を探し出して、口に運んだ。甘酸っぱい。柑橘ジュースのようだ。
「初恋の人なんですよね」
誰のことかなんて言うまでもない。
陛下はさっき私が飲もうかと悩んでいた杯を手に取り、あおった。
「私が思い描いていた初恋の人のイメージとはかなり違いました。もしかして昔は違う雰囲気の方だったんですか?」
「いいや、アーシャは昔からああいう感じであったな。自分勝手でポンコツなのだ」
そんなのと似てるんだ……私……。というか、それが初恋なんだ、陛下……。遠い目をしていたら、陛下は何を誤解したのか私の手首を握った。
「我にはもうハルーティしかおらぬ。アーシャのことは過去のことだ。だから、そんなに悲しそうな顔をするな」
「うう、誤解です……」
「悲しませたお詫びに、今夜はハルーティを思い切り可愛がって、とろけるほど甘やかしてやろう」
「それは遠慮します。……あ!」
エミナが大食堂を出ていこうとしている。
「済みません、陛下、ちょっと友だちに挨拶してきます」
椅子から立ち上がり、そちらに向かおうとしたが、手を離してくれない。
「陛下、離してください」
「いやだ」
逆に強く引っ張られて陛下の懐に倒れ込みそうになった。どうにか踏みとどまる。
「初恋は消えた。ハルーティのせいだ」
睨むような、挑むような顔だ。
「我はそなたと出会ってしまった。もう後戻りはできぬ。ハルーティが欲しい。いますぐ抱きしめたい」
私を見上げる瞳が、おとなしく抱かれろと命じていた。熱を帯びた視線を受けて、頬が燃えるようだ。手が熱かった。この手をふりほどけなかったら、何もかもおしまいって気がする。全部奪われて、おしまい。
それは……困る。
私は自由になるほうの手で陛下の頬に触れてみた。指先でそっと滑らかな褐色の肌を撫でるようにくすぐる。青い目が見開かれた。
「いまだぁ! 隙あり!」
力が抜けた陛下の手から勢いよく自分の手を引き抜くと、私はエミナに向かって駆け出した。
「卑怯だぞ、ハルーティ!」
「油断大敵ですよ、皇帝陛下。エミナ待ってー」
そう啖呵を切ったものの、怖くてタメ口は無理だった。呼び捨てがせいぜい。
「私とあなたはそっくりだって、謁見の間でフーランディアから言われたのを忘れたんですか。私がブスということは、つまりアーシャもブスだということなんですよ!」
「んなっ!」
アーシャはわなわなと両手を震わせた。
「似てないじゃない! あたしはあなたなんかに全然似てない!」
「まあ、たしかに私もそれには同意なんですけど……」
そこを城の兵士が通りがかった。
「おや、ハルーティさん、こんにちは。そちらは双子のお姉さんですか? お姉さんもサソリの入ったパンを食うんですか? サソリシスターズ、なんちゃって、だはは!」
兵士はひときしり笑うと去っていった。
「な……な……な……!」
口をぱくぱくしている。酸欠のお魚みたいだ。
「あ、あたしはサソリなんか食べないわよおお!」
そう叫びながら、サソリシスターズ(姉)は走ってどこかへ行ってしまった。
「うーん、なんだろう。私が言うのもなんだけど、アーシャってちょっとアレなのかな?」
ポンコツ的な感じなのかな? 私と全然似てないよね? そうだよね? え、私もポンコツなの?
ちょっと不安になったサソリシスターズ(妹)なのだった。
☆ ☆ ☆
数日後。
夜を待って、アーシャの歓待の宴が開かれた。ちょっと待って、私が城に来たときにはそんなのしてくれなかっ(悲しくなってくるので省略)。
城の大食堂にテーブルがずらりと並べられ、美味しそうな料理や飲み物が大量に用意された。誰でもどれでも自由に召し上がれスタイルの宴で、城の使用人たちも自由に出入りして、飲んだり騒いだりと賑やかしい。
祐筆のエミナも来ていた。部屋の隅で宰相ルタと何やら話し込んでいる。こみ入った話でもあるのだろうか。邪魔しては悪いし、あとでタイミングを見てエミナに声をかけようっと。
美味しそうなご馳走がいっぱいあることだし、ひとまず食事に集中しよう。そう思ったのに、アーシャが陛下の隣に座り、手を取ってしなだれかかったり、顔に触れたりしており、そのたびに陛下が私に「どうだ、今のは妬いたか?」と確認しにくるので、いまいち食事に集中できなかった。
アーシャはすっかりご機嫌斜めになってしまい、早々に退席してしまった。
主役がいなくなってしまったが、料理も飲み物もたっぷりあるし、使用人たちも奇妙なおもしろダンスを踊って盛り上がっているしで、宴は続行された。
「ハルーティ」
お酒の杯を手にした陛下は、私のいるテーブルにやってきて、隣に座った。
「今夜はどのぐらい妬いたか教えてくれぬか」
「う、うーん……」
「照れずに正直に言うがいい」
肩をくっつけて、顔を覗き込んでくる。いつもより距離が近い。酔っているのだろうか。深い青色に囲まれた黒い瞳孔まではっきり見える。海の中に夜空が浮かんでいるみたいだ。
「じゃあ、正直に言います。聞くのが早すぎます」
「どういうことだ」
「だって、さっきもアーシャが陛下の頬を撫でたら、すぐさま嫉妬の確認にいらっしゃったでしょう。早すぎて妬く暇もないですよ。「どうだった?」じゃないんですよ」
「そうか」
「妬かせたいのなら、もうちょっと時間をあけませんと。え、今の何? どういうこと? もしかしてこれが嫉妬という感情なの? みたいなことを考える暇もなく確認にこられてますからね、陛下は」
「そうか」
なぜか陛下は上機嫌だ。
「やきもちを焼かせたいんですよね?」
「それが複雑なのだ」
陛下は杯をあおった。
「ハルーティが嫉妬の感情に乱れるところを見てみたい気持ちと、ハルーティを嫉妬させたら可哀想な気持ちがせめぎ合っているのだ」
「なんなんですか、それは」
喉の渇きをおぼえて、テーブルに並んだ杯の中から適当に一つを選び、手に取ってみた。中に入っているのはお酒のようだ。私は人生で一度もお酒を飲んだことがない。どうだろう、飲んでみるか。少し考える。陛下からの視線を感じる。飲むのか、そして酔うのか、酔ってしまうのかハルーティ、そんな無言の何かを感じて、私は杯から手を離した。
「なんだ、つまらぬ」
あからさまに陛下ががっかりしている。私はジュースが入った杯を探し出して、口に運んだ。甘酸っぱい。柑橘ジュースのようだ。
「初恋の人なんですよね」
誰のことかなんて言うまでもない。
陛下はさっき私が飲もうかと悩んでいた杯を手に取り、あおった。
「私が思い描いていた初恋の人のイメージとはかなり違いました。もしかして昔は違う雰囲気の方だったんですか?」
「いいや、アーシャは昔からああいう感じであったな。自分勝手でポンコツなのだ」
そんなのと似てるんだ……私……。というか、それが初恋なんだ、陛下……。遠い目をしていたら、陛下は何を誤解したのか私の手首を握った。
「我にはもうハルーティしかおらぬ。アーシャのことは過去のことだ。だから、そんなに悲しそうな顔をするな」
「うう、誤解です……」
「悲しませたお詫びに、今夜はハルーティを思い切り可愛がって、とろけるほど甘やかしてやろう」
「それは遠慮します。……あ!」
エミナが大食堂を出ていこうとしている。
「済みません、陛下、ちょっと友だちに挨拶してきます」
椅子から立ち上がり、そちらに向かおうとしたが、手を離してくれない。
「陛下、離してください」
「いやだ」
逆に強く引っ張られて陛下の懐に倒れ込みそうになった。どうにか踏みとどまる。
「初恋は消えた。ハルーティのせいだ」
睨むような、挑むような顔だ。
「我はそなたと出会ってしまった。もう後戻りはできぬ。ハルーティが欲しい。いますぐ抱きしめたい」
私を見上げる瞳が、おとなしく抱かれろと命じていた。熱を帯びた視線を受けて、頬が燃えるようだ。手が熱かった。この手をふりほどけなかったら、何もかもおしまいって気がする。全部奪われて、おしまい。
それは……困る。
私は自由になるほうの手で陛下の頬に触れてみた。指先でそっと滑らかな褐色の肌を撫でるようにくすぐる。青い目が見開かれた。
「いまだぁ! 隙あり!」
力が抜けた陛下の手から勢いよく自分の手を引き抜くと、私はエミナに向かって駆け出した。
「卑怯だぞ、ハルーティ!」
「油断大敵ですよ、皇帝陛下。エミナ待ってー」
0
あなたにおすすめの小説
溺愛王子の甘すぎる花嫁~悪役令嬢を追放したら、毎日が新婚初夜になりました~
紅葉山参
恋愛
侯爵令嬢リーシャは、婚約者である第一王子ビヨンド様との結婚を心から待ち望んでいた。けれど、その幸福な未来を妬む者もいた。それが、リーシャの控えめな立場を馬鹿にし、王子を我が物にしようと画策した悪役令嬢ユーリーだった。
ある夜会で、ユーリーはビヨンド様の気を引こうと、リーシャを罠にかける。しかし、あなたの王子は、そんなつまらない小細工に騙されるほど愚かではなかった。愛するリーシャを信じ、王子はユーリーを即座に糾弾し、国外追放という厳しい処分を下す。
邪魔者が消え去った後、リーシャとビヨンド様の甘美な新婚生活が始まる。彼は、人前では厳格な王子として振る舞うけれど、私と二人きりになると、とろけるような甘さでリーシャを愛し尽くしてくれるの。
「私の可愛い妻よ、きみなしの人生なんて考えられない」
そう囁くビヨンド様に、私リーシャもまた、心も身体も預けてしまう。これは、障害が取り除かれたことで、むしろ加速度的に深まる、世界一甘くて幸せな夫婦の溺愛物語。新婚の王子妃として、私は彼の、そして王国の「最愛」として、毎日を幸福に満たされて生きていきます。
【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
白い結婚のはずが、旦那様の溺愛が止まりません!――冷徹領主と政略令嬢の甘すぎる夫婦生活
しおしお
恋愛
政略結婚の末、侯爵家から「価値がない」と切り捨てられた令嬢リオラ。
新しい夫となったのは、噂で“冷徹”と囁かれる辺境領主ラディス。
二人は互いの自由のため――**干渉しない“白い結婚”**を結ぶことに。
ところが。
◆市場に行けばついてくる
◆荷物は全部持ちたがる
◆雨の日は仕事を早退して帰ってくる
◆ちょっと笑うだけで顔が真っ赤になる
……どう見ても、干渉しまくり。
「旦那様、これは白い結婚のはずでは……?」
「……君のことを、放っておけない」
距離はゆっくり縮まり、
優しすぎる態度にリオラの心も揺れ始める。
そんな時、彼女を利用しようと実家が再び手を伸ばす。
“冷徹”と呼ばれた旦那様の怒りが静かに燃え――
「二度と妻を侮辱するな」
守られ、支え合い、やがて惹かれ合う二人の想いは、
いつしか“形だけの夫婦”を超えていく。
【完結】離縁王妃アデリアは故郷で聖姫と崇められています ~冤罪で捨てられた王妃、地元に戻ったら領民に愛され「聖姫」と呼ばれていました~
猫燕
恋愛
「――そなたとの婚姻を破棄する。即刻、王宮を去れ」
王妃としての5年間、私はただ国を支えていただけだった。
王妃アデリアは、側妃ラウラの嘘と王の独断により、「毒を盛った」という冤罪で突然の離縁を言い渡された。「ただちに城を去れ」と宣告されたアデリアは静かに王宮を去り、生まれ故郷・ターヴァへと向かう。
しかし、領地の国境を越えた彼女を待っていたのは、驚くべき光景だった。
迎えに来たのは何百もの領民、兄、彼女の帰還に歓喜する侍女たち。
かつて王宮で軽んじられ続けたアデリアの政策は、故郷では“奇跡”として受け継がれ、領地を繁栄へ導いていたのだ。実際は薬学・医療・農政・内政の天才で、治癒魔法まで操る超有能王妃だった。
故郷の温かさに癒やされ、彼女の有能さが改めて証明されると、その評判は瞬く間に近隣諸国へ広がり──
“冷徹の皇帝”と恐れられる隣国の若き皇帝・カリオンが現れる。
皇帝は彼女の才覚と優しさに心を奪われ、「私はあなたを守りたい」と静かに誓う。
冷徹と恐れられる彼が、なぜかターヴァ領に何度も通うようになり――「君の価値を、誰よりも私が知っている」「アデリア・ターヴァ。君の全てを、私のものにしたい」
一方その頃――アデリアを失った王国は急速に荒れ、疫病、飢饉、魔物被害が連鎖し、内政は崩壊。国王はようやく“失ったものの価値”を理解し始めるが、もう遅い。
追放された王妃は、故郷で神と崇められ、最強の溺愛皇帝に娶られる!「あなたが望むなら、帝国も全部君のものだ」――これは、誰からも理解されなかった“本物の聖女”が、
ようやく正当に愛され、報われる物語。
※「小説家になろう」にも投稿しています
断罪されていたはずなのですが、成り行きで辺境伯様に連れ去られた結果……。
水上
恋愛
リリア・アシュベリーは婚約者である第二王子ジェラルドと彼の隣にいるイザベラ・ローズによって、断罪されようとしていた。
しかし、その場に現れた辺境伯アルヴィス・グレンデルのおかげで、窮地を脱することができた。
さらに……。
「冤罪は晴らした。だが、ここの空気は知性が欠乏していて息苦しい。行くぞ、リリア。君のような希少な検体を、こんな場所に放置しておくわけにはいかない」
その手は、ジェラルドが一度も握ってくれなかったほど力強く、リリアの手首を引いた。
こうして、成り行きで彼に連れ去られたリリア。
その結果、新たな運命の歯車が動き始めたのだった。
完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました
らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。
そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。
しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような…
完結決定済み
身代わり令嬢、恋した公爵に真実を伝えて去ろうとしたら、絡めとられる(ごめんなさぁぁぁぁい!あなたの本当の婚約者は、私の姉です)
柳葉うら
恋愛
(ごめんなさぁぁぁぁい!)
辺境伯令嬢のウィルマは心の中で土下座した。
結婚が嫌で家出した姉の身代わりをして、誰もが羨むような素敵な公爵様の婚約者として会ったのだが、公爵あまりにも良い人すぎて、申し訳なくて仕方がないのだ。
正直者で面食いな身代わり令嬢と、そんな令嬢のことが実は昔から好きだった策士なヒーローがドタバタとするお話です。
さくっと読んでいただけるかと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる