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第11話 見えない悪霊
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城の通路をしずしずと歩くエミナの背中に声を掛けようとして、私はふと違和感を覚えて、足をとめた。
感じる。悪霊の気配を。
どうして。信じられない思いであたりを見回した。いない。気のせい? 念のためもう一度気配をさぐってみる。いや悪霊がいる、間違いない。愕然とした。ここは皇帝陛下の住まう城。念入りに浄化されているはずだ。事実今まで一度も不穏な気配を感じたことはなかった。そんなところにどうして。
「あら、ハルーティ。どうしたの? 陛下とのイチャイチャはもう済んだの?」
私に気づいたエミナが振り返って、こちらに足を踏み出した。
「エミナ、ストップ。そのまま動かないで」
「え?」
どこだ? どこにいる? わからない。とても奇妙だ。神官の目に見えないなんて。
「今からこのあたり全体に神聖魔法を仕掛けるけど、ビックリしないでね」
不思議そうにまばたきしたエミナに構わず、心の中で祈りを捧げる。それと同時に、あたりに人の気配がないことを確認した。大丈夫、誰も巻き込まずにいけるはず。エミナに魔法がかからないよう祈りの言葉に追加する。こうしてあらかじめ神聖魔法の除外対象も指定しておかないと、巻き込まれてしまうのだ。
だから、もしも誰かがそのへんの物陰なんかにこっそり隠れていたら、セラムの神聖魔法をその身に受けることになってしまう。まあ、でも、死ぬことはないはず。多分。わかんないけど。すべては女神の御心次第だ。
「<こおりつけ>!」
神聖魔法が発動し、あたりが冷えた。ごとっという重たい音がしたので、慌てて振り返ると、凍り付いた悪霊が1体、地面に転がっていた。<こおりつけ>は相手の能力と行動を封じるから、この悪霊の身を隠す力も封じることができたようだ。
「やっぱりいた! でもどうして見えなかったの……いや、それよりとどめを刺さなきゃ」
この状態なら物理攻撃も効く。とどめを刺すための武器になるもの……何も持っていない。ええい、もう足で蹴っ飛ばしてしまうか。いや、それはいくら何でも……。
がしゃん、という音がして、白濁した塊が粉々に割れた。
どこからあらわれたのか、ルタが手にした短剣を悪霊に突き立てたのだ。
「さ、寒い」
ルタは歯をガチガチと鳴らしていた。
「ああっ、ルタ! さては物陰に潜んでましたね。食らったんですね、セラムの神聖魔法を」
こうして、<こおりつけ>を食らっても人は死なないことが判明した。
☆ ☆ ☆
「それじゃあ、すっかり全部吐いてもらいましょうか」
がたがた震えるルタに私は半眼で迫った。
「どんな下心があって物陰に隠れてたんですか。おおん?」
ルタの肩を掴んでゆさぶる。寒さから回復できていないのか、ルタは震えるばかりで何も言わない。
「まさかエミナにつきまとっているんじゃ!」
「違うのよ、ハルーティ」
エミナはこんなときでも、のんびりした口調を崩さない。
「ルタさんには私から頼んでいたの。ここの物陰に隠れていてくださいって」
「エミナが? でも、なんで物陰なんかに……」
にこりと笑う。
「あの人の弱みを握ろうと思って」
「あの人? アーシャのこと?」
「ふふ、そう。私ね、日ごろからルタさんには協力してもらっているのよ」
「え、ルタってエミナの手下か何かなの?」
「違います。ただ利害が一致しているだけですよ」
やっと寒さから解放されたのか、ルタが話し始めた。
「以前私が言ったことを覚えていますか。サーニスラ教の神官がクソ女だったら、あなたの味方をすると」
そういえばそんなこともあったなあ。
「どうもクソ女の気配が濃厚なのでね。あなたの味方をしてあげようと思いまして。ああいう女は陛下のおそばに置いておきたくない」
「そう。だから、先手を打って、あの人の弱みを掴んでやろうっていう話になったの。ハルーティの邪魔をするものは排除しておいたほうがいいでしょう?」
二人とも優しげな微笑を浮かべているが、なんか怖いことを言っているような。
「それで、なんでルタは隠れていたの?」
「ああ、それはね、さっきアーシャさんが、そこに盗品を隠したからよ」
「盗品!?」
言われて柱の陰を調べてみると、金の指輪と銀のナイフ数本が隠されているのを見つけた。指輪は陛下のものだな。いつも薬指にはめているやつだ。おそらく純金製だ。銀のナイフはさっきの食事のときに出されたものだろう。銀製だから高価とは言えないが、安物というわけでもない。
「アーシャさんって盗癖があるみたい。彼女はきのう私の仕事部屋にやってきて大事な羽ペンを盗んでいったわ」
「私もカエルの文鎮を盗まれました。あれは悪神を倒す旅の途中で陛下に買っていただいたもので、大切にしているものなんですけどね。あのクソ女、この城に来てまだ数日だというのに、手当たり次第に盗みを働いているようです」
ああ、サソリシスターズ(姉)が泥棒だったなんて。(妹)は悲しいぞ。
「さっきの宴でも怪しい動きをしているのを見かけたの。こっそり後をつけたら、ここに盗品を隠していったのよ。きっとあとで取りに戻ってくるだろうから、待ち伏せして脅そうってルタさんと話していたのよ。ふふっ」
おっとり口調ですごいことを言う。
「それより……」
ルタが険しい顔をした。
「なぜ悪霊が城の中にいたんですか。ハルーティ、どういうことですか」
「済みません、私にもわからないんです。しかも、さっきの悪霊は姿が見えなかった……」
ルタはぎょっとした顔になった。私は情けなくて縮こまる。
「どういうことです。セラムの神官には悪霊が見るはずでは!?」
「そうなんですけど……。でも、見えませんでした。だから、範囲攻撃を仕掛けるしかなくて、それでルタが神聖魔法に巻き込まれるはめになったんですよ」
「一体何が起きているんですか……」
ルタが本気で考え込んでいる。
「一番の専門家であるハルーティにわからないのなら、誰にもわからないわ」
エミナがのんびりと言った。
「これは非常事態ですね。ハルーティ、今後のことはわかっていますね?」
「はい、もちろんわかってます。城に悪霊がいないか毎日くまなくチェックして、発見したら退治します」
「頼みますよ。サーニスラの泥棒神官は当てに出来ませんし、セラムの神官はあなたしかいないんですから」
頷く。頑張らなくては。神官としてみんなを守らなくては。
ルタは指輪とナイフを拾い上げた。
「これらは窃盗の証拠品としてはもう使えません。ハルーティがかかわってしまいましたから。もしもこれを証拠として出したなら、あのクソ女はきっとハルーティに罪を押し付けるでしょう」
「そうね。ハルーティとは全然関係ないところで始末しないとね」
し、始末……?
「手癖の悪いクソ女のことです。どうせまた何かやらかすことでしょうから、その機会を待ちましょう。ハルーティ、これを」
指輪を手渡された。
「この指輪はハルーティが陛下に返しておいてください」
「私が?」
「ええ。アーシャが盗んだと言ってもいいし、言わなくても良い。おまかせしますよ」
「おまかせしますって言われても……」
「それじゃあ、私は予定があるから、そろそろ失礼するね」
エミナとルタは二人そろって歩いていった。「ハルーティはどうするのかしら。陛下に本当のことを言うかしら」「賭けますか?」そんな冗談を言い合いながら。
ひとり残された私は、救いを求めるように首からさげているムーンドロップに触れた。ひんやりとした感触に、しかし慰められることはなかった。
心が重い。悪霊が見えなかったことが思った以上に心に影を落としている。不安だ。どうしよう、誰かが悪霊に襲われて、それに気づかなかったら。これからは常に気を張っておかなければ。
もう一方の手のひらをひらいて、握り込んでいた金の指輪を見つめた。大きいのは剣の訓練をしている人の指輪だからだろうか。それに男の人だからかな。指輪の表面を撫でていたら、少し気持ちが落ち着いた。
それ以来、城には悪霊がたびたび出現するようになった。やっぱり目には見えない。幸い気配は感じるから退治できているけれど、こんなことは初めてだった。
これはもう私一人でどうにかできる問題ではない。
私はセラム教団に手紙を書いた。神官の派遣を要請したのだ。
ゼマリウス山へ手紙が届いて神官がこの城にやってくるまで、一体どれぐらいの日数がかかるのか。どんなに早くても一カ月はかかるだろう。助けがくるまで、ひとりで頑張るしかない。
感じる。悪霊の気配を。
どうして。信じられない思いであたりを見回した。いない。気のせい? 念のためもう一度気配をさぐってみる。いや悪霊がいる、間違いない。愕然とした。ここは皇帝陛下の住まう城。念入りに浄化されているはずだ。事実今まで一度も不穏な気配を感じたことはなかった。そんなところにどうして。
「あら、ハルーティ。どうしたの? 陛下とのイチャイチャはもう済んだの?」
私に気づいたエミナが振り返って、こちらに足を踏み出した。
「エミナ、ストップ。そのまま動かないで」
「え?」
どこだ? どこにいる? わからない。とても奇妙だ。神官の目に見えないなんて。
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不思議そうにまばたきしたエミナに構わず、心の中で祈りを捧げる。それと同時に、あたりに人の気配がないことを確認した。大丈夫、誰も巻き込まずにいけるはず。エミナに魔法がかからないよう祈りの言葉に追加する。こうしてあらかじめ神聖魔法の除外対象も指定しておかないと、巻き込まれてしまうのだ。
だから、もしも誰かがそのへんの物陰なんかにこっそり隠れていたら、セラムの神聖魔法をその身に受けることになってしまう。まあ、でも、死ぬことはないはず。多分。わかんないけど。すべては女神の御心次第だ。
「<こおりつけ>!」
神聖魔法が発動し、あたりが冷えた。ごとっという重たい音がしたので、慌てて振り返ると、凍り付いた悪霊が1体、地面に転がっていた。<こおりつけ>は相手の能力と行動を封じるから、この悪霊の身を隠す力も封じることができたようだ。
「やっぱりいた! でもどうして見えなかったの……いや、それよりとどめを刺さなきゃ」
この状態なら物理攻撃も効く。とどめを刺すための武器になるもの……何も持っていない。ええい、もう足で蹴っ飛ばしてしまうか。いや、それはいくら何でも……。
がしゃん、という音がして、白濁した塊が粉々に割れた。
どこからあらわれたのか、ルタが手にした短剣を悪霊に突き立てたのだ。
「さ、寒い」
ルタは歯をガチガチと鳴らしていた。
「ああっ、ルタ! さては物陰に潜んでましたね。食らったんですね、セラムの神聖魔法を」
こうして、<こおりつけ>を食らっても人は死なないことが判明した。
☆ ☆ ☆
「それじゃあ、すっかり全部吐いてもらいましょうか」
がたがた震えるルタに私は半眼で迫った。
「どんな下心があって物陰に隠れてたんですか。おおん?」
ルタの肩を掴んでゆさぶる。寒さから回復できていないのか、ルタは震えるばかりで何も言わない。
「まさかエミナにつきまとっているんじゃ!」
「違うのよ、ハルーティ」
エミナはこんなときでも、のんびりした口調を崩さない。
「ルタさんには私から頼んでいたの。ここの物陰に隠れていてくださいって」
「エミナが? でも、なんで物陰なんかに……」
にこりと笑う。
「あの人の弱みを握ろうと思って」
「あの人? アーシャのこと?」
「ふふ、そう。私ね、日ごろからルタさんには協力してもらっているのよ」
「え、ルタってエミナの手下か何かなの?」
「違います。ただ利害が一致しているだけですよ」
やっと寒さから解放されたのか、ルタが話し始めた。
「以前私が言ったことを覚えていますか。サーニスラ教の神官がクソ女だったら、あなたの味方をすると」
そういえばそんなこともあったなあ。
「どうもクソ女の気配が濃厚なのでね。あなたの味方をしてあげようと思いまして。ああいう女は陛下のおそばに置いておきたくない」
「そう。だから、先手を打って、あの人の弱みを掴んでやろうっていう話になったの。ハルーティの邪魔をするものは排除しておいたほうがいいでしょう?」
二人とも優しげな微笑を浮かべているが、なんか怖いことを言っているような。
「それで、なんでルタは隠れていたの?」
「ああ、それはね、さっきアーシャさんが、そこに盗品を隠したからよ」
「盗品!?」
言われて柱の陰を調べてみると、金の指輪と銀のナイフ数本が隠されているのを見つけた。指輪は陛下のものだな。いつも薬指にはめているやつだ。おそらく純金製だ。銀のナイフはさっきの食事のときに出されたものだろう。銀製だから高価とは言えないが、安物というわけでもない。
「アーシャさんって盗癖があるみたい。彼女はきのう私の仕事部屋にやってきて大事な羽ペンを盗んでいったわ」
「私もカエルの文鎮を盗まれました。あれは悪神を倒す旅の途中で陛下に買っていただいたもので、大切にしているものなんですけどね。あのクソ女、この城に来てまだ数日だというのに、手当たり次第に盗みを働いているようです」
ああ、サソリシスターズ(姉)が泥棒だったなんて。(妹)は悲しいぞ。
「さっきの宴でも怪しい動きをしているのを見かけたの。こっそり後をつけたら、ここに盗品を隠していったのよ。きっとあとで取りに戻ってくるだろうから、待ち伏せして脅そうってルタさんと話していたのよ。ふふっ」
おっとり口調ですごいことを言う。
「それより……」
ルタが険しい顔をした。
「なぜ悪霊が城の中にいたんですか。ハルーティ、どういうことですか」
「済みません、私にもわからないんです。しかも、さっきの悪霊は姿が見えなかった……」
ルタはぎょっとした顔になった。私は情けなくて縮こまる。
「どういうことです。セラムの神官には悪霊が見るはずでは!?」
「そうなんですけど……。でも、見えませんでした。だから、範囲攻撃を仕掛けるしかなくて、それでルタが神聖魔法に巻き込まれるはめになったんですよ」
「一体何が起きているんですか……」
ルタが本気で考え込んでいる。
「一番の専門家であるハルーティにわからないのなら、誰にもわからないわ」
エミナがのんびりと言った。
「これは非常事態ですね。ハルーティ、今後のことはわかっていますね?」
「はい、もちろんわかってます。城に悪霊がいないか毎日くまなくチェックして、発見したら退治します」
「頼みますよ。サーニスラの泥棒神官は当てに出来ませんし、セラムの神官はあなたしかいないんですから」
頷く。頑張らなくては。神官としてみんなを守らなくては。
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し、始末……?
「手癖の悪いクソ女のことです。どうせまた何かやらかすことでしょうから、その機会を待ちましょう。ハルーティ、これを」
指輪を手渡された。
「この指輪はハルーティが陛下に返しておいてください」
「私が?」
「ええ。アーシャが盗んだと言ってもいいし、言わなくても良い。おまかせしますよ」
「おまかせしますって言われても……」
「それじゃあ、私は予定があるから、そろそろ失礼するね」
エミナとルタは二人そろって歩いていった。「ハルーティはどうするのかしら。陛下に本当のことを言うかしら」「賭けますか?」そんな冗談を言い合いながら。
ひとり残された私は、救いを求めるように首からさげているムーンドロップに触れた。ひんやりとした感触に、しかし慰められることはなかった。
心が重い。悪霊が見えなかったことが思った以上に心に影を落としている。不安だ。どうしよう、誰かが悪霊に襲われて、それに気づかなかったら。これからは常に気を張っておかなければ。
もう一方の手のひらをひらいて、握り込んでいた金の指輪を見つめた。大きいのは剣の訓練をしている人の指輪だからだろうか。それに男の人だからかな。指輪の表面を撫でていたら、少し気持ちが落ち着いた。
それ以来、城には悪霊がたびたび出現するようになった。やっぱり目には見えない。幸い気配は感じるから退治できているけれど、こんなことは初めてだった。
これはもう私一人でどうにかできる問題ではない。
私はセラム教団に手紙を書いた。神官の派遣を要請したのだ。
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