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第1部 第66話
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役場から先輩がアッシュの事務所へ訪れてた日の演説は、トウの町の中心部から少し外れていた事もあり、恐れていたような状況もなく、いつもと変わらない雰囲気のまま終える事が出来た。
だが、一仕事終えて事務所へ戻ると、事務所は大変な状況になっていた。
入り口の扉が壊され、窓も投石により割られ、駐屯騎士団が駆け付ける騒ぎになっていた。
おまけに、留守を守っていた手伝い人が怪我をしており被害は大きかった。
「まさか、こんな事になるなんて・・・」
投げ入れられた石には紙が巻かれ、その紙には、「税金泥棒!」と大きく赤字で書かれていた。
そんな石が、割れたガラスと共に、数個床に散乱している・・・
怪我をした手伝い人は、投げ入れられた石が足の脛に当たり、打撲と少しの出血があるだけだったのが幸いだ。
ただ、このまま、ここでの仕事は厳しいのは、見ただけで解る状況だである。
そんな沈み切った状況のところへ、騒ぎを耳にしたカルロが部下の一人とやって来た。
「お前ら、大丈夫か?」
カルロは、怪我をしている手伝い人を見つけて、眉間に大きな皺を刻んだ。
「怪我人は一人か?」
ぐるりと周りを見渡してから、カルロが再度確認をしてきた。
「はい、大半が事務所を出ていて、演説へ向かっていたので、騒動にも合ってなくて。留守番組の数人が巻き込まれたようです」
アッシュが青い顔をしながら、自分の見聞きした状況を伝える。
その言葉に、カルロが頷き、「取り敢えず、怪我人はハロルド商会へ連れて行って、医者に見て貰おう」と、傍にいた者へ指示を行っていく。
「ここは、暫く使えないな。とりあえず、大事なものなど、ハロルド商会へ運んでおけ。事務所の代わりは、明日には用意しておく」
カルロが、傍にいた手伝い人へ説明し、事務所の移動の準備をさせていった。
「お前たちも片付いたら、ハロルド商会に来てくれ、今後について話をしよう」
カルロはそう言葉を言い残して、一旦、アッシュらと別れて出て行った。
残されたアッシュたちは、床に広がるガラスや石へ再び目を向けて、ため息を零した。
冤罪だというのに、誰も疑こともなく、ケントらの噂を鵜呑みにして、こんなことまでやるなんて!!
片付けながら、アッシュは怒りが込み上げてくる。
そんな思いを抱きながら、小さなガラスを拾おうとしたところ、怒りからか、冷静な判断が出来なかったようで、アッシュは目測を誤り、小さなガラスで指先を切ってしまったのだった。
「いてっ・・」
自分の人差し指から、血が滲み出てくるのを、アッシュは暫し凝視していた。
「クソ!」
アッシュは、滲み出てくる血を見ていると、余計に怒りがフツフツと沸いてきてしまった。
そんなアッシュを見て、ロビンがハンカチを差し出してきた。
「お義兄さん、これで止血してください」
ロビンも悔しそうな顔を見せながら、アッシュに「ここは自分らでやりますから」と落ち着かせるように促した。
アッシュは、傍にあった椅子へ腰かけながら、ロビンに「すまない」と言って目を伏せて謝罪した。
「あんまり気にするな。やり過ぎだが、あっちこそ、追い込まれて来ているんだろうよ」
ラドがガラスを片付けながら、落ち込み気味な姿にあるアッシュへそう声を掛けた。
だが、アッシュはそれには答えれなかった。
ロビンはそんな義兄を気遣い、ラドへ「とにかく、早く片付けて、カルロのところへ向かおう」と囁いた。
皆の協力もあり、荷物の搬入と、荒らされた室内の片づけも終わり、手伝い人に今日のことへの労いの言葉を掛け、彼らを見送ってから、アッシュたちは、カルロがいるハロルド商会の重役がいるフロアへと足を向けた。
「終わったか?」
アッシュたちは、カルロが自室としている秘書室へ入ると、カルロがにこやかに迎え入れてくれた。
「はい、何とか、私以外、皆が協力してくれたので」
うん?と、アッシュの言葉に、少し疑問が浮かんだが、カルロは「早く片付いて良かった」と合わせてくれた。
「しかし、ビックリしたよ」
ロビンが勝手知ったる我が家の如く、誰よりも先にソファーに腰かけて寛ぎだした。
「今日、町で流れていた例の噂が原因か?」
カルロがアッシュにも座る様に勧めながら、そう話し出した。
アッシュは、カルロの言葉に甘え、ロビンの横へ腰を下ろして座ると、ラドは、アッシュが座ったのを確認してから、手短なとこにある椅子を引き寄せて座り込んだ。
「ええ、今朝、私はもう家を出ていたんですが、我が家の方へケントが尋ねてきたようで。それで妹が報せに来てくれて、そしたら、今度は役場からも私の先輩が訪ねて来られて、どうやら、ケントたちが色々と、私が役場で働いていた時から私を嵌める工作をしていたようなんです」
アッシュが苦い顔をしながら、カルロにこれまでの話を伝え出した。
「なる程な・・」
カルロは、アッシュらの対面のソファーに腰かけた状態で聞いていたが、次第に、腕を組みだし、口元を歪めだした。
「とりあえず、明日からの事務所はどうするんだ?」
ラドが、そんなカルロに向き合い、確認をしてきた。
「あぁ、それだが。今、ハロルド商会の倉庫みたいに使ってる建物の一つを空けさせるように動かしている。場所としては、中心から少し外れるが、今はその方がいいだろう?」
カルロがそう言いながら、カチャリと音をさせて、スペアのカギをソファーの前にあるテーブルへ乗せて見せた。
「ありがとうございます」
アッシュは、その鍵を受け取り、胸ポケットへ押し込んだ。
「事務所は明日にでも業者を入れて、修繕はするように動くが、選挙が終わる前に修繕が終わるかは保証はできないな」
すまないが、とカルロはアッシュへ伝えた。
「いえ、場所の提供さえあれば、何とかなりますので」
アッシュも肩を窄めて、カルロに返事を返した。
「ところで、明日からの動きはどうするんだ?」
カルロが姿勢を正してから、アッシュ、ロビン、ラドへ視線を巡らしていく。
アッシュもまた、ロビンとラドへ目をやってから、カルロに向き直り
「自分としては、このまま引くつもりはないです。まあ、状況からして、明日からの演説には相当の覚悟と、対策を練らねばとは思ってはいますが、私は、不正も横領の加担もしていない。ここで怯むと、こんな手を使ってまでしてくる奴らに、また、この町は言いようにされると言う事になる。そんなこと、私は絶対にさせたくない。だから、明日も普通に演説に挑みますよ」
そう、はっきりと宣言をしたのだった。
その言葉に、カルロはニヤリと笑い、「わかった。アッシュくんの意気込みを支えるようにしよう。今日からうちのお抱えの警備できる者を貸すよ」と伝えた。
「えっ?今日からですか?」
カルロの言葉に、アッシュが少し困惑する。
「今の所、何の騒ぎも連絡も無いから大丈夫かと思うが、アッシュくんの家、警備した方がいいかもな?」
カルロの言葉に、アッシュとロビンが顔を合わせて思わず立ち上がる。
「カルロ、悪いけど、すぐに、警備の者へ連絡してくれよ!」
ロビンが、慌てふためくようにカルロへ飛び掛かりお願いをしだす。
「おっ、おい!、わかったから。やめろロビン!それにもう、家には派遣させているから安心しろ!」
ロビンに上着の襟首を持たれ、前後に揺さぶられていたカルロが声を張り上げて、ロビンを制止させた。
アッシュは、カルロの言葉に安堵し、「ありがとうございます」と改めて礼を伝えたのだった。
一方、ロビンは「早く言えよ!メイやフェイに何かあったらと怖くなっただろうが!」と未だお怒り気味だが・・
「まあ、とにかく、後少しだ。慎重に動いて行こう」
カルロが、襟首を整えながら話していると、ラドが「エディからは連絡ねーのかよ?」と聞いて来た。
「あれから一度もないな・・」
カルロは、首を横に振り、エディたちによる王都での動きはわからないと教えてくれた。
「所長が見つかり、こっちに戻ってくれたら、この横領事件も冤罪だとわかるのにな・・」
カルロの言葉に、アッシュは唇を噛みしめながら、エディたちへ思いを繋げたのだった。
だが、一仕事終えて事務所へ戻ると、事務所は大変な状況になっていた。
入り口の扉が壊され、窓も投石により割られ、駐屯騎士団が駆け付ける騒ぎになっていた。
おまけに、留守を守っていた手伝い人が怪我をしており被害は大きかった。
「まさか、こんな事になるなんて・・・」
投げ入れられた石には紙が巻かれ、その紙には、「税金泥棒!」と大きく赤字で書かれていた。
そんな石が、割れたガラスと共に、数個床に散乱している・・・
怪我をした手伝い人は、投げ入れられた石が足の脛に当たり、打撲と少しの出血があるだけだったのが幸いだ。
ただ、このまま、ここでの仕事は厳しいのは、見ただけで解る状況だである。
そんな沈み切った状況のところへ、騒ぎを耳にしたカルロが部下の一人とやって来た。
「お前ら、大丈夫か?」
カルロは、怪我をしている手伝い人を見つけて、眉間に大きな皺を刻んだ。
「怪我人は一人か?」
ぐるりと周りを見渡してから、カルロが再度確認をしてきた。
「はい、大半が事務所を出ていて、演説へ向かっていたので、騒動にも合ってなくて。留守番組の数人が巻き込まれたようです」
アッシュが青い顔をしながら、自分の見聞きした状況を伝える。
その言葉に、カルロが頷き、「取り敢えず、怪我人はハロルド商会へ連れて行って、医者に見て貰おう」と、傍にいた者へ指示を行っていく。
「ここは、暫く使えないな。とりあえず、大事なものなど、ハロルド商会へ運んでおけ。事務所の代わりは、明日には用意しておく」
カルロが、傍にいた手伝い人へ説明し、事務所の移動の準備をさせていった。
「お前たちも片付いたら、ハロルド商会に来てくれ、今後について話をしよう」
カルロはそう言葉を言い残して、一旦、アッシュらと別れて出て行った。
残されたアッシュたちは、床に広がるガラスや石へ再び目を向けて、ため息を零した。
冤罪だというのに、誰も疑こともなく、ケントらの噂を鵜呑みにして、こんなことまでやるなんて!!
片付けながら、アッシュは怒りが込み上げてくる。
そんな思いを抱きながら、小さなガラスを拾おうとしたところ、怒りからか、冷静な判断が出来なかったようで、アッシュは目測を誤り、小さなガラスで指先を切ってしまったのだった。
「いてっ・・」
自分の人差し指から、血が滲み出てくるのを、アッシュは暫し凝視していた。
「クソ!」
アッシュは、滲み出てくる血を見ていると、余計に怒りがフツフツと沸いてきてしまった。
そんなアッシュを見て、ロビンがハンカチを差し出してきた。
「お義兄さん、これで止血してください」
ロビンも悔しそうな顔を見せながら、アッシュに「ここは自分らでやりますから」と落ち着かせるように促した。
アッシュは、傍にあった椅子へ腰かけながら、ロビンに「すまない」と言って目を伏せて謝罪した。
「あんまり気にするな。やり過ぎだが、あっちこそ、追い込まれて来ているんだろうよ」
ラドがガラスを片付けながら、落ち込み気味な姿にあるアッシュへそう声を掛けた。
だが、アッシュはそれには答えれなかった。
ロビンはそんな義兄を気遣い、ラドへ「とにかく、早く片付けて、カルロのところへ向かおう」と囁いた。
皆の協力もあり、荷物の搬入と、荒らされた室内の片づけも終わり、手伝い人に今日のことへの労いの言葉を掛け、彼らを見送ってから、アッシュたちは、カルロがいるハロルド商会の重役がいるフロアへと足を向けた。
「終わったか?」
アッシュたちは、カルロが自室としている秘書室へ入ると、カルロがにこやかに迎え入れてくれた。
「はい、何とか、私以外、皆が協力してくれたので」
うん?と、アッシュの言葉に、少し疑問が浮かんだが、カルロは「早く片付いて良かった」と合わせてくれた。
「しかし、ビックリしたよ」
ロビンが勝手知ったる我が家の如く、誰よりも先にソファーに腰かけて寛ぎだした。
「今日、町で流れていた例の噂が原因か?」
カルロがアッシュにも座る様に勧めながら、そう話し出した。
アッシュは、カルロの言葉に甘え、ロビンの横へ腰を下ろして座ると、ラドは、アッシュが座ったのを確認してから、手短なとこにある椅子を引き寄せて座り込んだ。
「ええ、今朝、私はもう家を出ていたんですが、我が家の方へケントが尋ねてきたようで。それで妹が報せに来てくれて、そしたら、今度は役場からも私の先輩が訪ねて来られて、どうやら、ケントたちが色々と、私が役場で働いていた時から私を嵌める工作をしていたようなんです」
アッシュが苦い顔をしながら、カルロにこれまでの話を伝え出した。
「なる程な・・」
カルロは、アッシュらの対面のソファーに腰かけた状態で聞いていたが、次第に、腕を組みだし、口元を歪めだした。
「とりあえず、明日からの事務所はどうするんだ?」
ラドが、そんなカルロに向き合い、確認をしてきた。
「あぁ、それだが。今、ハロルド商会の倉庫みたいに使ってる建物の一つを空けさせるように動かしている。場所としては、中心から少し外れるが、今はその方がいいだろう?」
カルロがそう言いながら、カチャリと音をさせて、スペアのカギをソファーの前にあるテーブルへ乗せて見せた。
「ありがとうございます」
アッシュは、その鍵を受け取り、胸ポケットへ押し込んだ。
「事務所は明日にでも業者を入れて、修繕はするように動くが、選挙が終わる前に修繕が終わるかは保証はできないな」
すまないが、とカルロはアッシュへ伝えた。
「いえ、場所の提供さえあれば、何とかなりますので」
アッシュも肩を窄めて、カルロに返事を返した。
「ところで、明日からの動きはどうするんだ?」
カルロが姿勢を正してから、アッシュ、ロビン、ラドへ視線を巡らしていく。
アッシュもまた、ロビンとラドへ目をやってから、カルロに向き直り
「自分としては、このまま引くつもりはないです。まあ、状況からして、明日からの演説には相当の覚悟と、対策を練らねばとは思ってはいますが、私は、不正も横領の加担もしていない。ここで怯むと、こんな手を使ってまでしてくる奴らに、また、この町は言いようにされると言う事になる。そんなこと、私は絶対にさせたくない。だから、明日も普通に演説に挑みますよ」
そう、はっきりと宣言をしたのだった。
その言葉に、カルロはニヤリと笑い、「わかった。アッシュくんの意気込みを支えるようにしよう。今日からうちのお抱えの警備できる者を貸すよ」と伝えた。
「えっ?今日からですか?」
カルロの言葉に、アッシュが少し困惑する。
「今の所、何の騒ぎも連絡も無いから大丈夫かと思うが、アッシュくんの家、警備した方がいいかもな?」
カルロの言葉に、アッシュとロビンが顔を合わせて思わず立ち上がる。
「カルロ、悪いけど、すぐに、警備の者へ連絡してくれよ!」
ロビンが、慌てふためくようにカルロへ飛び掛かりお願いをしだす。
「おっ、おい!、わかったから。やめろロビン!それにもう、家には派遣させているから安心しろ!」
ロビンに上着の襟首を持たれ、前後に揺さぶられていたカルロが声を張り上げて、ロビンを制止させた。
アッシュは、カルロの言葉に安堵し、「ありがとうございます」と改めて礼を伝えたのだった。
一方、ロビンは「早く言えよ!メイやフェイに何かあったらと怖くなっただろうが!」と未だお怒り気味だが・・
「まあ、とにかく、後少しだ。慎重に動いて行こう」
カルロが、襟首を整えながら話していると、ラドが「エディからは連絡ねーのかよ?」と聞いて来た。
「あれから一度もないな・・」
カルロは、首を横に振り、エディたちによる王都での動きはわからないと教えてくれた。
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