74 / 78
第1部 第74話
しおりを挟む
今、トウの町は、選挙の投票が間近に迫り、心なしか町全体が落ち着かないように見える。
そんな中、アッシュたちは幟を掲げ馬に跨り、町中を駆け巡り大きな声を張り上げて『最後のお願い』をしていたのだった。
残すところもう僅かとなっての今、この選挙を制す為に最後の最後まで精一杯アッシュは自分に出来る事を行っていた。
だが、一方ではまだ、残念ながら役場の横領疑惑は晴れておらず、行く先に寄っては、冷ややかな視線が浴びせられているのも事実であった。
しかし、自分を信じてくれる多くの人の為にも、アッシュは気持ちを切り替えて、どんな目線や言葉にも笑顔を絶やさずに応戦していく。
『負けてなるものか!』
苦しい立場は変わらないが、私は負けられないんだ!
そう心で誓い、アッシュは奮闘している。
そんなアッシュをロビンやラドが脇を支えていた。
二人も、苦い思いを何度も浴びせられながらではあったが、アッシュの奮闘している姿を目にする中、自然と彼を支えるように動いていた。
そう、事務所の皆は、現状に於いて苦戦を強いられている中でも、アッシュのひたむきな姿に胸を打たれ心ひとつとなり、この最後の大きな山場を乗り越えようと、全力で挑んでいたのだった。
「あれは?」
町中を駆け巡っている時、アッシュたちの向かう先から同じような幟を掲げた派手な一団がやって来た。
その相手は、勿論、対抗馬であるケーシー陣営である。
「よぉ!色々とあったようだが、立て直しができたんだな?」
ケーシーは、アッシュたちをそう言いながらジロジロと見渡している。
「お陰様で、ありもしない疑惑を掛けられて、一時はどうなる事かと思ったけれど、私を信じてくれる多くの人に支えられて、何とかここまでこれたよ」
アッシュは、ケーシーの言葉に対してギロリと睨みつけて、少し、勝ち誇った顔を見せる。
「へえー、疑惑ねえ。火のない所に煙は立たないって言うが、本当にそれが疑惑で終われたらいいけどなぁ?」
ケーシーもまた、せせら笑いながらアッシュを追い込みにかかる。
「どいう事だ?本人が身に覚えがないと話しているんだ。そこを突いてくる辺り、案外、そちらが関与していると取れるが?」
ケーシーの言葉に負けじとアッシュもやり返すと・・
「ふっ、ふざけるな!何故、役場でのことに俺が関与しなければならないんだ!お、俺は一切知らない、知らないからな!」
急に、ケーシーが顔を赤らめて大声を出して、怒ったように否定しだす。
「あぁ、これは確実に黒だな」
ポツリとラドが呟くと、その言葉がケーシーの耳に上手く届いたらしく、ケーシーはラドに近寄っていく。
「な、何だ!俺は横領の件は知らないって言ってるだろうがっ!」
馬上に跨ったまま、ケーシーはラドの元へ行き睨みつける。
「知らないなら、それでいいんじゃないか?わざわざ噛みつく辺り、何かあるのかと勘繰るんだがなぁ?」
美しい顔にラドの方は、嫌らしくニヤリと笑みを湛える。
その仕草に、ケーシーは見透かされたように思えてしまい、カァっとなってラドの胸倉を掴んでいた。
「へぇー、お前がやっぱり主犯か?」
尚も、ラドが煽るようにケーシーに向かって言葉を言い放つ。
その様子に、さすがのアッシュも駆け寄り、二人の間に割り込んだ。
「やめろ!選挙も終わりに近づいているんだ。ここに来て、みっともない事はするな!」
アッシュの言葉に、ラドは至って冷静な顔でケーシーから距離を取るが、ケーシーはぐっと奥歯を噛みしめて睨み付ける。
「互いに色々とあったが、これまで通り、正々堂々と最後の日を迎えようじゃないか?」
睨み付けてくるケーシーにアッシュは、そう言葉を掛けるが、ケーシーはその言葉を無視してから、そのまま、自分の事務所の連中に声も掛けずに先に駆け出していく。
ケーシーの事務所の者は、立ち去るケーシーの姿に、一瞬、驚きつつも慌ててケーシーの後を追いかけて行った。
その一連の様子を、アッシュたちは暫し、呆然と見つめていた。
「あいつ、大丈夫か?」
ロビンが首を掲げながら、ケーシーが掛けて行った方を振り向きながらそう言ってきた。
確かに、絡んできたのはあっちだったから、こちらも弁明の意も込めて返したのだが、ケーシーの思わぬ狼狽えぶりを目にしてしまった。
本人は仕切りに、アッシュの横領疑惑については関与を否定していたが、少し突いただけで顔色までが変わった。
何か知っているのは確実だ。
ケーシー自身は本人が言う通り関わってはいないが、今回の件について、奴は主犯を知っているんだろう。
しかも、その主犯が表に出れば、自分の立場が危うくなることも・・・
アッシュはそんな事を思いながら、ラドに向き直り口を開く。
「お前、わざと煽っただろう?あの場で、ケーシーに何らかのアクションを出さす為に・・」
ケーシーの狼狽えっぷりが目に入り、ラドが、この勢いで、疑惑の中身を暴露させるように仕向けたのだろう。
もし、あの時、アッシュが間に入らず、ケーシーに一発喰らわされたとしても、それはそれで、駐屯騎士の元へしょっ引く考えもあったんじゃないかと、アッシュは思っていた。
「さァ?」
しかし、ラドは「そんなことは思っちゃいないよ」と言いだし、馬を歩かせだす。
その姿に、アッシュは「相変わらず、素直じゃないやつ」とため息を零しつつ、少し微笑みを顔にきたす。
「ねえ、さっきのケーシーの話、本当に、あいつは知らないのかな?」
急に、ロビンがそんなことを口にし出した。
「知っているから、俺に喰ってかかって来たんだろうが?」
ラドが、ロビンの問い掛けに遠い目をしながら答える。
「じゃあ、やっぱり知っているんだよなぁ。知っておきながら、あいつはそれでも選挙に挑んでるんだよな・・・」
「何を当たり前の事を!」と言いながら、ラドが眉間に皺を大きく刻み込んでいた。
「いや、あいつ、苦しいのかと思って」
ロビンがケーシーが行った先を見つめながらそう言った。
「苦しい?そんな奴が、吹っ掛けて来るかよ!」
ラドがイライラしながらも、ロビンに言葉を返した。
「そうなんだけど。何か、上手く言えないけど。あいつ、凄く葛藤しているようにも見えて」
ロビンの言葉に、アッシュもケーシーが進んだ先を振り返り、彼の立場を思い起こしたのだった。
そんな中、アッシュたちは幟を掲げ馬に跨り、町中を駆け巡り大きな声を張り上げて『最後のお願い』をしていたのだった。
残すところもう僅かとなっての今、この選挙を制す為に最後の最後まで精一杯アッシュは自分に出来る事を行っていた。
だが、一方ではまだ、残念ながら役場の横領疑惑は晴れておらず、行く先に寄っては、冷ややかな視線が浴びせられているのも事実であった。
しかし、自分を信じてくれる多くの人の為にも、アッシュは気持ちを切り替えて、どんな目線や言葉にも笑顔を絶やさずに応戦していく。
『負けてなるものか!』
苦しい立場は変わらないが、私は負けられないんだ!
そう心で誓い、アッシュは奮闘している。
そんなアッシュをロビンやラドが脇を支えていた。
二人も、苦い思いを何度も浴びせられながらではあったが、アッシュの奮闘している姿を目にする中、自然と彼を支えるように動いていた。
そう、事務所の皆は、現状に於いて苦戦を強いられている中でも、アッシュのひたむきな姿に胸を打たれ心ひとつとなり、この最後の大きな山場を乗り越えようと、全力で挑んでいたのだった。
「あれは?」
町中を駆け巡っている時、アッシュたちの向かう先から同じような幟を掲げた派手な一団がやって来た。
その相手は、勿論、対抗馬であるケーシー陣営である。
「よぉ!色々とあったようだが、立て直しができたんだな?」
ケーシーは、アッシュたちをそう言いながらジロジロと見渡している。
「お陰様で、ありもしない疑惑を掛けられて、一時はどうなる事かと思ったけれど、私を信じてくれる多くの人に支えられて、何とかここまでこれたよ」
アッシュは、ケーシーの言葉に対してギロリと睨みつけて、少し、勝ち誇った顔を見せる。
「へえー、疑惑ねえ。火のない所に煙は立たないって言うが、本当にそれが疑惑で終われたらいいけどなぁ?」
ケーシーもまた、せせら笑いながらアッシュを追い込みにかかる。
「どいう事だ?本人が身に覚えがないと話しているんだ。そこを突いてくる辺り、案外、そちらが関与していると取れるが?」
ケーシーの言葉に負けじとアッシュもやり返すと・・
「ふっ、ふざけるな!何故、役場でのことに俺が関与しなければならないんだ!お、俺は一切知らない、知らないからな!」
急に、ケーシーが顔を赤らめて大声を出して、怒ったように否定しだす。
「あぁ、これは確実に黒だな」
ポツリとラドが呟くと、その言葉がケーシーの耳に上手く届いたらしく、ケーシーはラドに近寄っていく。
「な、何だ!俺は横領の件は知らないって言ってるだろうがっ!」
馬上に跨ったまま、ケーシーはラドの元へ行き睨みつける。
「知らないなら、それでいいんじゃないか?わざわざ噛みつく辺り、何かあるのかと勘繰るんだがなぁ?」
美しい顔にラドの方は、嫌らしくニヤリと笑みを湛える。
その仕草に、ケーシーは見透かされたように思えてしまい、カァっとなってラドの胸倉を掴んでいた。
「へぇー、お前がやっぱり主犯か?」
尚も、ラドが煽るようにケーシーに向かって言葉を言い放つ。
その様子に、さすがのアッシュも駆け寄り、二人の間に割り込んだ。
「やめろ!選挙も終わりに近づいているんだ。ここに来て、みっともない事はするな!」
アッシュの言葉に、ラドは至って冷静な顔でケーシーから距離を取るが、ケーシーはぐっと奥歯を噛みしめて睨み付ける。
「互いに色々とあったが、これまで通り、正々堂々と最後の日を迎えようじゃないか?」
睨み付けてくるケーシーにアッシュは、そう言葉を掛けるが、ケーシーはその言葉を無視してから、そのまま、自分の事務所の連中に声も掛けずに先に駆け出していく。
ケーシーの事務所の者は、立ち去るケーシーの姿に、一瞬、驚きつつも慌ててケーシーの後を追いかけて行った。
その一連の様子を、アッシュたちは暫し、呆然と見つめていた。
「あいつ、大丈夫か?」
ロビンが首を掲げながら、ケーシーが掛けて行った方を振り向きながらそう言ってきた。
確かに、絡んできたのはあっちだったから、こちらも弁明の意も込めて返したのだが、ケーシーの思わぬ狼狽えぶりを目にしてしまった。
本人は仕切りに、アッシュの横領疑惑については関与を否定していたが、少し突いただけで顔色までが変わった。
何か知っているのは確実だ。
ケーシー自身は本人が言う通り関わってはいないが、今回の件について、奴は主犯を知っているんだろう。
しかも、その主犯が表に出れば、自分の立場が危うくなることも・・・
アッシュはそんな事を思いながら、ラドに向き直り口を開く。
「お前、わざと煽っただろう?あの場で、ケーシーに何らかのアクションを出さす為に・・」
ケーシーの狼狽えっぷりが目に入り、ラドが、この勢いで、疑惑の中身を暴露させるように仕向けたのだろう。
もし、あの時、アッシュが間に入らず、ケーシーに一発喰らわされたとしても、それはそれで、駐屯騎士の元へしょっ引く考えもあったんじゃないかと、アッシュは思っていた。
「さァ?」
しかし、ラドは「そんなことは思っちゃいないよ」と言いだし、馬を歩かせだす。
その姿に、アッシュは「相変わらず、素直じゃないやつ」とため息を零しつつ、少し微笑みを顔にきたす。
「ねえ、さっきのケーシーの話、本当に、あいつは知らないのかな?」
急に、ロビンがそんなことを口にし出した。
「知っているから、俺に喰ってかかって来たんだろうが?」
ラドが、ロビンの問い掛けに遠い目をしながら答える。
「じゃあ、やっぱり知っているんだよなぁ。知っておきながら、あいつはそれでも選挙に挑んでるんだよな・・・」
「何を当たり前の事を!」と言いながら、ラドが眉間に皺を大きく刻み込んでいた。
「いや、あいつ、苦しいのかと思って」
ロビンがケーシーが行った先を見つめながらそう言った。
「苦しい?そんな奴が、吹っ掛けて来るかよ!」
ラドがイライラしながらも、ロビンに言葉を返した。
「そうなんだけど。何か、上手く言えないけど。あいつ、凄く葛藤しているようにも見えて」
ロビンの言葉に、アッシュもケーシーが進んだ先を振り返り、彼の立場を思い起こしたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
『婚約破棄された悪役令嬢ですが、嫁ぎ先で“連れ子三人”の母になりました ~三人の「ママ」が聞けるまで、私は絶対に逃げません~』
放浪人
恋愛
「母はいりません」と拒絶された悪役令嬢が、最強の“ママ”になるまでの物語。
「君のような可愛げのない女は、王妃にふさわしくない」
身に覚えのない罪で婚約破棄され、“悪役令嬢”の汚名を着せられたクラリス。 彼女が新たに嫁いだのは、北方の辺境を守る「氷の公爵」ことレオンハルト・フォン・グレイフだった。
冷え切った屋敷で彼女を待っていたのは、無表情な夫と、心に傷を負った三人の連れ子たち。 「僕たちに、母はいりません」 初対面で突きつけられた三つの拒絶。しかし、クラリスは諦めなかった。
「称号はいりません。私が欲しいのは――あなたたち三人の『ママ』になれる日だけです」
得意の生活魔法『灯(ともしび)』で凍えた部屋を温め、『鎮(しずめ)』の歌で夜泣きを癒やし、家政手腕で荒れた食卓を立て直す。 クラリスの献身的な愛情は、頑なだった子供たちの心を解きほぐし、やがて不器用な夫の氷の心さえも熱く溶かしていく。
これは、不遇な悪役令嬢が「最強の母」となり、家族を脅かす元婚約者や魔獣たちを華麗に撃退し、最愛の家族から「ママ」と呼ばれるその日までを綴った物語。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる