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「ああ、かすかに感じます。もしかするとふつうより弱いかもしれませんが、風を生むことはできているようです」
そうなのか? 首を傾げてしまう。
「それにしてもハル殿、凄いですよ。三属性の魔法を使えるなど、伝説に残る王族ぐらいしかいないはず、今の王族貴族には存在しないでしょう」
そうなのか?
どうも三つともたいして大きな効果を見せていないので、実感が伴わない。
ここまで来たら、もう一つ。
土魔法だけは他と違って指先ではなく、地面に向けて魔素を放つ感覚だという。
試してみると。
目の前の地面が一瞬でぽっかり窪み、すぐ傍に土と砂利の小山ができた。
「おお何と、土の適性もあるのですか。四属性など、本当に聞いたこともありません!」
興奮して、科学者のひそめていた声が高まった。
慌てた様子で窪みに手を当てている。
「しかもこれ、ふつうの土魔法に比べて穴が大きいぐらいですよ。ハル殿は四つの適性持ちで、その中でも最も土が適しているのではないですか」
ふうん、と。相手の興奮に反比例して、あたしはしみじみと空いた穴を眺めた。
縦横50センチ、深さ20センチというところかな。確かに他の三つに比べてもはっきり魔法の効果が見えている。
土魔法の結果はふつうより大きい、水はふつう程度、火は小さい、風は不明、ということになるのか。
何にせよ、思いがけず魔法が使えることが分かって、嬉しい限りだ。ラノベなどに出てくるものに比べるとショボい気がしないでもないけど、この世界の標準との比較でこうなら文句を言ったらバチが当たる話だろう。
それに付随した辺りも、今のうちに調べておくべきかな。
考えて、あたしは少し川の方へ向けて進み出した。
マジックハンドをくいくいとそちら向きに動かしてみせると、エトヴィンは首を傾げた。
「えーと――あちらへ行ってみる、ということですか? もしかして、魔法をもっと確かめてみる、とか」
頷きを返す。
「じゃあ、気をつけて行ってください。夜明け前に戻ってくるのでしょうか」
頷く。
「火を離れると魔獣が寄ってくるかもしれないので、気をつけて。あと森の中で火魔法を使うと山火事の危険があるので、ということになりますが、河原なら心配ありませんね」
頷いて、川へ向けて走り出した。
川の流れに沿ったそこそこの広さの砂地で、いろいろ検証してみる。
数時間あれこれ確かめて、まだ夜明けに間があるうちに戻ることにした。一度充填した魔素だか何だかが少し減ったので、また休息をとる必要がある。
焚き火近くに戻ると、また見張り番が交代して橙騎士が石に腰かけていた。
一応見張りの目に触れないように迂回して、エトヴィンが寝ている傍に座を落ち着ける。
視界の隅のゲージで、充電が始まるのを確認する。
時刻は2時を回ったところで、聞いた通りエトヴィンの見張りが二時間程度だとしたら、再び眠りについて一時間ほど経過したくらいか。
心を落ち着ける感覚で、念じてみる。
すると、また周囲がぼんやりした薄闇に変わった。
少し離れて座っていた男が、顔を上げる。
『おお、戻られましたか』
『ああ、いろいろ検証することができた。とにかくも魔法を使えるように教えてくれて、感謝する』
『どういたしまして。と言うより、私としても驚きの経験をさせてもらいました。できましたらこれからも、ハル殿の活動を見守らせてもらいたいものです』
『お互い支障のない限り、だな』
『そうですね。ところでこの時間の検証というのは、聞かせてもらうことはできますか』
『ああ、この情報は共有しておいた方がいいと思う』
『そうですか』
そうなのか? 首を傾げてしまう。
「それにしてもハル殿、凄いですよ。三属性の魔法を使えるなど、伝説に残る王族ぐらいしかいないはず、今の王族貴族には存在しないでしょう」
そうなのか?
どうも三つともたいして大きな効果を見せていないので、実感が伴わない。
ここまで来たら、もう一つ。
土魔法だけは他と違って指先ではなく、地面に向けて魔素を放つ感覚だという。
試してみると。
目の前の地面が一瞬でぽっかり窪み、すぐ傍に土と砂利の小山ができた。
「おお何と、土の適性もあるのですか。四属性など、本当に聞いたこともありません!」
興奮して、科学者のひそめていた声が高まった。
慌てた様子で窪みに手を当てている。
「しかもこれ、ふつうの土魔法に比べて穴が大きいぐらいですよ。ハル殿は四つの適性持ちで、その中でも最も土が適しているのではないですか」
ふうん、と。相手の興奮に反比例して、あたしはしみじみと空いた穴を眺めた。
縦横50センチ、深さ20センチというところかな。確かに他の三つに比べてもはっきり魔法の効果が見えている。
土魔法の結果はふつうより大きい、水はふつう程度、火は小さい、風は不明、ということになるのか。
何にせよ、思いがけず魔法が使えることが分かって、嬉しい限りだ。ラノベなどに出てくるものに比べるとショボい気がしないでもないけど、この世界の標準との比較でこうなら文句を言ったらバチが当たる話だろう。
それに付随した辺りも、今のうちに調べておくべきかな。
考えて、あたしは少し川の方へ向けて進み出した。
マジックハンドをくいくいとそちら向きに動かしてみせると、エトヴィンは首を傾げた。
「えーと――あちらへ行ってみる、ということですか? もしかして、魔法をもっと確かめてみる、とか」
頷きを返す。
「じゃあ、気をつけて行ってください。夜明け前に戻ってくるのでしょうか」
頷く。
「火を離れると魔獣が寄ってくるかもしれないので、気をつけて。あと森の中で火魔法を使うと山火事の危険があるので、ということになりますが、河原なら心配ありませんね」
頷いて、川へ向けて走り出した。
川の流れに沿ったそこそこの広さの砂地で、いろいろ検証してみる。
数時間あれこれ確かめて、まだ夜明けに間があるうちに戻ることにした。一度充填した魔素だか何だかが少し減ったので、また休息をとる必要がある。
焚き火近くに戻ると、また見張り番が交代して橙騎士が石に腰かけていた。
一応見張りの目に触れないように迂回して、エトヴィンが寝ている傍に座を落ち着ける。
視界の隅のゲージで、充電が始まるのを確認する。
時刻は2時を回ったところで、聞いた通りエトヴィンの見張りが二時間程度だとしたら、再び眠りについて一時間ほど経過したくらいか。
心を落ち着ける感覚で、念じてみる。
すると、また周囲がぼんやりした薄闇に変わった。
少し離れて座っていた男が、顔を上げる。
『おお、戻られましたか』
『ああ、いろいろ検証することができた。とにかくも魔法を使えるように教えてくれて、感謝する』
『どういたしまして。と言うより、私としても驚きの経験をさせてもらいました。できましたらこれからも、ハル殿の活動を見守らせてもらいたいものです』
『お互い支障のない限り、だな』
『そうですね。ところでこの時間の検証というのは、聞かせてもらうことはできますか』
『ああ、この情報は共有しておいた方がいいと思う』
『そうですか』
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