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37 捕獲された 1
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わああああーーーー!
声にならない悲鳴。
何とも言えない浮遊感。
力任せに蹴り上げられたらしく、あたしは数秒間宙に舞っていた。
それでもすぐに、下降が始まり。草の上に打ちつけられ、転がる。
止まった格好は、推定百三十五度程度横倒しになったというところか。出したままのマジックハンドで転倒が支えられている。どうも、ハンドのシャフトに折れたような箇所はないようだ。
後ろを窺うと、魔獣から二~三十メートル距離をとったことになりそうだ。彼奴は足を負傷したせいだろう、尻餅をついてじたばたしている。
急いで、逃げなければ。
こちらの方が力がありそうだ、とマジックハンドを引っ込めながら潜望鏡を伸ばす。長い支柱を突っ張らせて、かたんと車体は正常姿勢に戻った。
相手が追ってくる前に、と全速前進。
見ると、林の前に三人の男が立ち止まってこちらを窺っている。
――さっさと逃げればいいのに。
マジックハンドを何度も林奥方向へ振ってみせると、頷いて三人は動き出した。
後ろを見ると、大熊はのそのそとこちらへ歩き出している。
目と片方の後ろ足をわずかに損傷した程度で、まだ走るくらいはできるだろう。それでも、本来の全力疾走にはならないんじゃないか、と思う。
それきり、全速で木々の間に飛び込む。
少し前を走る三人は、もう振り返らず木立の隙間を縫っている。
とりあえずは、それを追うだけだ。幸い、キャタピラ走行が妨げられるほどの悪路にはなっていない。
しばらく直進、やがて左折し、走り続ける。やや迂回することになるけど、元の道筋に戻るつもりなんだろう。
かなり進んで、男たちは足どりを緩めた。
「もう、追ってこないか?」
「気配はありませんな」
「大丈夫と思われます」
とりどりに膝に両手を当て、荒い息をついている。
追いついていくと、エトヴィンが汗まみれの顔に笑みを浮かべた。
「助かりました、ハル殿。またあなたに、命を救われました」
何の何の、とハンドで頷く。
「よく見えませんでしたが、また水魔法で目を攻撃したのですか。風魔法も使った?」
頷く。
「凄いです、あの凶悪な魔獣相手に。最後反撃を受けていましたが、怪我などはないのですか」
頷く。
「そのハル殿の身体、頑強なのですね」カルステンが声を上げた。「蹴られて、三十ガター(メートル)ほどは飛ばされたのではないですか。それで無傷とは」
「確かに、見た目傷などはありませんな」ヘルビヒも唸っている。「なるほど、その頑強さがあるので無茶もできるのですな」
「その小さな身体であの魔獣に向かっていくとは、肝を冷やされましたが、本当に助かりました」
エトヴィンが頭を下げ、護衛たちもそれに倣う。
気にするな、と手を振ってやる。
カルステンが後方遠くを見やる仕草になった。
「まだ姿は見えませんが、匂いを辿ってしつこく追ってくる可能性もあります。今のうちに先へ進んでおくべきでしょう」
「そうだな」
息を整えて、一行は速歩の進軍を再開した。
ほぼ道のない林の中をしばらく進み、やがて細いながらも踏みしめられた跡を見つける。
これが元の進路ということで、辿る径路に戻った。
行く手と後方、両方向から気を急かされる格好で数時間進み、少し開けた岩場で休息をとることにする。
午をかなり過ぎたが食事をということで、腰を下ろして三人は干し肉を囓った。
声にならない悲鳴。
何とも言えない浮遊感。
力任せに蹴り上げられたらしく、あたしは数秒間宙に舞っていた。
それでもすぐに、下降が始まり。草の上に打ちつけられ、転がる。
止まった格好は、推定百三十五度程度横倒しになったというところか。出したままのマジックハンドで転倒が支えられている。どうも、ハンドのシャフトに折れたような箇所はないようだ。
後ろを窺うと、魔獣から二~三十メートル距離をとったことになりそうだ。彼奴は足を負傷したせいだろう、尻餅をついてじたばたしている。
急いで、逃げなければ。
こちらの方が力がありそうだ、とマジックハンドを引っ込めながら潜望鏡を伸ばす。長い支柱を突っ張らせて、かたんと車体は正常姿勢に戻った。
相手が追ってくる前に、と全速前進。
見ると、林の前に三人の男が立ち止まってこちらを窺っている。
――さっさと逃げればいいのに。
マジックハンドを何度も林奥方向へ振ってみせると、頷いて三人は動き出した。
後ろを見ると、大熊はのそのそとこちらへ歩き出している。
目と片方の後ろ足をわずかに損傷した程度で、まだ走るくらいはできるだろう。それでも、本来の全力疾走にはならないんじゃないか、と思う。
それきり、全速で木々の間に飛び込む。
少し前を走る三人は、もう振り返らず木立の隙間を縫っている。
とりあえずは、それを追うだけだ。幸い、キャタピラ走行が妨げられるほどの悪路にはなっていない。
しばらく直進、やがて左折し、走り続ける。やや迂回することになるけど、元の道筋に戻るつもりなんだろう。
かなり進んで、男たちは足どりを緩めた。
「もう、追ってこないか?」
「気配はありませんな」
「大丈夫と思われます」
とりどりに膝に両手を当て、荒い息をついている。
追いついていくと、エトヴィンが汗まみれの顔に笑みを浮かべた。
「助かりました、ハル殿。またあなたに、命を救われました」
何の何の、とハンドで頷く。
「よく見えませんでしたが、また水魔法で目を攻撃したのですか。風魔法も使った?」
頷く。
「凄いです、あの凶悪な魔獣相手に。最後反撃を受けていましたが、怪我などはないのですか」
頷く。
「そのハル殿の身体、頑強なのですね」カルステンが声を上げた。「蹴られて、三十ガター(メートル)ほどは飛ばされたのではないですか。それで無傷とは」
「確かに、見た目傷などはありませんな」ヘルビヒも唸っている。「なるほど、その頑強さがあるので無茶もできるのですな」
「その小さな身体であの魔獣に向かっていくとは、肝を冷やされましたが、本当に助かりました」
エトヴィンが頭を下げ、護衛たちもそれに倣う。
気にするな、と手を振ってやる。
カルステンが後方遠くを見やる仕草になった。
「まだ姿は見えませんが、匂いを辿ってしつこく追ってくる可能性もあります。今のうちに先へ進んでおくべきでしょう」
「そうだな」
息を整えて、一行は速歩の進軍を再開した。
ほぼ道のない林の中をしばらく進み、やがて細いながらも踏みしめられた跡を見つける。
これが元の進路ということで、辿る径路に戻った。
行く手と後方、両方向から気を急かされる格好で数時間進み、少し開けた岩場で休息をとることにする。
午をかなり過ぎたが食事をということで、腰を下ろして三人は干し肉を囓った。
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