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そこは、南国。獣人の里
2-2 決断
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「分かっタ。では、ワシは町で買い物をして来よウ。
君達が、逃げないと言う言葉を信じるからナ」
ダクザは、鉄仮面をかぶり直し部屋のドアを開けて
行ってしまった。残されたのは、リリシとアミルアの二人だけ。
「拍子抜けしましたわね」
「うん。まさかこんな事になるなんて。どうする?
獣人の里にこのまま行く?」
「うーん。目的地から随分離れてしまいますけど……
それにこの大陸に戻って来られると言う保証がありませんわ」
「このまま自由になっても、お金なんて1シルバも持ってないし
それにここが何処かも分からない……。
下手をしたらまた奴隷として捕まってしまうのかも」
「リリシはどうしたいのです?」
アミルアは、茶色の瞳を瞬かせるとリリシの答えを待つ。
その答えがどうであれ、アミルアはリリシに付いて行く覚悟はあった。
「私、考えたんだけどダクザさんには恩があるからね。
大金をはたいて、私達を買って、自由に近い身にしてくれた。
だから獣人の里に一度行ってみてもいい……と思う。
あの少年の事は、気になるけど……」
「はぁ、そう言うと思ってましたわ」
「ねぇ、アミルア。私は大きなお金の価値が分からないけど6万シルバって
どれぐらいの金額なの?」
「民間人が、10年の間何不自由なく暮らせる程の大金ですわね。
それを迷いなくポン!と出せたダクザさんは、相当のお金持ちかと……」
10年も……とリリシは、吃驚したように目を見張った。
そんな大金に対するお礼を、どうすれば出来るのかリリシには見当もつかない。
だけど、獣人の里に行くと言う選択肢を選べば。
何か、お返し出来る事があるかもしれない。私には、創成魔法があるから。
リリシは、その決意をアミルアに語るとそのまま宿のフカフカのベッドに
座り込んでその柔らかさを楽しんでいた。
こんなに、快適な部屋で過ごすのは凄く久しぶりな気がした。
やがて、日が暮れかける頃。ダクザが、宿に戻って来る。
手には、大きな紙の袋を持ち背中には膨らんだリュックを背負っていた。
「君達が、着る服を買って来たのだガ……」
紙袋を、差出しながらダクザが少し照れ臭そうな雰囲気を見せていた。
「まぁ、気を使って貰って。ありがとうございますわ」
アミルアが、袋を開けると中には黒い上品なワンピースと
白のブラウスに、焦げ茶のロングスカートが入っていた。
「着替えている間、ワシは部屋の外に出て見張っていよウ」
「ふふっ、別に不届き者なんて来ないよ?」
ダクザが、冗談に近い事を言ったので思わずリリシは笑った。
だけど、その気遣いが嬉しい。
ダクザが、外へ出たのを確認した後に二人は、部屋の中で
早速着替えを始めるのだった。
君達が、逃げないと言う言葉を信じるからナ」
ダクザは、鉄仮面をかぶり直し部屋のドアを開けて
行ってしまった。残されたのは、リリシとアミルアの二人だけ。
「拍子抜けしましたわね」
「うん。まさかこんな事になるなんて。どうする?
獣人の里にこのまま行く?」
「うーん。目的地から随分離れてしまいますけど……
それにこの大陸に戻って来られると言う保証がありませんわ」
「このまま自由になっても、お金なんて1シルバも持ってないし
それにここが何処かも分からない……。
下手をしたらまた奴隷として捕まってしまうのかも」
「リリシはどうしたいのです?」
アミルアは、茶色の瞳を瞬かせるとリリシの答えを待つ。
その答えがどうであれ、アミルアはリリシに付いて行く覚悟はあった。
「私、考えたんだけどダクザさんには恩があるからね。
大金をはたいて、私達を買って、自由に近い身にしてくれた。
だから獣人の里に一度行ってみてもいい……と思う。
あの少年の事は、気になるけど……」
「はぁ、そう言うと思ってましたわ」
「ねぇ、アミルア。私は大きなお金の価値が分からないけど6万シルバって
どれぐらいの金額なの?」
「民間人が、10年の間何不自由なく暮らせる程の大金ですわね。
それを迷いなくポン!と出せたダクザさんは、相当のお金持ちかと……」
10年も……とリリシは、吃驚したように目を見張った。
そんな大金に対するお礼を、どうすれば出来るのかリリシには見当もつかない。
だけど、獣人の里に行くと言う選択肢を選べば。
何か、お返し出来る事があるかもしれない。私には、創成魔法があるから。
リリシは、その決意をアミルアに語るとそのまま宿のフカフカのベッドに
座り込んでその柔らかさを楽しんでいた。
こんなに、快適な部屋で過ごすのは凄く久しぶりな気がした。
やがて、日が暮れかける頃。ダクザが、宿に戻って来る。
手には、大きな紙の袋を持ち背中には膨らんだリュックを背負っていた。
「君達が、着る服を買って来たのだガ……」
紙袋を、差出しながらダクザが少し照れ臭そうな雰囲気を見せていた。
「まぁ、気を使って貰って。ありがとうございますわ」
アミルアが、袋を開けると中には黒い上品なワンピースと
白のブラウスに、焦げ茶のロングスカートが入っていた。
「着替えている間、ワシは部屋の外に出て見張っていよウ」
「ふふっ、別に不届き者なんて来ないよ?」
ダクザが、冗談に近い事を言ったので思わずリリシは笑った。
だけど、その気遣いが嬉しい。
ダクザが、外へ出たのを確認した後に二人は、部屋の中で
早速着替えを始めるのだった。
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